山域 和賀山塊
コース 生保内川〜羽後朝日岳〜上天狗沢マンダノ沢(下降)〜八滝沢〜和賀岳〜高下登山口
〜和賀の山にどっぷり浸かった〜
日程 2016年8月7日〜8月12日

ここ数年この時期の天候がパッとしなかったが、数年ぶりに天気が安定しそうだ。
長期の休みも取れたので、これまで何度か計画しては悪天候等で中止又は大幅な計画変更となっていたラインを思い切って実行してみることにした。
例によって、怖がりのモコモコさんが計画の縮小を求めてくるが、それを押し返して臨むことになった。
データ 地形図−1/25,000;国見温泉、羽後朝日岳、抱返渓谷、大神成、北川舟 1/50,000;雫石、鶯宿、角館、国見温泉、

アプローチ

東京駅八重洲口23:.30-(ドリーム盛岡らくちん号)-盛岡駅東口6:55/盛岡駅7:58-(こまち)-田沢湖駅8:31/タクシー(2810円)−仙岩道路大平トンネル秋田県側入口手前NTT施設

コースタイム
8月7日(晴れ)
 NTT施設9:22〜大平沢生保内川出合9:53〜標高550m付近16:30(BP@)
8月8日(晴れのちくもり夕方一時雨)
 BP@6:34〜ゴルジュ入口4m滝7:49〜標高800m二俣付近14:59(BPA)
8月9日(くもりガス夕方一時雨)
 BPA6:36〜羽後朝日岳13:47〜上天狗沢出合(標高1250m付近)14:39〜標高1000m付近15:54(BPB)
8月10日(くもり夕方から晴れ)
 BPB6:49〜下天狗沢出合二俣8:36/8:51〜蛇体淵9:57/10:20〜マンダノ沢八滝沢出合15:59(BPC)
8月11日(くもりときどき晴れ)
 BPC6:39〜辰巳又沢出合9:25〜大滝下13:21〜標高1200m付近16:05(BPD)
8月12日(晴れ)
 BPD6:30〜稜線8:41〜和賀岳9:15/9:45〜コケ平10:04〜和賀川渡渉点11:07/11:26〜高下登山口13:10/タクシー(9400円)−ほっとゆだ駅

ルート概念図はこちら


8月7日(晴れ)
コースタイム;NTT施設9:22〜大平沢生保内川出合9:53〜標高550m付近16:30(BP@)

前夜、期待と装備や食料でパンパンに膨らんでズシリと重いザックを担いで東京駅へ。
お盆の帰省ラッシュ前だが、夏休みなので人出がすごい。しかし、らくちん号は満席ではあるものの出動は1台だけだった。
乗り心地は快適だが、冷房が効きすぎて少し寒くて後半あまり寝られなかった。窓際に座ったモコモコさんはぐっすり寝られたようだ。
この方面に来た時の定番で、松屋で朝食をとってから「こまち」に乗って田沢湖駅へ。

田沢湖駅からはタクシーで大平トンネル秋田県側入口手前の公衆電話のあるNTT施設まで行く。(2810円)
そこから踏み跡をたどって進む。昔の排水溝のような溝が斜面にジクザグについており、それに従うように下ると大平沢の生保内川出合にでた。流れは清らかだが、水量自体は普通といった感じ。梅雨明けのを象徴するかのような、雲一つない完璧な青空が広がっていた。

JRの橋脚の下で、再度身支度を整えて先に進む。
巨大な堰堤を一段目は左から二段目は右から巻くと、そこから上流は生保内川本来の姿を取り戻す。
気になっていたアブは、朝日の沢ほどではないもののそれなりにわんさか出てきたがいつの間にか数を減らして、ほとんど気にならなくなった。それでも、最初に手首の部分を咬まれて最終日になっても痒さが続いた。防虫ネットはお荷物になった。

川幅が広く夏の日差しを浴びてひたすら歩く。汗が絞られる、初日はそんな日だ。時折岩魚が走るがいづれも型は小さい。大出水で流されてしまったのかな?
テン場を探しながら歩くと15:00を過ぎていた。今まで蛇行しており河原状だった生保内川は姿を変え、川幅が狭まり大岩がゴロゴロとした感じになってきた。

モコモコさんは「早く決めなかったからこうなったんだよ。先に行ってもないよも〜」と怒っている。しかし、まだ高度計は500mを超えておらず、辛抱強く大岩帯を過ぎると穏やかな河原状が出てきたので迷わず本日のテン場とした。泊まるところは河原だが、すぐ後ろに森があって、もしもの時には簡単に逃げられるいい場所だ。

薪も豊富にあり、タープとツェルトを張れば我が家の完成。暑いほどのたき火になり、持参した焼酎600ミリリットルを大事に飲んだ。
ちなみモコモコさんはウオッカ350ミリリットルを持参してきた。

初日は焼肉と炊いたご飯とで贅沢な夜になった。また保冷材としてモコモコさんがビールを一本隠し持っていたので二人でありがたく頂いた。
軽量化として山人はシュラフカバーだけだったが寒さを感じることはなかった。

