山域 |
吾妻連峰 |
コース |
高湯温泉〜家形山〜東大巓〜明月荘〜西吾妻小屋〜西大巓〜矢筈山〜早稲沢 |
〜厳冬期スキー縦走〜 |
日程 |
2014年2月7日〜2月11日 |
吾妻連峰を抜けだし、ひたすら西に向かう計画を立ててみた。目指すは飯森山。
4泊5日と予備日1日(6日間)で臨んでみたが、計画の半分も行かず途中下山となってしまった。厳冬期の吾妻を知りたかった。日帰りで軽い荷物で滑りをを楽しむのが今の時代の流行というものだろう。日帰り装備でも満足に滑ることのできない山モコには、大荷物を背負って彷徨い、頑固一点張りで入山から下山までシールを一切剥がさないのが、お似合いのスタイルと言えるだろう。
3月上旬に入れば吾妻スカイラインの除雪作業が始まる。雪がリセットしてくれる原始のままに包まれる厳冬期のシーズンは思ったよりも短い。
機会があれば、この続きをしてなんとか繋げてみたい。
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データ |
アプローチ
東京駅6:20-福島駅8:11/9:26−高湯温泉10:03
コースタイム
2月7日(雪)
高湯温泉10:23〜スカイライン横断点12:06〜山鳥山13:45〜慶応山荘入口15:10〜家形山避難小屋15:58
2月8日(曇りのち風雪)
家形山避難小屋7:00〜五色沼のコル7:40〜家形山8:18〜ニセ烏帽子山10:28〜東大巓14:27〜明月荘15:00
2月9日(曇りのち風雪)
明月荘10:13〜人形石13:06〜西吾妻小屋15:10
2月10日(ガスと雪)
停滞
2月11日(ガス後晴れ後雪くもり)
西吾妻小屋7:52〜西大巓9:02〜馬場谷地10:40〜矢筈山11:30〜早稲沢バス停15:46
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2月7日(雪)
コースタイム; 高湯温泉10:23〜スカイライン横断点12:06〜山鳥山13:45〜慶応山荘入口15:10〜家形山避難小屋15:58
いつもの新幹線で福島駅へ向かう。福島の町は雪が降っていた。気温が低い。
高湯温泉へ向かうバス停で慶応吾妻山荘の管理人の大柿さんに出会い、挨拶をすると、先週は別の山へ行っていたとのことだった。
バスに乗り込み高湯温泉へ向かう。山ヤは我々3人だけで、他の乗客も3人ほどで市街地を離れてからは貸し切り状態だ。
花月ハイランドの駐車場の隅にある小屋(自販機設置場)で身支度を整える。山人のザックは約28キロ、モコモコさんは18キロとかなり重い。ちなみに食料燃料等のデポはしていない。食料に重点を置いた結果こうなってしまった。ちなみにお酒は持っていない。
登り口にある登山計画書ポスト設置場で先行していた大柿さんに追いつき会話を交わす。大柿さんが一足先に再出発していった。我々は、フリースを脱いだりして、これからスカイライン横断地点までの急な登りに備える。
気温も低く、雪も少し降っているが、雪が締まっているので固い雪面に数センチ積もっている程度で登りやすい。針葉樹林地帯(植林?)を過ぎて広葉樹林帯になると、明るくなる。
荷物が重くてなかなか大柿さんに追いつくことができない。それどころか、後ろから軽快なペースでMSRスノーシューおじさんが追いついてきた。今シーズン2回目の出会い。天気の良い日は散歩がてら不動沢付近まで行くことが日課らしい。
スカイライン横断地点で、新旧のルート布を交換しながら進んでいた大柿さんにようやく追いつくことができた。
横断地点を通過し、30分程登ったところで休憩をとった。今日もモコモコさんは、前回同様、朝食の残りであるおにぎりを八甲田方式で持ってきていて美味しそうにつまんでいた。
重荷で遅いペースの我々であるが、大柿さんはルート整備をしながら進むので自然と我々と同じようなペースとなり、しばらくは前後した。山鳥山を過ぎた辺りから大柿さんはルート整備を本格的に始めたので、湯の平付近から先は我々が先行することになった。
ラッセルが無い分、順調に慶応吾妻山荘分岐まできた。先週の高山下りの際に見かけなかったのは「命惜しんで定休日」の看板は風で吹っ飛んだのだろうと言うことだった。
硯石の分岐で家形山避難小屋へ向かう。東海大学の「H26」年の新しい赤布が見受けられた。
分岐から小屋の間に一度休憩を入れて、順調に小屋に到着。
今回も小屋の外(−12℃位)と中では温度差が5℃ほどあったので小屋内へ入ると暖かく感じた。
小屋でゆっくり寛いで明日に備えた。ラジオからは「南岸低気圧の接近により太平洋側で大雪に警戒が必要」というのが聞こえてきた。
2月8日(曇りのち風雪)
コースタイム; 家形山避難小屋7:00〜五色沼のコル7:40〜家形山8:18〜ニセ烏帽子山10:28〜東大巓14:27〜明月荘15:00
朝は気温が高い感じがした。風もほとんどなく穏やかだ。嵐の前の静けさか?
