越後三山 
北ノ又川〜シッカイクラ沢〜巻倉山〜十字峡
〜いいとこどりの越後の沢旅〜
2010年9月3〜5日

 モコモコさんが以前から行きたいと騒いでいたシッカイクラ沢。
台風の影響で初日の天気が少し心配なところもあるが、後の2日はばっちりらしいので実行することにした。

山と高原地図;
越後三山   地形図;奥只見湖、八海山、兎岳、平ケ岳

アプローチ

東京駅6:08〜浦佐駅7:38/(タクシー)-銀山平石抱橋先のゲート9:00(タクシー代約11,500円)

コースタイム

9月3日(曇りのちときどき雨)
ゲート9:15〜入渓点10:55〜岩魚沢出合11:17〜滝ハナ沢出合12:26〜芝沢出合12:45〜板倉沢出合15:50〜二条10m滝上(BP)16:55

9月4日(晴れ)
BP7:15〜シッカイ沢出合7:24〜大ヒカバ沢出合9:45〜シッカイクラ沢出合10:55〜兎沢出合11:18〜二俣11:45〜奥の二俣14:08〜窪入口14:45〜稜線15:17〜源蔵山巻倉山のコル15:28(泊)

9月5日(晴れ)
BP5:40〜兎岳7:40〜丹後山避難小屋9:07/9:40〜林道12:50〜十字峡13:45



1日目
9月3日(曇りのちときどき雨)
コースタイム
ゲート9:15〜入渓点10:55〜岩魚沢出合11:17〜滝ハナ沢出合12:26〜芝沢出合12:45〜板倉沢出合15:50〜二条10m滝上(BP)16:55


 浦佐からタクシーで銀山平先の林道入口まで向かう。途中の石抱橋手前にある監視小屋へ登山届を出した。
小屋にはかわいい白犬と黒犬がいた。特に黒犬は人懐こくモコモコさんが喜んでなでていた。また、更には黒猫もいて、黒犬と黒猫は仲良しだ。

ゲートでじりじりと焼きつける日差しを浴びながら支度をして出発。
越後駒ヶ岳には濃いガスがかかっている。天気予報では今日1日曇りで、所に寄り夕方雨ということだ。
ゴルジュの沢なので雨だけは勘弁してほしい。

白沢出合をすぎてからしばらく林道を行く。
モコモコさんは欲張って地形図にある踏み跡を使ってできるだけ上流へ移動しようとしているらしい。
柳沢を過ぎてすぐ先にある駒ヶ岳への登山口を通過すると左に分岐した刈りはらわれた道があったので、入ってみる。白沢へ出たがそこから先がすぐに分からなくなってしまった。
少し藪を漕ぐと再び白沢へ戻るような感じになった。
このまま白沢を下っていくと大きく戻る感じになってしまう。「白沢出合から入ればよかったのに欲張るからだよ」とモコモコさんに文句を言う。
仕方がないので、藪をこいで本流に出ることにした。少し藪こぎしていくと踏み跡に出たのでこれを辿って上流へ向かう。踏み跡はすぐに藪が被ってうるさくなるので、今度こそ本流に出るべく藪をこいだ。

結構藪が濃かったので距離の割に時間がかかったが、なんとか本流に出ることができた。
本流の水はとてもきれいで冷たい。また、平水より少し水量が多いようだ。昨日夕立があったとタクシーの運転手さんがいっていたのでそのせいかもしれない。
岩魚沢出合まではときどき淵が現れるものの何もない河原歩きが続いた。
余談だが、北ノ又川は全面禁漁なので、岩魚の群れが見られると期待していたが、魚影をみることがなかった。いったいどういうことなんだろう?
岩魚沢出合の先で突然箱淵が現れた。

休憩をしてから、まずはモコモコさんが箱淵に挑む。ところがすぐに足が付かなくなり、泳ぐことになるが、水流が思ったよりあるらしく無理らしい。泳ぐのをやめると途端に流れに押し返され淵から吐き出されてきた。
初っ端なのでおとなしく右岸を巻くことにした。
ガレから取り付き、結構急な斜面を平になるまで登る。下を見ると下降できそうな気もしたがそのまま平なところを上流に向かって歩く。
小沢に突き当たったところでこの小沢を下降して本流に戻ることができた。