その晩は暑くて暑くて、蚊に刺されたりで寝苦しかった。

公衆電話のあるNTT施設裏から入る 大平沢生保内川出合付近へ踏み跡を伝って下降
生保内川本流出合 秋田新幹線の通る橋
1つ目の堰堤 1段目は左側を登り2段目は左岸を巻いた 水がきれい
一時的に狭まり焦る 広々とした快適な幕営地



8月8日(晴れのちくもり夕方一時雨)
コースタイムBP@6:34〜ゴルジュ入口4m滝7:49〜標高800m二俣付近14:59(BPA)

テン場からはすぐに広河原状になって大きなインゼル状になったりする。
大出水の影響か、以前は河原の適当なところに泊まれたような場所は、石や岩がゴロゴロして快適でなくなっていた。昨日泊まったところが一番条件がよさそうだった。
出発してから一時間ほど進むと、生保内川は側壁を高くして、前衛の小滝を越すと姿を一変してゴルジュという魔物になる。

4m魚留滝が大きな釜に水流をゴウゴウと叩きつけている。
ここは右岸の岩壁をトラバースする様に落ち口に向かうルートだ。

右岸に取り付く為に釜を泳ぐ。盛夏だから良いものの10月とかだと寒そう。モコモコさんをお助け紐で釣り上げて岩壁のテラスでビレイしてもらう。
残置があるので利用し、落ち口はスリングに体重を預ける感じで側壁から張り出した岩を乗り越して落ち口へ抜けた。

やっと越えたかと思うと今度は8m滝の登場。ロープを出して手前からトラバース気味に取りつくが中段で足場がなくなりセミになる。
一度荷物を下ろして、空身で下降して振り出しに戻る。怖い思いをした。

別ルートはないか良く観察しながら滝へ向かって進むと、取りつくことができるようなのでトライ。ハーケンを一枚打って手がかりにして登ることができた。後は落ち口までは問題なかった。
今回の山旅にハーケンとハンマー、カム2個を持参してきた。ここ何年も登攀具を持参した沢には行っていないので新鮮な気がした。
滝上はゴルジュとなっている。
天気が良いこともあって、ゴルジュ帯を水に浸かったりしながら楽しく進むことができた。
ゴルジュ出口の2m滝は頑張れば登れそうな気もしたが、疲れるのとモコモコさんの一本釣りになりそうなので左岸を巻いた。

沢は再びゴルジュ状になったりするが、問題なく快適に遡行して4m滝を快適に登ると、その先に一段と狭く側壁が立ってきてなにかありそうな予感がプンプンする。
今日一番の問題となる直登不可能な8m滝が現れた。はっきりと2色で色分けされた美しい滝だ。
登れないので左岸のルンゼを巻くルートだ。巻ルートは、下から見ると下部は緩やかで登れそうだが、中間部分が難しそう。
荷物を背負って取りついたが、懸念していた通り、中間部分のあと一歩が出ずセミになる。

空身で取りつけばよかったが、もう降りられない状態。
カムと細く抜けそうなブッシュに支点を取ることができた。念のため最後にハーケンが真ん中ぐらいまでしか入らないリスを見つけて打ち込み。この工作にえらく時間がかかってしまった。
ようやく踏ん切りがついて、足場に体重をかけて体を引き上げることができた。
頭は冷静だったが、非常に緊張した。

あとは樹林帯までロープを伸ばしてモコモコさんを迎えた。後続のモコモコさんによると、カムもハーケンもよく効いていたとのこと。
少し藪をこげば枝を手掛かりに降りられそうだが、少しでも早く沢に戻りたいので残置スリングを利用して懸垂下降で沢床へ降りた。

やれやれと一息ついて、その後は寿命を縮めるような滝はなく標高790m付近の二俣に到着できるはずだ。気持ちが少し楽になって進むと右岸から支流が入ってくる。標高740m辺りの二俣だ。
今日のテンバまであと少しかなとうれしい気分で遡行していくと、本日最後の滝である9mトイ状滝だ。

登れないので、左岸のガレから取りついて小尾根状のところまで登り落ち口へと向かうとすんなりと落ち口へ降りることができた。生保内川に入ってからこれまで巻いた中で一番素直な巻きだった。
巻き降りたところから落ち口下を覗いてみたが、なかなかの高さだった。
この滝を越した先に幕営適地があるらしいので、きょろきょろしながら歩いていくとすぐに標高790m二俣になりその手前によさそうなところがあった。

今シーズン泊まるのは我々が初めてのようだ。石の椅子、タープ用の支柱もあり、焚き木の残りありと素晴らしい物件。
薪も豊富で良いところだ。出水でかなり削られたようだが二人なら並んで寝られる。
だだ、対岸の山の斜面が崩れている様態なので景観は良くない。

幕営準備を済ませ、早いうちからたき火に当たってのんびりできて最高だと過ごしていたが、日が暮れると同時に黒い雲がわいてきて雷も遠くでなり始めた。
ポツポツし始めたと思ったら、あっという間に雨が降り出した。
幸いザーザーぶりにならず1時間ほどで落ち着いてくれた。台風が近づいているとのことなのでこれくらい位で済んでいるのはありがたいことだ。

