山域 那須連峰
コース 那須ロープウエイ〜峰の茶屋〜三本槍岳〜坊主沼避難小屋〜新甲子温泉
〜霧氷の縦走路〜
日程 2016年11月2日〜11月3日

久しぶりに連休になった。
近いようでなかなか歩きに行く機会のない那須へ行くことにした。
折角なので縦走するつもり。
データ アプローチ
上野駅5:46−宇都宮駅/-那須塩原駅/−那須ロープウエイ

コースタイム
11月2日(くもりのち晴れ)
那須ロープウエイ10:07〜峰の茶屋11:11/11:28〜朝日の肩12:03〜三本槍岳13:26〜須立山14:38〜坊主沼避難小屋15:55(泊)
11月3日(くもりガス一時霙又は雪のち晴れ)
坊主沼避難小屋8:32〜水場9:18〜甲子山9:46〜猿ヶ鼻10:32〜甲子温泉11:43〜新甲子温泉12:52


11月2日(くもりのち晴れ)
コースタイム; 那須ロープウエイ10:07〜峰の茶屋11:11/11:28〜朝日の肩12:03〜三本槍岳13:26〜須立山14:38〜坊主沼避難小屋15:55(泊)

各乗り換え時間が僅かしかなかったが、無事乗り換えを済ませて那須塩原駅に到着。
さすが那須だけあって、気温が一段と低い感じだ。
下半身が寒くなったので、バスが貸し切りなのを良いことにタイツをはいた。

那須湯元温泉から何人か乗ってきた。那須湯本バス停に着いたときに、バス停前にある温泉神社で何かの撮影をしていた。旅番組のようだが、旅人役が誰かは分からなかった。

ぐんぐん高度を上げてロープウエイ駅に到着。駅の中に入って設置された登山届入に計画書を提出して、身支度を済ませて体操をした。その間、「三斗小屋温泉に宿泊の方は片道きっぷをご購入ください」とのアナウンスが入り、ロープウエイが出発する時刻(20分おき)になった。団体さんがいたこともあってかなりの人が乗り込んでいった。
さほど天気もよくないし、峰の茶屋へ向かう我々はロープウエイに乗ると逆に遠回りになるので、駐車場から歩道を進んだ。

出発すると同時に冷たい風に乗って雪が舞ってくるようになった中、てくてく歩道を歩く。歩道はきちんと整備されていた。
自家用車の最終到達地点である峠の茶屋では、「きのこ汁」と食欲をそそる張り紙に惹かれつつ、登山届け入れを過ぎて鳥居と狛犬が設置された登山道へと足を踏み入れた。

引き続き良く整備された登山道をゆっくり登っていく。今回水場がないので、水を担いでいるので結構重い。定期的に下山してくる人とすれ違う。
しばらく登ると、見晴らしが良くなり峰の茶屋から朝日岳へと向かうトラバース道やいくつもの堰堤が設置されているガレ沢が見えるようになった。途端に風を遮ってくれていた斜面がなくなったので、一気に冷たい風にさらされるようになった。

さすがに一枚羽織ることにした。
中腹まで登ったところで、寒いなりにも気温が上がっていたようで溶けた霜で登山道がぬかるんでいた。幸いグチャグチャ沈むようなことはないのが救いだ。
冷たい風が吹き抜ける中、下山してくる人と頻繁にすれ違うようになったところで峰の茶屋の小屋が見えた。

見えるようになってからが長かったが、小屋に着いた。なぜか小屋にソーラーパネルが設置されていた。
外は寒いので早速小屋に入って休憩する。小屋内には男性二人組が2組休憩していた。
その内の一組の方々とお話をしたところ、三斗小屋温泉にテント泊をして下山するところだとのことだった。なんでも露天風呂が入り放題(15:00-17:00は女性専用時間とのこと)で夜は雪見風呂で、早朝は星見風呂となって最高だったとのこと。ただしとても寒くて朝起きるとテントはバリバリに凍っていたとこのこと。
当初は三斗小屋に泊まることも候補に挙げていたことも有り、実際に泊まった人の話が聞けて良かった。秋の週末は特に混むので、いつか平日に泊まってみたいものだ。

