下田山塊
笠堀川 光来出沢
〜初めて訪れた山塊に美渓あり〜
2008年7月19日〜7月21日

ここ最近めっきり暑さが増した。
今シーズン宴会山行しかしていなかったが、沢も本格稼動することにした。
行き先はこれまで行ったことのない下田山塊だ。
情報もあまりないが、途中までは釣人が結構入っているみたいだ。
天気もよさそうなので、折角来たのだからバックウォーターからはあきらめるが、大川出合から入渓することにした。
地形図1/25000;光明山,粟ヶ岳

アプローチ
新宿駅23:10〜東三条駅4:14/タクシーで笠堀ダムへ(約25分)

コースタイム

7月19日
 笠堀ダム5:50〜バックウォーター7:40〜大川出合8:30/9:40〜白根丸淵11:25〜東又沢出合13:40〜シリヒキ沢出合14:10

7月20日
 BP6:24〜100mゴルジュ入り口9:42/出口10:44〜15m両門の滝12:26〜ロボット小屋15:38〜一本岳16:00〜粟ヶ岳17:00

7月21日
 粟ヶ岳6:44〜粟薬師8:36〜いい湯らてい11:30頃


7月19日

コースタイム 笠堀ダム5:50〜バックウォーター7:40〜大川出合8:30/9:40〜白根丸淵11:25〜東又沢出合13:40〜シリヒキ沢出合14:10


満席のムーンライトは定刻に出発。
山装備の人達も結構いるが、東三条で降りた登山者は我々だけだった。
5:00に予約したタクシーに乗り込んで笠堀ダムへ。
下田へと向かう途中に運転手さんから粟ヶ岳を教えてもらう。標高はあまり高くないのにとても立派だ。
粟が岳はこのあたりの学校の校歌に歌われるふるさとの山らしい。

ダムに着いて、楽しい運転手さんと別れ支度をしていると声をかけられた。
我々同様光来出沢へ入るとのことだ。

ダムの堰堤を渡り右岸につけられた山道を行く。先行者の足跡があった。
道は思ったよりもしっかりしているが、標高が低く、昨晩降った雨のせいで蒸し暑くて歩みが進まない。
標高が低いのに谷は深く、流入する枝沢も小さくてもしっかりとしている。

小沢が頻繁に入るので水には困らないが、そのたびに回り込まなくてはいけないので距離の割に時間がかかる。
途中山人モコモコさんともヒルに一匹ずつ取り付かれそうになったが被害はなく、一匹しとめることができた。

バックウオーターの終わりに着くと、先行者二人が休んでいた。
泳ぎ主体の格好をしてるのでサウナスーツのようになってしまったらしい。モコモコさんが、「大川ですか?」とたずねると予想とおり大川へ入るとのことだった。

このお二人はバックウオーターから入渓していった。
我々は大川出合まで山道を使うが、道はしっかりしているもののだんだんと藪がうるさくなってくる。
いきなりスラブに幅20cmほど削られたトラバース道が現れる。
太陽が照り付けてきて熱された鉄板のようになってきている。

山道が再び樹林に入ると大川出合だ。
出合には簡単に降りられると思ったが、結構な高さのがけとなっていて、なかなか降りる場所が見つからない。
そのうちにバックウオーターから入渓していった二人が現れ大川に入っていった。
うろうろした挙句、懸垂でようやく降り立ったときには1時間近く時間を浪費してしまっていた。やれやれ。(30mザイルでギリギリ届いた)
休憩しているうちにダムで出合った人とは別の4人パーティーがバックウオーターから遡行してきた様子で現れた。
水量が多くないのでバックウオーターから入った方が早くて快適だったかもしれない。
この4人パーティーも大川へ入っていった。
なんだか大川は人気があるみたいだ。

さらに4人パーティーが到着して今度は光来出沢へ入るとのことだ。
時間を調整するため休憩時間を延長して我々も後に続く。
少し光来出沢へ入ると、懸垂せずに降りられそうな場所があった。
すぐに石小屋沢が滝をかけて入りそのさきに大きく右に曲るところはプールとなっている。
覗き込むと先行パーティーが奥の小滝を越えるのに時間がかかっているようだ。

