那須・男鹿山塊
穴沢バス停〜光徳寺〜百村山〜黒滝山〜西村山(往復 )
〜この時期の大佐飛山は遠いよ〜
2013年3月9日〜10日

 当初は最後の吾妻スキーツアーを予定していたが、2日目に発達した低気圧が通過する予報。
 今年は週末に当てるように低気圧が通過する傾向があり、結局計画通りに行ったのはたったの1回。重い荷物とかさばるスキーの道具を担いで遠方まで出かけても結局、敗退又は大幅な縮小ルートになるのはもう勘弁、ちと早いがスキー板はお役御免とした。。
 そろそろ雪も締まってきた太平洋側の山へと目を向けた所、目に付いたのは大蛇尾川を遡行したときに足を踏み入れた男鹿山塊だった。


アプローチ

東京駅6:20-那須塩原駅7:32/7:42-黒磯駅7:47/(バス)8:15-穴沢バス停8:37

コースタイム

3月9日(晴れ、強風夕方から風弱まる)
バス停9:00〜(途中1時間30分ほど寄り道)〜光徳寺登山口11:01〜三石山14:57〜サル山16:03〜山藤山17:02〜山藤山直下で幕営

3月10日(晴れ、昼前から風強まる)
山藤山6:08〜黒滝山7:21〜西村山8:08/8:24〜黒滝山8:53〜幕営地9:38/10:00〜三石山11:19〜光徳寺13:12〜バス停13:20



3月9日
(晴れ、強風夕方から風弱まる)
コースタイム;バス停9:00〜(途中1時間30分ほど寄り道)〜光徳寺登山口11:01〜三石山14:57〜サル山16:03〜山藤山17:02〜山藤山直下で幕営

 なるべく早目のバスに乗るにはどうしても新幹線利用となるのが少し痛いが、乗り換えも旨く行き予定通りに穴沢のバス停に着いた。
 少し歩くと、さすが那須。牛舎があった。牛さんが興味深げにこちらを見ている。
 風がとても強く、歩みも遅くなる。

 光徳寺入口の林道を探しながら行くと、どこを登るのかと車に乗った方から声を掛けられた。
 黒滝山に登ると答えると、登山口までまだかなりありますよ、乗っていきますか?とありがたい言葉があった。
 結構近くまで来ているので、もしかして林道が通れるようになっていてそこまで乗せて行ってくれるのかな?と思いながら乗せてもらうと、なんだか思っていた所とは違う方向へ車が走っていく。
 着いたのはその方の御親戚のお家だった。

 ?????と思いながら言われる通りにずうずうしくもお家に上がり込んでしまった。
 中には立派な薪ストーブがあり、さすが那須と変に感心していると、お茶や美味しい漬物やおまんじゅうやらとなんだかすごいもてなしを受けてしまった。
 なぜここに連れてこられたか全くわけがわからなかったが、お話を伺うと、このお家の御主人が黒滝山への案内人をされていた方で登る前に話を聞いておいた方がよいとのことで連れてきてくれたのだった。
 色々貴重なお話を聞くことができた。

 結局のところ、あのまま車に乗らずにいれば今頃百村山にかなり近づいていたわけだが、楽しいお話と車の主の御実家からは揚げたてのかりんとうの差し入れを頂いてしまい、この後かりんとうパワーに助けられたのでした。

 予定通りの登山口へ着くと、入山の準備をしている男性が一人おり、我々の準備中にもう一人男性が到着した。

林道までは植林地帯を行くが、良く手入れされた作業道を登山道として使用しており、大きく斜面を使っているので標高差の割に登りやすかった。
リンク先の青空山岳会さんのレポによる事前学習では林道から梯子を登っていくような感じだったが、石積みを何段か登っただけなので最近人気だから整備されたのか?とこのときは思った。帰宅してからきちんと読むと、梯子は登山道の所ではなく別の場所にかかっていることがわかった。

地図で見るよりずっと登りごたえがあり、お腹がすいたので頂いたかりんとうを早速食べることにした。
かりんとうというよりはドーナツに近い食感だった。とてもおいしく、頂いたときに3日程後が一番おいしいと教えてもらったのだが、我慢できずに全て平らげてしまった。

