飯豊連峰

胎内川楢ノ木沢鴨沢
〜鴨、鴨、良い沢〜
2011年9月8日〜9月10日

またまた、モコモコさんに押し切られての鴨沢だったが、良い沢だった。ルートを間違えたのでもう一度行かなくてはだめかな? 

山と高原地図;飯豊山、2万5千分の1地形図;

アプローチ
東京駅6:04−新潟駅8:14/8:39−中条駅9:22/(タクシー9220円)−奥胎内ヒュッテ

9月8日 晴れ
奥胎内ヒュッテ10:30/11:00〜アゲマイノカッチ12:20〜楢ノ木沢13:40〜堂沢出合15:30(BP)

9月9日 晴れのち一時雨
テン場7:30〜稜線16:25〜二王子岳山頂17:40

9月10日 晴れ
二王子岳避難小屋8:05〜二王子神社11:00



9月8日


東京始発の新幹線で新潟駅、そこから乗り替えて中条駅。そこからタクシー(9220円)で奥胎内ヒュッテまで辿り着いた。ダム工事をしているのでダンプカーがひっきりなしに行き交っている。身支度をして奥胎内ヒュッテへ登山計画書を提出して出発。

11:00。キャンプ場の所に川まで降りるしっかりとした道があり、助かる。ここから胎内川を渡渉し、対岸にある黒石沢右岸の尾根に取り付いてアゲマイノカッチとやらを目指す。胎内川の水量は、深いところで腰ぐらいで流れは穏やかだった。水が透明できれいだ。対岸に赤布もあり人気のほどがうかがえる。

取りついたらあとは急な尾根を汗をかきかき登る。途中、猿の群れが我々を歓迎。やつらは、見ていると物凄く身軽ということが分かる。我々から逃げるように木の枝を伝って山の斜面を登って行った。なぜか体のスイッチが入り負けじと、地べたを歩いて猿を追跡するが、見失い気が付くと疲れが体を取り巻いている。おまけに暑い。蚊が体の露出部を狙うかのように飛んでいる。

今回はアライテントのエアライズ2とタープという組み合わせなので、テン場に関しては鉄壁の守り敷いてある。「今のうちだよ蚊君、僕を襲うのは・・・・」と一人細く微笑む。

アゲマイノカッチまでの道ははっきりとして歩きやすい。カッチで休む。ここまで1時間20分まずまずのペース。下降に取り掛かる。ピンクテープの後を辿っていくと一直線にドーンと急下降する涸れ沢だった。落石を多く落としそうな下降となり、途中で危険を感じて、ヘルメットを被る。大きな滝はなくずっと涸れ沢でありものの、小滝を灌木を掴みながら慎重に降りる箇所が数か所。ゆっくりと下るしか方法はない。ようやく河原に降り立ったときはアゲマイノカッチから1時間20分経っていた。登りも下りも同じ時間だった。

胎内川の支流である鴨沢の流れは本流と相変わらず、透き通っていて綺麗だ。小さな河原でまずは休憩。


本日の予定は、堂沢と鴨沢の二俣のテン場までなので、のんびり遡行する。深いトロがあったりするが、どこも簡単に楽しく突破できる。

二俣直前の大きな淵を越えると、堂沢に少し入った右岸に絶好のテン場を発見。ゴミが目立つ。釣人のデポ品だろうか、ブルーシートが山になっていて、それを覆うようにテントのフライが掛っていた。人気の高さがうかがえる。

タープは張らずにテントのみを張った。天候の悪いときは、テントの前で焚き火が出来るようにと念のためタープをモコモコさんが担いできたが、天気が良いのでやめた。焚き木を集めて、自然の恵みに感謝し、夜は更けていった。



9月9日

テントのお陰で蚊に襲われることもなく、快適な夜だった。のんびり7:30に出発。ブルーシートは重くて下ろせないので、小さなゴミだけでも拾っておく。

今日も天気がいいようだ。あまりの解放感、これからの未知の世界に飲み込まれたのか、二人とも出発前に高度計を合せるのを忘れてしまった。

なぜか標高700mの二俣を右に入ってしまった。大滝こそ出てこないが、ザイル使用できわどい登りの滝も出てくる。癒しの沢のはずが・・・・。モコモコさんが頑張って登ってくる。どうやらもうこのまま上を目指すしかなさそうだ。途中で今晩の味噌汁の具のミズを取った。

ヤブは灌木帯で薄いほうだ。雨が降ってきてヤブを濡らす。お陰でTシャツ、ズボン、パンツともグショグショだ。時間は定かではないが1時間30分ほどヤブを漕いだような気がする。三光山から東へ伸びる尾根に飛び出て、そこからまだかまだかと辛抱強く漕いでようやく稜線に飛び出した。16:25。

稜線に出ても、藪が待っていた。胎内第一ダムへ伸びる尾根は、すっかり廃道化していた。足元を見ながら踏み跡を辿る。途中2か所程、踏み跡を見失い時間をロス。
この道を登るにしろ下るにしろヤブと戯れる覚悟が必要だ。

17:40分にようやく二王子山頂に到着。あたりはすっかりガスに包まれている。

二王子岳避難小屋が近くにあり助かる。水は源頭で汲んできた。中には誰もおらず貸し切りとなった。地元に愛されている良い小屋だ。

足の長い蜘蛛が多く住みついているようだ。我々はバインバイン蜘蛛と呼んでいる。バインバインと屈伸運動をするからそう名付けた。実際その晩も、脱いだ渓流靴に取り付いてバインバインとリズミカルかつ腰のある見事な屈伸運動をしていたのを目撃した。

自然の恵みに感謝して、今夜も更けていった。



9月10日

今日は下るだけなので気が楽だ。のんびりモードで8:05分出発。

小屋を出てすぐに黄色いシャツの方が走ってきた。短く会話して、走り去ってしまった。ん〜どこかで見たことあるなとモコモコさんと話して、思い出した。2008年5月の飯豊連峰 天狗小屋でお会いしたテルゾーさんだ。

いずれ追いつかれるだろうということで先に下る。8:40分ごろ早速追いつかれた。テルゾーさんも、小屋の宿泊者名簿を見て確信を持ったようで山話に花が咲いた。

テルゾーさんと別れた後は、登ってくる方とお話をしながら下った。定高山で携帯電話が無事通じたのでタクシーの予約をした。

一王子小屋の水は冷たくておいしかった。水場まで1分。行って良かった。

11:00に二王子神社に到着。あやめの湯で汗を流した。


キャンプ場から河原へ 胎内川渡渉
明るい渓相
モコモコさんが行く モコモコさん泳ぐ
小滝 小滝
小滝 2条滝
モコモコさんが攀じる モコモコさん取り付く
小滝 ミニゴル
ヤブ あの頂きを越えれば山頂
二王子岳山頂 二王子岳避難小屋
テルゾーさんと山人 米沢駅にて けーじろー 「前田慶次」


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