天気予報通り、出発するころには雪が降り出してきた。
予定通りがんちゃん落としを登る。新雪の下に固い層があり、急斜面だと滑る。それでも順調に稜線に到着。鞍部の風は弱かった。
家形山への登りは、低気温と風で雪面が固められており、シールでは歯が立たない。エッジを使った登りでも厳しい。五色沼分岐から左に大きくトラバースしてからキックターンで方向を変えて登ることにした。このトラバースもガリガリに雪があっさり積もった状態で滑落の恐れがあり厭らしかった。良いルート取りとは言えないと思った。
こんな感じで何度か方向を転換して登ったが、最後の30メートル程の急斜面はスキーでは全く歯が立たず、結局スキーを脱いでキックステップで登った。
雪面の状態が悪いため、モコモコさんはバランスを崩して転落する不安があるということなので、自分のザックだけ背負ってもらって板は後で山人が回収した。こんな状況により、五色沼の分岐から家形山山頂までで随分と時間と体力を消耗してしまった。
前日のMSRスノーシューおじさんが軽快に登っていたシーンが頭に浮かび、この雪面の状態では山スキーでの縦走はメリットがないと考えてしまった。輪かんもしくはスノーシューが物凄く欲しくなった。
山頂で暫し休憩する。風はまだ予想よりも強くはない。普通の吾妻の風だ。
家形山を進む。家形山は迷いやすいので、慎重にコンパスとGPSで確認しながら進んだ。お陰で無事に通過することが出来た。樹林の間から兵子がうっすらと見えた。以前、一度兵子へ引き込まれたことがあるので慎重に進んだ。
ニセ烏帽子山までは波打った雪面に時間が取られた。雪の波を避けたり樹林を迂回したりと、とにかく尾根上を真っ直ぐ進むことが出来ないのでストレスが溜まる。このころから風雪が強くなってくると同時に、時間を予想以上に消費しているのでモコモコさんから「今日は明月荘までかあ?」と不吉な言葉が吐き出された。「それじゃあまりにも進まなさすぎるでしょ」と即座に否定したが、内心西吾妻小屋到着が怪しくなってきた予感がした。
烏帽子山は、以前同じような気象条件で越えたときに、急風に叩かれながらで視界が悪く雪面もガリガリボコボコで最悪だった経験があるので、山頂には登らずに南側の樹林帯を巻くことに最初から決めていた。烏帽子山-昭元山の鞍部直前の樹林密集地帯を上手くかわして昭元山との鞍部から派生する浅く広い沢の源頭部に無事出ることができた。この巻きのルート取りは、我ながら上手くやったと思う。
鞍部まで登り返して、昭元山は登りたかったが、モコモコさんが北斜面を巻くということでそれに従った。1時間15分ほど掛けて巻き終えることができた。いいんだか悪いんだか答えはでないトラバースだった。
ここまで来れば東大巓のステージに入る。今までの樹林に覆われているもののはっきりと尾根の形をしていた所から、これからは雪原の大海原になる。
インナー手袋が濡れていたので交換した。これまでの樹林帯と違い強い風雪が吹き抜けるので、あっという間にストックの紐がカチカチに凍ってきた。
白い世界の中、東大巓という高みを目指す。
数年前に東大巓の標識が倒れてしまっていたが、その後も倒れたままになっているらしく東大巓山頂に標識等はなかった。GPSでなんとなく確認した。
計画では西吾妻小屋までの予定だったが、この時点で14:27。予定からの大幅な遅れとこの気象状況では西吾妻小屋に到達は不可能と判断。明月荘へ向かうことにした。
東大巓山頂を少し回り込み、風が少し避けられるところに移動して明月荘にコンパスを合せて、最後の頑張りに備えて行動食をつまんだ。
夏道ならば、ここから明月荘までは木道が敷かれた快適な最後の散歩道になるところであるが、この時期は密集した小さな樹林を避けながらの歩みになる。
少し間隔が開くようになっても、相変わらずの波打った雪面にスキーの先端が突き刺さったり、いきなりすとんと落ちたりして、目まぐるしく変わる雪質や気象条件の悪さにより予想不可能の雪面にスキーを持っていかれて、驚きの奇声を上げながら進んだ。
明月荘は稜線から結構離れているので、強風に吹かれる中では結構辛い小屋へのアプローチとなった。遠くからでも幸い樹林の陰に小屋を時折確認することが出来たことが励みになった。
小屋の1Fのドアはすっかり雪で覆われており、先日の気温の高さで融けた表面が風に叩かれて凍っていて固そうだった。2Fの入口はというと、これまた見事に雪に覆われていた。それでも1Fドアを掘り起こすより雪を下に落とすだけで楽そうに感じたので、2F冬季用入口から入ることにした。
