吾妻連峰
高湯温泉〜家形避難小屋〜谷地平避難小屋〜吾妻小舎〜高山下り
〜吾妻小舎の温もり〜
2013年2月8日〜11日

 
 前回できなかった高山下りをする予定。
 ところが、今回も超強力な冬型の気圧配置となり猛烈な寒気が南下してくる予報。
 今回は一日長く日程をとれたので、3日目は予想気圧配置から見るに山越えが確実にできそうだ。
 2日目に天候が回復したなら谷地平まで行ってこようという魂胆だ。


アプローチ

東京駅6:20〜福島駅8:15/バス9:25〜高湯温泉10:03

コースタイム

2月8日(くもり、昼すぎから風雪)
高湯温泉(花月ハイランドホテル)10:25〜スカイライン横断点12:07〜慶応吾妻山荘入口14:58〜家形山避難小屋15:55

2月9日(晴れ)
家形山避難小屋9:53〜五色沼(稜線)10:37〜谷地平避難小屋14:40

2月10日(晴れのち雪)
谷地平避難小屋7:33〜姥ヶ平10:45〜吾妻小舎13:00頃

2月11日(晴れのち雪)
吾妻小舎7:23〜高山9:30〜麦平10:30頃〜林道12:45〜土湯温泉車道13:50



2月8日


いつものバスで高湯温泉の花月ハイランドへ向かう。バスの中で顔馴染みなったチェーン巻職人さんから慶応吾妻山荘の管理人さんが朝一のバスで登って行ったという情報を得る。

平日にもかかわらずしっかりと付いたトレースを追って進むといつものペースでスカイライン横断点に到着。山鳥山あたりから風雪が激しくなる。
また、それまでくっきりと付いていたトレースが急に心もとなくなった。
井戸溝は埋まっていた。慶応吾妻山荘の少し手前で登山道整備中の慶応吾妻山荘の管理人である大柿さんに会った。なんだか体の調子が悪そうだった。

ここからは我々がラッセルをして進む。慶応吾妻山荘分岐を過ぎて尾根に出てから硯石まではいつもなら雪堤の所を通るのだが、今回は風雪の影響でいつの間にか雪堤の下にルートを取っていた。
家形山避難小屋には天候が悪いながらも暗くならないうちに到着できた。先々週に作ったトイレブロックは状態が悪いもののなんとか残っていた。

2月9日


夜中は風が強く吹いていた。昨日除雪した窓もすっかり埋まってしまった。どうせ今日も天気が悪いだろうと思って小屋のドアを開くと、風は強いものの青空が広がっていた。

のんびりしているモコモコさんに、これなら行けると準備を促す。朝食を食べて何だかんだで出発は10:00近くになっていた。それでも今日は谷地平避難小屋までなので気持ちに焦りはない。

早朝に比べて風が少し収まってきたものの、以前風は強いままなのでがんちゃん落としを登ることにした。家形山の東側の斜面が怖い感じがした。40分ほどで稜線に到着。五色沼のトラバースに入ると、大倉深沢から吹き上げてきた強風が正面から叩きつけてくる。モコモコさんはあまりの強風の為、怒って戻ろうと叫んでいる。少し戻って高度を下げるとあら不思議、風が弱まった。このままトラバースを続けると、うまいい具合に五色沼鞍部に行くことができた。

強風地帯なので雪が吹き飛んで地面がむき出しになっている箇所を、板を着けたまま雪面がある場所まで移動。大倉深沢左岸の樹林帯でようやく一息つくことができた。緩やかな樹林帯の尾根を1796mのポイントを目指して進んでから谷地平に向けて下降を開始した。どんどん進んでいくとやがて平坦になる。あとは谷地平避難小屋へ向けてひたすらラッセルをして進む。谷地平避難小屋手前の沢を横断する個所は、風の影響か1・5mほどの壁状になっておりカニさん歩きで降りた。微妙なスノーブリッジを使ってなんとか渡ることができた。

小屋のドアを掘り起こし中に入る。きれいに使われているようで助かる。しかし、相変わらずペットボトルや酒の空き瓶等があるのが気になる。沢の水を汲んでようやく落ち着くことが出来た。夕方になり食事の支度をしていると、外で声がする。まさかと思ったら、天元台から4人パーティー(渋谷山の会)が到着した所だった。厳冬期の谷地平避難小屋で初めて賑やかな夜になった。

2月10日


朝起きると青空も見え今日も天気がいい。我々が先に出発したが、後から4人パーティーがものすごいペースで追いついてきたのでラッセルを交代しながら姥ヶ原を目指す。吾妻小舎までは東吾妻山の北斜面にある小沢沿いに進む。樹林帯で風も弱く雪質もなかなか良い(滑り要素は0)。浄土平からは、桶沼のトラバースを嫌ってスカイラインを通って吾妻小舎へ向かった。

吾妻小舎では吾妻山の会の方々6名が雪下し作業中だった。久しぶりの再会もありうれしかった。そうこうしていると渋谷山の会の4人も到着した。一休みして雪下しを少しだけお手伝いした。あとはのんびりと過ごした。夕方になると雪が深々と降ってきた。

薄暗くなり夕食の準備をしていると、新たに3人パーティー(鈴蘭山の会)が到着。グランデコから入山で2日目のこと。我々を含めて15人。吾妻スキー場が営業していて遠藤さんが小舎に入っていた頃の様な賑やかさに懐かしさを感じた。

なお、吾妻山の会の皆様方に大変お世話になったことに感謝申し上げます。ありがとうございました。

2月11日

朝起きると10センチ程積もったようだ。吾妻山の会の皆さん以外は全員高山下りとなった。高山からの下りは新雪が積もっており雪崩そうで怖いので滑りにこだわらない我々は一気に樹林帯に入り、尾根沿いを滑ることにした。シールを付けたままでも良く滑り楽しい。尚、他の皆さんは滑りが達者なので尾根上を滑って行った。
下りの行程の半分くらいを済ませた辺り単独行の方が登ってきたので大分楽になった。
林道途中で先行していた皆さんに追いつき土湯温泉へ下った。

スカイライン横断点 井戸溝
後ろの窓も東側の窓も埋まった いざ、がんちゃん落としへ
がんちゃん落とし上部 上部より大根森
一切経山と五色沼 谷地平を進む
小屋手前の沢横断点 谷地平避難小屋
谷地平避難小屋のすぐそばの沢 東吾妻山
蓬莱山 一切経山
前大巓 吾妻小舎
スカイラインを進む 高山から麦平を望む
救助用そり設置ポイントの木 無事に降りてきた



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