南会津
黒桧沢
〜初の南会津の沢〜
2009年10月17日

 3月に会津駒ヶ岳で出合った、郡山在住のIさんから、南会津の沢へ御誘いを受けた。
 一度沢を登ってみたいと思っていた山域なのでありがたくご一緒させてもらうことにした。
尚、遡行に関しては、この沢経験者のTさんリードの元、リンク先のひろたさんの記録を参考にさせてもらった。

アプローチ

浅草駅14:50〜下今市駅17:14/17:17−会津高原駅18:34

コースタイム

三ツ岩岳登山口駐車場7:00〜登山道横断点8:00〜二俣10:25〜登山道13:45〜避難小屋14:00/14:25〜駐車場16:40


10月17日(天気;曇りときどき晴れ)


 南会津はアプローチが不便なため、電車とバスだと登山口に着くのが11時ころになってしまう。
 今回Tさんが車を出してくれたので、我々も前日休みを取り、会津高原駅で無事待合わせることができた。

一路桧枝岐へ向かい、アルザ横の駐車場で前夜祭を行った。
なにもかも準備してもらいありがとうございました。

当日早朝から尾瀬か会津駒ヶ岳へ行くのかはわからないが、多くのバスが通り過ぎていったり、休憩をとっていったりした。
朝食を摂って、我々も出発。

三ツ岩岳の駐車場へ移動し、沢支度を整えた。
板が掛けられた、橋脇から入渓するが、板が腐っていて少し怖い。
また、小さな梯子があったが、これも板が腐っていて、モコモコさんが1段破壊した。

秋なので、岩がヌルってきたのか滑りやすい。
的確なTさんの先導により、順調に進む。
また、滝の落ち口付近ではいつもモコモコさんに、「何で私が登り切っていないのに先にいっちゃうの?!!」と怒られるが、今日のオーダーはTさん、モコモコさん、山人の順なのでモコモコさんに文句を言われることはない。しかも、Tさんがルートをすべて見出してくれるので、ただ後についていけばよく、すこぶる快適だ。
モコモコさんはモコモコさんで、少しでも不安なところがあると、「怖いでちゅ」と言わんばかりにいつも以上に騒ぐので、その度にTさんに手とり足とりといった感じでリードしてもらい完全に甘えている。
もう今日は完全にモコモコさんは放っておいてよさそうなので、楽しもうと思って進むと、登山道横断点だ。
そんな感じだったので、それまでどうやってきたのか全く覚えていない。

 ここでトラブル発生。
モコモコさんの渓流シューズのフエルトが、下ろした(買った)ばかりなのにつま先から2cmほどはがれていた。
「どうりで、なんだか右足だけムニュムニュする感じがした」とのこと。

二俣までは、特に問題なく進んだ。
早くに登山道に抜けられる右俣にモコモコさんは行きたがったが、即却下で左俣へ入る。ちなみに右俣は2、3ヶしょっぱい滝があるらしい。

左俣は滝を掛けて入るが、1段目は簡単に登る。
2段目はTさんが水流沿いに登ろうとしたが、頭から水をかぶることになる。
あまりの水の冷たさに、取りつこうとした時点で断念。おとなしく右から巻き気味に取りついてクリア。以降は問題なく登り、さらに小沢を左に分けてぐいぐい高度を上げる。

一見して直登が無理そうなゴルジュの連瀑帯は、ザイルを出して山人トップで左岸を巻いた。
取りつきは、急な草付きだが、何箇所かブッシュでランニングをとることができた。
セカンドはモコモコさんだ。
ところが、タイブロックをモコモコさんに渡すのを忘れてしまったので、モコモコさんはプルージックで登ることになってしまい、「すっっごい疲れて時間ばっかりかかったよ。」と言われた。

モコモコさんの文句を聞いている間にTさんがあっという間に到着した。
さらにフリクションの効く乾いた露岩を、灌木にランニングをとりながらなるべく沢から離れないように登る。
2ピッチ登ったところで、灌木の中を行くようなところが出てきたので、ザイルをしまい、今度はTさん先頭でブッシュ伝いにトラバースし、導かれるままに沢床へ降り立つと、ちょうどゴルジュが終わったところだった。
なんとも無駄のない美しい巻きだった。

少し長めの休憩をとった。
後に出てくる滝は、階段状だったりと、快適に登れた。
岩峰下にある滝を登ると、滝上で2俣となっていた。ここは右に入るように登っていった。
すぐにまた4俣のようになった。

水流、渓相とも一番右から入る沢が一番しょぼいが、登山道には一番早く出るだろうとふんで一番右に入る。
階段状の滝で入る一番右の沢は、少し登るとササ藪がかぶってきて、すぐに水枯れの様相となった。
水を汲んで藪こぎに早速突入か?と思うと、単にササが溜まっていただけで、だんだん開けてきた。

かなり上まで窪形が残り、窪でなくなってからは草付きとなるが、すぐ傍らに灌木やササやぶがあるので問題なし。
右に岩峰を確認してから草付きを更に登り、いよいよ背丈を越す笹藪に突入。
これから長い戦いになるかと思ったら、なんと藪こぎ5分で登山道に出た。

ひろたさんの記録では、あの4俣で違う沢に入っていって藪こぎ50分もかかったとあったのでこちらもと覚悟していただけに拍子抜けするも、一同安堵した。
避難小屋まで5分ほど歩き、小屋前でTさんからお茶をごちそうになった。
いつもバスやら電車の関係で時間に急かされて、このような時間をとることがないので、この上なく幸せなひと時だった。

あとは駐車場目指して下山するだけ。
紅葉を楽しんだり、ヤマネの死体を発見したりしながら下っていくと、ようやく登山道横断点に着いた。
登山口へは鉄階段を下ると、なんとしばらくスノーシェッドの上を歩いていくようになっていてなかなか面白かった。

心配していた残業(ヘッドランプ使用)することもなく降りてこられ、すぐに窓明の湯のお風呂に入ることができ、最初から最後までTさんにお世話になった沢旅となった。


ヌルがでてきて、怖々進むモコモコさん 登山道横断点からしばらくすると沢も開けて、岩も滑らなくなった
二俣。左俣は滝で出合う 一段目は容易。2段目は水の冷たさに右を巻き気味に登った
ゴルジュ入口 巻きの途中から
巻き終わったところから下を覗き込んだ 急激に高度を上げる
4俣は、一番しょぼい最右沢に入った。 開けた源頭部
黄金色に染まったブナ林の中を下る 最後はスノーシェッド上を歩くユニークな登山道


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