谷川連峰 
土樽〜蓬峠〜茂倉岳〜茂倉新道〜土樽
〜久しぶりの避難小屋訪問〜
2012年6月2日〜6月3日

 朝日の縦走以来、連休がなかったり天気が悪かったりを理由に、どこにも出かけず家でのんびりとしていた。
 さすがにこれではまずいだろうと言うことで出かけることにし、翌週に朝日縦走を控えているので、装備確認も含めて避難小屋泊まりとした。
 行先は、近くて良い山、谷川連峰だ。


アプローチ

東京駅6:08-越後湯沢駅7:24/(タクシー)-蓬沢駐車場

コースタイム

6月2日(晴れのちくもり夜雨)
駐車場8:16〜東俣沢出合9:15〜蓬峠12:09〜武能岳13:15〜茂倉岳15:28〜茂倉岳避難小屋15:38

6月3日(明け方まで雨後晴れ)
茂倉岳避難小屋5:50〜矢場ノ頭6:44〜登山口8:55〜土樽駅9:40




6月2日
(晴れのちくもり夜雨)
駐車場8:16〜東俣沢出合9:15〜蓬峠12:09〜武能岳13:15〜茂倉岳15:28〜茂倉岳避難小屋15:38

5月の連休以来、関東地方の天候が安定しない。
予想天気分布図を見て、茂倉岳周辺はぎりぎり行動中は雨が降らずに居てくれるようなので茂倉岳避難小屋泊とした。

越後湯沢駅からタクシーに乗り込み、蓬峠へと向かう。雪が多かったので林道のどこまで入れるか不明だったが、幸い終了地点まで入ることができた。
林道終点から少し歩いたところで山菜採り帰りの方と会う。地元のこの方の話を聞くと、やはり今年は春が遅いとのことだった。
まだ雪が解けたばかりのようで余り歩きこまれていない登山道を黙々と歩く。
幸運にもウドを収穫できた。

蓬峠へは沢沿いを延々と歩いたり、標高が上がってから尾根の腹をトラバースするように登るので残雪処理に苦労するのではと思っていたが、日当たりが良い斜面であるお陰か標高1250m近くまで全て夏路が出ていた。残雪よりも、倒木の乗り越しの方が大変だった。
日差しが強いが、樹林帯なので涼しく人にも会わず静かで相変わらずいいところだ。

標高1250m辺りの沢では冷たい水が飲めて生き返った。
ここから蓬峠までは沢を横切るトラバース道だ。さすがに沢の周辺雪が残っていた。滑落しないように慎重に横切る。
最後の水場で明日までの水を汲んでいくことにした。
水場の先は急な雪面のトラバースになるので、そのまま直登した。北斜面でまだ少し雪が固かったので、念のためピッケルを出した。
ピッケルを出したのはここだけで、後は蓬峠まで再び夏路がでていた。

蓬峠にある蓬ヒュッテは、今日から管理人さんが入るとの情報があったが、管理人さんは小屋開けの作業中らしく小屋内から物音が聞こえた。
小屋の外と屋根には布団が干してあった。
写真撮影だけ済ませて先へ進む。ふと後ろをふりかえるとシシゴヤの頭への稜線を歩いているパーティーがいるのが見えた。
武能岳へは綺麗に笹が刈り払いされており、歩きやすい。
花もちらほら咲き始めていた

天気が良く、森林限界上の稜線で暑くなってきた。久しぶりの山で体力が落ちているので汗が出る。武能岳山頂は長細く山頂の一角にでてから標識のあるところまで少し距離がある。武能岳山頂でポカリスウェットを飲んで休む。
先には茂倉岳が近づいて見えるが、その前に笹平までぐんと下らないといけないが良く見える。
ここから先は、お互い別々に一度は歩いたことがあるものの、二人揃って歩くのは初めてだ。
山頂からこれまで登ったのが無駄になるくらいに一気に下降していく。

急下降がひと段落すると、笹平まで傾斜が緩む。
当初予定していた芝倉沢がよく見えるが、上部の雪が大分なくなっており、やはり時期が遅かったらしいので今回はこちらにして正解だ。
笹平付近で人の声が聞こえた気がした。空耳かと思っていたら、高校生の山岳部らしきパティーが逆走してきた。
挨拶の後少し言葉を交わすと、馬蹄形縦走する予定で今日は清水峠まで進むとのことだった。
元気でさわやかな生徒さん達にこちらも元気づけられた。

少し曇ってきたので若干涼しくなってきた中、最後の登りを頑張る。
山頂で記念撮影を済ませて小屋へと向かう。
山頂から少し下るとすぐに小屋が見える。何もせずに小屋に入れるかドキドキする瞬間だ。目に入ったのは完全に屋根が出ているトイレと殆どの屋根が出ている小屋が見えた。これならば、前回のようにドアを掘り出さなくて済むだろう。

小屋まで一気に下った。小屋周りはぐるっと雪の壁となっているが、ドアはすぐ開いた。
やった。水も汲んできているので、これですぐに宴会に入れる・・・・・
と思ったら・・・・・ノオオオオオ!!!!!

