奥只見奥利根
 大白沢クロウ沢アサユウ沢右俣支流〜水長沢文殊沢東ノ沢(下降)〜南ノ沢〜楢俣川(下降)
〜夏休み第3弾 奥利根の静かさを味わう〜
2009年8月27日〜8月30日

本来7月に予定してたルート。
なんとか休みの都合がついたので、いよいよ実行に移すことにした。
前線を伴う低気圧の通過が予想されているのが心配だが、水長沢以来の奥利根にワクワク気分だ。
しかし、文殊沢源頭部の湿原巡りのためにわざわざ足を運ぶ人もいるというのに、一つの湿原にも立ち寄ることのない予定を組んでいる我々はダメダメすぎかも・・・・。

アプローチ

東京駅6:08〜浦佐駅7:38/7:55−奥只見ダム9:10/9−尾瀬口/10:16−砂子平

コースタイム
1日目(8月27日)
砂子平10:55〜シロウ沢出合13:30〜小屋場ノ沢出合15:50〜アサユウ沢出合手前BP16:15(泊)
2日目(8月28日)
BP6:00〜二俣8:55〜標高1420m付近支流入口9:15〜稜線14:15/14:40〜標高1895mピーク〜下降開始16:00〜標高1600m付近二俣17:30〜標高1400m付近BP18:04(泊)
3日目(8月29日)
BP5:55〜下の二俣7:00〜南沢出合7:47〜二俣8:50〜稜線10:30〜鞍部手前乗越10:30〜楢俣川本流出合12:07ススケ沢出合14:20〜南沢出合14:41〜BP16:48
4日目(8月30日)
BP6:16〜日崎沢出合6:45〜狩小屋沢出合8:30〜ゲート11:25〜湯ノ小屋温泉バス停12:50


1日目(天気;晴れ)
コースタイム;砂子平10:55〜シロウ沢出合13:30〜小屋場ノ沢出合15:50〜アサユウ沢出合手前BP16:15(泊)


袖沢北沢のときと同様に奥只見ダムへ向かう。
ダムから尾瀬口までの渡船は、平日にもかかわらず多くの乗船客がいた。
尾瀬口からはバスで向かい、途中の砂子平で降ろしてもらう。

支度を済ませ、ガイドで書かれているように普通は籠渡しで只見川を渡るようであるが、我々はいつも通り只見川への踏み跡をたどって、大白沢出合の少し下流の只見川へ降り立つ。
これまたいつも通り、只見川を少し上流に移動し、渡渉してから森に入り籠渡しから続いてくるであろう踏み跡を探しあてて、しばらく踏み跡をてくてく歩いていく。

踏み跡が不明瞭になったところから沢へ降りる。
大白沢はほとんど河原歩きで、カンカンに晴れているとちょっとつらいが、今日は晴れでも空気は秋でカラッとしていてさわやかでなかなか快適だ。
途中のちょっとしたゴルジュにかかる滝は、踏み跡をつかってサクッと巻いたりしながら順調にクロウ沢出合いへ到着。
クロウ沢出合のビバークポイントは、心無い人のゴミが焚き火跡に残されていたりして、汚れていた。
もう少し奥の離れのようなところの方が今後は快適だろうが、ここもいずれ汚されてしまうのかなあと思うと寂しくなった。

クロウ沢へ入ると沢幅はぐっと小さくなるが、明るく開けていて更に晴れているのでとてもきれいだ。
クロウ沢の登りにくい小滝には虎ロープがかかっていて、結構奥まで釣り人が入るようだ。
ちょっとした小滝群やゴルジュ状を全くあてにならない記憶を探りながら進むと、小屋場ノ沢出合に到着。
出合対岸に泊まれそうなところがあるので、時間もちょうどいいし、ここで泊まることをモコモコさんに提案する。
しかし、モコモコさんからは却下された。
モコモコさんの記憶によると、ここから30分ほど進んだところに絶好の場所があったというので30分残業することにした。

小屋場ノ沢出合からはゴーロでぐんぐん高度を上げていく。
30分ほどで沢が開け穏やかになると、モコモコさんの記憶通り整地不要薪豊富の一等地があった。
焚き火もすぐ点いて良く燃えてくれ、いい夜を過ごせた。


