吾妻連峰
滑川温泉〜明月荘〜東大巓〜家形山〜(ガンチャン落し)〜家形山避難小屋〜高湯温泉
〜吾妻の中でも屈指の静かなコース〜
2009年5月15日〜5月16日 

昨年に続き吾妻連峰へ北面から登ることにした。
コースとしては、大滝沢遡行の際に半分だけ通ったことのある滑川温泉〜明月荘コースとした。
このコースは昔の鉱山の名残があって楽しかった思い出がある。

アプローチ

東京駅06:04〜福島駅07:38/8:07-峠駅8:39

コースタイム

5月15日
峠駅〜滑川温泉10:00/10:22〜大滝展望台10:49〜姥湯分岐13:30〜潜滝下渡渉点14:11/14:30〜尾根上15:40〜明月荘16:40
5月16日
明月荘5:35〜東大巓6:00〜昭元山6:55〜ニセ烏帽子山8:20〜兵子分岐8:40〜(兵子往復10分)〜家形山10:10〜五色沼のコル(がんちゃん落し入り口)10:09〜家形避難小屋10:20/11:00〜高湯温泉13:20


一日目 5月15日
峠駅〜滑川温泉10:00/10:22〜大滝展望台10:49〜姥湯分岐13:30〜潜滝下渡渉点14:11/14:30〜尾根上15:40〜明月荘16:40

峠駅では我々の他に二人降りただけだ。
峠の力餅を売っていたが、買わなかったので後で後悔した。駅構内から出ると冷たい風が強く吹いていて寒い。また、昨日は雨が降ったらしく水溜りがあった。
滑川温泉へと歩き始めると、峠ノ餅屋の犬が遠くから吠えている。吠えてはいるものの放し飼いでも敷地からは一切でない賢い犬らしい。また遠目でもかわいい犬らしいことが分かる。後日調べたところ、餅屋の看板犬「ギボシ丸」君らしい。今度ゆっくり遊んでもらいたいものだ。

 歩き始めてまもなくだが、あまりにも寒いのでアンダータイツをはいて帽子をかぶった。
滑川温泉へついて吊橋を渡ってから行動食をほおばる。

 大滝展望台までは良く手入れされていて歩きやすい道だ。
展望台から少しだけ尾根歩きとなるが、すぐに鉱山の軌道跡を利用した山腹のトラバース道となる。
 一本目の沢を渡る前に少し残雪が登山道を覆っているところがあったが問題なし。
標高1000mくらいになると雨ではなく雪が降ったらしく登山道にはうっすらと雪がついていた。どうりで寒かったわけだ。
 ふと前を見るとカモシカくんがこちらを見ていた。迷惑そうにしていたが、こちらとしても行き先が同じなので仕方なくカモシカ君のいるほうへと歩き出すと、あっという間にカモシカ君は走り去っていった。
かなりの距離でカモシカ君の足跡があった。大滝沢にかかる壊れた釣り橋が見えるようになると、残雪歩きをすることが多くなる。

 鉱山跡に近づいていくと、レール跡やこんなところまで良く運んだなと思うようなものまであった。
 2本目の沢の渡渉点手前のカーブを曲ると思わず「%&‘@#!!!」と声を出してしまった。
カモシカ君の死体がいきなり目に飛び込んできたのだ。さらにはすぐそばに巨大なウンコ!足早に通り過ぎてから「あのウンコはなんだろう?」とモコモコさんと首を傾げた。
 2本目の沢を渡って少し進むと姥湯分岐だ。潜り滝へは相変わらずのトラバース道で残雪歩きが多くなる。
 3本目の沢の渡渉点からはほとんど残雪歩き。片斜面であるが、沢床からさほど高くないのと、天気がいいためあまり硬くないので緊張するところはない。
 
 そろそろ潜り滝かな?という頃に滝が見えたので、モコモコさんに「あれが潜り滝かな?」と問いかけると「まっさかー。あんなにショボクないでしょ」との答えに「そうだな、あれはショボ滝だな。」と納得する。
本当の潜り滝はそれからすぐにどーんと見えた。
 潜り滝の下流が渡渉点だが、雪がしっかりついていてさくっと渡れる。水も出ているので、ここで水を汲んでいくことにした。

 対岸に渡って潜り滝を巻くようにグイグイ高度を上げる。明月荘への尾根と久蔵森の間の沢を渡ってから明月荘への尾根へと取り付く為に回り込んで小沢がでてきたところから登りはじめるが、早く尾根に取り付き始めたらしく、岩峰の下に出てしまう。
元へ引き返し、小沢(雪に埋もれているが、水音だけする)の右岸から登る。なるべく小沢から離れないようにして登ると尾根に乗ることができた。尾根にのったところで明月荘にコンパスを合わせる。
この尾根に乗れればあとは明月荘目指して登ればいいだけ。