ここから淵や小滝(といってもすごい水量)がスタートした。へつりや、張り出している岩盤上にあがって歩く、たまに泳ぎを交えて進むことになる。
意外と水量が少ない滝ハナ沢出合をすぎると本格的なゴルジュとなった。
このころから雨がポツポツ降り始めてきた。本流の水がとても冷たく、水面から靄が上がっている。晴れているならまだしも雨となってしまった今は、浸かるのがちょっとつらい。
芝沢出合のところでは水流が強く泳がなければ突破できないような感じだったので、芝沢へ少し入った所から巻く。
すぐに本流に戻り、相変わらず泳ぎを交えたへつりと、岩盤を登りその上の歩きを繰り返して進んだ。

途中深い淵が現れた。
モコモコさんが先を偵察したところ、淵の先が厳しそうだということで、巻いて行くことにした。
巻きあがるのは意外と簡単だ。芝沢から板倉沢までの巻き道は不明瞭だということなので、藪もうすいこともあり巻き道は最初から探さずいくことにした。
あまり上へ上がらずできるだけ沢沿いの崖淵の傾斜が緩いところを探して歩いた。思ったよりも歩きやすいのでどんどん先へ行くことにした。
これが正解で、巻いているときに雨が本格的に降ってきた。寒くもないし、どうせ全身濡れているから雨具は着なかった。
しばらく歩いたところで岩陰で雨をしのげるところがあったので休憩した。

再びトラバースしていくと、対岸に大ビラヤス沢が入ってくるのが見えた。
下を見ると降りられそうなので、一度沢へ降りることにした。樹林をうまく使って懸垂なしで降りることができた。
降りたところのすぐ先で左岸からルンゼが入っていた。
大ビラヤス沢出合の辺りは淵が深く、さらに先が見えないが登れなそうな滝もかかってるようだ。ナメ滝で出合う大ビラヤス沢に残置ハーケンもあったが、突破するには時間がかかりそうだ。
天候と時間短縮を考え、巻くことにした。

巻きはルンゼから取り付くと比較的楽に樹林の斜面に入れた。
巻きの途中から下が見えたので覗いてみると、もう少し先に見える滝の上まで行けば樹林を使って降りられそうなので、トラバースを続けた。小さなルンゼを越えた少し先から下降をすると、思った通り懸垂なしで降りられた。

相変わらずのゴルジュで水も冷たいままだが、巻くこともなく、へつりや赤い岩の上を歩いたりしながら楽しく行けた。
少し小さな河原らしきものが出てくると板倉沢出合だ。
結構いい時間になっていたが、モコモコさんがもう少し頑張ればいい泊まり場があるらしいから頑張ろうというので先へ進むことにした。
板倉沢を過ぎると、あれほど冷たかった水が少しぬるくなったような気がする。どうやらあの冷たさの原因は板倉沢にあったらしい。雨もいつの間にかほとんどやんでいたので、これなら順調に行けそうだ。

ナメ滝を越えた先で、ガイドでは巻くところがあるように書いてある。これを目安に進むが一向に現れてこない。
左岸に、雪渓が消えた後なのか高台になったところがあったので、ここで泊まることになるのかもと思いながら進むと、すぐ目の前が10m二条滝だった。
途中で泳いでから絶妙なバランスで這い上がり苦労したところがあったのだが、あの辺りがガイドでは巻いた所なのかもしれない。

10m二条滝は中段までは簡単に上がれるがその先が厄介だ。その間にモコモコさんが巻きのルートをみつけていたので無理をせず巻くことにした。
巻きは右岸の岩棚を上がってから斜面に取り付いた。モコモコさんは最初の方の数歩がいやらしいといって、ルンゼを少し登ってからトラバースし山人の誘導に従って降りてきた。簡単ですぐに樹林に入れたので楽だったらしい。

降りたところが平だったのでここで泊まることを考えながら沢に降りた。モコモコさんはそのまま藪を行き、良いところがないか物色していた。
モコモコさんは、よさそうなところを見つけたようだ。もう少し先も見てみることにし、モコモコさんには待っててもらうことにした。
シッカイ沢出合いまでで何とか泊まれるようなところがあったが、結局、モコモコさんが見つけたところが一番いいのでここに泊まることにした。

藪を少し刈り払い、張り出している枝を縛ってよけておけばなかなか快適だ。
焚き火は近くの河原ですることにし、薪集めにかかる。薪は思ったよりも少なかったが、一晩過ごすには十分な程まで集めるのにさほど時間はかからなかった。焚き火もすぐについて、時折雨がパラつくも快適な一夜を過ごすことができた。




2日目
9月4日(晴れ)
コースタイム
BP7:15〜シッカイ沢出合7:24〜大ヒカバ沢出合9:45〜シッカイクラ沢出合10:55〜兎沢出合11:18〜二俣11:45〜奥の二俣14:08〜窪入口14:45〜稜線15:17〜源蔵山巻倉山のコル15:28(泊)



