山域 吾妻連峰
コース 板谷駅〜五色温泉〜霧ノ平〜家形山〜吾妻小舎
〜少し変わったコースで〜
日程 2008年5月17日

 今冬に吾妻小舎を使用させてもらったお礼を言いに吾妻小舎へ伺うことにした。
 折角なので、普段は使わないルートを登りにとることにした。色々コースがあって迷うが、一昨年苦労して下降した霧ノ平から入ることにした。
 霧の平へは、滑川温泉からではなくこれまた通ったことのない五色温泉からアプローチすることにした。
データ アプローチ
東京駅八重洲口23:59-福島駅6:10/7:15−板谷駅7:39

コースタイム
5月17日(晴れ)
板谷駅7:40〜(途中拾われる)〜五色温泉8:35〜東海大緑樹山荘分岐10:00〜霧ノ平11:05〜家形山13:41〜一切経山14:45〜吾妻小舎15:47


5月17日(晴れ途中にわか雪)
コースタイム; 板谷駅7:40〜(途中拾われる)〜五色温泉8:35〜霧ノ平11:05〜家形山13:41〜一切経山14:45〜吾妻小舎15:47

吾妻スキー場が閉鎖されて、遠藤さんが昨年から冬季に吾妻小舎へ入らなくなってしまい、そのため我々もなんだか不安で吾妻小舎へ冬訪れることはしなかった。
今年我々だけの吾妻小舎泊まりに挑戦し、なんとかこなすことができた。
その報告と、小舎を快く使用させてくださったお礼を言いに吾妻小舎へ訪問し、おいしいご飯目当てに宿泊することにした。
小舎へのルートは、霧ノ平経由とにした。
行程が長くなるのと、スキーを持っていないのでJRバスが使えるということで、夜行バスでのアプローチとした。

早朝の福島駅はまだ肌寒かった。
駅前のマクドナルドで朝食を摂りながら、米沢行の初電を待つ。
暖かい車内で身支度を整えて、板谷駅で下車。
降りたのは我々だけだった。

いつもならば駅周辺を少し見てから出発するのだが、今日は長丁場の為そそくさと出発。なにしろ電車でのアプローチだと、登山口となる五色温泉までコースタイムで1時間30分も余計に歩かなくてはならないからだ。
荷物が軽いのが幸い。それでも単調な車道歩きはすぐに飽きてくる。途中途中の「ジークライト」という標識が目に付いた。なんとかライトということから、なにかの鉱物のような名前だが、なんなんだろう。(後日調べた所、地図にも載っている「板谷鉱山」から採れるゼオライトの採掘から加工販売までしているジークライト株式会社のことだった。なんでも板谷鉱山のゼオライトは世界的にも良質なのだそうな。)

ジークライトの詮索もすぐに飽きてしまい、分かってはいるものの車道の長さに辟易していると、車が脇を通過していく。
車はいいなあと通り過ぎるたびに口に出していると、我々に救いの手が。「乗って行きませんか?」正しく神の声。
勿論断るわけもなく、御厚意に甘えた。
お陰で1時間近くも時間を短縮することができました。ありがとうございます。

五色温泉からの取りつきで少しうろうろしてしまったが、時間と気持ちに余裕が生まれたので焦ることなく無事登山道へ突入。
登山道といっても、しばらくは林道のような幅広の道になったりなんとなく里山の雰囲気だ。途中木の枝を拾って杖とした。
ここは水場のマークが一切ないが、残雪・融雪期であるためか、ガレ沢のようなところから冷たい水を汲むことができた。
天気がよくなり、暑くなって汗もかいていたので水の冷たさが有りがたかった。

東海大緑樹山荘分岐には、倒れていたが道標があった。
分岐から先はいきなりヤブっぽくなった。
まだ芽吹きが始まったばかりなので、あまりわずらわしくないが、葉が茂るとうるさそうだ。
ササもさほど伸びておらず、順調に歩を進めていく。

高倉山の麓を巻くように付けられている登山道からは、左に聳える高倉山はもちろんのこと、これから向かう家形山もすっきりと見ることができた。これだけ視界がいいのも珍しい。
分岐から20分ほどで登山道脇に残雪がちらほら見られるようになってくると、灌木が被さってくるようなことがなくなる代わりに、笹薮が勢力を伸ばしてくるようになった
道ははっきり分かるが、背丈ほどに伸びた笹が両脇から覆いかぶさっているので、ガサガサとかき分けて進むようになった。ササが乾いているのが幸いだ。
高倉山の巻きが終わり尾根に乗れば笹薮とはオサラバだ。