そこで再度休憩をとる。
休憩しているとオニヤンマが目に入る。よく見ると2〜3匹がいるのだ。こんなの見たのははじめてだ。
この後もオニヤンマを見るのがめずらしくないほどいた。逆に普通サイズのトンボがいなかった。

先行パーティーが越えたのを見計らって我々も再出発。プールを胸まで浸かりへつっていって小滝横の岩を登るがこれがちょっと大変だった。
モコモコさんは空身で挑むが、這い上がれず山人はしょっぱなから大物を釣り上げることになった。

光来出沢のゴルジュがいらっしゃいとばかりに始まる。
水が冷たくなく暑いので、思い切ってへつり、ジャンプ、飛び込み、泳ぎを交えて進む。
ゴルジュの奥に登れないような滝がかかっているのが見えたので、一度山道にあがって巻くことにする。
踏跡がしっかりしていて、巻くのは楽だが、沢が川原になっているのが見えてもなかなか降りられるようなところがない。
やっとみつけた下降点から沢床へ降りると穏やかな流れとなっていた。

少し進むと川原に4人パーティー(Bチームと呼ぶことにする)が見えた。
ダムであった人(Aチームと呼ぶことにする)とは別パーティーだ。
山道を使ってきたらしい。
今日これで我々を含め4パーティーが入っているらしい。予想以上の人気だ。

すぐに白根丸淵だ。
ホールドが細かいものの豊富で直登できる。念のためモコモコさんにはお助け紐を出すが難なく登ってきた。

ここからの光来出沢は楽しいという言葉しか浮かばないような、へつり、泳ぎで快適に進む
Bチームとは前後するが、皆笑顔だ。

東又沢出合い直前でAチームと再会する。
山道を直前まで使ってきたらしいが暑くて大変そうだった。
東又沢出合からミニ中津川の白滑八丁というようなところを抜けると、入渓して初めての広川原に出る。
思ったよりも小さいシリヒキ沢出合いだ。このあたりの川原は後続にゆずって、我々は少し先に砂地があり増水には弱そうだが、今晩天気も良さそうだし夜行の疲れが残っている為、まだ14:00過ぎであるがここに泊まることに決定。

幕営準備を始めると、Bチームがもう少し頑張るといって通過していった。
さらにほどなくして、Aチームも到着。Aチームもどうやらこのあたりで泊まるらしく幕営準備を始めた。

対岸にあるぶな林がら流れ出るおいしい水を汲んで、焚き火も点けたところでくつろぎタイム。
アブもまだ発生しておらず、静かで涼しく最高だ。
のんびり飲んで、焚き火のそばで居眠りをして気がつくとあたりが暗くなったのをきっかけにカヤライズに入って本格的に眠りについた。


ダムの対岸にある山道を行く 山道は暑い。早く水に入りたい。
振り返る よくこんなところに道を作ったな 大川が出合う。ここから入渓
光来出沢 早速腰まで水に浸かる  先行するパーティーが滝に取りついている
最初の滝を登ってへつるモコモコさん 滝上から
光来出沢ゴルジュを先行するパーティー 先行パーティーの苦戦を見てさっさと巻きに入った
白根丸淵 別のパーティーが先行していた 白根丸淵 見た目よりも快適に登れた
距離は短いが足がつかないほど深い なんでもないところでも大きな淵がある
東又沢を過ぎるとぐっと開ける ちょっとした小滝 楽しく越えられる
まるでミニ白滑八丁 ブナ森からの清水のほとりで幕営 対岸にはAチームが幕営



7月20日
コースタイム BP6:24〜100mゴルジュ入り口9:42/出口10:44〜15m両門の滝12:26〜ロボット小屋15:38
一本岳16:00〜粟ヶ岳17:00



今日は、標高350m足らずから1293mの粟ヶ岳まで詰め上げる。
Aチームは早々と出発していった。

我々は、明日中に下山できるめどが立つところまででいいやとAチームから遅れて出発。
昨夜の天気予報では晴れるということだったが、曇り空だ。

昨日ほどではないが、時折胸まで水に浸かってのへつりがありなかなか楽しい。
崩ー沢を過ぎると小滝が連続してかかる。3mほどの滝は登れず巻いた他はすべて登れる。
川原状になり暫くでシシマキ沢が出合う。

