山域 利根・日光白根山
コース 白根温泉〜笠ヶ岳〜錫ヶ岳〜白檜山〜五色沼避難小屋〜前白根山〜湯元温泉
〜今年も日光の山で登り納め〜
日程 2015年11月21日〜11月23日

いよいよ無積雪期の山も終わりだ。
昨年行った女峰山や先日行った中禅寺湖南岸尾根から両毛国境稜線が楽しかったので、今年も日光の山で無積雪期の山の登り納めをすることにした。
行き先は、前回は日光側の尾根を歩いたので今回は利根側の尾根を歩くことにした。
天気を見てみると、最終日があやしいのでできるだけ早めに下山できるように計画を立てた。

データ 1/25,000地形図;丸沼高原,男体山  山と高原地図;日光

アプローチ

東京駅6:20-高崎駅8:16/8:24−沼田駅9:14/9:40-鎌田10:30/11:00−白根露点風呂前11:14

コースタイム
11月21日(晴れのちくもり)
 白根温泉駐車場11:30〜香沢林道入口11:36〜香沢大橋14:01〜六軒山方面林道分岐15:34〜六軒山鞍部乗越15:48(幕営)
11月22日(曇りガス一時晴れ)
 幕営地5;50〜標高1920m付近7:51〜ワイヤケーブルの木8:05〜笠ヶ岳8:42/9:00〜2146m鞍部9:49〜2351mP10:56〜錫ヶ岳11:46〜錫の水場12:37/12:52〜火口15:24〜避難小屋16:00(泊)
11月23日(曇りガスのち雨)
 避難小屋6:00〜外山鞍部7:21〜堰堤8:29〜湯元温泉バス停9:00

ルート概念図



11月21日(晴れ)
 コースタイム:白根温泉駐車場11:30〜香沢林道入口11:36〜香沢大橋14:01〜六軒山方面林道分岐15:34〜六軒山鞍部乗越15:48(幕営)

直前まで天気予報が怪しかったが、なんとかなりそうなので予定通りに出発。
丸沼高原方面に直通で行くバスはないので、尾瀬方面へのバスへと乗り込んだ。結構乗客がいたが我々が乗り換える鎌田バス停に着くころには我々だけになった。
鎌田で我々が降りた後は乗客0の状態でバスは出発して行った。さすがにこの時期に尾瀬方面に行く客はいないらしい。

乗り継ぎのバスの出発時間まで余裕があるので、近くの「産直所かたしなや」で、きのこ(ひらたけとむきたけ)と春菊を購入。モコモコさんは帰りだったらこれもあれも買って帰ったよーと騒いでいた。その後併設された飲食コーナー(お茶やお水のサービスあり)でケーキとコロッケを買ってまったりと椅子に座って食べていたら、なんだかこれから山に登る感じがしなくなった。

乗り換えた丸沼高原行のバスも貸し切りだった。直前に調べた所、本当は今日から丸沼高原スキー場は開業予定だったらしいが気温が下がらずに開業延期とか!そのせいで人が少ないのかな?鎌田からは、とうもろこし街道と呼ばれるほどトウモロコシ直売所が、あちらこちらに並んだ道を15分ほどで白根温泉露天風呂前バス停に到着。

風さえなければポカポカな中、準備をして出発。
今日は林道歩きだけなので気分的に楽だ。
香沢林道はバス停から少し戻る方向へ500mほど進んだ所から分岐している。国道には歩行者用ガードレールどころか歩道スペースもないので車に注意しながら歩く。国道歩きは、やはりつまらないなとふと眼を脇に向けると、なんとクルミがコロコロと落ちている。クルミを拾いながら行くと退屈することなく林道入口に到着。

分岐にはうどん屋さんと直売所があったが、シーズン外なのか営業していなかったりひっそりしていた。
林道入口にはゲートがあって関係車両以外は入れないようになっている。歩いているそばを車に行き来されるほどうんざりするものはないので、ある意味ありがたい。

林道は最初香沢右岸に通っているがすぐに橋で渡って香沢左岸へと移る。
林道一帯は社有地となっているらしい。最初は舗装されたいい道だ。
工事があちらこちらで行われているようだが、今日は車の往来がないので工事も休みかなと思っていたら、一か所だけ工事を行っていた。