昨日あれだけはっきりしなかった天気が嘘のような快晴だ。水位も下がっていた。
テン場の対岸に石畳のような一枚岩があったので、そこで体操をしてから出発。
出発して10分足らずでシッカイ沢出合い。

シッカイ沢をすぎるといよいよ北ノ又川の見せ場のゴルジュが始まる。
大きな岩が階段のようになっていたり、棚のようになっているようなところを辿っていく。
8mほどの滝を空身で左壁を登った他は快適に登っていける。大きく右に曲がるところにかかる滝は中段まで登ってから簡単に右の藪を小さく巻いた。
スパッと岩を割ったような所があったりと飽きさせないところだ。
側壁も高く、段々畑のような岩壁に囲まれ素晴らしい眺めだ。

左に右に曲がっていくと先には深そうな淵と淵の出口には滝がかかっているのが見えた。
朝から泳ぎになりそうなのでここは巻くことにした。
淵の手前から右岸の岩棚へ上がり、沢沿いに行くが、丁度滝上のあたりですっぱりと切れ落ちていたので、少し登って先で降りた。
沢はまた左に曲がると廊下状になった。腰まで水に浸かって突破。流れがほとんど感じられないくらいゆるやかなので楽に通過できた。
ゴルジュの出口には15mの立派な滝がかかっていた。
右岸のルンゼから巻きあがる。
ひと登りしたところでトラバース出来そうになったが、ザイルを張った方がよさそうな感じで上を見ると樹林に簡単に入れそうなのでもう少し登って樹林の所まで行った。樹林に入って棚のようになっているところや傾斜の緩いところを選んで上流にトラバースし、枝を使って懸垂なしで降りられた。

降りたところは大ヒカバ沢出合のすぐ近くだった。休憩するのにちょうど良かったので休むことにした。参考までに滝上まで歩いて様子を見た。早い段階でトラバースも出来そうな斜面だったが、我々は上まで行って良かったかなと思った。

大ヒカバ沢からも少しゴルジュは続き、岩棚のヌルヌルトラバースの最後の部分で油断して足を滑らせ、3mほど下へ滑り落ちてしまった。
運がいいことに落ちたところはちょうど水深があり岩もなかった。勢いで耳に水が入っただけで済んだ。

残置スリングがあったものの、スリングは短くて肝心の一歩のところまでは使えず、モコモコさんは足がすくんであと一歩が出ないらしい。モコモコさんの主張によると下に岩があるので落ちたら怪我する可能性大ということだ。(山人はここを突破したが、その後滑落した)

そこで、小滝を登って抜け出した山人が先へ周りお助け紐を出すことにした。
モコモコさんが落ちないように強く引いていたら、逆にバランスを崩しそうになり危なかったらしいが無事突破。

ここを過ぎると沢はだんだん開けてきて、登れる小滝が続いて最高に楽しい。
だんだん河原が現れ始め、完全に河原になるとシッカイクラ沢の出合となった。
出合で大休止。

シッカイクラ沢に入ってからもしばらく河原歩き。
7m滝が現れるとすぐに兎沢出合だった。
シッカイクラ沢は10mの滝をかけており、この滝はすぐ右の藪を水流沿いに登った。
大分小ぶりになったものの立派に釜を持った滝も出てくるが問題なくどれも快適に登れた。小滝をどんどん越えていくと小さいが両門の滝となって出合う二俣となった。
ここは左俣に入る。滝上には少人数だったら泊まれそうなところがあったが、まだ御昼前なので通過。
早くに稜線にあがれたら丹後山の避難小屋まで行ってしまおうとの魂胆だ。

やがて4段25m滝が出てきたが、すべて快適に登れた。このあとすぐに地形図上の滝記号である30mナメとなった。ナメを見ながら休憩を取った。
ナメは傾斜の緩い乾いたところをポコポコと歩いていけた。ナメと繋がるようにある20m程滝はザイルを出して左壁を登った。この滝上からは本流の雪渓が良く見えた。
ザイルを出したのはこの滝だけで、更に先にも滝はかかるが、モコモコさんに1ヶ所お助け紐をだしただけで問題なく登れた。
奥の二俣は右に入るが、右俣は7mの滝をかけている。左を登れるらしいが、大変そうなので、左俣に一度入ってから巻いて滝上に乗り越して右俣に入った。

ここで作戦タイム。
小屋まで頑張るかどうかだが、丹後山避難小屋は人気があるらしいので、しかも到着が日没後になりそうで我々が入る場所があるかどうかあやしい。モコモコさん調べによると、鞍部には幕営できるようにきれいに刈り払いされており、水場も近くにあるそうだ。
鞍部に泊まれば水の心配をしなくて済む。ということで今日は鞍部までとした。

