帝釈山脈
大清水〜物見山〜黒岩山〜引馬峠〜台倉高山〜馬坂峠〜上の原
〜やっぱり南会津はいいね! 〜
2012年10月18日〜10月20日

 稜線の広葉樹の落葉が始まり藪こぎに適した季節になってきた。
 このコースは1997年10月号の「岳人」に掲載されていた、サバイバル登山家の服部文祥さんが廃道となった黒岩新道を辿る藪山縦走のもので、モコモコさんは一目見て行きたいと思っていたところらしい(が、忘れていた)。
 ところが、最近同号を引っ張り出して眺めていたら、再びその記事(*)を見つけてしまったモコモコさんが行きたいと騒ぎ出して行くことになった。

 *今現在は馬坂峠から台倉高山までは登山道が開かれていますが、記事掲載当時は藪のままの状態で現在では貴重な記録だと思います。

 黒岩山〜台倉高山の間の登山道は、依然廃道となっており静けさを保っていた。景色は針葉樹などで良く見えないが、原始の山の中を歩く魅力があった。
山と高原地図;尾瀬、2万5千分の一地形図;川俣温泉、帝釈山

アプローチ

上野駅6:03-熊谷駅7:07/7:14(新幹線)-高崎駅7:31/7:48-沼田駅8:31/8:40-大清水10:16

コースタイム

10月18日(ガス)
大清水10:38-湯沢出合11:32〜物見山14:22〜鬼怒沼山分岐15:13〜小松湿原16:36(幕営@)

10月19日(ガス後晴れ 一日強風)
C@6:44〜黒岩分岐7:33〜黒岩山8:06〜1952m地点(孫兵衛山の鞍部)付近1022〜1915mピーク手前鞍部12:33/13:06〜馬引峠13:25〜1981.7mピーク13:55〜1938mピーク手前14:58(幕営CA)

10月20日(晴れ)
CA6:25〜1895m先の湿原7:22〜台倉高山8:25/8:53〜馬坂峠(林道)10:28〜上の原(燧の湯)13:53

10月18日
(くもり濃いガス)
コースタイム
大清水10:38-湯沢出合11:32〜物見山14:22〜鬼怒沼山分岐15:13〜小松湿原16:36(幕営@)


一番早くに沼田に着ける時間に接続するバスは大清水まで行かないので、一本後のバスに乗ることになる。
熊谷−高崎間だけ新幹線を使って時間を稼ぐ。乗り継ぎもうまく行き無事バスに乗車。最初はそこそこ乗客がいたが、やがて我々の他に3人組の登山者だけとなった。
尾瀬方面へ向かうのは久しぶりだが、椎坂峠をトンネルで抜けるように工事が行われていた。
鎌田で少しトイレ休憩をとった他は乗り降りする人もなく大清水へ到着。
大清水で登山届を出そうとするが、届を出すところがない。
休憩所の人に尋ねると、尾瀬沼のビジターセンターまでいかないと受付場所がないとのこと。そこには行かないことと大清水にも戻ってこないことを告げると休憩所で預かってもらえることになった。
尾瀬は山だから(後略)とうるさい割にはこういうところが抜けている(怠慢だ)と思ったところ、「入山前に出せないと意味ないじゃん、なんだかな〜。」とモコモコさんは声を出した、。

物見山は尾瀬といっても中心地から外れているので、天気のいい休日は賑わうであろう人気ルートの一之瀬方面への林道とは違って物見小屋前から延びている寂しい感じのする林道から入る。
林道は荒れているわけではないが、一之瀬林道とは大違いで林道にお約束の車のタイヤ跡以外には草が生えている状態だった。それでも他の地方の林道よりはよく手入れされていて大きく掘れているような所もない。

40分ほどで物見橋に到着。林道はここで終了。少し先の小沢を渡ってから植林地帯を軽く登って丸太の橋がかかっている湯沢の渡渉点に着いた。
ここで今日の行動用の水を汲んで休憩した。