これぞ奥只見という雰囲気 岩肌が美しい
天気がよくてうれしい ちょっとしたゴルジュ
クロウ沢に入った クロウ沢は明るい
腰まで浸かって取りついた この辺りはとても楽しい
5条3m滝 少し荒々しくなった
小さく巻いた 小屋場ノ沢出合


2日目 (天気;曇りのち晴れ)
コースタイム;BP6:00〜二俣8:55〜標高1420m付近支流入口9:15〜稜線14:15/14:40〜標高1895mピーク〜下降開始16:00〜標高1600m付近二俣17:30〜標高1400m付近BP18:04(泊)


快適な目覚めとなった。
ラジオの天気予報によると、今日は雨が降るかもしれないということだ。
しかし、今日は源流部の移動なので大丈夫だろうということで予定通り出発する。
BPから5分でアサユウ沢とキノクラ沢の出合い。

アサユウ沢にかかる30m3段滝は登れないので、朝一番から高巻きだ。
水を汲んで高巻き開始。
前回入ったキノクラ沢沿いの右岸にあるバンド状の岩を少し登ってから急傾斜にとりつく。草付き混じりの藪の急斜面を登る。
アサユウ沢側は岩場なので、キノクラ沢側の藪を使って急な斜面を弱点を突くように登っていくと尾根状になったところに出た。
そのままアサユウ沢側に降りたいが、藪はあるものの斜面が急すぎるので、そのまま尾根を登っていく。
尾根になっても傾斜が強く、藪に悩まされしかし頼りながら登っていく。
標高1300mほどまで登ったところでモコモコさんに降りることを提案するが、降りても下に岩マークあるからもう少し先まで登ってから下降するように言われ、渋々そのまま登っていく。
 
針葉樹とセットで生えているシャクナゲにときおり邪魔される尾根(それでもこれまでと比べるとずっと登りやすくなる)を標高約1350m付近まで登ると、尾根の傾斜が緩み、尾根上の木も広葉樹の大木となる。
ここから上流方向へトラバースしながら下降を開始した。
ときおりモコモコさんに「もっと上流方向へ移動して」と言われながら下降をしていくと、枝を使って沢床まですんなり降りることができた。
下流を見てみると、もう少し下流方向へずれると、下部は急な草付きになっていたので、いいルートで降りられたのだと思う。

途中で下降ルートについてあーだこーだと議論したせいもあり、この高巻きに2時間も費やしてしまった。
のどが渇いたので,、粉末ポカリスウェットを溶かしてのどを潤した。

高巻き後のアサユウ沢は、とても穏やかになり、数個の小滝があるくらいだがとてもきれいだ。
快適に遡行していくと、二俣となる。
二俣の手前に絶好のビバークポイントがあった。
時間があればのんびりしていきたいところだが、今日は長丁場なので少し休んで右俣に入る。

右俣に入ると5〜6m程の快適に登れる滝が続き、とても楽しい。
間もなく稜線へ抜けるのに使う沢が、標高1420m付近で出合う。
出合いはとても貧弱で気をつけないと見逃してしまうかもしれないくらい藪がかかっている。

支流に入ってもしばらく藪っぽいが、それもだんだん解消されてくると、次々と滝をかけて高度を上げていく。
沢自体が浅いので、大きくえぐられたような滝はない。
CS滝も多いが、すぐ脇を抜けられたり、藪を使ってごく小さく巻ける。つい最近先行者がいたのか、巻いたところには新しい足跡があった。
階段状の滝も多く、ぐいぐい登れる。傾斜がきつい滝は最初登れないような感じに見えるが、実際はほとんどが登れてしまう。
巻いた印象が強くあった滝としては、登れそうだが、上部が無理そうなで、滝のすぐ左にあるリッジ状を登り、草付きを2mほど進むと、真新しい捨て縄がかかっていたので、利用させてもらって懸垂下降で戻った滝の一つくらいだ。

標高1700m付近になると傾斜が一気に緩む。
時折小滝が出てくるが、ゴーロになるでもなく、ナメ床状となる。快適だ。
途中の標高1750m付近の二俣は、行き先として左の沢の方が近いが、少しくらいは湿原を通って行こうということで右沢に入る。
水涸れしてから窪が二俣になったが、大白沢山に行くわけではないのでここは左に入った。平ヶ岳へ行く人は右に入った方がいいかもしれない。

