山域 安達太良連峰
コース 奥岳〜勢至平分岐〜くろがね小屋〜安達太良山
〜くろがね小屋は最高だよ〜
日程 2015年1月9日〜1月10日
本来ならばスキーの足慣らしということで毎年のことながら吾妻連峰のはずだった。しかし高湯から火山活動の入山規制が掛ってしまったので、たまには営業小屋でもいいんじゃないか?ということでくろがね小屋を目指すことにした。
データ アプローチ
東京駅7:32-郡山駅8:55/郡山駅西口9:10−安達太良高原スキー場10:30

コースタイム
1月9日(晴れ)
安達太良高原スキー場11:00〜勢至平13:30〜くろがね小屋15:00
1月10日
くろがね小屋8:15〜安達太良山頂9:43〜くろがね小屋10:35/10:55〜安達太良高原スキー場12:11


1月9日(晴れ)
コースタイム;

アプローチは新幹線を利用して郡山駅で下車する。そこから、安達太良スキー場行きのバス(要予約)に乗り込む。
天気はいいが風が強そうだ。スキー場駐車場でバスを降りるが、雪ががちがちに凍っていて下りた瞬間に転びそうになった。風が強いのもあってバスを降りてから翌日のバスに乗り込むまでで一番アイゼンが欲しい場所だった。

スキー場のレストハウスで山の準備を整える。
スキーパトロール事務所の脇に登山届BOXがあった。少し進んで登山道に入る。雪が溜まっているところでワカンを装着して行くことにした。
今日はくろがね小屋までなのでのんびりと進む。

先人のトレースがあり迷わず進む。
出発時は風が強かったが、登りではちょうど尾根が風をさえぎってくれるので助かった。馬車道を過ぎたあたりから、風が強くなってきた。
下山してくる単独男性とすれ違ったので、挨拶をして少し話すと、この男性は風が強く視界も悪いので途中で引き返してきたとのことだった。我々もしっかりと防寒対策をしていくことにした。
勢至平分岐付近では、トレースが消えかかるほどの強風に飛ばされた雪粉が吹きつけきてなかなか大変だった。

しばらく進むと谷を見下ろすトラバース道に入った。雪の為斜面が傾いており、ワカンでは歩きにくかったが面倒なので強引に進むことにした。斜面下を見ても灌木が結構な密度で生えているので、下まで転がり落ちる前に止まるだろう。ぐるっと尾根を回り込むとようやくろがね小屋が見えるようになった。ここから斜面が下り気味に急になるようなので、手前でアイゼンに履き替えることにした。

履き替えている途中で、6人ほどの登山者が我々を追い抜いて行った。
急なのは最初の数mで終わったが、6人が先行した後なのでワカンよりも歩きやすくそのままアイゼンで行くことにした。
小屋手前の湿原か草原かのようなところまでくれば、本日の行動は終了間もなくだった。

小屋脇でアイゼンを外すと、すぐに小屋に逃げ込んだ。
平日であるが、先ほどの6人パーティーが食事の準備をしており、別のテーブルには荷物をデポして山頂方面に雪訓に出かけているパーティーの炊事道具もあった。
我々も装備を解いて、管理人さんからお茶を頂いてようやく落ち着くことができた。部屋をあてがってもらい、必要なもの以外の荷物を割り当てられた寝所に運び込んだりした後、早速名物の温泉に浸かることにした。ここのお湯は岳温泉の源泉に一番近い場所であるだけにとても濃い感じがした。管理人さんの話によると、なんでもpH2という強い酸性湯なので殺菌作用が強く、皮膚病に良く効くそうだ。余談だが、この源泉の管理の為に、年間を通して週に何度も岳温泉からここまで登ってくるそうだ。悪天候でもなんとか辿りつける所にあるとはいえ、山は山だ。しかも登って終わりではなくて作業をして更に下山しなければならないのだから、厳冬期の管理はさぞかし大変だろうと思う。

6人パーティーとそのあと二人組の登山者も小屋にやってきたが、皆日帰りらしくお風呂には入ってこなかったので、二人とも貸し切りとなって手足を伸ばして気兼ねなく長湯できた。冷えた体で入った最初は熱く感じだお湯も長湯で来たお陰で慣れてから出ることができた。
お風呂からあがると間もなく、日帰りの登山者も下山して行き、平日と相成って貸し切りでのんびりと寛ぐことができた。