本日のメニューは初日のたき火で丁寧に焼いた、豚ホイル包み焼とご飯と味噌汁。あと初日の自然の恵みを頂いた。
その晩は前夜とは打って変わって涼しい夜となり快適に寝ることができた。

以前は幕営適地だったと思われる 現在はかなり整地が必要 左に右に曲がった先には・・・
4m魚留の滝出現 残置ハーケンスリングあり  先人に感謝
その先の8m滝は水流に近い左壁から取りついた 落ち口から撮影 レンズ濡れだった
次々に出てくる滝は快適に越えていける 天気がいいのでこういったところが楽しい
ちょっとした廊下 緩やかな流れで足がつくので問題ない ゴルジュ出口の2m滝 左岸を巻いた
左岸から美しい滝をかけて支流が入る その対岸にも支沢が流入
再び廊下状になるが問題ない 明るいV字谷状が続く
4m滝を快適に登る 8m滝
ルンゼ、この一段上へあがるところが悪かった 落ち口から
標高740m付近二俣 天気が良く暑いので水に浸かっていくのが一番
ここも水に浸かって突破が楽しい 9mトイ状滝 左岸のガレから巻いた
落ち口から 標高790m付近二俣と右岸の幕営適地


8月9日(くもりガス夕方一時雨)
コースタイム;BPA6:36〜羽後朝日岳13:47〜上天狗沢出合(標高1225m付近)14:39〜標高1000m付近15:54(BPB)

早くも3日目となった。毎朝ラーメンを食べて出発する。今日の天気は曇りとガスだ。
テン場から30分ほどで、生保内川最大の15m滝の登場だ。左岸からピンソールを付けて簡単に巻くことができた。

さらに進むと10m滝。我々は登れないので左岸から高巻くことにした。高巻き途中から、上部にも難しそうな滝が見えたのでまとめて巻くことにした。巻は長くなったが懸垂なしで降りることができた。

そこから50分ほど進むと10mシャワークライミング滝が現れた。ガイドでは水流の真ん中のホールドを利用して登るとのこと。
雨具を着てザイル使用で取りつく。一度水流に負けて落とされた。2回目は水中ホールドに詰まっていた石を取り除いて、しっかりと掴み、モコモコさんにアシストしてもらって這い上がることができた。

モコモコさんも一度水流に落とされた。作戦変更、モコモコさんの荷物を荷揚げして再度空身で登ってきてもらう。
今度は無事に突破した。

先にある5m滝を軽く巻いた先に2段10m滝があるが、快適に左壁を登ることができる。最上部が段差が大きい登りで少し高度感があるのでモコモコさんにはお助け紐を出した。

その後も素直に登れる滝と難しい滝が出てきた。難しい滝はピンソールを付けて巻くことにした。
6m滝は登れそうだが、ザイルを出していると時間がかかるので左岸を巻いた。
次の7m滝は水流左の笹とのコンタクトラインにホールドが続いていて快適に登ることができた。モコモコさんにはザイルを出す。滝上はきれいなナメが続いて美しいところだった。

そして最後の8m滝。登れそうだと空身で取りついてみるが、上部のホールドが乏しく中間支点も取れないので踏ん切りがつかない。
降りて巻くことにした。
ザイルを担いで行くよりも引いて行った方が軽いし、どうせモコモコさんからザイルを要求されるだろうからそのままザイルを引いて左岸の草付きから巻に入った。ザイルの残りがわずかになったところで調度落ち口の少し上の高さになった。ここでモコモコさんを迎える。
モコモコさんにはピンソールを付けて上がってきてもらう。所々灌木があるので、モコモコさんも無難に登ってきた。
沢床へは藪を伝って降りることができた。

これを超えてしまうと、一切滝はなくなり岩盤の発達した沢床となった。沢の両岸の傾斜が緩んでだんだんと源頭の雰囲気になってきた。意外とこの沢は水涸れが早い。色香を出して先に進んだがやはり涸れており水が岩盤から湧き出しているところまで戻って水を汲むことになった。
忠実に沢を詰めていき、最後の窪状の二俣では、山頂直下は地形図で見る感じとても急なので、右の窪に入るとやがて草付きとなる。窪がうっすらとステップとして使える程度に続いていたので滑ることなく藪漕ぎなしで稜線へ上がることができた。ガスで何も見えないが、稜線には羽後朝日岳から部名垂沢へ向かう踏み跡がついており、踏み跡をたどるとそこからわずかで羽後朝日岳に到着した。

残念ながら周りはガスに囲まれており景色が見えない。
本来ならばゆっくりと景色を楽しみたいのだが、ガスだけでなく、台風の影響か風も結構強いので、記念撮影と腹ごしらえを済ませて先を急ぐことにした。

晴れていれば上天狗沢目指して最短距離で降りるのだが、ガスで視界が全くないためしばらく上天狗沢と朝日沢を分ける尾根を進んでから下降することにした。山頂で尾根の伸びている方向にコンパスを合わせる。
しばらくは草原の中を下降して、尾根が灌木で覆われるようになったところから尾根左斜面にある上天狗沢目指して下降に入る。