窪に入っても藪がかぶることはほとんどなく、藪こぎ0に近い詰めで稜線の湿原に出た。
湿原は小さいがとてもきれいなところだ。
ゆっくり休んで標高1895mのピークを目指して移動開始。
最初は下り気味のこともあり、そう大変でもない。
途中わずかに稜線上に点在する湿原を歩いたりとなかなか楽しい。

わずかな距離だが、標高1895mのピークが近づくにつれて、藪が濃くなり、広い斜面になってくるので進まなくなってくる。
今回は藪こぎが結構あり、下降する沢を読むのに時間がかからないようGPSを持参したので、天気がいいこともあるが読図が簡単だ。
水長沢白沢に入り込まないように気をつけて行き、GPSでも確認できているが、用心のため少し稜線を大白沢山方面へ進んでから下降を開始した。
予定では標高1895mと標高1852mを結ぶ尾根すぐ南の沢の方が下降距離が短いので、こちらに入ることにしていたが、結局さらに尾根一本はさんだ北田代近くの沢(東ノ沢本流だと思う)から下降することになった。
窪状になると、藪がかかっていたりするもののすぐにナメ床となった。

ナメと小滝が続き、あっという間に沢がはっきりしてくると藪も被ることなく歩きやすくなった。
左岸から緑色の苔の生えた小沢を合わせると、さらにナメ床状が続き、小滝も増えてくる。一つだけクライムダウンできそうだが、滑りそうな滝があったので懸垂下降した。やがて本来下ってくるはずだった沢を合わせて、次々でてくる小滝をクライムダウンしてずんずん進む。
途中なんとか整地すれば泊まれそうなところがあったが、明日のことを考えてもう少し頑張ることにした。
今日も残業だ。
瀑流帯に突入し、次々と滝を降りていく。
樹林が沢近くまで降りてくと、ビバークポイントがないか期待するがなかなか出てこない。
だんだんうす暗くなってくる中、標高1450m付近まで下降を続け傾斜が緩んだところで、やっと、ここなら泊まってもいいというところが幸運にも現れた。早速荷物をおろして幕営準備にかかる。

薪もすぐに集まり、乾いていたのでこれまたすぐに焚き火も安定して燃えるようになった頃にはあたりは真っ暗。
雨にも降られることなく、落ち着いて夕食にありつけることができた。
途中採取したキノコ(ウスヒラタケ)をおかずに加えて、焚き火を囲んだ。
良く歩いた一日だった。


アサユウ沢20m3段滝 高巻き途中から見下ろす
巻き下りたところから下流方向 アサユウ沢では珍しい形状の滝
右俣は快適に登れる明るい滝が続いた 連瀑帯はフリクションを効かせて登る
楽しい時間が流れる 1420m付近で入る枝沢の滝
一気に水量が減っている 枝沢の滝は苔むしている
水涸れしそう しかし水は枯れることなく滝は続く
藪コギほとんどなしの詰め 藪こぎ途中のオアシス
辿ってきた方向を振り返る 窪へ入れた(後続のモコモコさん)
東ノ沢の滝をクライムダウンする だんだん日が暮れてきた
残業中 ようやくテンバ適地に着いた(ガスが降りてきた)


3日目 (天気;雨のち曇り)
コースタイム;BP5:55〜下の二俣7:00〜南沢出合7:47〜二俣8:50〜稜線10:30〜鞍部手前乗越10:30〜楢俣川本流出合12:07〜ススケ沢出合14:20〜南沢出合14:41〜BP16:48


今日も快適に寝られた。
天気予報では今日前線が通過するので急な雨や雷に注意ということたった。
今日は下降する上、楢俣川は増水が早いということなので少し不安だ。
稜線からはガスが降りてきている。

支度を手早く済ませて、出発するが出発直前から雨が降り始めてきた。
大した降りではないが、気温も結構低いので雨具を着ていくことにした。

出発してすぐに降りられない滝がでてきた。
巻き降りることも考えたが、新しい捨て縄が残されていたので、これを利用して懸垂下降した。
この後しばらくは河原歩きとなる。