除雪に取り掛かる前に、風を少しでも避けられる小屋の陰へ移動して、防寒の為に一枚着こんでから除雪に取り掛かった。扉はすぐに出たが、凍っているらしく開かなかった。
今日は南岸低気圧の接近で東南東の風、つまり冬季用入口である2階入り口が風上になるため長時間作業するのはつらい。そこで、これまで何回か行ってきたが、1Fの扉を掘り出すことにした。金属製のスコップは頼りがいがあった。懸念の固い層は最初だけで、後は柔らかい雪だったので、ドアも思ったよりも早くに開いた。これで一晩安心して過ごせる、助かった。
明月荘は中にトイレもあるので、雪とりをしてドアを閉めれば翌日出発するまで全て小屋の中での生活が始まる。
1Fの西側の窓からは雪が少し吹き込んで床に溜まっていた。棚の上には菊水2本とウイスキーミニとカキピーの袋があった。「どうぞご自由に消費してください。(^O^)/登山者の皆さま」といわんばかりであった。登山の成功を祈り、ぐっと我慢してそっとして置くことにした。
2Fはきれいな状態だったが、一部窓にカギが掛っていない個所があって隙間が出来ており、少し雪が吹きこんでいた所があったので施錠した。
冬季用入口は雪も吹き込んでいなかったので、外からもう少し強くドアを押せば開いたのかもしれなかったが、薄暗い中近付いて見たわけではないのでよくわからなかった。トイレはきれいに使われていて快適だった。
1Fにテントを張り、寒さに備えた。外では風が強さを増したようで唸りを上げていた。やはり明月荘でやめておいて正解だった。
ラジオからは南岸低気圧の影響で東京で27センチ、福島市で47センチの記録的積雪があったと伝えていた。明日は一変して冬型の気圧配置になるとかで、停滞かな?とそんな話をしながら美味しい夕食を食べて眠りについた。
2月9日(曇りのち風雪)
コースタイム; 明月荘10:13〜人形石13:06〜西吾妻小屋15:10
なんだか寝付けなくて夜中に何度か目が覚めた時には、外の風の様子は悪くないなという感じだった。
停滞するつもりで7時頃にゆっくり起床した。
カレーうどんを食べて、2Fの窓から様子を伺うと風もなく雪も降っていない感じだった。移動できるときに移動しないと、縦走にならない。起床時間が遅かったので、取りあえず西吾妻小屋まで移動しようということになった。
西吾妻小屋なら、スキー場も近くてほぼ稜線上にあるので携帯も繋がりやすいはずで、気象情報も手に入れやすいしエスケープするのにも困らない。
早速準備して出発することにした。1Fのドアを開けると雪に覆われていた。
外に出るために、一度小屋の中に雪の上部を入れて、雪の隙間から山人が外に出て、中と外で除雪することにした。
ドアを塞いだ雪は風で吹きだまったもので、積雪自体は山ではあまり増えていない様子。吾妻周辺では里雪だった様な気がする。
除雪を終えて外に出てみると、小屋の屋根のつららから水滴が落ちている。2月だというのに気温が高いということか。また、東大巓がガスっている状態で見ることが出来た。南岸低気圧による風と冬型の風が相殺しているためか風も強くなく、登山日和のようだ。間もなく冬型に支配されるようになるはずなので、もう少し朝早く起きれば良かったと後悔した。
出発当初は薄日が差していたりしたが、間もなくガスにつつまれ、藤十朗辺りから風が強くなり雪も降ってきた。
北風が強くて顔の右半分が寒いので、樹林の窪みに入り顔ガードを被る。また、これからの登りに備えて腹ごしらえをした。
出発時の穏やかさはどこへやら、視界が悪く、風雪が痛めつけてくる。
藤十朗のわずかな高みが良い目印となり助かった。コンパスとGPSをこまめに確認しながら進んだ。
人形石の登り始めから人形石までが特に遠く感じた。
ようやく中大巓付近を通過したと思ったら、大凹付近でGPSの電池が切れた。2日目の家形山あたりで電源をオンにしている。実働約11時間使用で切れたことになる。
大凹からの登りは方向が少し変わるためか、雪が深く樹林も混んでいてきつく感じた。そのため、なんだかやたらに長く感じた。視界が良ければモンスターをかわせる良いルートが一目瞭然なのだろうが。
ますます強くなる風と、気温がどんどん低下していくのでストックはとっくに凍りついていたが、お互いを見ると、全身にも霜が付いてきた。樹氷ならぬ人氷にならないうちに小屋に着きたいものだ。
途中から赤竿が打っており、今日のような時は本当に頼りになった。天狗岩からは西吾妻山山頂はパスして西吾妻小屋に直行することにした。
これまで樹氷を小屋と見間違えたりしたが、本物は一目瞭然で小屋だと分かった。昨日以上にホッとした。