名物のだるまストーブの横に陣取り、ビールを飲むともうそこはパラダイス。結局この日は、我々と雪訓から戻ってきた茨城から1パーティー(7〜8人)のみ。
今夜は自炊ということでモコモコさんが仕込んできた鶏鍋を食べる。小屋の売店は飲み物が充実しており、会津ワイン初め、サルナシのジュースや地酒も販売しておりモコモコさんと共に、「千功成」という地酒(なんと、もっきりで頂けます)を飲みながらストーブにあたった。外は強風が吹いて、時折ストーブに逆流して灰が噴き出してくるが、管理人さんが、頻繁に石炭をストーブにくべてくれるので、小屋の中はとても暖かく快適そのもの。
石炭をくべるのは楽しそうだが、寝ている間もずっと点いていてくれる吾妻小舎のような燃料貯蔵性のあるストーブもあればいいなと少し思った。

明日は満員となるため、明日の夕食の仕込みをしながらも途中手を休める管理人さんと親睦を深めながら楽しい夜は更けていった。


1月10日(ガス強風勢至平下は晴れ)
コースタイム;くろがね小屋8:15〜安達太良山頂9:43〜くろがね小屋10:35/10:55〜安達太良高原スキー場12:11

昨日は三回も貸し切りでお風呂に入ってしまった。満員となる今日明日はそんなわけにはいかないだろう。たった一日ずらすだけでこんなにも快適になるとはいつも以上に感じた。

起きて外を見てみると、天気予報通り風が強く視界が悪い。
取り敢えず、山頂へ行ける所まで行ってみようということで、出発した。
我々より少し早く茨城からのパーティーが出発して行ったので、トレースが残っていて助かる。

登り始めてすぐに森林限界の広い斜面になってしまうが、トレースと旗竿が立っているので迷うことなく進んでいけた。
茨城のパーティーは、牛ノ背尾根への分岐となる峰の辻の手前で昨日の雪訓の続きを始めており、どうやら山頂へは行かないようだ。

ここからは我々の貸し切りとなった。
峰の辻は風が吹き抜けるので、雪がほとんど飛ばされていた。また、旗竿がデポされていた。
風が強い今日は、牛ノ背尾根は当然のごとく除外して、直登ルートを取った。
沢の地形であるが、吹き下ろして来る風で雪は殆ど飛んでしまい、雪面もしまっているので潜ることなく進んで行けた。
前方になんだか人影が見えると思ったら、単独の男性が下山してくるところだった。

ずいぶん早いな、何時ころから登り始めたんだろう等聞きたかったが、なにしろ冷たい風が吹いていて足を止めると寒いだけなので、挨拶だけしてすれ違った。
ガスに加えて風に巻きあげられた雪で視界が効かない。
上へ上へと登って行けばいいだけだが、最短ルートで行くには旗竿がありがたい。山頂に近付くにつれて強くなっていく風のために眼鏡に霜がついて見えなくなっているモコモコさんは、辟易したようで下山しようと主張してくる。
行く行かないの押し問答になり、余計な時間を費やしてしまった。
結局、往復ルートなので、それぞれのペースで登り、山人が山頂に着いたらすぐに引き返すということで登るのを継続することにした。

モコモコさんという足枷がなくなったので、軽くなった足取りで登って行くと、ゴンドラから山頂駅や表登山道からのコースと合流した。
そこから山頂はすぐだった。さらに乳首といわれる岩は、無積雪よりも簡単に登ることができた。
写真撮影といっても何も周りは見えないが、一応済ませて元来た所を戻ると、モコモコさんが表登山道合流点の所で待っていた。
待っていた時間を考えると、山頂へ十分行って来られたと思うが、本人によると、良く見えないのでここで十分とのこと。
そうとなれば長居は無用。

えっちらおっちらと斜面を下って、転落滑落の危険がなくなるまで傾斜が緩んだところでピッケルからストックに持ち替えてどんどん降りていくと、さすが土曜日、こんな天気であるが、男性2人が登ってきたのが見えた。
小屋が近くになると、更に登ってくる人が見えた。小屋のトイレを借りに行ったモコモコさんを待っている間も山頂へ向かう人が結構いた。吾妻とは大違いの賑わいだ。

下りなので、ワカンに履き替えたりはしないでそのままアイゼンで下ることにした。
小屋を再出発してすぐに登ってきた人達とすれ違うようになり、その後も定期的に勢至平まで登りの人とすれ違った。
勢至平へ着いてすぐに山スキーを履いて大荷物を背負ってくる人が見えた。先代管理人の佐藤さんだった。食材の差し入れなどが入っているのかな?