さすがに沢は小さくなり、源流の趣となった。
コルへ直接向かうと、キジ場指定地への藪こぎとなるらしいので、5:1の水量で入る苔むした窪に入って詰め上がる。
窪に入ってすぐに水涸れし、二俣に分かれる。どちらでも大差ないらしいが鞍部に近い方ということで左の窪に入る。
笹がかぶったりでうるさいが窪ははっきりしている。

藪が鼻や目に刺さらないように気を付けていくとしばらくで急に藪が低くなった感じがしたので覗いてみるとすぐ横は草原だった。
先を行くモコモコさんはまだ窪を登っていたが、先に草原に上がらせてもらい、モコモコさんに「先に草原に上がったよ」と声をかけた。するとモコモコさんも草原に上がってきた。

少し傾斜があるが、眺めが良く気持ちが良い草原だ。
しばし佇み、稜線の登山道を目指して登る。出来るだけ登らなくても済むように少し藪を進むとひょっこり登山道に出た。
後は巻倉山と源蔵山との鞍部まで一下りだ。登山道はきれいに刈り払いされており、鞍部付近の草原もまったく裸地化しておらずきれいなところだ。

鞍部には刈り払い隊専用のテントが常設されていた。
このテント前にタープを張ることにし、荷物を置いて水汲みに出かける。
水場は中ノ岐川側の小沢(岩魚沢源頭)に降りることになるが、傾斜が急な草付きにはきちんとロープが張られており安心して上り下りできる。

沢に降りたところでカメラを忘れたことに気が付いた。モコモコさんに先に行って水を汲んでいてもらうことにし、カメラを取りに戻った。水場へ行く前に気になっていた道を行くと、幕営用に刈りはらわれていた所があった。こちらの方が快適そうだ。
水場の標識から5分ほど下ると冷たい水が湧き出していた。水を汲んでいたモコモコさんと合流し、早速顔を洗ったり水を汲んだりした。

登山道に戻ってからモコモコさんに先ほどの幕営場所を見てもらうとこちらの方が断然いいということになり、荷物を取ってきてタープを張った。
焚き火ができないので早速着替えを済ませて、夕食の準備に取り掛かった。
夕食が済んでしまうと、焚き火がないのでお酒が無くなってしまったこともあり何もすることが無くなってしまった。
日が暮れてからバカ虫がうるさくなった。明日早起きして涼しいうちに歩きだそうということで、シュラフにもぐりこんだ。



3日目
9月5日(晴れ)
コースタイム
BP5:40〜兎岳7:40〜丹後山避難小屋9:07/9:40〜林道12:50〜十字峡13:45



今日も天候は晴れ。
朝はさすがに肌寒いくらいの気温までさがったが、これからまたかなりの暑さになることが予想されるので我々にしては早目に出発。

昨日飛び出たところまで戻り、さらに巻倉山へと登る。
朝から傾斜がある登りをさせられ先が思いやられる。
巻倉山からはこれまでの登り以上に傾斜のある下りで一気に高度を下げる。
暑くなったので、鞍部で半袖になった。

小さいがアップダウンを繰り返しながら兎岳へ登っていく。
まだあまり人に歩き込まれていない道なので、急傾斜の登りには段差がついておらず、ふくらはぎが悲鳴を上げている。
日差しが強くまだ7時前なのに汗が出る。
兎岳が大きい山容をしているので、確実に近づいていることが実感できるのだけが救いだ。

ようやく到着した兎岳には2人連れの登山者が朝食の為休憩していた。
昨晩の小屋の様子を尋ねると、10人ほど泊まっていたらしい。ところが、中ノ岳へ向かうのはこの方達だけで、後は皆降りてしまったらしい。
10人もいる中、日没後に小屋の中に入る勇気はなかったと思うので、昨日は鞍部泊まりにして正解だったようだ。

兎岳と大水上山の鞍部付近の日陰となっているところで休憩した。涼しい風が吹いて日陰だと寒くなるくらいだ。
汗がひいたところで出発するが、歩きだした途端に汗が噴き出してくる。
大水上山の手前で単独の男性に会い挨拶を交わす。男性は、暑いので今朝3:00に登り始めたとのことだ。中ノ岳を回って十字峡に降りるとのことだ。

大水上山を過ぎて利根川水源碑に着いた。我が家の水道の水源の一つでもあるので、記念撮影した。
丹後山まで気持ちのいい広い緩やかな歩きだ。
丹後山小屋は、山頂標識がなければわからないようなのっぺりとした丹後山山頂からすぐのところだ。
小屋にはさすがにだれもいなかったので探検した。外の方が気持ちが良いので外で休憩した。