少し眺めの休憩をとり、先へ進むとまた小滝が復活する。
フリクションが効いて登りやすい。

これまでの中で一番滝らしい10m斜滝は右から巻き気味に簡単に越えた。
10m斜滝の先で突然連瀑帯が始まる。一段目を登ってから左の岩を登り沢へ降りると幅2mのゴルジュの核心部だ。

一段目二段目は登れたが、三段目のCS滝が登れない。
そこで二段目を降りて、左岸に巻きにあがるが、途中の一歩のホールドが乏しく一苦労だった。
巻き上がるとAチームがなぜか後から巻いてくる。話をすると、右岸をまいたところ巻けずに戻って巻きなおしてきたとのことだ。
モコモコさんを迎えて我々も巻きにかかる。
Aチームはゴルジュ全体を一気に巻いてしまったようだが、我々は登れなかったCS滝の上部へ潅木を使って下降する。
ゴルジュの出口には2段15m滝がかかっていた。
比較的簡単に登れそうだったが、いざ取り付いてみると、上部のホールドが乏しく、ドロドロで苦労した。上から岩がデーンと屋根のように押さえつけている。足を壁にツッパったり、頭を岩につっかい棒のようにしてジリジリと登った。一番の核心部だった。
モコモコさんもなんとか登りきったが、ザイルで確保してはいたものの滑落の恐怖で悲鳴を上げていた。

ゴルジュの上は信じられないくらい穏やかだ。
この一登りで疲れたので、日が差してきたこともあり休憩。

あとは小滝を快適にぐいぐい越えて両門の滝に到着。
滝上にはAチームの方がいた。

最初右滝を少し登って左滝に移ろうとしたが、思ったよりもスタンスがないので、結局左滝の横の窪を登った。ここも泥とコケで滑りやすく少しいやらしかった。

滝上は一気に源流の雰囲気であっという間に水が突然大量に湧き出しているところで終わった。
右の尾根に登り、これから藪こぎ開始だ。
尾根上の藪は思ったよりも薄かったが、先が長い。
稜線手前は急で滑りやすく、モコモコさんは頻繁に足を滑らせてバルタン星人へと変身するのであった。

ようやく三ツ鼻の雨量観測小屋へ着いたときにはへろへろだった。
ここからはしっかりと踏み跡があるので楽だ。
一本山と小さなプレートがある目立つピークから先を見ると粟が岳は遠くに見える。

一本岳1240mからは恨みたくなるような急なくだりで折角稼いだ標高をどんどん下げていく。
鞍部が草地になっていたので、そこで泊まることをモコモコさんに提案したが、「これから雨が降るよ。雨の後の泥々を登るのやだ。山頂までがんばろう。」と却下される。

藪漕ぎの途中から曇って日差しがないのが救いだ。
粟が岳山頂は広く切り開かれている。
モコモコさんから「ここまでくればあとはどこで泊まるかどうかの判断は任せるよ。」と言われ、山頂で泊まることにした。

早速タープを張り、着替えを済ませたところで寛ぐ。
山頂にはこれまであまり見なかった普通のトンボが飛び交っていた。
日が暮れて街明かりがよく見えるようになった。
これで花火とかが見えると最高なんだけどなあ、と話していると風が出てくる。
モコモコさんが早めにタープを低くしておいてくれたのでその後夜中まで結構雨風があったが、ゆっくり休めた。

残念ながらくもり空 柳丸淵
何気ない所がとても美しい沢だ この滝を越えるとシシマキ沢出合
小滝が続く トンボさんに癒される
ナメ小滝 10m斜瀑
ゴルジュ入口 ゴルジュを水線通しで突破
ゴルジュ突破中のモコモコさん ゴルジュ出口の滝
晴れてきた 明るく開けてくる
両門ノ滝 やっと稜線、観測小屋も間近(モコモコさんを探せ)
粟ヶ岳はまだ遠い 後ろを見る


7月21日
コースタイム 粟ヶ岳6:44〜粟薬師8:36〜いい湯らてい11:30頃

最終日はのんびり下山し、「いい湯らてい」で汗を流した。ここでもう会えないだろうと思っていたAチームの方にばったり遭遇。
お互いの労をねぎらって初の下田の沢は終了した。


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