工事の区間を過ぎると、途端に林道は人気がなくなった。林道自体は、最近重機で道路表面をならしたような跡があった。
入口から30分ほどで香沢ダムとある大きな堰堤を通過。堰堤はここだけではなく行く先々でいくつも連続して作られている。
日光の山はもろいがそれを証明しているかのようだ。林道も時折ガレや押し出してきた土砂があって車は通れない状態になっていた。香沢ダムからさらに20分程で香沢上流ダムとある同じくらい大きな堰堤を通過した。

最近落盤したと思われる大岩が落ちた所を乗り越えて進んだり、水がとれるガレ小沢があったりと結構変化に富んでいる。香沢上流ダムから30分ほど進むと林道も落ち着いてきた。
道がジグザクに登って行くようになった所で、いきなり鹿さんの登場。お互い驚いて、鹿さんは林道の斜面を駆け上がり、上に行けないと見た所で一気に見事なトラバース下りであっという間に姿を見せなくなった。足尾辺りの鹿さんよりも警戒心が強い気がする。
出発して2時間もたっていないのに鹿さんに遭遇したので、今回も鹿さんに沢山出会う山旅になりそうな気がした。

林道が再びジグザグに登って行くようになった。間もなく地形図にある林道合流点のはずだ。
大きく右に曲がるところでちょうど真上にある林道へ鹿道が通っていたので、それを利用して上にある林道へあがった。
すると林道は直前的な道になり、「三ケ峰橋」を過ぎすぐに「香沢大橋」に着いた。どうやら鹿道でやり過ごしたところで、合流点をカットしてしまた形になったようだ。

ゲートを出発してここまで2時間30分もかかってしまった。まだまだ先は長い。
尾根を回り込むと、笠ヶ岳がよく見るようになった。なんだか山頂直下が白い。霧氷かな?それとも崩壊地で白く光っているのかな?肩にあるアンテナのようなのはなんだろう?と明日確認するのが楽しみになった。
香沢大橋から10分もしないうちに香沢の本流筋と思われる左俣を渡る「深山橋」に到着。

上流を見ると、香沢大橋で見たよりも多くの堰堤が続いていた。物凄い堰堤パワーだ。橋のすぐ先には簡素であるが、ゲートがあった。
ここからは沢沿いを離れて尾根状になった斜面を大きくジグザグを切りながら登って行くようになった。この登りとなる林道は、唐松林の中に付けられており下草として笹が生えている。時折笹の間に小さな流れがちょろちょろと見られた。

やがて傾斜が弱まりトラバースするようになってしばらく先にある標高1640m付近の小沢に着いた。水場として想定した所だ。ガレた沢が多いので水が出ているか不安だったが、心配無用とばかりにしっかりと流れがあった。
明日の錫の水場までの分を汲んで、ずしりと重くなったザックを背負って後もう一頑張りする。

水場の沢からわずかで六軒山へ向かう林道の分岐となった。当初は六軒山も行くつもりでいたが、思ったよりも林道歩きに時間がかかってしまったので諦めてそのまま鞍部へと登って行く方への林道に進んだ。
こちらの林道はなぜか綺麗に舗装されていた。

分岐から10分ほどで、地形図に記載のない林道の分岐地点に着いた。そこから少し登ったところが六軒山の鞍部乗越だ。
鞍部で幕営しようと思ったが、いい所がない。
林道分岐まで戻ってみたが、平坦ではあるもののジメジメしており不快だ。

地形図に乗っていない林道に入って幕営地を探すことにした。
少し入った所で林道から少し樹林に下りた所でなんとか幕営できそうな場所が見えた。空身で見に行ってみることにした。
その間にもう少し先を見てみると進んだモコモコさんからすぐに声が掛った。

殆ど下りていない状態だったので、すぐにモコモコさんのところに向かうと、幕営しようと思えばできないこともないが少し狭い。
それではともう少し進んだ所で林道が少し広くなっている所があった。傾斜もなく平坦だ。岩もゴロゴロしておらずいい感じということで、今晩の宿決定。

この時期の日暮は特に早い。
簡単な整地を済ませてテントに潜りこむころにはすでに暗い。しかし今日は天気も比較的よく暖かかったのと、「かたしなや」で仕入れたきのこなどのお陰で楽しくいい夜を過ごすことができた。