一気に薮がなくなったガレと荒れ地となり、一気に周りが開けた。
主稜線は少し雲がかかっているが、眺めは十分。主稜線はまだまだ白いが、眼下は芽吹いたばかりの萌黄色が点在して、針葉樹の森の中を歩く吾妻の稜線からでは、なかなか見られない光景だった。

涼しい風を受けながら、気分良く進んでいくと間もなく、一昨年家形山から苦労してやっと辿りついた霧ノ平そして、滑川温泉への下降点だ。
ぼーっとしていると見落としてしまいそうな道標と今回も静かに鎮座しているお地蔵様を発見して一安心。
ここからは、尾根をただ登って行けばいいのでルートに気を使うことはない。
霧ノ平で少し休憩した。

ここから5分ほど歩くと、滑川温泉へのもう一本の下降ルートである神楽新道の分岐があった。
霧ノ平のお地蔵様のように特別な碑があるわけではないので、ここは更に見落としやすそうだった。
次のポイント神楽岩辺りでは残雪を踏む所があった。
神楽岩はなぜだか、見落としたのか写真を撮っていなかった。

冬でも雪がつかない白浜は、当たり前だが全く雪がない。
尾根の形状が顕著になると、これまで緩やかだった登りが急になってくる。木の根が階段状になった道となった。
スキーで下りたときは、大きな段差のうねる雪堤状のところを通ったので、きちんと?道を通るのは初めてだ。

針葉樹の森なのでどうしても暗くなるが、所々についたポイントの標識に心なごんだ。中には石楠花小路としゃれた場所もあった。確かに石楠花が多かったので、花の時期に再訪してみたいと思った。
標高を上げるに従い、登山道にも残雪が覆いかぶさっている状態が長くなってきた。
尾根が完全に残雪に覆われると、傾斜もますます急になった。とうとう一昨年苦労した場所の一つである急斜面だ。ここではモコモコさんが滑落したのだったなあ。
あの時と違い、雪も適度に柔らかいので、ピッケルなしでもキックステップで簡単に登って行けそうだ。
滑落がトラウマになっているモコモコさんが先行するのを嫌がったので、先頭を交代して登った。思った通りキックステップが良く効いた。最後少し硬いところもあったが、問題はない。
続くモコモコさんも、ステップを使って楽々通過。

更に、苦労した場所の一つである稜線直下のもちゃくちゃ地帯は、この時期で徒歩だと、何故あんなに苦労したのかと思うほどで、逆にどんどん高度を稼ぐことができる爽快な登りだった
家形山の頂上台地にヒョコっと飛び出すと、今日の主な登りは、残すところ一切経山への登り返しだけだ。
やったねと雲もない空をひょいと見上げると、うれしいことに樹の上にはまるで木の一部にでもなったかのようなホシガラスさん発見。やったね!が倍増した。

天気がよく、雪も締まっているので快適に家形山の肩へ移動。
五色沼はまだ凍っていた。
姥ケ沢の源頭部となる五色沼のコルを吹き抜ける風は、冬と違って穏やかでそよ風そのもの。最高に気持ちがいい。
しかし、一切経山にはあやしい雲がかかり始めていた。

まだ冬期ルートで山越えできそうだが、夏道ルートで浄土平へ向かう。
再び残雪を踏んで登り、雪がなくなったころからポツポツと降ってきた。
先ほどの雲の中へ入ってしまったらしい。最初は雨具なしで行けそうだったが、山頂へ近付くにつれ降りも激しくなってきたので雨具を着た。
この時期なので、雨ではなくみぞれ混じりの雪となった。
山頂の広場もうっすらと白い所ができていた。寒いので写真だけ撮って通過。

酸ケ平へ下降していくと、天気も落ち着いた。どうやら一切経山山頂付近だけの悪天だったらしい。
鎌沼は半分ほど氷が融けていた。間もなく水面が全開しそうだ。
冬期ルートの前大巓と一切経のコルからの斜面はまだスキーが楽しめそうだ。
ここまでくれば吾妻小舎まで1時間ほど。予定よりも早めに着いて小舎でのんびりできそうだ。

順調に小舎へ到着し、楽しみにしていた夕食をおいしく頂き遠藤さんの暖かさに癒された。
翌日はどこにも寄らずに帰るので、消灯までのんびりと過ごし楽しく快適な一夜を過ごした。


分岐先の薮から家形山 笹薮が深くなってきた
尾根に出た 霧ノ平
肝心の岩の写真なし 白浜
御神木 登ってきた
登ってきたところが一望できた 「熊のお宿」だそう(*^_^*)
東大巓方面 一切経山の肩が近くなった
ホシガラスさん 頭を出してきた
五色沼はまだ凍っている あとは一切経山を登るだけ
空気大感謝塔 鎌沼はかなり解けていた
酸ケ平避難小屋 快適な今晩の宿「吾妻小舎」



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