山域 南会津
コース 鳥井戸橋〜山毛欅沢山直下(往復)
保太沢橋〜窓明山〜三岩岳〜会津駒ヶ岳〜滝沢
〜南会津は良い〜
日程 2014年5月17日〜5月19日
前回の吾妻縦走から、ステップアップを図りたいということで時期が遅いかもしれないが南会津の山の縦走に挑戦してみた。 
データ
アプローチ

浅草駅6:20−会津高原駅9:25/9:50−大原停留所10:40

コースタイム
5月17日(くもりのち雨)
鳥井戸橋10:48/11:20〜1100m13:10〜1280m14:40〜山毛欅沢山直前16:45〜標高1300m付近17:30(幕営)

5月18日(くもりのち晴)
幕営地6:42〜鳥井戸橋9:45
保太沢橋11:04〜窓明山17:20〜三岩岳避難小屋18:40

5月19日(晴)
三岩避難小屋7:00〜三岩岳7:50〜大戸沢岳10:30〜会津駒ヶ岳11:45〜駒ノ小屋11:57〜登山口13:58〜滝沢14:30


5月17日(くもりのち雨)
コースタイム
鳥井戸橋10:48/11:20〜1100m13:10〜1280m14:40〜山毛欅沢山直前16:45〜標高1300m付近17:30(幕営)

「山毛欅沢山 ぶなさわやま」は魅力的な名前なので前々から気になっていた。ようやく挑戦する機会が訪れた。
浅草からの快速に乗り込む。会津高原駅に降り立つ。下車する登山者は少ない。売店できゅうりの一本漬けとビールを思わず購入してしまう。御池までのバスに乗る登山者は我々を含めて6人ほどだ

山毛欅沢山〜坪入山〜会津駒ヶ岳の縦走の計画で最初の目標の山毛欅沢山を目指すべく、小立岩の手前の大原バス停で下車。
伊南川は清らかな雪解け水が豊富に流れていた。鳥井戸橋を渡りさらに深瀬沢にかかる錆びついた板状の橋を渡ると杉林になった。腹ごしらえと準備体操をして出発。

杉林はすぐに終わり、尾根に乗るとしっかりとした道があったのには驚いた。途中に「境界線」という看板を発見。手入れをしているようだ、また小さな祠があった。主は祭られていなかったがモコモコさんは山の安全をお祈りをした。

しばらく行くと広い尾根になり歩きやすいブナの木ゾーンになる。下草がなく歩きやすい。ブナの木ゾーンを抜けた辺りから踏み跡がなくなりヤブゾーンが幅を利かせてきた。今日は寒気が入っていてこの時期にしては気温が低めだ。おまけに雨が降ってきた。ほぼ新品の雨具を持ってきたので、こんなヤブでは着たくはないが渋々羽織ることにした。沢用のボロイ雨具を持ってこなかったことを後悔した。もっと残雪が多いかと思っていたが誤算だった。

我慢のヤブ漕ぎを続けるとようやく1200m辺りで残雪を踏むことができたが、長くは続かず所々ヤブになったりで広い尾根の部分は残雪が出てきたりでめまぐるしい。モコモコさんはこの雨といくら標高をあげてもヤブ地獄から抜け出せないので撤退しようと言ってくる。

「稜線に出れば残雪が待っているよ〜」と騙して歩いてもらう。稜線直下は、手ごわいヤブゾーンで顔に枝が跳ねたりして非常に腹が立つが我慢してなんとか稜線に抜けた。

山毛欅沢山へ向かうとなんとヤブが行く手を塞いでいた。モコモコさんはここまでの行程ですっかり意気消沈している。最後のヤブを突破すれば、憧れの残雪ロードが待っている保障も根拠もない。天候も雨風が強くなってきている。山頂直下で一晩過ごして、計画通り坪入山へ行こうとしたがモコモコさんの猛反対に押し切られ下山することにした。

実際にもう少し頑張って足を延ばせば計画通りに進めただろうか・・・。
悔しいが切り替えることした。

往路を戻り、1300m付近の広く平らな場所にテントを張る。ヤブに苛められたお陰で疲労していたため早めに眠りついた。


5月18日(くもりのち晴)
コースタイム
幕営地6:42〜鳥井戸橋9:45
保太沢橋11:04〜窓明山17:20〜三岩岳避難小屋18:40

昨夜は計画を練り直した。山毛欅沢山は諦めて窓明山から会津駒ヶ岳の縦走にする。山を下り、また大原バス停に移動することにした。浅草を朝に出発した時の時刻のバスに乗り込むことになる。