1Fの入口は埋まっていたので、除雪なしで入れる2Fの冬季用入口から入ることにした。冬季用入口の風除室は広くて明かり取りの窓もあるので良い。板とストックを脇に置いた。荷物を運び入れて水用の雪を取って、雪を払って落ちた雪を外に吐き出してと、一騒動してから中に入ったものの、今度はドアが閉めづらく苦労した。ドアの下部を軽く蹴り込むと上手い具合にはまった。ところが一度締まると、ドアノブが貧弱で、引くと取れそうなので中から開けるのは諦めることにした。外から人は入れるので問題はないだろう。
1Fは明るく鉄骨がないので過ごしやすいが、トイレの臭いが充満しているので生活するのに相応しくない。100名山ということで利用者数も多いのが影響しているのだろう。
トイレは、臭いを除けば、壁が霜だらけ(シャンデリア状態)で光り輝いて美しい。明月荘より前部分が広く踏ん張りやすい。トイレ自体は問題なし。1Fに温度計があり常に−9℃前後だった。
トイレの臭いに負けて2Fにテントを張る。鉄骨が丁度頭の高さに張り目ぐらされているので頭をぶつけないように注意が必要だ。今日はコースタイムとしては短い行程だったが、約5時間ほど掛ってしまった。やはり昨日中にここまでくるのは無理だった。この時期の厳しさを思い知った。
このままのペースでは予備日を使っても大峠までにも届かない。飯森山は夢のまた夢。西大巓から先はしばらくエスケープも難しくなるということで、天候の良いときに行ける所まで行ってみようということになった。携帯で見た天気予報では11日、12日は天気が良いとのことだ。
そうと決まれば、楽しみは食事。3日目の夜も重い食材を担ぎあげた甲斐あって美味しい食事にありつけた。
ほとんど標高差のない5時間程の行動だったが、気温が低く、強風に叩かれ続たのに加えて視界が悪く気を張っての行動だったので、とても疲れた。食事を取って体が温まり、シュラフに包まった途端に眠りに落ちた。
2月10日(雪とガス)
停滞
本日は天候が良くなければ停滞日と決めていた。
外の様子を見てみると、風は思ったよりも強くはないが、視界が悪い。一面ガスっている。出発出来ないことはないが、面白くもなんともなく白の世界を彷徨い歩くことになることは確実。おとなしく小屋に籠ることにした。
停滞が決まったところで、今日のメンイベントは1Fのドアを掘り起こすということになった。完全装備で作業に取りかかるが、大した気合いも入れずに終了した。あっという間にイベントが終わってしまったので、あとは外に出たついでに雪をとってテントに戻ることにした。
早起きしたので時間だけはたっぷりある。ラジオを聞きながらシュラフに包まって昼寝をしたり、明日のルートについて議論したりしながら過ごした。
また、小屋には昔から綴られた登山日記があり、私が20歳の時に書いた記録を発見!もう20年近くも前のものだ。懐かしい日記を読み返したりして過ごした。
御昼頃から風が強く吹くようになった。
結局視界0で風も強まった所をみると、停滞で正解だったと思う。
吾妻は天気が回復傾向にあるときが風が一番強くなるらしいので、明日の好天気を期待して早目に休んだ。
2月11日(ガス後晴れ後雪くもり)
コースタイム: 西吾妻小屋7:52〜西大巓9:02〜馬場谷地10:40〜矢筈山11:30〜早稲沢バス停15:46
中腰生活が続いてなんだか、体が固い。
朝食を済ませ、掃除をしたりで昨日と違って出発の朝は忙しい。
4時半起床だったが出発したのが7:52分。なんだかやけに時間が掛ってしまった。なぜだろう。
昨日の打ち合わせ通り、西大巓まで進み矢筈山から白布峠の尾根の途中から延びる支尾根を使って早稲沢へ降りることにした。
小屋から出ると、風がまだ強く視界も悪いが一昨日小屋に着いた時のような厳しさはない。
西大巓まで樹林のモンスターが行く手を阻み進行方向が定まらない。ウロウロしていると、ガスが晴れてきた。もたもたして出発して良かった。西大巓が見えてきたらこっちのもの。西大巓9:02到着。誰もいない山頂は気持ちが良い。
西大巓からは矢筈山へ進路をとる。
ところが、先ほどまでの天候はどこへやら、全然見通しが効かない。山頂近くの樹林が混みあっている。更に波も打って雪質がコロコロと変わり高度を下げづらい。モコモコさんは、何回か転んでこのルートに怒り心頭。荷物が重いので転ぶと一気に体力を無駄に消耗して、なおかつルートへの不満が重なり腹立たしい。各自の技量の問題が大いにあるのだか・・・。モコモコさんは大早稲沢山へ向かう早稲沢コースのほうが良かったと今さらながら文句を言っている。モコモコさんのお叱りを受けながら、さらにガスで視界がきかず、おまけに雪が降ってきて気弱になってしまった。