丸太橋を渡ってから尾根に取り付く。
樹林帯の痩せた尾根をひたすら登る。曇りで気温が上がっていないのと標高を効率よく稼げるのが幸いだ。
時折周りが見えると、紅葉がきれいに進んでいるのが見える。標高1600mを過ぎたあたりは紅葉の赤が最盛期なようでとても綺麗だった。
時折露岩や足場の悪いところが出てきたりするが危険なところもなくひたすら登っていく。
1800m付近は燧ヶ岳や武尊山の眺望が良いらしいが、ガスが一層濃くなり視界は0。
やっとついた物見山は標識がなければそのまま通過してしまいそうな小さなピークだった。
ガスが余りにも濃く、樹林から水滴が雨のように落ちてくるので雨具の上だけを着ることにした。

鬼怒沼湿原の入口に着くと、少し湿原を覗くことができる。天気が良ければ少し散策でもと思っていたが、ガスが濃く風も強いのでそのまま通過した。
これまでの急登が嘘のように緩やかになった道をひたすら進む。2141mピークを巻くように付けられている所を通過し終え尾根に戻ったところに鬼怒沼山への分岐があった。これから幕営ポイントまであと1時間30分もある。天気も良くなく、時間がないので通過した。

鬼怒沼トンネル上を通過した辺りから急に鹿の鳴き声が聞こえるようになった。これまで誰にも会わず、寒いせいか動物の気配もなかったので少し安心した。
尾瀬側の斜面が緩やかになってきた。2055mピークを巻くようになった所から少し進むと、気をつけないと見逃してしまいそうな小さなプレートが現れた。
プレートには小松湿原とあった。
今日の幕営予定地点だ。

早速周りを見てみると、登山道のすぐそばから水が出ていた。
水場のそばにはテント一張り分のスペースがあった。
モコモコさんが水汲み係、山人がテント設営係となった。テントを広げてから少し辺りを見回してみると、奥に広くて快適そうなところが見えた。近づいてみると、広々とした快適そうなこれこそTHEテンバという所だった。

水汲み中のモコモコさんに声をかけてからテントを移動した。
水汲みを終えて荷物も移動しテントに入る。モコモコさんは最初焚き火をすることを企んでいたが、あまりにも寒く相変わらず水滴はぼとぼと落ちてくるし薪もビショビショで集めるだけでも大変なのでおとなしくテントにもぐりこんでいた。

暖かい食事をとると心も体も落ち着いた。
明日は天気が良くなることを祈って眠りに着いた。


10月19日(ガス後晴れ 一日強風)
コースタイム
C@6:44〜黒岩分岐7:33〜黒岩山8:06〜1952m地点(孫兵衛山の鞍部)付近10:22〜1915mピーク手前鞍部12:33/13:06〜馬引峠13:25〜1981.7mピーク13:55〜1938mピーク手前14:58(幕営CA)


一晩中強風が吹いていたが、樹林帯なのと、地形的にもうまく風が避けられるところだったようで風のことを一切気にすることなく快適に寝られた。
今日はいよいよ道なき道をいく日だ。
雨は降っておらず昨日のような水滴がぼたぼた落ちてくることはないが、ガスで視界が効かないのと昨日よりも風が強まった感じで寒い。
防風防寒の対策をして出発。

黒岩山分岐までは昨日と同じような様子の登山道を行く。
途中、スギヒラタケが沢山生えていた。今晩の鍋に入れればおいしいだろうなーとモコモコさんに言うが、重くなるからいらない。と一蹴されることがしばしばあった。
倒木が多く、距離の割に時間がかかって黒岩山分岐に到着。
分岐から黒岩山へは思ったよりもはっきりと道が着いていた。
この登山道に共通して言えるのは、ピークというピークは巻くように付けられていて、山頂へは分岐からのピストンとなっている。要するに歩くには楽だがピークを踏むには越えるようには道がついていないので、必ず往復するようになっており時間に余裕がないと山頂は全て通過ということになる。