テン場を6:30に出発した。
天候は回復してきて青空も見えて気持ちも軽くなる。ヤブも乾いていて余裕を持って下山することができた。深瀬沢で顔を洗ったり、これからの登りに備えて薄着になった。

大原バス停でしばらくバスを待つ。バスに乗り込むと日曜日ということもあって乗客は2人だけだった。この路線は自由乗降可能だが、窓明山登山口というバス停はないので地図を見ながら保太沢橋のところで降ろしてもらった。ちなみに最寄りのバス停は「小豆温泉」だ。

窓明山は人気がないらしく、登山口の看板もなかった。はじめは分かりにくいが少し進むと崩壊地となり、これを過ぎると急な登りに入って登山道となる。2日連続でフル装備で標高差1000m近く登ると考えると気が重くなる。山毛欅沢山から稜線を進んだ方が良かったのでないかとの思いがよぎる。

巽沢山は特に意識せずに通過してしまっていた。家向山が沢を挟んで見えるくらいになると残雪が出てきて歩きやすくなった。雪は緩んでいたが、重荷だと足に負担がかかるのでアイゼンを付けることにした。尾根に忠実に進むと家向山の肩に並んだ。
ここを過ぎると、窓明山や三岩山がドーンと聳える。素晴らしい眺めでさすが豪雪の南会津だ。

ちょうど、鞍部で熊鈴の音色。大きなカメラをぶら下げている単独の女性が下ってきた。しばしお話をした。ザックにはもう一台カメラがあるのそうだ。さらにザックには三脚。プロの方なのかな〜と思ったりした。また、この先は夏道が出ているというありがたい情報をいただいたので、アイゼンは外していくことにした。

夏道を辿って標高を稼ぐ。家向山が遠くに見えるようになれば山頂はもうすぐだ。
山頂手前で残雪が出てきたので再びアイゼンを着けた。山頂には特に何もなく平だ。丸山岳方面を眺めに行くが雲が多くなってきた。三岩岳は上部にガスがかかってきた。眺めが素晴らしいが、そうそうゆっくりもしていられない。
山頂から少し下ると小さな湿原があり、登山道に雪解け水が流れていた。少し泥臭いが冷たい水で喉を潤した。

登山道が出ている部分もあるので歩きやすい。無積雪期は湿原となっている部分がある鞍部は、まだすっかり残雪に覆われていた。ここから再びアイゼンを付けて針葉樹を登る。日が長くて本当に助かる。小屋も無事に発見することができた。1Fのドアは残雪に覆われているので2Fの小窓から侵入することにした。
ヘッドランプを付けて頭から入る。手すりに手を伸ばし何とか入ることができた。窓下には床はないので、落下しないように注意したい。

中に入って北側の窓を開けてモコモコさんを出迎えた。日記には前日宿泊したパーティーの記録が書かれていた。17日は吹雪いて会津駒ヶ岳への縦走を断念したという内容だった。道理で針葉樹に氷の塊が付いていた訳だ。雪面にも新雪のあとが所々見受けられた。

小屋に入って早速、水作り。残量の少ないガスで水作りをしたので長々と時間がかかってしまった。小屋の中といっても気温が低い中(2度)、テントを張らずにいたのですっかり体が冷えてしまった。時間もかかり寒いし腹も減ったしでイライラした険悪な時間があった。雪の時期には頼りなるのはホワイトガソリンのMSRだなと改めて認識した。

そんな感じで寝たのが22:00になってしまった。

5月19日(晴)
コースタイム
三岩避難小屋7:00〜三岩岳7:50〜大戸沢岳10:30〜会津駒ヶ岳11:45〜駒ノ小屋11:57〜登山口13:58〜滝沢14:30


夜中トイレに外に出たら素晴らしい星空が広がっていた。
4:30起床。外では小鳥の鳴き声がする。窓を開けると青空が広がっていた。
体をもっと休めたかったが、気合を入れて準備した。

小屋から出るのも一苦労。まずは荷物を1Fの窓から全部外に出す。1Fの窓を閉じる。そしてまた2Fの小窓からの脱出に取り掛かる。頭から出て屋根の梁を掴んだり何とか苦労して抜け出した。この時期は残雪と窓との間に高さがあるので怖い。入るのに一苦労、出るのはもっと苦労で恐怖という感じだった。

晴天の中、三岩岳へ向かう。名前の由来の三つの大岩も見ることができた。山頂では昨日見えなかった丸山岳方面や、越後三山、毛猛山塊などがぐるりと見渡せて最高の天候に恵まれた。