雪が出てくるのは標高1000m辺りからだろうと思っていたが、時期がまだ早いせいか標高900m辺りから雪がでてきた。思ったよりも早く出てきたと話しながら行くと前方から男性が降りてきた。良く見ると、入山準備中にやってきた方だった。
登山口では、いつの間にかいなくなっていて山に登ったのかどうかも解らなかったので驚いた。お話を聞くと、途中斜面を一気に登ったとのことで取り付きからして違うところだった。

この男性と会った所から踏みぬきが酷いのでスパッツを着けることにした。
傾斜が急になった所を頑張って登ると、いきなり緩やかになった辺りが百村山らしい。かりんとうパワーのお陰で一気に登れた。
なんでもこの山はカタクリの自生地で、保護のためロープが張られているらしい。今は雪に覆われて、どこが山頂かは全く解らなかった。

なんとなく山頂をすぎたかなといった所で、踏みぬきがひどいのでワカンを着けた。
潜るが踏みぬきの回数が激減したことで随分と楽になった。

次のポイントは、標高1257mの三石山だが、取り付きまで以外に遠かった。また直下は雪が少なくて踏みぬきが酷くなりかなり時間がかかってしまった。
三石山で既に15:00近く。大佐飛山はもとより無理だとわかっていたが、黒滝山も無理だ。
そう思うと逆に開き直って、行けるところまでいって幕営すればいいやと気持ちが楽になった。

三石山から先は、想像以上に立派な雪堤ができていて驚かされた。
比較的新しめのスノーシューの跡があったのでそこを忠実に辿っていく。

標高1467mのサル山の登りは急斜面を登ったり、波打つ雪堤を登ったりとちょっとした楽しい部分だった。
サル山山頂自体は緩やかで平坦で幕営出来そうだった。

サル山から山藤山直下の登りの間はきれいな岳樺の林を歩く御機嫌なところだったので、モコモコさんからしきりにこの辺り泊まるのによさそうと声がかかる。
もう少し、もう少しと先に進むと今度はどこまで行くのかと聞かれるようになった。山藤山を越えた先まで行くと答えると、山藤山越えたら黒滝山近くまで泊まれるような所はない、特に今日は風が強いから場所をよく選ばないといけないのに!と言われた。

何度もこれ以上進んだらだめだよ!と言われたが試しに山藤山まで登ってみたところ、平坦なので快適な寝床は楽に作れそうだが、今日のように風があるとつらそうな所だった。
先手必勝、後から渋々登ってくるモコモコさんが登りきる前に、やっぱり山頂越えちゃうとないなと声をかけておいたので「やっぱり(いい場所)なかったね」と言われただけで終わった。

少し降りた大きな木の脇の斜面がよさそうと二人の感覚が一致したので、実際その辺りを探ってみると風が当たらない場所が見つかった。狭いがまだ雪が結構あるので整地をすれば一張り分の場所は作れそうだ。

なんとかテントを張って中に入れば快適な我家だ。
その晩は風も穏やかになり、冷え込みもなく快適な夜を過ごすことが出来た。


3月10日(晴れ、昼前から風強まる)
コースタイム;山藤山6:08〜黒滝山7:21〜西村山8:08/8:24〜黒滝山8:53〜幕営地9:38/10:00〜三石山11:19〜光徳寺13:12〜バス停13:20

少し風が吹いたようだが、我々のテントには一切当たらず冷え込みもなかったため暖かく快適に寝られた。
少し出発が遅くなってしまったが、荷物をデポしてまずは黒滝山を目指して出発。
雪面能状態は、アイゼンではなくワカンで丁度よい固さだ。

山藤山からは尾根がはっきりして雪堤歩きとなった。時折踏みぬくことがあるが潜ることなく進める。
黒滝山手前の小ピーク直下の傾斜が急で、雪面が少し固かったので慎重に登った。モコモコさんは下りが少し心配なところだと言っていた。
思ったよりも時間がかかってしまい、黒滝山が遠く感じた。