11月3日(曇りガス一時晴れ)
コースタイム:幕営地5:50〜ワイヤケーブルの木8:04〜笠ヶ岳8:42/9:00〜2146m鞍部9:49〜2351mP10:56〜錫ヶ岳11:46〜錫の水場12:37/12:52〜火口15:24〜避難小屋16:00(泊)

夜中ビニールをガサガサ漁っているような気配に、昨日熊の糞を見ていたためか熊が出たと思ったモコモコさんが「なんだ!?」と声を上げたので驚いて反射的に起きてしまった。熊さんではなくてどうやら鹿さんだったらしく、モコモコさんの声に驚いてすぐテントから離れたものの、なんだか近くで枯葉をガサガサしている音がしばらく続いていた。モコモコさんは鹿さんが地団太踏んでいるように聞こえたそうな。
その後は鹿さんの気配もなくなり、静かに寝られた。

曇っているせいか冷え込みもなく、平らな場所だったのでよく寝られ目覚めもいい。
明日は天気が悪くなるらしいので、できれば今日中に下山したいということで日の出を待たずに出発。

当初は、六軒山との鞍部を林道が乗り越すところから尾根に取りつこうとしていたが、昨日見た感じでは、取りつき地点はグズグズでそうでない所は岩場になっていてなんだか面倒そうだった。
幕営した所から尾根までは樹林に覆われた斜面なので、直接斜面を登って尾根に出ることにした。

最初は比較的登りやすいが、段々傾斜が急になる。針葉樹の森なので思わぬ所でズボッと足が潜りこむ落とし穴のような所があったりで気が抜けない。
ようやく尾根に出るとやっと平坦になった。どうやら標高1824mPに登りあげたらしい。

これからはっきりした尾根道だし、どんどん先へ進めると思ったが倒木やら矮小な木に行く手を阻まれペースが全く上がらなかった。
尾根に出てから1時間弱ゆっくり登って行くと、それまで鬱蒼としていたのがいきなり開けた所になった。

どうやら昔の伐採地なのか作業場の名残なのか分からないが、木を切り倒した跡があり時折ワイヤが見られなんとなく踏み跡のような作業道の跡のようなのが尾根についており、一気に歩きやすくなった。
これは早くに着けるかもと思ったのもつかの間。多くの倒木に道はふさがれたりで回り込んだりして幾分ましになっただけで、すぐにペースが上がらなくなった。

尾根に出てから2時間ほどで地形図にでていない尾根北側面が崩壊した所に出た。これまでずっと樹林帯だったので一気に視界が開けたといいたいが、濃いガスなので先の様子が見えない。
尾根は濃い薮なので崩壊地の縁を歩いた。短いがグズグズなので慎重に歩いた。

ガスの中登ると、立ち枯れの高い木が現れた。これが下の林道から見えたのかな。周りの木と比べても一際高い。よく倒れずに立っているものだと感心しながら更に登ると、ワイヤでがちがちに固定されているさらに高い立ち枯れの木が現れた。
林道から見えたのはこちらの木だったようだ。ということは、ここまで伐採の手が入ったということでよくもまあこんな所まで入って作業したものだ。
そのすぐ下は、地形図に現れないほど小さな二重山稜となっていてそこには小さな池があった。

ここからは山頂まで一気に立ちあがっているようだ。ガスだが尾根西側の樹林は霧氷がついて白くなっているのが分かった。斜面が崩壊している様子もないことから、昨日林道から見えた白い斜面は、やはり樹林に霧氷が着いていたのが見えたようだ。
ワイヤケーブルの木から40分ほど霧氷の着いた急傾斜な樹林帯を登って行くとひょっこりと笠ヶ岳の山頂に着いた。

山頂には山頂を示すプレートがあった。
三角点を探すとすぐにみつかった。今回鋸をもってきているので、三角点の周りの笹を軽く刈っておいた。

山頂で休憩を取って錫ヶ岳を目指す。予定より少し遅れているがまだ十分今日中の下山が可能だ。頑張ろう。
冷たい風が吹いていて休むと体が冷えてしまったので、今日中に下りて温泉で温まるんだと思いながら一歩足を進めるといきなり笹薮。うーんこれは意外に手強いかもしれない。
錫ヶ岳への尾根には少し回り込んでから乗るようになるが、地形図では現れない小さな二重山稜になっており小さな池があった。嬉しい発見だ。
池は表面が凍っていて、風が吹く度に木に着いた霧氷が池に落ちて、落ちた霧氷がそのまま凍った池の上を滑るのが面白かった。