佐藤さんとすれ違ったのをきっかけのように、続々と登ってくる人と出会う。これまでは人と会っても数人だったのと、強い風ですぐにトレースが消えてしまっていたが、トレースが消える前に人がやってくるのでとても楽な歩きとなった。
最後までこの状態はかわらず歩きやすかった。
また降りるにつれて天気がよくなってきた。

予定よりも早く下山できたので、バスの時間までゆっくりできるなといい気分だったが、最後の最後で悪夢が。
アイゼンをしまおうとしたところ、アイゼンの袋が突風であっという間に飛ばされてしまった。追いかけて探したが、見つからなかった。モコモコさんはなんと、小屋にケースを忘れてきたらしい(チーン(T_T))。あーあ。
更に、お昼ごはんとしてラーメンを頼んだら、物凄い行列になってしまい待たされるし、バス乗り場へいこうとしたら、昨日を上回る凍結でモコモコさんはとうとう転倒。
強風の中待って来たバスに乗り込もうとしたら、バスの乗車券を買ってきてくださいと言われ、恐怖の坂道をまた往復してこなければならなかった。
やっとバスに乗り込んだでふと外を見たら、下山してきたらしき登山者が凍結した道路で強風に押されて滑るのをこらえながら歩いている所だった。
ここは、車等に乗り込むまでアイゼンなどは外してはいけないようだ。
最後の最後でなんだかやられた感があるが、岳温泉バス停での乗り換え時間を利用して「岳の湯」で温まることができたのが幸いだ。
岳温泉は、ここまでの間に、もまれてくるせいかとてもまろやかな感じのお湯になっていた。

バス停、目の前の「成駒」という食堂にとても魅かれたが、さきほどラーメンを食べたばかりだし、さすがにそこまでの時間はないので今回は涙をのんで二本松行きのバスに乗り込んで、今年の初山行は終了した。

最後に、くろがね小屋の情報。
定員は60名。一人一枚の布団で寝られるぎりぎりの人数だそう。詰め込むようなことはせず、満員になったところで断わるとのことだ。年末年始は早々に満員になるらしく、常連さんは3カ月(予約できるのは3か月前から)に早くも予約を入れてくるそうだ。
水は、小屋内で流れているものを汲むことができるので水作り等の心配はない。
気になる売店のメニューは、カップラーメン、ビール、コーヒー、コーラ、サイダー、南郷トマトジュース、さるなしドリンク、日本酒(花春ワンカップ、奥の松、千功成)、会津ワインなど飲み物が充実していた。

天気はいいが風が強い スキー場脇から入山
平日であるが、踏み跡があった 橋を渡る
沢には沢山のつららがあった 馬車道と離れたり合流したりする登山道を登る
傾斜が緩まると風が吹き抜ける様になる 眺めはいい
風の為トレースも消えがち 勢至平に近付くと一層風が強まった
トラバース道が見える。山頂方面はガスで見えない トラバース道はワカンだと歩きにくい
天気はいいのだが くろがね小屋が見えた
温泉♪温泉♪楽しみだなー 居心地のよい小屋
一人あたりの空間もゆったり 早速冷えた体を温めます
だるまストーブのお陰で寒さ知らず 我々を温めてくれる燃料(石炭)です
飲み物のメニューが想像以上に豊富だった 今日も風が強い
小屋周りはなんとか見える 山頂直下のゴンドラからの道との合流点、モコモコさんはここまで
合流点から山頂はほんのわずか 無事到着
エビのしっぽがびっしり 馬ノ背分岐まで戻ってきた
くろがね小屋が見えれば一安心 山とは関係ないが、実家のすぐ傍で越冬する白鳥さん達



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