猛烈な笹薮と時折出てくる灌木に行く手を阻まれる。行けども行けども藪しか見えない。笹に足を取られたり滑ったりして転倒すること数多くあり。
うんざりしながら藪漕ぎしていると、いきなり窪がでてきた。
窪に降りるところは急なので慎重に降りる。窪自体もかなりの急傾斜だ。これで降りられない滝でもでてきたら面倒だなと内心心配になるが、幸いそのような場所もなく素直に沢に一直線に降りている枯れた窪だった。

上天狗沢本流にようやく降り立ったのは既に14:30すぎ。標高は腕時計の高度が台風の影響等でひどく狂うが、およそ標高1225m辺りらしい。
しばらく小滝がかかる源流部にありがちなゴーロ状を下降していくと、がくんと落ちた先は右に曲がっているところに着いた。
滝のクライムダウンはできないので、枝を使って降りる。

その先はいくつも小滝をかけてそのたびに巻き降りたりして下降を続ける。登りは問題ないが下りはクライムダウンするには少しきつい滝がほとんどだった。幸い滝自体は大きくなく、巻き降りるのも比較的簡単なのが助かる。
上天狗沢のことは全く覚えていないが、思ったよりも滝が多くて時間がかかる。おまけにガスで気温が上がらなかったので寒くなってきた。
予定では下天狗沢との出合の二俣まで下降してから泊まるはずであったが、いいところがあったら泊まろうということになった。

今日の高度計でちょうど標高1000m辺りに二人ならば寝られる場所があった。
時間もちょうどいいし、今晩のたき火分の薪が簡単に集められそうだったので迷わずザックを下ろした。
石を丁寧に取り除いてから周りの草を刈って敷くとなかなかの寝心地だ。
薪も比較的楽に集まり火付きもよかった。
昨日同様に18:00頃から濃いガスが雨になったが、大した降りでなく穏やかに過ごすことができた。

本日のメニュー レトルト生姜焼き、ご飯、味噌汁

15m滝 落ち口から
4m2条滝 10m滝 左岸を上部の滝と一緒に巻いた
巻き終わったところから下流方向 5m滝
10mナメ滝 水流中のホールドを使って登る 上から
2段10m滝 6m滝
上から 7m滝 登れそうだが面倒になり左岸を巻いた
2段7m滝 笹とのコンタクトラインにいい足場あり 源流の雰囲気
8m滝 上部を登る踏ん切り付かず 草付きの巻き モコモコさんを迎える
ほぼ傾斜のない源流部 まもなく水涸れ ガスがきれて稜線が見えた
お花畑の詰め ガスがまたかかってきた
稜線に出た 羽後朝日岳山頂
小滝が続く下降 標高1000m付近で泊まる


8月10日(くもり夕方から晴れ)
コースタイム;BPB6:49〜下天狗沢出合二俣8:36/8:51〜蛇体淵9:57/10:20〜マンダノ沢八滝沢出合15:59(BPC)

昨日は予定よりもかなり手前で行動終了したのと、今日は辰巳又沢出合まで行く行程のため、行動時間が長いので早起きしたが、出発の準備をしようとすると雨が降ってきたりで、結局いつもと変わらないような時間の出発となってしまった。
それでも、下降する沢は一度登ったことがあり、さほど困難なこともなく遡行できた気がするので、お気楽で行けるものと思っていた。
出発してからも天気は昨日からのガスがとれずにぱっとしない。
いくつかの滝を巻き降りたり、丁度良い立ち木が生えているのを利用して懸垂下降するところがあるが、昨日までの滝の連続比べて、滝は少なくなり基本ナメ床が続く快適な下降だ。

このまま二俣に着かないかなと思うが、最後の最後で巻き降りようと思えば降りられそうだが面倒そうな滝が出てきた。
上手い具合に立ち木があったので、懸垂下降した。

滝下はすぐに二俣。当初はここまで降りてくる予定だったが、遅くなってからの到着で大出水でテン場が荒れていたら最悪だと思い昨日は行動を終了した。
実際は荒れていることなどなく快適な場所だったわけだが、 ここまで結構時間がかかったので昨日の判断で正解だった。
ここ最近は泊まった様子がなかった。
いいところだが、薪は少ない。集めるには少し離れたところまで行かないといけないようだ。

ここから沢の規模が一気に大きくなり、巨岩帯が延々と続くようになった。
どこをどう通ったのか全く記憶に残らないほど同じような巨岩帯をひたすら降りられるところを探しながら進む。
やがて巨岩の先に落ち込んでいるところがあったので、左岸を巻いて降りる。途中のトラバースでモコモコさんに御助け紐を出した。降り立ってみるとなんだか見覚えのある所。蛇体淵だった。

主がいるか探ってみたが御留守のようだ。

大きな淵がある蛇体淵の少し下流の右岸高台はいい泊り場になりそうだ。ただ出水で削られたのか台地に登るときに足元が崩れて気を使いそうだ。
流れが緩く左に曲がるとフキの生えた河原状。以前はいい泊り場にできそうだったが、今は泊まれるが石が多くて整地が必要な感じだ。