はっきりとした尾根の形をとる直前に大岩がデーンと鎮座していた。大岩を回り込んでやり過ごして振り返ると、大岩に着いた苔からつららが伸びていた。
標高2146m鞍部まで迷うことなくはっきりとした尾根の形を取っているので、てくてく歩いてすぐに着くだろうと踏んでいたが、矮小な針葉樹と小さいくせに邪魔になる倒木が相変わらず続いて右に左に交わしながらでないと進めず、鞍部に着いたのは山頂から50分も経っていた。

笹薮がうるさくなってきたので雨具を着て行くことにした。結構な遅れに「ネズミが出ます」とモコモコさんに囁く。それに対してモコモコさんはびくっとして「やだー今日中に下山したいよー」と騒ぐ。白根山の五色沼避難小屋に「ネズミが出ます」の注意書きがあるので、我々の間では、「ネズミが出ます」は避難小屋泊まりになるよを意味している。
まだ頑張ればなんとかなりそうなのでモコモコさんを励ましたつもり。

雨具を着ると一気に動きが鈍くなって、その状態で笹薮の登りにとりかかる。笹薮自体は高くないので薮漕ぎとはならないが足元が安定しないため、時間がかかる。
ガスが少しずつ薄くなってきて、時折先が見えるようになった。

ピークが正面に確認できるようになったが、これは錫ヶ岳ではなくその手前の2351mPだ。
五月蠅い笹薮には鹿さんのトレースが現れるようになり、トレースを辿ると砂地になっているところに導かれたりと鹿さんには助けられた。

ピーク直下になると樹林が濃くなってまともに進めなくなった。なんとか通れそうな所を探して行くと、地形図では想像もできないような大岩があった。大岩には変な形の木がついていて、まるで「犬神家の一族」の佐清(スケキヨ)のようだったので「佐清岩」と呼ぶことにした

急傾斜に立っている佐清岩の横を通って行くと樹林の間隔が開いてきて登りやすくなってきた。ここは尾根北側に回り込んで登れば樹林が空いていて登りやすかったのかもしれない。
佐清岩から上は樹林に霧氷がついて真っ白な世界になった。風が吹く度に霧氷が弾幕のようにバラバラ落ちて地面も白くなってくる。時折霧氷爆弾を食らったりしながらも楽しい登りだった。

やっとたどり着いた2351mPは何もプレートがなく市区町村の境界を表す杭があっただけだった。モコモコさんが荷物を下ろして休憩しようとする前に「ネズミが出ます」と声を掛けたので、そそくさと先へ進めた。ところがあまりにも濃い小さな針葉樹林帯で全く前に進まない。挙句の果てに、モコモコさんは雨具のズボンを樹林に引っかけて大きなカギ裂きを作っていた。
先が思いやられる。

濃い樹林帯は続き、錫ヶ岳が目前に見えているのに一向に距離が縮まらない。本当にネズミが出ますだな。そうとなったら今日中におりなくてもいいということで、逆に気持ちに余裕ができた。錫ヶ岳を見ると、以前錫ヶ岳に来た時には気が付かなかったが、霧氷で白くなった斜面と尾根に岩峰が見えた。
鞍部を過ぎ、山頂手前の小さなピョコになるとようやく歩きやすくなった。
山頂とピョコの間には、この辺りでは珍しく大きく折れ曲がった木と面白い模様を持った凍りついた池などが見られた。
久しぶりの錫ヶ岳山頂に着いた時には、本来ならば水場をとっくにすぎてかなり進んでおかなければいけない時間だった。「ネズミが出ます」決定。

錫ヶ岳からはこれまでの歩きにくさは何だったのかというほど歩きやすい。
しばらく来ないうちに錫ヶ岳までは人気のコースとなっていたらしく、はっきりと道ができていた。
あっという間に見覚えのある池がある所まで下りてきた。

小さなピョコを越えて錫の水場に到着。
ここの水場は稜線から近いのがありがたい。
ネズミが出ます決定なので、ありったけの水筒を持って水場へ。

前回も11月に水を汲んだが、今年は8月から雨が多かったせいか前回よりも豊富に水が出ていた。
水場入口は幕営適地になっているが、ここ最近泊まった様子はなかった。久しぶりにゆっくり荷物をおろして休んだ。