しかし、辛抱強く高度を下げると1750mぐらいから樹林の密度が薄くなり滑りやすくなる。気温が低いお陰でシールに雪もつかず快適だ。モコモコさんの機嫌も少しは良くなった。
標高が下がったことで視界もよくなり、傾斜が緩んで馬場谷地が近いことが伺える。
無事に馬場谷地に下りてくることができた。嬉しいことに、このときは晴れ間も見られた。
周りを見回すと、矢筈山は小さく盛り上がっている。西大巓の上部はガスっていたので、一番いいときに通過できたのかもしれない。
矢筈山の緩い斜面を登りきる。山頂には何もなかった。
山頂から先は相変わらずの波打った雪面に苦労させられた。しかし、主稜線ほどのうねりはない。
今回のエスケープルートは、最初しばらく尾根を辿り、矢筈山から西に500mほど先にある1280mPに伸びる尾根を目指すものだ。
予備日を使えば相渡1271mP位までは行けそうだが、帰りが大変になるので下ることにしたのだ。
今日は視界が良いので、エスケープする尾根もはっきり見えた。尾根の下り始めは急斜面だったが、雪質が良く樹林の間隔も広かったので、斜面を大きく使ってジグザグを刻みながら無事エスケープの尾根に乗ることができた。
ほっとしたのもつかの間、この尾根も激しく波打っており、たった2〜3m程の間でも雪質が急に大きく変わるので歩きづらい。ここでも山スキーのメリットは感じられない。ワカンかスノーシューならもっと楽に進むことが出来るのではないかと何度も考えてしまった。
我慢しながらなんとか1280mPに到着。
ここから南西へ延びる尾根を下る。ここの下り始めは、適度な傾斜で斜面も広く気温が上らずにいてくれたので雪質もよくて快適なだった。しかし、尾根の下部は、傾斜が急になり、植林地帯で樹林間隔が密なので、カニさん歩きを多用することとなった。なんとか、林道に到着することが出来た。
林道をスキーで歩き、檜原湖近くのガソリンスタンドまで降りてきたがバス停がない。バスの始発地点の早稲沢集落に戻ることにした。集落の最奥にバス停発見。15:52発のバスがあった。時計を見ると、なんと5分も待たずにバスが到着してしまう。取りあえず板だけ急いで仕舞っていると丁度バスが到着した。
そのままバスに揺られて、猪苗代駅まで行った。今日中に十分帰ることができる時間だったが、予備日が一日あるので少し贅沢をして、会津若松へ出て打ち上げして翌日、東武鉄道利用の各駅停車で帰宅した。
装備メモ
雪の状態にもよるが、今回山スキーでのメリットは感じられなかった。スノーシューまたはワカンでも試してみたい
MSRシーマライト
887mlボトル×1 使用量 0g(未使用)
887mlボトル×1 使用量 638g(全て消費)
650mlボトル×1 使用量 133g
887mlボトルが丸々一本残ったので、次回は考えよう。
プリムス エクスプレス スパイダーストーブ
ガス500T×1 使用量 141g
水を作ったりする時にMSRを使用。ガスは補助的に使用。
ヘッドランプの電池は5日目朝に取り換えた。お酒も飲まずにいたので、節約しながら使うと以外に長持ちするものだと感じた。
ろうそくはテント内で補助的に使用。なかなか良かった。
お酒は持っていかなくて正解だった。
行動食に総菜パンを持っていったら2日目からカチンカチンに凍りついて食べられなくなった。ただのお荷物に変化した。
楽しみにしていたのに残念だった。
ブルボンのチョコバナナクッキー38gで168キロカロリーは軽くて美味しかった。
夕食はスキヤキ、鳥鍋、肉味噌シチュー、ペミカン豚汁と重かった。これでも2キロ程あり、いかがなものかと思うところがある。しかし寒い中の楽しみは暖かく美味しい食事だ。気象条件の厳しい中頑張れたのは、前日の夕食のお陰かもしれない。悩ましいところ。
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花月ハイランド |
登山届のある場所へ行く途中の水道施設のつらら |
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スカイライン横断地点 |
賽の河原 |
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モコモコ雪 |
井戸溝 |
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慶応吾妻山荘近しの標識 |