二俣が近づいてくるとまた滝が多く出てくる。
たいていはクライムダウンできるか、簡単に巻き降りることができる。
途中登ることはできそうだが、降りるのは難しい滝がでてきて、右岸を巻き気味に降りるところがあり、足場があまりない3mほどの段差で、モコモコさんが「ギャッ」という声を挙げて足を滑らせてた。
幸い枝をしっかりつかんでいたのと、段差の下には足場があったので顎をすりむいただけで済んだ。

さらに下は急な草付きとなっていたので、倒木を利用して懸垂下降した。
この滝の下は、特に問題になるところもなく、サクサク進む。
やがて文殊の大滝(2段32mらしい)になる。
これは降りられないが、左岸を簡単に巻き降りることができた。
巻き降りたところは既に二俣だ。

モコモコさんは休憩するということで、山人一人で滝を見に行ってきた。
この頃パラパラ雨だったのがちゃんとした雨となってきた。
休むと寒いので、先へ進む。

中沢へ入ると、巨岩帯のゴーロとなり、いちいち乗り越えていくのが面倒だ。
CS滝が多く、ひとつだけ右を巻いた。そんなことで、南沢出合まで距離の割に時間がかかった。

南沢へ入ると、相変わらずのゴーロだが、小滝がでてきて少し快適になる。思ったよりも早く上の二俣へ着いた。ここは左に入る。
左に入るといきなりナメやナメ滝で高度を上げる。
この辺りは南沢で一番きれいなところだと思う。このとき雨が本格的に降っていたのが残念だ。雨でも「きれいだー」と声が出たので、晴れていれば歓声を上げながら登っていただろう。
折角きれいな渓相なのに雨にふられた無情さにモコモコさんは「雨よやめーーー!!!」と叫んでいた。(本当にこのあと2時間ほど後で雨がやんで、更には青空が時折のぞくようになった。)
10分くらい登ったところでまた二俣となる。ここはどちらにいくか迷ったが、藪が濃くてもわかりやすい鞍部に近い左沢へ入った。

沢形ははっきりしているが、藪がうるさい。ところどころミニ湿原がでてくる。
水枯れするとすぐに藪に入るので、その前に休憩して鞍部までの藪こぎに突入する。
標高差をあまり稼がなくて済んだので、藪は濃いが思ったよりも早く乗り越す稜線に出られた。
鞍部より少しススケ峰よりに出たので、鞍部方向へ少し移動する。

本流の源頭は草付き混じりの傾斜の強いスラブらしいので、本流を避けて、本流より一本東側の鞍部から直接派生する沢を下降路にとることにした。
藪の中をどんどん下ると、小さな湿原が現れてそこから発生した窪を降りていく。
この頃幸いにして雨もやんでくれ、視界も結構効くようになった。

最初は藪沢で歩きにくいが、それもすぐにナメ床がベースとなり、小滝が現れ快適に下れるようになる。
本流出合い近くなると予想通り、滝が連続してくる。
とうとう降りられない滝がでてきた。この滝を懸垂下降して降りても、その先もすぐに切れ落ちた滝があり、そこから巻くには側壁が急な草付きで大変そうなので、藪がおりてきているこの滝上から一気に先まで巻き降りることにした。

傾斜がとにかく急な斜面を枝を使って降りていく。
途中からモコモコさんを待たせて山人が偵察しながら降りてみる。
かなりの高度差を降りたところで、沢床に何とか降りられた。
降りたところは連瀑帯の中であったが、数m懸垂下降すれば降りて行けそうなので、モコモコさんにも降りてくるよう指示する。
沢床に降りることろが少しいやらしいがモコモコさんも無事沢床へ降り立った。

灌木に捨て縄をかけて懸垂下降開始。
実際に懸垂が必要なのは5mほどで、中段からは問題なし。
その下にかかる滝は、傾斜が強いものの枝を使ったりして降りられた。
本流との出合にかかる8m滝は本流との中間にあるリッジを慎重に降りた。

本流に出合ってからは、一度もザイルを使うことなく降りられた。
6m滝は右岸を巻き降りた。草付きのトラバースが少しいやらしいが、慎重に行けば距離も短いので問題ない。
だんだん水流が増えてくるにつれ、滝の規模も大きくなってくるが、どの滝も階段状だったり、滝の左右どちらかの岩がバンド状になっていて降りられるところが備わっていたりして、下降するのも楽しい。登るときは、登る人の写真撮影をしながら楽しく登っていけそうだ。