小ピークからはのびやかな雪堤歩きで気持ちが良かった。この辺りまでくれば幕営可能だ。
太陽が完全に登った途端に暑くなってきて直ぐそこにあるのに黒滝山にはえらく時間がかかってしまった。
黒滝山にある三角点が頭を出していた。

出発が遅くなったのと、ここまで想像以上に時間がかかったので引き返そうと思い「戻るか」とモコモコさんに言うと、以外にも「次の1775mピーク(西村山)までは行こう}との返事があった。
地形図を見るとすぐそこだ。

沢が入り込んでいて地形が複雑だが、トレースが残っていたのとテープや布の目印が付けられているので迷うことなくルートに乗れた。
それよりも中途半端に雪が積もっているので踏みぬきが酷く体力を消耗した。
トレースの主は西村山の登りにかかったところで引き返していた。

傾斜も距離もさほどない登りなのにこれまたえらく時間をかけると、まろやかな雪堤になったすぐ先が西村山だった。
西村山には結構木があるのであまり展望が効かないが、大長山や大蛇尾川を遡行したときに詰め上げたジャンクションピークが見ることができた。

今日は関東では御昼前から風が強くなるとのことだったのでここで引き返すことにした。
懸念の黒滝山横の小ピークからの急下降は雪面が柔らかくなっていたので問題なく降りることが出来た。
その分踏みぬきが多くなった。

下りは早い。あっという間にデポ地に着いた。パッキングを済ませて下り始めると登ってくる単独の男性と会った。
随分と早いなと思ったら、結構上まで車で林道を来ることができたとのことで、今日は下見で来てみたとのことだった。
ここで林道ルートについて尋ねると、林道奥まで車で来た場合梯子を登って登山道に取り付くとのことで、そこから登ると百村山へ直接登れるそうだ。

男性とトレース交換をして我々はずんずん下る。
あっと言う間にサル山に着いた。
やはり思わぬところで人に会うと元気がでる。
サル山の下りの急斜面では二人とも2〜3mほど滑ってしまいお尻を濡らしてしまった。

この辺りから風が出てきた。ルートとなる尾根は東西に延びているので冷たい北風に始終吹かれることになった。無理せず西村山ですっぱりと引き返してきて正解だった。
百村山で巻川林道への入口を示すプレートを確認し、少し降りたところでワカンを外した。
標高を下げても冷たい北風がびゅーびゅー吹きぬけて行く中、雪が消えるまでは踏み抜きと格闘していく。
林道に降りて北風から解放されほっとした。

植林地帯の下りで一悶着。お風呂に入って帰りたいモコモコさんとお風呂に入らず帰る山人とで対立した。
このところ温泉地に下山しているのに一度も温泉に入れていないので、今回くらいは温泉に入らせてくれと騒いでいる。
それもそうだなと思い始めたところ、今度はモコモコさんが逆に温泉はあきらめると言い始め立場が逆転した。結局、どんどん強くなる風に、電車が止まるかもしれないと恐れを感じ、一刻も早く帰ろうということで意見が一致した。

以外にも宇都宮まで電車は遅れることもなく定刻で到着した。しかし乗り継ぎの電車が強風の為止まっていた。
車内には居られるので、お腹がすいていたこともあり取りあえずお弁当を食べながら待つことにした。
食べている間にも、新幹線への振り替えの案内放送が頻繁に流れたが、時間もあるので気長に待っていると無事動き出して遅くならないうちに帰宅できた。

色々とあったが、楽しい出会いありと素敵な山旅になった。
また、静かで登り応えがある山塊で好きになり、いい山を発見できたうれしさが残った。


最初はよく手入れされた作業道を行く 林道横断地点
差し入れで頂いたかりんとう、この上ない美味しさだった サル山への登り
サル山と山藤山の鞍部は美しい岳樺林だった 早朝の雪堤歩きは気持ちが良い 黒滝山横の小ピークが見える
小ピークを越えると初めて黒滝山が見える 黒滝山山頂 山頂標識がいいね
西村山手前は気持ちのいいところだった 西村山にも標識があった
西村山から大長山 黒滝山から荷物デポ地に戻るところ



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