会津駒ヶ岳に向かってなだらかな尾根が続いている。残雪もしっかり付いておりベストな状態。また17日に降った雪が化粧直しをしてくれたので、山々が美しい。
三岩岳から隣のピークはほとんど高低がなく、広い雪原となっていて吾妻連峰のようだった。

大戸沢岳手前の2057mピーク直下は、山頂直下で雪堤がわずかに切れていたが、先をみるとトラバースできそうだったので、東斜面を小さく巻いた。
雪質がいいので、危険もなく鞍部へと下る斜面に合流できた。
鞍部までは、このルートにしては珍しく標高差のある下りとなった。
かなり下りた辺りに、大岩があってその付近は雪堤が途切れていたので、西側の斜面を通った。樹林帯で午前中ということもあり雪が締まっていたので踏みぬくこともなく進めた。

鞍部で荷物をおろして休憩した。
下りた分登り返さないといけない。
到着してから一番いい天気になったので、この登りでは暑くなりシャツを一枚脱いだ。
ゆっくり登って、ぐんと傾斜が緩むと間もなく大戸沢岳山頂のはずだ。

山頂といっても、なだらかで、登山道もなく山頂を示すものは見当たらないため、大戸沢岳は何となくここかな〜という感じで通過した。
大戸沢岳を通過すると、いままで見えなかった燧ケ岳が見えるようになり、会津駒ヶ岳が目前に姿を現した。

会津駒ヶ岳手前の2098mピークは、稜線のヤブがうるさそうで北面は稜線とは逆に雪の緩やかな斜面になっているのが見えたので、巻いて通過した。途中小さな湿原が顔を出していた。

ゆっくりと後ろを振り返りながら、静寂の稜線の余韻に浸る。会津駒ヶ岳山頂には登山者数人の姿が見えた。平日にも関わらず大人気だ。ここから先は週末の大賑わいを想像させる無数のトレースを辿って下山となった。残雪は1500m付近まで付いていた。途中でモコモコさんのおしゃべりに捕まった単独の方と歩いたりした。

バス利用の我々は、いつも階段を下りてから最後は30分の車道歩きになるが、この時期はまだ滝沢まで車が入れないので、誰もが我々同様に車道歩きを余儀なくされる。
登山口の公衆トイレの前には、靴を洗えるように水道があり非常に助かった。
あとはバスで会津高原駅まで行き、夢の湯で汗を流して、売店で買い出しをして列車で乾杯しながら帰宅した。

水量豊富な伊南川 深瀬沢を渡る
植林地帯の急斜面 踏み跡を辿る
ブナ林は歩きやすい ヤブが出てきた
雪堤がでてきてホッとする それもわずかで途切れる
尾根が広がると残雪が出てくる 山頂まであと50mだった
標高1300m付近で幕営 古びたワイヤー発見
気を取り直して窓明山へ 青空が広がってきた
標高1250m付近から雪上を歩くようになった 家向山への稜線
家向山はパスした 窓明山(右)と三岩岳(左)が一気に見えるようになった
三岩岳へは尾根はひたすら登る感じだ 山毛欅沢山方面
登ってきた方向 三岩岳が大きい
山毛欅沢山方面 山頂まであとわずか
山頂直下の小湿原 水取れる 三岩岳への稜線(三岩岳山頂はガスの中)
鞍部の湿原を通過 丸山岳方面
窓明山山頂もガスに包まれてきた 三岩岳避難小屋 2階の小窓から入り1階窓を開けた
小屋裏側 1階窓はほとんど埋もれている 1階窓を閉めて、2階小窓から脱出
窓明山が眼下に見えるようになった 三岩を目指して登るモコモコさん
窓明山からの稜線 拡大
会津駒ヶ岳への稜線 奥只見方面の展望台
翼を広げたような未丈ヶ岳 窓明山
最初はゆるやかな雪原を登り降り 2060mP(ピーク)と2057mPとの鞍部から三岩岳方面
越後三山方面 三岩岳方面を振り返る
2057mPへ向かう 2057mピークを通過した
鞍部から2057mピークを振り返る 大戸沢岳のなだらかな山頂
日光白根山の頭が見える 燧ヶ岳が見えた
浅草岳方面? いい天気で歩いて来たところが良く見える
燧ヶ岳が大きく見えるようになった 山頂標識がほとんど出ていた
駒の小屋へ向かって 駒の小屋



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