多くのクライムダウンできる滝とミニゴルジュを通過していくと予定よりも早くススヶ沢出合に着いた。
モコモコプランでは、ここまでこられれば上出来というところだったが、時間もまだあるし、明日の天気も心配な為先に進むことにした。
下流に行くにしたがい、森の中へと入っていくようになり気分がいい。
結局、日崎沢手前の標高1150m付近にあった右岸の快適なビバークポイントまで脚を伸ばして行動を終了した。

ここは人がよく入るのか、前日まで泊まったところと比べると近くにある薪が少なかったが、それでもあまり時間をかけずに一晩分には十分な量の薪が集まった。
薪が濡れているので、点くまで時間がかかるかと思ったが、すぐによく燃えてくれたので今回の沢旅最後の夜をゆっくり過ごすことができた。
夜20:00頃から雨が降り始めたのをきっかけに寝ることにした。


文殊の大滝2段32m(レンズ濡れでボケた残念) 南沢は滝が少ない
南沢左沢はナメとナメ滝が続く 南沢左沢源頭部の小湿原
楢俣川源流部の連瀑帯 連瀑帯途中で懸垂下降
本流との出合の滝 右岸草付きを小さく巻き降りた
水量が増して滝も立派になる クライムダウンできる
ミニゴルジュ このようにバンドが発達している所が多い
ススケ沢から下は癒し系部分が多くなる 下降でも楽しい


4日目(天気;曇り)
コースタイム;BP6:16〜日崎沢出合6:45〜狩小屋沢出合8:30〜ゲート11:25〜湯ノ小屋温泉バス停12:50


長かった旅も今日はいよいよ最終日。

昨晩から未明まで時折パラパラ降っていた雨もやんでいて下降にも問題ない。
どうやら前線は、昨日われわれが南沢の上の二俣あたりにいたときに通過していったらしい。

ここから下流も滝やゴルジュがでてきて楽しませてくれる。
滝をかけて入る日崎沢を合わせると、水量も多くなったので、滝も豪快な感じになってくる。
4〜5mほどの滝を何個も降りていく。矢種沢出合まではナメもあったりして楽しい。

矢種沢出合下は大きな淵から始まるゴルジュ状となるが岩盤が張り出していたり、水流すぐ横にバンド状に岩棚があるので上半身をぬらすことなく狩小屋沢出合に着くことができた。
ここまでくれば、いつ雨が降っても大丈夫だ。

林道へ上がり、湯ノ小屋温泉目指す。
林道を歩き始めて30分ほどのところで、砂子平でバスを降りて以来初めて人に遭遇した。
なんだかうれしくなって話しかけてしまった。
最初釣りで入ったのかとも思ったが、それにしては少し格好が違うその方は、クワガタ採集に入ったとのことだった。
しかし期待に反してあまりいないらしい。

もう少し話を聞きたかったが、我々も先が長いので歩を進める。
ダムのバックウオーターあたりから突然道がよくなった。
いきなり道がよくなったと思ったら、なんじゃこりゃというような法面工事されたところとなった。
道路脇の藪もきれいに刈りはらわれていたので、これじゃクワガタくんも姿を見せないはずだと思った。

法面には、なぜか扉が3つあり、さらに斜面には階段が設置されていた。
なんだろうと階段を見上げると、階段の手すりには、鷹か鷲かわからないが、猛禽類のつがいとみられる鳥がとまっていた。
上から我々の動きをジッと見降ろしていて、もし我々が突然1/5のサイズに縮小化したら獲物としてあっという間にとらえられていたのは確実な気がした。

涼しいので歩みも捗り、ゲートに予定よりもずっと早く着いた。
あとは湯ノ小屋温泉目指して登山道を一気に下り、湯ノ小屋温泉バス停から更に少し国道を歩いて、洞元茶屋にてお風呂に入ってからうどんを食べて、長かったが楽しかった沢旅の幕を下ろした。


日崎沢出合上流の滝 日崎沢
日崎沢出合 日崎沢出合より下の滝は豪快な感じになる
階段状の幅広滝 どこを降りようか
下流部連瀑帯 釜が大きい
どれもクライムダウンできる ここまでくれば狩小屋沢まであとわずか


今回のルート




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