まだスタートしたばかりなので、風が吹く音がする中縦走を開始する。
朝日岳手前のピョコは東側を巻くので風が当たらず助かる。この巻の最初で逆走する方が次々と現れた。しかしその後はぱったりといなくなった。不思議だなーロープウエイの運転間隔によるものかな?と話していると、落石注意の立て看板がある。念のため間隔を開けて一人ずつ通過した。

この巻が終わると、今度は西側を巻き上がるようになる。すると再び寒風にさらされるようになる。連峰の西側は白くなっていた。昨晩寒かったので霧氷がついているらしい。登山道が再び稜線に戻るようになると、これまで草木の生えていない世界だったのが少し植物が見られるようになった。
朝日岳の肩に近づくにつれて、短いj距離だが、鎖の手すりが貼られた階段状のやせ尾根や露岩のトラバース道が出てくる。難なく通過し、もろそうな荒々しい朝日岳東尾根を見ながら登っていくと、朝日岳の肩に着いた。5分ほどで山頂に行けるようだが、寒いので山頂には寄らずに通過。

1900m峰の辺りで逆走する人を見てからしばらく静かな歩きとなる。
清水平まで下りとなるが、ちょうど霜が融けてきてニュルニュルベチョベチョの道となって結構難儀する。それでも霧氷のお花畑状態の中を降りていくので目の保養になった。

木道に出て一安心。霜が融けて苦労してきたのが一転して木道に付いた霜はとっくに融けて乾いているので快適な歩きとなった。
すだれ山の巻が始まる辺りの北温泉から上がってくる中ノ大倉尾根分岐で再び登山者が現れた。
そこから三本槍岳までも何人かの登山者と出会う。1900m峰から先は時間的に人に会わないと思っていたが、三本槍岳を目標に北温泉から登ってくる人が結構いるみたいだ。

三本槍岳への登りはこれまでと違って樹林帯の中に切り開かれた道だ。
途中途中で頭が樹林の上に出ると、北側の斜面を見ることが出来るが、まだ落ちていない霧氷の木々がたくさんあって、まるで白い花が満開になっているようなとてもきれいな斜面となっていた。

登山道の段差が大きく少ない標高差でも体が温まる登りをゆっくりこなしていくと、ひょいと言う感じで傾斜がなくなり山頂に着いた。
風は強いが眺めはよく、猪苗代湖まで見えた。山はガスの中か飯豊や吾妻などの山並みは雲に隠れて見えなかったのが残念。
北上する方向への登山道入口はこれまでのきれいに整備されたものと比較しては一気にショボくなった感じだ。

整備する管轄が違うのかあまり頻繁に手入れされていないのか、枝が被さっているところが多い。そのため、霧氷の付いた枝を払うたび落ちてくる霜をかぶる形になり冷たい。
三本槍岳からしばらくは比較的穏やかで傾斜も緩かったが、大峠分岐を過ぎると傾斜が急になる。
分岐から少し下ったところはガレておりロープが張られているところもあった。ロープには霜がびっしり付いており、ガレた斜面はまだ凍った状態で歩きにくい。ガレているが柔らかい方が良いのか、凍ってガレは固定されているが足下が堅い斜面の方が良いのか分からない斜面の下りを済ませると、間もなく鏡ヶ沼の分岐に着いた。

地図によると今までの中で一番傾斜のある須立山の登りに入る前に、腹拵えをした。
須立山までくれば時間的にも場所的にも人を見ることはないだろうと思っていたが、鏡ヶ沼近くを歩く人を一人見たものの予想通りその日出会う人はいなかった。