穏やかなのはここだけで、再び巨岩帯に突入。以前はあまりにも巨岩がひどいときは左右どちらかの森との境目にいいルートいがあったと思うが、側壁からの押し出しで大岩が積み重なってそれもなかなかできない感じ。
下降なのに骨が折れる。モコモコ係数を掛けても蛇体淵から4時間もあればマンダノ沢八滝沢出合につけるだろうと思ったが、厳しそうだ。
まるで魚野川のゴウトウみたいだねと言いながら降りていく。

どこにいるのか全く分からない状態で、とにかく目の前にある巨岩や巨岩の中に隠れた滝を巻いたりしながらどうにかして降りていくと、とうとう行き詰まってしまった。右岸側を降りてきたが最後は下がスッパリ切れ落ちた岩壁になっていた。仕方がないので懸垂下降することにした。30mロープで足りるかどうかわからないので、補助ロープ20mを繋げて下降した。このときアブの活動が活発でうるさい。二人とも何か所か咬まれた。
無事降りた結果だが、30mロープ1本でも大丈夫かもしれなかった。

降りられてほっとする間もなく次の難所。
ドーンと横たわった超巨大で平な大岩を降りた先の最後の8mほどの滝が降りられない。ここが降りられないと、戻って大高巻となる。
結局滝を降りられず超巨大で平な大岩の上に戻る。周りを見ても大高巻は避けられない。大岩上にうまい具合にしっかりした倒木があったので、先程と同様にロープを連結して懸垂下降することにした。
倒木に捨て縄をかけて下降開始。最初の7mほどは足場もあって快適。しかしその下に5m以上の高さでぽっかりと何もない空間がある。
空中懸垂となった。やっと足場に届いて無事降りることができた。

次はモコモコさんの番。
空中懸垂終了間近のところで、下にある足場に出来そうな岩とは反対側に体が回って向いてしまい足を岩につけるのに苦労したようだ。なんとか無事着地。
時計を見ると、予定ではとっくにマンダノ沢八滝沢出合に着いている予定の時間だった。
ザイルをしまっているときに、モコモコさんから「八滝沢本当に行くの?」と聞かれた。なんだかこの下降でお腹がいっぱいになってしまい八滝沢は行かなくてもいいなと答えた。

下降を再開して周りを見ると、懸垂下降しないで巻き降りていたとするとかなり大高巻となって大変なことになりそうだった。
巨岩はこれで終わりかと期待するが、ほぼ最後まで続いた。
やがて巨岩帯から普通のゴーロとなって広河原状になったので、出合まであと1時間くらいかかるかなとうんざりしていると、そこが沢の出合いだった。
以前は森があって穏やかに出合があったはずなので、大出水で森が流されてしまったことで様子が一変してわからなくなってしまったのだ。

いい時間になったので泊まれるところを探すが、以前は格好の幕営地と言われていた今はその影も形もない。
心の中で残業か?とつぶやいたところ、モコモコさんから「ここはどう?」の声。ぎりぎり2人なら並んで寝られる場所があった。
整地もあまり時間をかけずに済んだ。

薪も豊富で、初日はあれほど暑かったのが嘘のように涼しくなっており、たき火に当たっているのが快適。
一日曇り空だったのが、どんどん青空が広がっていった。
「パトラッシュ、僕なんだかとても眠いんだ。」とどこかで聞いたことのあるようなないような言葉を発するモコモコさんは疲労の極致で、横になってからは起き上がることができないほどだったが、対して自分はたき火に当たって休んでいたら天気も良くなってきたし八滝沢へ行く気力がわいてきた。
モコモコさんに八滝沢へ行くことを告げると、泣きそうな顔をしていたが疲れているためか抵抗することもなく眠りに落ちていった。

本日のメニュー モコモコさん特製肉みそ、ご飯、味噌汁

小滝の下りから始まる 巻き降り可能だが懸垂で降りる
ご機嫌なナメ 歩きやすい
巻き降りられるが懸垂下降した 二俣から下降してきた上天狗沢
快適そうなBP マンダノ沢になると沢も広がる
巨岩帯の始まり これからこのような巨岩がゴロゴロしてくる
左岸を巻き降りた 巻き降りるモコモコさん
蛇体淵 懸垂下降した
その下の下りで空中懸垂となった この10m滝が降りられれば・・・
巨岩がなくなれば出合はまもなく マンダノ沢八滝沢出合


8月11日(くもりときどき晴れ)
コースタイム;BPC6:39〜辰巳又沢出合9:25〜大滝下13:21〜標高1200m付近16:05(BPD)

寝心地がよかったので疲れが十分にとれた。しぶしぶといった様子のモコモコさんを促して八滝沢へ入る。
マンダノ沢ほどではないが、こちらも巨岩のゴーロが続く。
小さなナメ小滝がでてきたので期待するが、出てくるいくつかの滝は、巨岩が覆っているので直登できず巨岩を縫うようにして巻いていくことになる。