予定では十字峡から野中のバス停まで歩くつもりだったが、暑いので十字峡までタクシーを呼ぶことにした。少し降りた獅子岩に着くと里が見えたので携帯の電波をチェックしてみると繋がった。歩行時間に余裕を持った時刻で迎えを頼んだ。
ここから灼熱地獄のはじまりだった。
下りであるが、滝のように汗が流れた。
ポイントとなるジャコ平をいつの間にか過ぎてしまったらしい。日陰で風通しが良いところを探して休憩を入れた。

ここからは樹林帯となり、日差しが遮られて助かる。ぐんぐん高度を下げて行くがその分気温と湿度が上がり熱中症になりそうだ。
やっとこの尾根の到達ポイントとなる松ノ木がでてきた。
しかし松ノ木があるということはヤセ尾根で、ヤセ尾根ということは日当たりが良い+松葉は滑り易いの条件により、カラッカラに乾いたフエルト底はフリクション0に等しい。
つるつる滑るので、モコモコさんと交代で「うわっ!!」「キャッ!!」「なんだよ〜ここは!!」と声を上げながら降りることになった。

見積もりよりも大分順調に降りてきたので、タクシーの時間までかなり待つことになりそうだ。迎えの時間を変更してもらおうとしたが、既に電波が繋がらないところまで降りてきてしまったので十字峡でタクシー会社と連絡とれることを祈り再び下山開始。
あともう少しで登山口だが、暑さで水はあとわずか、食欲もわかなくなってきてしまった。

バカ虫もまとわりつくようになり、鬱陶しい。しかしバカ虫に追い立てられるように歩いたので、気付いたら登山口に到着していた。
全身から噴火するのではないかという程暑く、すぐに林道沿いの川に飛び込みたかったが、すぐ先に水場があるらしいので我慢してそのまま歩く。

すぐに水場があった。
ほとんど道と同じ高さで染み出ているのを、パイプをさして水が汲めるようにしてあるありがたい水場だった。
二人ともまず顔を洗い、500ml一気飲みした。また、体を拭いてさっぱりできた。
林道はすぐに橋で右岸に渡り日陰になるのでありがたかった。
この林道は沢を何本も横切るのでほとんど水筒いらずだ。途中でマウンテンバイクに乗った男性とすれ違った。暑さと疲労でボーっとしていたため、挨拶を交わしただけだったが、後でこの方は、我々のホームページを見ていてくださっている方ということが分かった。お話すればよかった。

十字峡にようやく到着だ。
早速タクシーのことを尋ねると、電話でなく無線で呼んでいるとのことだ。そのためタクシー会社の指定はできないとのこと。
この時間だったら、予約したタクシーが出発する前に携帯電話を使えるところまで出られるだろうと見込み、タクシーを呼んでもらうことにした(タクシー呼び出し手数料100円)。するとなんと、無線を傍受したのが、我々が予約していたタクシー会社だったのですべて解決してしまった。
タクシーがくるまで時間があるので、着替えとパッキングを済ませ、ちょうど御昼時でお腹が空いていたので、食堂で何か食べることにした。
頼んだざるうどんは、とてもこしがありおいしかった(しかも安い!!)。食堂のおかみさんとおしゃべりを楽しんだ。

六日町駅ではさらに幸運なことにすぐに上り列車が到着し、待つことなく越後湯沢へ出られた。
越後湯沢で汗を流して、ガラガラで快適な状態の新幹線で最高の沢旅に乾杯をした。


箱淵 突破を試みるが断念 箱淵上部 ゴルジュの始まり
芝沢出合の先にあった淵 突破を断念し巻き始めた 大ビラヤス沢出合でモコモコさんを待つ
大ビラヤス沢出合から先は本流を行けた 板倉沢出合を過ぎてからの滝 水温が上がった
10m二条滝 焚き火も良く燃えた
大ゴルジュ入口 何もかも作りが大胆で豪快だ
廊下状を腰まで浸かって進む ゴルジュ出口にかかる10m滝
10m滝上から見下ろす 山人滑落現場を振り返る
明るく開けとても楽しい 兎沢出合すぐ先の10m滝
30mナメ ザイルを出した滝
草原に出た コルまで一下り 正面に見える山は源蔵山
冷たくておいしい水 中ノ岳と北ノ又川本流の源頭
兎岳へ登る 利根川水源碑と中ノ岳
丹後山避難小屋 十字峡に向かって下山する。猛暑との戦いが始まる


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