あとは小屋まで行けばいいだけだが、結構これから登らないといけないのでゆっくりと行くことにした。
白檜山へ向かうにつれて、白根山山頂方面もガスが取れてきた。
標高2296mPまでは比較的元気だったが、白檜山の笹の中の長い登りでは流石にうんざりして、「早く火口を歩きたいよ」と言うことで気を紛らした。

男体山がようやく見えるようになったが、中禅寺湖は完全に雲の下で中禅寺湖南岸尾根はわずかに見えるだけだった。
長い笹原の登りがようやく終わって、前回は稜線を進んで白根隠山へと向かったが、今回は火口平原へ降りて避難小屋へ向かう予定。

直接下りると傾斜がきつくガレ地になりそうなので、少し白根山へと繋がる尾根を下降して標高を下げてから火口へ降りることにした。
皆辿るのは同じなようで、途中に赤印を見つけることがあった。
急な笹の斜面になったので、慎重に下りる。倒木が隠れているので注意しながら時折後ろ向きで下りた。モコモコさんは全て後ろ向きに下りていた。

早く下りたい気持ちが強く一番傾斜のきつい所を降りてきてしまったようで、笹が途中で途切れた。すぐ近くの沢筋へ入ることにした。
沢筋を見ると、水たまりが凍っているし岩は不安定そうで落石がひどそうなのでしばらく沢横の斜面を下りた。
岩が安定した辺りから沢筋を降りるとようやく火口平原に降り立つことができた。

憧れの火口平原だ。思ったよりも草地が多く、砂地には鹿の足跡が一杯だった。砂は適度な固さがありしかも人に踏まれていないので、砂のフワフワ感がたまらなかった。火口からみる白根隠山が高い。
吹き下ろしてくる風が冷たい。

ここまで歩きてきた足には堪える登りを済ませて火口原を抜けると登山道と小屋が見えた。
なぜか一か所だけ雪が残っていたのを見て進むと登山道に合流。無事小屋に着くことができた。
小屋には誰もおらず貸し切りとなった。

今日は晴れなかったせいか、モコモコさんが恐れていた通り小屋内は冷え込んでいて寒い。外の方が暖かく感じるほどだ。
小屋は広く快適だが、起きていても寒いだけなので夕食を済ませたら寒さ対策を万全にしてそそくさとシュラフに包まった。
夜中、ガサガサ音がして目が覚めた。やはりネズミが出たらしい。食料はつるしておいてネズミに食べられる心配はなかったので、鼠の確認はしないでそのまま何もせずに寝た。

11月4日(曇りガスのち雨)
コースタイム:避難小屋6:00〜外山鞍部7:21〜堰堤8:29〜湯元温泉バス停9:00

雨は降っていなかったが濃いガスだ。風もあるので濡れないように雨具を着た。
今日は雨が降る予報のため、できるだけ早く帰りたいのでまだ暗いうちに出発。

稜線に出ると明るくなったのでヘッドランプなしでも大丈夫になった。
昨日同様、風が当たると木に霧氷がついている。ガスで何も見えないので、とにかくてくてく進む。
前白根山まで着いたが、見えないのは相変わらずなので山頂の写真だけ撮ってそのまま通過。小さな広場のようになっている天狗平で少し休憩を取った。

外山の鞍部までは下りになったり平坦になったりで徐々に高度を下げて行く感じだ。根が張りだしている所は滑りやすいので注意して行く。
しゃくなげが目立ってくると外山鞍部も近い。鞍部からは怒涛の下りの始まりだ。
尾根とはいえもろい日光の山らしく、掘れた滑りやすい溝状の所、根が完全に掘りだされてしまい障害物競争のように跨いだり梯子を降りるように下りたり、ガラガラとよく動く石が出てくるので滑ったり落石に注意と気が抜けない下りだ。

標高が下がり樹林帯になったこともあり暑くなってきたので途中で雨具を脱いだ。
ガスが濃いのは変わらないが、雨が降っていないだけましだ。
前回から一層崩壊が進んだようで、思ったよりも時間が掛って堰堤に到着。

堰堤からは沢沿いの道を行くと立派な道標が建っていた。
道標からすぐで林道に出る。あとはスキー場内を通る林道を行くだけだ。さすがに今日は誰も登ってこなかったなと思っていたら、男女二人組が登ってきた。さすが白根山人気の山なのだな。
雪のないスキー場には、鹿の糞がたくさんあった。しかし、その姿は初日の林道で見ただけで山中では姿を見ることはなかった。前日縦走したときは、一日に一回は姿を見ていたのに、今回は見られなかったということは寒くなったので標高の低い所に下りて行ったのかな?