黒岩山を登っていくと、時折青空が顔をのぞかせることもでてきた。天気は順調に回復しているようだ。
黒岩山頂に近づくと木が白くなっている。昨晩雪でも降ったのかと思ったら霧氷が付いていた。
黒岩山山頂は直前まで分からないが、山頂は刈りはらわれていてプレートもあった。天気が良ければ気持ちよさそうなところだ。

はっきりとした踏み跡はここまで。
ここからは踏み跡はあるが、よく見ないと見失いそうだ。また、藪が刈りはらわれておらず少しの距離であるがうるさくなる。
藪を掻き分けると突然獣の姿が見えて驚いた。体が大きいので一瞬熊かと思って焦った。良く見ると鹿だった。
山頂から鞍部へ降りると尾根が広がり藪がうすくなった。
黒岩山はいくつかのピークがあるが、丁度3県にまたがるピーク(三国のピークと呼ぶことにした)は気をつけないとそのまま通過してしまうような岡のようなところだった。
当初はここから花沼湿原へ下降して湿原を見て行くつもりだったが、ガスで風も強いのでそのまま尾根沿いをルートにとることにした。
三国のピークのすぐ北西にあるピークは地形図からは読めない岩峰だった。
直下でこれを登るのか?という大岩が行く手を塞いでいるかのようにデーンと鎮座しているが、よく見るとすぐ脇に人一人が安全に通過できるような隙間ができている。
岩の隙間を通過してすぐに黒岩山北西端のピークだ。
ここまでは歩きやすいところを進めば赤テープを見ることができルート上に居ることを確認できた。
北西端のピークからは標高差数10mは傾斜が急で藪も濃い。
福島県側をルートにとると藪が薄いところを下ることができた。

時折藪につかまりながら降りると歩きやすい傾斜になる。藪もうすくなった。
標高2000m辺りで栃木県側のトウガン沢源頭へ伸びる尾根へ入り込んでしまった。あわててトラバースして戻るが藪が濃くて体力を消耗してしまった。
戻った尾根の福島県側を歩くようにすると藪が薄くて楽だ。
モコモコさんからも「尾根上や栃木県側でなく福島県側を歩いて。その方が藪が薄いし間違えて降りてしまっても傾斜が緩くて戻るもの楽だから。」と強く言われた。
少しササがうるさくなってくるが順調に1952m地点と思われる鞍部に着いた。
鞍部には快適そうな幕営適地があり、実際焚き火の跡があった。水の確保さえされていれば楽しい一夜となりそうだ。

いよいよ孫兵衛山への登りだ。笹の丈がこれまでと違って背を越えているので藪こぎとなった。ガスは完全にとれて青空も見えている。気温の低さと強い風もここでは味方となりそうだ。
ガサガサバサバサと音を立てて登っていくと孫兵衛山に着いたらしい。孫兵衛山の三角点は縦走路から離れたところにあるので今我々がいる南峰を孫兵衛山としてそのまま先へ進む。
ここからすぐ先の鞍部へコンパスを合せて行く。最初に踏み出す方向が悪かったのかえらく濃い笹藪と急傾斜が待ち構えていた。モコモコさんから何度も方向を確認する声がかかる。間違えないとそのたびに答えるが、「絶対おかしい。また栃木県側へ入りこんでるよ。GPS見てみなよ。」としつこいのでGPSを見てみると確かに少し栃木県側へずれている。「だいだい合っているよ。」と言って安心させようとするが、モコモコさんは「やっぱりずれてるでしょう。さっきから栃木県側はだめだ、福島県側を歩けって言ってるのになんで無視するの!」とブチ切れてきた。
確かに尾根からも少し外れているのでここはモコモコさんの言うとおりトラバースしてまずは尾根上へ戻ることにした。
ところが藪がとても濃くて戻るのがとても大変だった。
尾根上に戻ると、藪は濃いがこれまでの藪ほど濃くはない。さらに福島県側へ移動するとさらに藪は濃さが薄れていった。モコモコさんの忠告は聞いておくもんだとその時は思ったが、すぐに忘れてこの後も台倉高山まで栃木県側へ寄ってしまいそのたびに「栃木県側へは・・・・・・・・・!!!」とクレームつくこと度々となった。