残雪期用か非常口なのかはよくわからないが、小扉が開いていて雪が吹きこんでいた。
まずは扉がきちんと閉まらなくなっていたので、扉を閉まるようにしたところ、どうやら取っ手の部品のどこかが壊れてしまっているようで留まらなくない。
扉が開け放しにならないように紐で固定しておくようにしているらしいが、外に出るとそれもできなくなり雪が吹きこむことになってしまうのだ。

折角小屋泊まりなのに、小屋内に雪があるのは気分が悪いし湿っぽくなりそうだ。
吹き込んだ雪を排除することにした。
問題は、シャベルを今回持ってこなかったことだ。
ためしに雪に蹴りを入れたところ、床側は凍っているらしく旨い具合に分解していく。小さい塊にして外へ出すが、素手で作業したのですぐに手が冷たくなってしまう。何かいいものはないか探したところ、小屋の備品にゴム手袋があったのでそれを借りた。
冷たさから解放され、一気に捗る。

「なんか最近この小屋に来るといつもこういうことしているような気がする。」と言いながら作業して行くと雪は排除できた。
今度は大きな水たまりとなった床の掃除だ。小さな避難小屋ながら掃除道具が充実しているので、時間はかかったがあまり苦労なく床の掃除も終わった。
ようやく宴会に入る。落ち着いてきたころ、時折ポタッ、ポタッ、という音が聞こえてくる。
なんと今度は雨漏りだ。
別のところに移動しようとすると、そこも雨漏り又は床がべたべただ。結局一番快適そうなのはさきほど除雪した一角のすぐそばだった。
良く見ると除雪したところの床の表面はほぼ乾いてきていたので、寝床を移動した。

さすがに夜は冷える。
移動してからは雨漏りに悩まされることなく、しばらく宴会をしてからシュラフに包まった。



6月3日(明け方まで雨、くもり後晴れ)

昨晩夜9時頃から外は物凄い勢いで雨が降る音がした。雨は3時間置きくらいにザーッとものすごい音を立てていた。小屋内で目が覚めるくらいで、しかも未明は風も強かった。昨日会った高校生たちはさぞや大変だったろう。

外を覗いてみるとガスで何も見えなかった。
今日は降りるだけだ。10:06発の臨時列車に間に合うように出発。
少し標高を下げるとガスが切れた。ガスは山頂付近だけのようだ。天気予報で新潟県側は晴れと言っていたのでこれからもっと視界が良くなりそうだ。
矢場ノ頭からは樹林帯となりどんどん標高を下げて行く。

ヤセ尾根のヒノキ廊下を通過した辺りで、困ったことにトイレに行きたくなった。しかしここはヤセ尾根。用足しする場所がない。
モコモコさんに訴えたところ、「もう少し下れば尾根が広がるから先に行きな、はい、ロルぺ(担当装備はほとんど決まっていて、トイレットペーパー係はモコモコさんである)。」とモコモコさんからトイレットペーパーを預かったので、一足先に駆け降りた。
先に尾根の広がりが見え、もう少しでこの焦りから解放されると思っていたところ、鉈を振るって登ってくる方(Nさん)にばったり出会った。

お互い驚いたが、特にNさんは、鉈を振るってヤブを払っていたところに私が出てきたものだから熊が出たかと思ったそうだ。
少し話をして別れる。
無事用足しを済ませて一息付いていると後から来るモコモコさんが追いついた。

Nさんと話をしたところ、
 ・シーズン中、定期的に小屋の管理清掃で登っている(ちなみに積雪期は、茂倉岳避難小屋は完全に埋まります)
 ・今日は小屋に入り込んだ雪の片付けを目的に登る(ザックにシャベルがくくりつけられていました)
 ・小屋内の雨漏りの話をしたところ、あれは雨漏りでなくひどい結露で水滴がたれてくる、そのため屋根の傷みが激しいとのこと
 ・結露が激しいので、シーズン中はできるだけ換気をしている
とのことだった。

もともと滑る上、雨後で余計に滑るようになった登山道を一頑張りして下ると登山口だ。
あとは土樽駅までのんびり歩いて、無事予定の電車に乗ることができた。


今回はレルヒさんのプロフィール 林道はタンポポの花盛り
蓬沢沿いの明るい道 上部にはまだ残雪あり
冷たくておいしい水 蓬ヒュッテ(御布団干して営業準備中)
武能岳近くから、振り返る 武能岳から茂倉岳
武能岳を振り返る 稜線にも花が咲き始めた
芝倉沢と一ノ倉岳 茂倉岳山頂から双耳峰の谷川岳が良く見えた
今回はドアを掘り出さなくて済んだが・・・・・ アイヤー!(中国人風に言ってみた) 雪が・・・
雪と水たまりをやっつけた、あとは丁寧に拭くだけ 茂倉新道はシャクナゲが見頃
上部はガスっている(矢場ノ頭手前から) 土樽駅に向かう途中にあった見事な藤の花


活動記録に戻る

トップへ戻る