スキー場はまだ開業が先なのかひっそりとしていた。下山後に確認したところ、12月からOPENとのことだった。
バス停横にある案内所で日帰り入浴MAPをもらってからバス停へ。バスは20分後に出発するものがあるがお風呂に入る時間がないので次のバスに乗ることにして、この時間でもお風呂に入ることが出来る所を探した。奥日光の宿は日帰り入浴できる時間が比較的遅い所が多いので見つかるか心配だったが、なんとバス停から一番近い宿が入浴可能らしい。
早速お風呂に入れるか宿に尋ねてみると大丈夫とのことで入浴させてもらうことにした(メモ1)。宿自体が小さいのでお風呂も小さいが、宿の方が親切でお湯もよく、冷えきった体を温めることができて幸せだった。

お風呂から上がると外はとうとう雨が降っていた。早く下りてきてよかった。バスは始発から乗ることができたので、大荷物でも迷惑になることがない席に乗ることができて助かった。また紅葉シーズンも終わり、今日は天気もよくないためか、いろは坂や日光市街地での渋滞もなく、電車も空いていたので、お弁当(メモ2)を食べながら快適に帰ることができた。

白根温泉駐車場 林道入口
香沢上流ダム 謎の4
香沢大橋 堰堤が連続している
笠ヶ岳 肩にアンテナのような木のようなものが見えた 1640m辺りの沢で水がとれた
六軒山方面への林道分岐 林道尾根乗越し地点
2日目
伐採地跡らしい ワイヤが見え隠れする
地形図に記載のない崩壊地 林道から見えたワイヤケーブルの木
ワイヤケーブルの木の傍にあった池 ワイヤケーブルの木の根元
霧氷が着き始めた 笠ヶ岳山頂は霧氷で白くなっている
笠ヶ岳 山頂にプレートあり 笠ヶ岳直下に池があった
凍った池に落ちた霧氷が滑って面白い 寒さで苔からつららが出来ている
2146m鞍部付近 2351mPへの登り
霧氷がびっしり着いた2351mP 薮の薄い所を探していく 右手前方には佐清岩
佐清岩辺りは急な登りになった きれい
霧氷が降り注いでくる 2351mPを振り返る
やっと錫ヶ岳が射程距離に入った 面白い
この辺りでは珍しく大きく折れまがった木 錫ヶ岳山頂
よく作ったなといつもながら感心 一般登山道ではないが高速道路に思える
この池は憶えている 下りはあっと言う間だ
錫ヶ岳の東側の高原状台地 錫の水場に着いた
水が豊富に出ていた 先が見通せるようになった
白檜山へ あともう少しで見えるのだが
かわいい池 ヌタ場になりませんように やっとガスが晴れてきた
男体山が見えた いい斜面
憧れの火口に下ります 白根隠山
急なガレ沢状を降りる なんだか一番急な所を降りてしまった
こちらを降りればよかった 白根隠山が高い
思ったよりも草が生えていた 稜線がガスに包まれた
さらっと降ったらしい 小屋が見えた
3日目
小屋の中の鼠の出入り口 前白根山
今日も霧氷の着いた道 外山鞍部 これから足場の悪い下り
堰堤にやっと下りてきた スキー場は12月営業開始予定らしい

下山後メモ
1)湯元温泉バス停そばにある奥日光パークロッジ深山で入浴させてもらった。500円
日帰り入浴可能な所が湯元温泉は多く助かるが、入浴可能な時間が残念ながら11:00以降であることが多い中9:00から入浴させてもらえて助かった。
宿の方もとても親切で、いい湯でお勧めです。ただし、洗い場が少なくお風呂自体も小さいので2〜3人が限度で4人以上で入るのは遠慮した方がいい。
2)日光鱒鮨 厚く切った鱒が食べ応えがあっておいしく、湯葉が挟んであるのがいい。少し値段が張るので気軽に買えないが、日光に来たら一度は食べてみたいお弁当。

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