出発して40分ほどで、先がひらけて小滝の先に立派な滝が掛かっているのがみえた。
くの字10m美滝だ。1段目は簡単に登れた。2段目は水流脇を行くのが簡単そうだが、結構水の勢いがあるのとヌメヌメで滑りそうなので、滝横に張り出した岩を登ることにする。
荷物を背負っては大変そうなので、カムで支点をとって空身で上がる。上部は緩やかで、新しめの残置ハーケンがあった。
二人分の荷揚げをしてから、モコモコさんに登ってきてもらい、ザイルを仕舞っている間にモコモコさんには先行してもらって様子を見てもらった。

側壁が立って一気に狭まり左に直角に曲がった先に黒い10mほどの滝がかかっている。
登れないので、右岸の岩にとりついて小尾根状に張り出した部分に登り、そのまま滝の高さまで登っていく。そのまま張り出した岩の下のバンドを伝って行けそうな気もするが、怖いので岩の上まで上がるとそのまま降りられそうな感じになったが、念のためお助け紐で懸垂下降して降りた。

滝上はまたゴーロやゴーロ滝、小滝が続き、淡々とやり過ごしていくこと約15分。
巨岩の中に8mほどの滝がかかっていた。
直登はできない。水流のある巨岩の右側を登ることした。ところが足場が遠く一筋縄ではいかない。空身になり、モコモコさんの膝を借り体を持ち上げ、足を抑えてもらって一段目の足場になんとか上がれた。
次はモコモコさんのサポートは期待できない。力任せに一上がりするとようやくガバがあってなんとか登ることができた。
2人分の荷揚げをしてからモコモコさんの番だが、ゴボウでも上がれないだろう。

そこでお助け紐で足場や持ち手を作り、それを使ってもらいつつモコモコさんを引き上げることにした。
最初の一段目が難関だ。せーので一気に上がってもらう。
次の段も足の短いモコモコさんには結構な負担。ここもせーので呼吸を合わせて上がり、後は転がり落ちないように岩上まで上がってもらえば無事終了。
やれやれだ。
ガイドでは釜を腰まで浸かってからルンゼにとりついてシャワーを浴びて登るという滝があるらしいので、先が思いやられるなと言いながら歩いていると、小滝をかけて入る辰巳又沢出合に着いてしまった。
どういうことか一瞬分からず混乱したが、主な沢の出合は辰巳又沢しかない。すると先程の苦労した滝が、ガイドにあった釜を浸かってルンゼをシャワー・・・の滝なのか?出水で釜が埋まってしまったのかルンゼが塞がれていたのかわからないがとにかく懸念の滝は越えたようだ。

古い記録では、出合付近に泊まったような記載もあるが、現在は岩がごろごろでとても泊まれるような状態ではない。当初はここに泊まる予定だったが、昨日はマンダノ沢八滝沢出合に泊まるので正解だった。
出合から先は少し開けるが相変わらずの大岩のゴーロを登っていくと、再び側壁が立ってきて沢は左に曲がる。
曲がった先には黒光りする滝がかかっている。登れないので曲がる手前から取りついて巻くことにした。草付きで滑りそうなのでピンソールを着けた。

草付きから岩の弱点を探しながら登り、落ち口が見えるところまで登りながら上流へと進む。
すると、沢床が見えてその先には滝上にある緩やかなルンゼが見えるところになった。そのルンゼからは先へ行けそうなので懸垂下降した。
ザイルをしまう間にモコモコさんに先行してもらう。
しばらくするとOKの声。後を追って緩やかなルンゼの斜面を登り上流へとトラバースすると簡単に沢に戻ることができた。
もう少し先まで行ってから下降すれば懸垂なしで降りられそうだった。

この巻きを済ませると、沢は一気にひらけて明るい穏やかな渓相になった。河原状のところが多くあるが出水のためか石がごろごろしていたりで泊まれる場所はない。唯一巻き降りてから少し進んだところ(本日の高度計で標高650mあたり)に二人ならばなんとかなりそうなところがあったが、かなり整地を頑張らなければならないのと、増水したら逃げ場がなさそうだった。

沢自体は、ナメやナメ滝が出てくるような癒し系になった。
大きな釜を持った3m滝が現れた。
釜の右岸にある大岩に残置スリングがあったが、大変そう。大岩の向こうの水流左の岩に取りつければ簡単そうだ。試しに行ってみると、水中から上がろうとするとザックがもろに滝の圧を受けてしまいどうにも上がれない。
一度戻り空身で取りついたところ、上手い具合にスタンスを見つけることができ、水圧を受けながらでも上がることができた。これがクリアできれは後は簡単。
無事登り切り、ザックを二人分荷揚げしてモコモコさんに上がってきてもらう。
水中から上がるところで苦労していたが無事クリア。

頭からもろに水を浴びてびしょ濡れだが、天気いいので気持ちがいい。
この後も最大5mほどの滝などが出てくるがいずれも問題なく越えられた。
やがて4条というよりも分流してそれぞれが2条の滝になっているような4m滝を登ると、八滝沢大滝だ。
いままでの登れないゴルジュの中の黒光りする滝と違って明るい中にかかっていた。