孫兵衛山を越えた先の鞍部は尾根が広がり幕営できそうなところがあった。
藪も次第に薄くなって歩きやすくなってくる。
しかし倒木が多く、跨ぐことが頻繁に出てくる。ずっと針葉樹の樹林帯なので当たり前だが倒木も針葉樹。針葉樹の倒木は、枝が折れていても枝の付け根部分はとがった状態で残っているので、跨いだときに少しでもその突起に当たるととても痛い。
さらに、モコモコさんは倒木を跨いだときに足が見えない枝に引っ掛かって転倒してザックの重みの勢いが余って頭から突っ込み、時間をおかないうちに今度は山人が倒木で滑って転倒したところ近くにあった立木に頭をぶつけてとても痛い思いをした。

それでも倒木だらけの地面を歩くのにも慣れてきた。
広く緩やかな尾根は歩きやすいが緩くうねっているのでルートをはずさないように慎重に進む。
比較的長い下りの先の鞍部に赤テープが見えた。ここで何を勘違いしたのかこの鞍部を引馬峠と思ってしまった。実際は、1915mピーク手前の鞍部だ。
鞍部には水たまりと鹿のヌタ場があった。
地形図を見て(それでも間違い気がつかない。思い込みとは恐ろしいものだ。)この先水を確保できるところはなさそうなので水を汲みに行くことにした。
尾根の左右どちらの沢へ下るか迷ったが、地形図の水線を見ると福島県側の火打石沢の方が鞍部との標高差が小さいところから引かれていたので火打石沢へ降りてみることにした。

すぐに窪が現れて下っていくと、下降を初めて約5分ほどのところで左岸の支流から水が湧き出していた。もっと下まで降りないといけないと思っていたのでうれしかった。
たっぷり汲んで鞍部へ戻る。
予定では引馬峠で幕営となっていたが、まだ時間が早いので出来るだけ足を延ばしておこうということで先へ進む。
水を担いだことでずしりと重くなったが、天気がさらに良くなってきて順調に進めているので気分がいい。

この鞍部を引馬峠と勘違いしたまま1915mピークへと取り付く。藪がうすいのできつくない。たまにはピークを踏もうと1915mピークを踏んでから尾根の北側となる福島県側を意識して歩く。
長い山頂を持つ引馬峠手間のピークの東端から先のピークが見えた。ここでちょうど90度曲がるように降りるので、引馬峠の先の1981.7mピークまで来ていたと勘違いしたままだ。

少し急な下りを済ませると尾根が広がり、幕営するにもよさそうな所がでてきた。そこで愕然。引馬峠と書かれたプレートがあった。なんとここまで勘違いに気がつかなかった。ということは今日中に進んでいかないといけないところにようやく着いたということだ。
勝手に勘違いしたのが悪いのだが、予想よりもかなり早いペースで歩いていると喜んでいたのでがっかりだった。

しかしまだまだ行動できる時間だ。予定よりも先に進めるのは確かなので気を取り直して1981.7mのピークへ取り付く。
ここも藪が薄くて助かる。
30分ほど頑張るとポコッという感じで山頂の一角に着いた。ルートはここで大きく方向を変えるが、その前に少し周りを歩いてみると、三角点があり、そこから日光の山が綺麗に見えた。

1981.7mのピークからはルートの方向が北上するように変わる。するとこれまでとは比較にならない程倒木が多い。
ピークからの下りはできるだけ尾根に忠実に進む。時折見られる赤テープもここでは尾根に忠実に付けられていた。傾斜が緩んでからは福島県側を通るようにすると比較的藪も薄く倒木も少ない。福島側は絶えず冷たい強い風が吹いているのを除けば、アスレチックのようでなかなか楽しいところだ。