硯石、家形山避難小屋分岐 |
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小屋 |
ガンちゃん落としを登る |
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ガンちゃん落とし上部 |
稜線の大岩方面 |
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一切経山と五色沼 |
ガリガリトラバース。滑落注意 |
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やっとのことで家形山山頂と一切経山 |
ニセ烏帽子を目指す |
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波打って時間が掛る |
ニセ烏帽子山 |
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烏帽子山を巻いている。正面は昭元山 |
巻き終えて鏡沼方面を目指す |
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昭元山を巻き終えたところ |
昭元山方面を振り返る |
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明月荘 |
明月荘 2Fの冬季用ドアを掘り進める |
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明月荘1F。雪が吹き込んでいる箇所 |
明月荘2Fは異常なし。(少し雪の吹き込みあり) |
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明月荘1F |
2月9日の1Fドア。吹きだまっている。 |
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小屋内部と外で手分けして除雪 |
出発するころには、屋根のつららから水滴が落ちた。 |
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小屋を出発してしばらくの時間は東大巓が見えた |
沈まなく、進めた。 |
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天候が悪くなってきたかな |
コンパスとGPSが頼り |
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人形石 |
天狗岩? |
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西吾妻小屋 |
西吾妻小屋1Fの扉は埋まっている |
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小屋の2F |
小屋2Fに陣取る |
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2月10日 朝 |
2月10日 朝 小屋周辺 |
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西大巓が見えてきた |
西吾妻山方面を振り返る |
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西大巓山頂 |
馬場谷地 |
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矢筈山山頂 |
山頂から白布峠に伸びる尾根 |
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霧氷が綺麗だ |
西の1280mPに伸びる尾根 |
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うねりながら尾根は続く |
雪質がめまぐるしく変わる波打つ尾根に手こずる |
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スキーを使いカニ歩きで高度を下げる |
早稲沢集落の最奥の未除雪林道に合流 |
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