この滝の上にも8mほどの滝が何本かかかっているらしくまとめて巻くことになるらしい。
長くなりそうなので、水を汲んでピンソールをつけて巻きにかかる。ここの巻きも右岸からだ。
登りやすそうなところを探しながら、できるだけ沢から離れないように登っていく。最初の滝の落ち口を見られるようになるところまでは比較的行けるところを行けば自然に導かれるが、その先はルートを見極めながら進む。

もう一段登るとトラバースできそうになったので、上流方面へトラバースしていく。途中のルンゼにそのまま突っ込みそうでさらに上ったほうがいいのかなと周りをみると、ピンクテープがつけられていた。テープに従うと、丁度ルンゼが棚になっているところに出られてルンゼを横切ることができた。

ルンゼを横切ってからまた上流へとトラバースしていくと、再びピンクテープ発見。テープは小さな尾根へと導いてくれた。
小尾根を降りていくと、沢へ急に落ち込んでいる。藪を伝って降りられそうな気もするが懸垂下降して、5mナメ滝上に降りた。
降りたところから見上げると、懸垂下降なしでも降りられそうだが我々は懸垂下降してよかったと思う。

今日の関門はこれで終了。あとは泊まれる場所を探しながら詰めていく。
下流中流部のゴーロを取り戻すかのようにナメ滝をかけながら高度を上げていく。滝の登りはいたって快適。
やがてどんどん沢は小さくなり、高度計で標高1150m辺りでなんとか泊まれそうなところがあった。候補地にして先へ進むと泊り場のないまま水が枯れてしまった。羽後朝日岳同様に水涸れが早いと感じた。
そこで先程のところまで戻ることにした。

スカンポ畑になっているので最初に刈り取り、かなりの時間をかけて石を取り除いたり整地の作業が必要だった。今日は石を取るのにハンマーが大活躍。
それでも寝心地はよくないが水の不自由なく横になって寝られるだけ幸せだ。
薪も火付きの悪いダケカンバばかりでなかなかたき火が燃え上がらない。そのうち黒い雲がでてきてしまい一気に陰って寒くなった。
なんとか調理する分には燃えてくれたので暖かい食事をとることができた。
ちなみにここの標高は正確には約1200m辺りだった。入山してから台風が近づいてきて遠ざかったりで気圧の変動が激しく、標高にずれが出てしまい山旅中正確な標高はあまりわからなかった。

本日のメニューはフリーズドライカレーとモコモコさん特製肉みそ、ご飯、味噌汁

4日目 朝 始めはゴーロ大岩帯が続く
ようやく滝が出てきた 石橋のようになっている不思議なところ
くの字10m美滝 水流横の凹を登った
登れない滝 8mが現れた 左岸から巻き終えたところ
体を踏み台にして突破 右の巨岩帯の間を這い上がる。二人で協力
滝上はまたゴーロとなりすぐに辰巳又沢出合 左奥に登れない滝が隠れている
巻き終えたところ 井戸の底を覗くような感じだ 泊まれるかな?650m付近?
滑り台状の滝が見えた ナメ
空身で泳いで荷揚げして突破 八滝沢で最も綺麗な部分の滝
4状4m滝 八滝沢大滝10m 上部の2段を含めて一気に大高巻
巻の途中から2段目10m滝を覗く 3段目は8mナメ滝
最後は細小尾根を下って懸垂 大高巻の後は一気に穏やかな渓相
癒し系の滝が続く 標高1200m付近左岸になんとか泊まれる場所があった


8月12日(晴れ)
コースタイム;BPD6:30〜稜線8:41〜和賀岳9:15/9:45〜コケ平10:04〜和賀川渡渉点11:07/11:26〜高下登山口13:10

とてもお盆とは言えないほど寒い朝だ。寝心地が悪かったので疲れが残っているが、いよいよ最終日頑張ろう。
出発してまもなく昨日一度登ったところまで登り返し、水涸れ。沢には両岸から被さってくるボサが朝露でびっしょり濡れているので、こちらも全身びしょ濡れとなりながらの詰めだ。
やがて窪の終わりとなった。ここまでは順調だ。
窪から上がるところからしばらく急なので、モコモコさんにはピンソールをつけるように指示。
最初は傾斜があるが細い笹薮で比較的楽な藪漕ぎだった。
やがて傾斜が緩むと灌木が出てくるようになった。これが厄介で一向に進まなくなった。
灌木を避けていると直接和賀岳に向かっていくように方向がずれてしまうので修正しながら行くが、修正するのも一苦労。後続のモコモコさんはなかなか追いついてこない。どんどん時間が過ぎていく。
藪漕ぎを初めて約1時間、ようやく稜線にたどり着いて灌木の罠から解放された。

予定していた鞍部から少し和賀岳に寄ったところに出た。稜線と言っても登山道は廃道となっており単なるやぶ。
しかし和賀川側の斜面には灌木等がないのでこれまでの藪と比べれば雲泥の差だ。少し休憩をしてから和賀岳を目指す。
時折現れる登山道の名残の溝に足がとられたり、藪に突っ込まないようにルートを選んでいくと和賀岳直下の肩についた。