1938mピークを過ぎたあたりから今日の幕営地を探しながら行く。
何か所かテントを張るのにはよさそうなところはあるが、風が吹き抜けるのでパスしながら進む。1938mピークと1895mピークの間にあるピークの鞍部から少し栃木県側へ降りたところに、少し斜めであるがテント一張りならなんとかなりそうな所があった。栃木県側なので風下となり風の問題がなく日当たりもいい。即決で荷物を降ろした。

昨日はできなかった焚き火もできそうなので、わずかであるが薪を集めてささやかな焚き火を熾した。外は寒いので焚き火に当たることはしなかったが、火が着いていると色々と便利だ。
今回焚き火をすることに執念を燃やしていたモコモコさんも満足な様子。風も穏やかになってきたようだ。雨の心配もなく安心して寝られた。



10月20日(晴れ)
コースタイム
CA6:25〜1895m先の湿原7:22〜台倉高山8:25/8:53〜馬坂峠(林道)10:28〜上の原(燧の湯)13:53


最初の予定では台倉高山から馬坂峠を通過して田代山を越えて十賊温泉へ抜けるつもりだったが、台倉高山からは登山道が開かれており、目的は果たした感じだ。馬坂峠から桧枝岐へ降りれば同じ時間の電車で帰るにしても、お風呂に入ってうまくすれば食事をも済ませていけることが分かったので迷わず馬坂峠から降りることにした。

風もなく穏やかな日差しの中出発。
最初は目の前のピークを越えるために藪が薄いところを選んで登る。
ところどころ笹藪が濃くなるが、例によって福島県側を進むと次第に藪も薄くなる。
尾根が広いので歩きやすく、樹林帯でも先がときどき見えるので楽しい。

1895mピークから少し進むと先に湿原らしきものが見えた。
霜が降りて真っ白になっていたのでモコモコさんは最初湿原だとは思わなかったようだ。
湿原を目指してテクテク進む。
とても小さな湿原だが、ほっとする場所だ。

湿原を通過するとこれまでで一番笹藪の背が高くなった。
うっすらとある獣道のようになっているところを探しながらガサガサ笹藪を掻き分けて行くと、赤テープを発見することもあった。
鞍部で比較的藪が薄いところがあったので少し休憩をして台倉高山への登りに備えた。

できるだけ栃木県側に寄らないようにしていたがどうしても寄ってしまう。そのたびにモコモコさんから注意を受けるがどうしても治らない。
そのうちモコモコさんは何も言わなくなったが、それまで忠実に後ろをついてきたのをやめて山人の踏み跡をはずして福島県側を選んで登ってくる。無言で圧力をかけられているようだが、なるほどモコモコさんの行く方向に合わせて登って行ったら藪が比較的薄くなり、赤テープが出てきて踏み跡もあった。

踏み跡をはずさないように登っていく。それまで広い尾根で単なる斜面のようだったのがだんだんはっきりした尾根の形状をとるようになると先が見えてきた。
シャクナゲがあるような灌木の藪がうるさいところを少しの距離を通過していくといきなりきれいに刈り払いされた山頂に出た。
山頂には標識があるだけで誰もいなかった。

日当たりが良い山頂はあたたかく風もないので周りをゆっくり眺めることが出来た。
コースタイムでは1時間40分で馬坂峠だ。峠からは4時間ほどで桧枝岐に着けるだろうから14:50発のバスに間に合いそうだ。

下山道は急な下降から始まる。
先に見えた北峰は巻き道が着いているように見えたがやはり登らずに巻いていた。
途中小さな湿原を見ながら、基本的に樹林帯の中を進む。ここもピークというピークはほとんど巻くように道が付いているので登り返しがなく楽だ。
北側の日陰道で霜柱が融けていないうちに降りられて快適だ。
すっと緩やかな下りなので長く感じる。延々とこれが続くのかと思ったらやっと急な下りとなった。

とうとう誰にも会わずにこの山旅も終わるのかなと話しながら水場を過ぎるとわずかで7〜8名の団体さんが登ってきた。入山してから初めて人に会った。団体さんにはあと15分程で林道だよと教えてもらった。今度はこの山域は人気がないのかな?と話しながら行くと林道が見えてきた。
林道に出てびっくり。予想以上に開けていて、駐車台数も結構あった。皆帝釈山へ行ってしまうらしい。