 快適に尾根を登っていくと展望が開けてくる。
 東大巓の崖がみえるようになり、傾斜がゆるんでくると明月荘まであとわずか。金明水らしきところを過ぎて台地状になると明月荘がぽっと現れた。
 お互い写真撮影をする。
 
明月荘の中へ入ると、なんと梯子と管理人室の間にくもの巣が張っていた。
暖かい2階へ上がり、早速夕食の準備。水を汲んできたのですぐに乾杯。
天気予報では今夜は冷え込み明日は曇りらしい。
予報どおり、日が沈んだら急激に冷えてきたので、食事を済ませて早々とシュラフにもぐりこんだ。


二日目 5月16日
明月荘5:35〜東大巓6:00〜昭元山6:55〜ニセ烏帽子山8:20〜兵子分岐8:40〜(兵子往復10分)〜家形山10:10〜五色沼のコル(がんちゃん落し入り口)10:09〜家形避難小屋10:20/11:00〜高湯温泉13:20

天気予報どおり寒い朝だ。
外を見ると曇ってはいるが、視界はバッチリだ。
朝食、掃除を済ませて出発。

東大巓へは、雪が前面についているので夏道ではなく直接登ることにした。
山頂ではツアー標識が大きく傾いて(倒れての方が正しいかもしれない)かなりでており、山頂標識も頭を完全に出していた。
前回きたときと比べて2〜3mほど雪の量が減ったようだ。弥平衛平の湿原もほとんど出ているようだ。

 家形山への縦走路もほぼ雪で覆われているが、藪コギにならないようにできるだけ夏道通りに進むが、昭元山手前の鞍部への下りは雪堤を利用した。昭元山は上り下り共に十分に雪が付いているので自由に進める。
 2月に縦走したときに幕営したところは分からなかった。
鏡沼がうっすらと融け始めたのを見ながら烏帽子山へ取り付く。
夏道は雪に抑えられた藪で歩きにくそうなのでできるだけ雪堤を使って登り、雪が切れたところから夏道を登る。
指導標のあるところから上は完全に雪がない。
山頂は平らなので雪がついており、下降するほうにも雪がついていたが、ニセ烏帽子山周辺になると、結構夏道が出ていた。
ニセ烏帽子山からは、波打つ雪面にスキーのときは苦労したが、今は楽しい稜線歩きだ。やはりこの縦走路は雪があるときがいいと思う。

快適に歩いていると、いつの間にか兵子分岐へ着いていた。
雪が付いているときは単なるピョコにしか見えなかったが、雪がないと岩峰となっていて格好がいい。折角なのでザックを置いて往復した。

姥湯温泉への堀田林道分岐を過ぎた辺りで単独の男性と出会いしばしの談笑。
先週東大巓へ行ったそうだが、ズボズボ潜って大変だったとのこと。今日は行けるところまで行って引き返してくるのだそうだ。
男性と別れ家形山へ。

登りの途中でお腹かすいたので腹ごしらえ。このときモコモコさんに「家形山からの下りはガンチャン落しを下りたいな」とモコモコさんに提案。モコモコさんからは「うーん、実際見てから決める」と言われ、回答はもらえなかった。
家形山山頂は相変わらず分からないまま通過した。
五色沼は全面が氷解するまであと少しなようだ。

家形山のコルまで下りガンチャン落しを除いてみると状態がよさそうだ。モコモコさんからも「その辺りから入ればいいんじゃない?」とGOサインがでた。
最高に快適な下りだ。古いツアーコース標を見ながらずんずん下ると家形ヒュッテからの番号が3になった。といことはもうすぐ家形山避難小屋だ。
本当にすぐに小屋に到着。
小屋でかなりのんびりしてしまった。

あとは高湯温泉めざして下るだけなので遊びながら進む。
井戸溝慶応山荘分岐先までは完全な雪道、井戸溝が近くなると夏道もでてくる。
だんだん夏道がでてきて、やがて溝状に掘れた登山道は融雪水の排水溝のようになっているところもあり歩きにくくなる。
バカ虫も増えてきた。

なんだかいやになってきたので、不動沢のバス停へでて、バスがあったら乗ってしまおうということになった。
不動沢のバス停へ出て時刻をみてみると、なんといまから10分ほど前にでてしまったらしい。遊びすぎた。
仕方がないので、スカイラインを少し歩いて、登山道が近づいたところで登山道へもどり、高湯へ下り、汗を流した。


滑川温泉 大滝展望台から滑川大滝
残雪をトラバース カモシカ君にばったり
潜り滝 久蔵森を見ながら登る
東大テンが見えた 金明水
明月荘 中吾妻山への稜線
鏡沼 兵子から見た昭元山と東大巓
五色沼 ガンチャン落しを下ります
家形山避難小屋 井戸溝


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