ここからはお花畑の斜面の登りとなった。
花の盛りは過ぎてしまい、秋の気配が漂っているがそれでも見事で歓声を上げながら登ると登り切ったところが山頂だった。
トンボさんが飛び交うお花畑のとても素敵な山頂だ。
平日とはいえお盆の期間なので、我々が到着したときに既に一人、その後も登ってくる人がいた。
現在秋田県側の薬師岳経由からは林道工事中の為入れず、登り返しがきつい高下登山口からしか入山できないが、結構な人気だ。

和賀岳山頂の隅でタクシーの迎えの予約を入れることにした。
ところが、1件目のタクシー会社は「林道入り口までしか行きません」とか言うのでやめた。2件目のタクシー会社にお願いしてみたところ、我々の指定時刻には予約が入っているので無理とのこと。ぎりぎりで14:30、我々もできるだけ早くに降りられるように頑張ると交渉してなんとか予約を取ることができた。
そうと決まればのんびりしていられない。
森林限界のコケ平までお花畑が続くのでのんびりと鑑賞しながら行きたいが、早く降りるために足早に進んだ。あまりにも花が見事なので今度はもっと早い時期に時間に余裕を持って歩いてみたいなと思った。
コケ平からは、樹林帯の中を一気に下りにかかる足に負担がある登山道となる。

コケ平から降りるときにも、これから山頂を目指す人とすれ違う。暑くて大変といっていた。下りでも大変だから登りだとさぞかし苦労だと思う。
標高を下げていくと、確かに暑いが樹林の影で日差しがさえぎられるので下りの場合は少し楽になった感じだ。
足を休ませることなくぐんぐん下り、コケ平から20分ほど下った辺りで、自然指導員の方が刈り払い用の大鎌を携えて登ってきた。
少しお話をさせていただいたところ、これまで下山の時間が読めなくて急いできたが、指導員さんのおかげで下山までの目途が立って急がなくても余裕で間に合うことが分かった。
また、帰りの交通のこと等いろいろ教えていただきありがとうございました。

歩調を緩めて急下降をしていくと下に河原が見えた。渡渉点は間近だ。
渡渉点の和賀岳側には、キャンプ場のように整地された場所があったのでゆっくり休んだ。
ここまでくれば、ゆっくり歩いても2時間以内で登山口につくはずだ。着替えを済ませてから余裕で予約した時間を待つことができるだろう。

渡渉点で顔を洗ってから標高差約200mほどの登り返しにかかる。
登り返しも結構急で大変だ。幸い登り返しのきつい部分の中間点で水場がある。登山道から近くて冷たくておいしい水だ。生き返った。
それからもえっちらおっちらと登っていくと、保護地域の看板が現れた。ここまでくれば急な登りはほぼ終わり。しばらく緩やかだったりトラバースしたりで高下岳分岐に着いた。

分岐からも意外に長く急な下りが続くが、やがて杉の植林地風の場所に出て、わっせわっせと下るとヒョコッと登山口に着いた。ただいまの時刻13:10余裕で着替えることが出来る。
登山口にはうまい具合にベンチがあった。薄暗く蚊が寄ってきそうなので蚊取り線香を点けてから、ベンチを利用して荷物を広げて着替えることができた。
濡れ物を乾かしつつ、パッキングをしてタクシーを待っていると、なんと14:00前にタクシーが来てくれた。
お互い無駄な時間を取らずに済むことができた。

荷物と我々が乗ると結構大変な林道だが、これを歩くとなると最低2時間は加算しないといけないので本当に助かった。
ほっとゆだ駅までは40分ほどかかる。周りの景色をのんびり眺めながらタクシーの運転手さんとの会話を楽しんで駅へ到着。
無事帰宅できることが保証された。安心感からか急におなかが減ったので、観光案内所に併設された食堂で食事をした。おいしくてボリュームもあって大満足。
次に駅に併設された温泉で6日分の汚れを落としにかかる。頭は3戦ならぬ3洗(3回洗い)、体は2戦必要なほど汚れていた。
北上線の発車時刻まで休憩室で休んだ。冷房がなくても涼しくて、とてもお盆とは思えないほど快適に過ごすことができた。
疲労と重い荷物を抱えての状態だが、心は満ち足りて家路についた。

今日は文句のない良い天気
藪漕ぎ中 1412mPが見える
和賀岳も見える 稜線は近いが遠い やっと稜線に着いた
和賀岳まであともう一登り 花の盛りは過ぎて秋の気配がする
それでもすごいお花畑の山頂 山頂にはトンボさんが飛び交う
山頂から一気に降りる 再びお花畑を楽しめる
和賀岳をこけ平付近から振り返る 一気に下降して徒渉点前の広場へ
和賀川徒渉点 ほっとゆだ駅には温泉が併設されている
観光案内所に食堂が併設されている これから帰ります お盆のためか結構乗客がいる



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