山頂から思ったよりも早く降りてこられた。頑張ればバスに乗る前にお風呂に入っていけそうだ。
林道はどんどん下っていくので重力に任せて我々もどんどん下る。
下っていくとバイクが後ろから迫ってくる。それも1台だけではない。どうやら栃木県側の林道を使って峠越えをしてきたようだ。

・・・・・・長い。
覚悟はしていたがとにかく長い。車などが通らなければまだいいが峠越えをしてきたと思われる車までもがどんどん我々を追い抜いていく。
周りの景色がきれいなのが慰めになり、また、舗装道路だと登山靴ではきついので良く整備された砂利道なのが助かる。途中会津駒ケ岳が見られる所があり素晴らしい眺めだった。今日会津駒に登った人は最高だったろうなと思った。

ようやくキャンプ場に到着。あと1時間といったところか。
さらに歩くと木材加工所の前を通り過ぎた。ふと道路わきを見ると「魚をとらないで」という注意書きがあった。良く見ると小さな池があって岩魚が数匹泳いでおり和んだ。その先には養蜂場があったのでジッと見てみるとクマよけと思われる電流線が張ってあったのと熊トラップが仕掛けられていた。
舗装道路になって足に疲れがたまっていた最中で、少し楽しくなれた時だった。

いよいよ集落が始まりあとどれくらいかなと話す間もないうちに「ひうちの湯」の看板が目に飛び込んだ。
時計を見ると13:50を少し過ぎたばかり。これならお風呂に入っていける。
いそいで着替えと温泉セットを出してお風呂に飛び込んだ。

さっぱりして体も軽くなったところでバス停へ移動。バスを待っていると男性3人組もやってきた。会津駒ケ岳へ夜行で来て登り、キリンテを回って今着いたところとのことだった。
時折ゼッケンを着けた人が通り過ぎる。ゼッケンを良く見てみると100kmウルトラ遠足とあった。こちらは約14kmの林道歩きでうんざりしているのに、100kmも走ったり歩き続けるなんで世の中色々な人がいるものだ。

バスが現れ中の様子を見てみると座席が埋まっている様子にモコモコさんが慌てるが、よく見ると我々の乗る路線バスではなかった。
路線バスはすぐ後に続いており、無事皆座ることができた。
車窓を眺めていると、昨年の集中豪雨の爪跡があちらこちらに残っており、災害復旧工事がいたるところで行われていた。

順調にバスは会津高原駅に到着して乗っていた人はほどんどが乗り継ぎのいい電車に乗っていった。我々は1本遅らせて駅隣接の食堂で乾杯して竜田揚げ定食(凄いボリュームだった)でお腹を満たして、乗り換えはないがえらく時間がかかる電車で帰宅した。


林道は良く手入れさている 湯沢にかかる丸太橋
時折見える斜面 色づいている 今は赤色がきれいだ
小松湿原入口にある水場 黒岩山への分岐
黒岩山山頂 大岩の間をすり抜けて通過する
孫兵衛山手前鞍部は幕営適地 孫兵衛山からこれから行く方向を見た
藪がないのがありがたい。しかし倒木が多い 水たまりと鹿のヌタ場のある鞍部(引馬峠と勘違い) 水汲みに行った
本当の引馬峠 1981.7mピークからは日光の山が良く見えた
倒木が非常に多い区間 福島県側をいけば比較的歩きやすい
今晩の宿 天気はいいが気温が低く寒い 台倉高山が射程距離に入った
1895mピーク先の湿原 小さいけれどちゃんと地塘もある
台倉高山への登りではササがうるさい 台倉高山へ到着
日光の山の展望台だった
燧ケ岳が大きい 小さな湿原を通る
馬坂峠の立派な駐車場(トイレは冬期閉鎖中) 長い長い林道歩きの始まり
青空に映える 養蜂場


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