須立山からの下りは最初は樹林の中の急な道ですぐにガレた道となる。滑りやすくロープが張られていた。鞍部まで始終ガレの急な下りで今回一番歩きにくい道だった。これを越えてしまえばアップダウンのないなだらかで広い道が続くのかと思っていたが、意外にアップダウンがあり、両脇から枝が被さっているので思ったよりも歩きにくく時間が掛かった。

旭岳の巻に入り坊主沼へ向かう道になると、刈り払いはされているもののほとんど人は歩いていないのではと思うほど歩きにくい道となった。
坊主沼への分岐に着いたので小屋へ向かう前に沼を見ることにした。
少し進むと下りとなる。靴擦れができはじめたモコモコさんは沼を見ないで小屋へ先に向かうことになった。
カメラだけもって単独で沼を見に行く。

本当に僅かな下りで沼に到着。その日の沼の様子を一言で言えば、「これを見ないなんてもったいない」だった。霧氷の付いた木々が沼にはっきりと写っていてとてもきれいだった。
夢中で写真を撮った。
小屋まではこれまた僅かな時間で到着。
誰もおらずに貸しきりとなった。

貸し切りで快適な小屋で食事を楽しんでいたが、モコモコさんの不注意でガスバーナー破損。浮かれているからだよと攻めるものの後の祭り。こういうときに限ってメタの持ち合わせがない。山の夜をゆっくり熱燗を飲んで過ごすことをとても楽しみにしていたのだが、モコモコさんに踏みにじられた。
寒いし楽しみもなくなったので、ふて寝という形でシュラフに包まることになった。


11月3日(くもりガス一時霙又は雪のち晴れ)
コースタイム; 坊主沼避難小屋8:32〜水場9:18〜甲子山9:46〜猿ヶ鼻10:32〜甲子温泉11:43〜新甲子温泉12:52

朝目が覚めると、小屋の標高よりも上はガス。
そのうち小屋の周りもガスに包まれて、風も出てきた。バーナーは壊れて使えないし、十分なお湯を沸かすほどのメタもない。当初二岐温泉まで縦走する予定であったが、あっさり取りやめて甲子温泉に降りることにした。

責任を感じたのか、冷めないようにモコモコさんが抱いて寝ていたポットの中の残ったぬるま湯を使って、メタでなんとか二人分のお湯をわかしてパンをかじって朝食を済ませた。
少しゴミがたまっていた小屋内を掃除していると出発が少し遅くなってしまったが、お風呂にゆっくり浸かる時間はあるだろうと余裕で歩き始める。
低気圧が近づいていると天気予報で言っていたが、そのためか昨晩は気温が下がらずに小屋の周りの木々から融けた霧氷が小屋の屋根に落ちる音が賑やかだった。改めて外を見てみると、昨日あれほど付いていた霧氷はすっかりなくなっていた。

数年前に通ったがすっかり忘れている旭岳の巻道(新道)を進むが、巻とはいえかなり下降する。この下降がこれまでの霜等のために滑りやすかった。
下降が落ち着くとようやく巻道らしくなった。巻き道が終わる頃にようやく水場。さすがわき水だけあって、口当たりが柔らかい。気温が低いがおいしくてごくごく飲んでしまった。

水場を過ぎた辺りから、あられが降るようになってきた。雨よりはましだ。新道となる巻き道が旧道と合流すると尾根歩きとなる。同時に風が吹き抜けるようになるが、まださほど寒くない。
ガスガスの中思ったよりも長いなと言いながら甲子山を目指していると、とうとう雪が降ってきた。
山頂には周りの山の展望解説板があったが、もちろん周りはガスで白一色。
山頂にいても寒いだけなのでとっとと下りに掛かる。

山頂からの下りは、しばらくロープや鎖が貼られている一枚岩の岩盤が露出した掘れた道となる。最初の数mはツルツルで濡れているため良く滑るので注意しながらゆっくり降りる。しばらくすると岩に凹凸が出てくるようになるので、少し楽に降りられるようになった。
露岩帯が終わった頃に登ってくる人と出会う。

その直ぐ先が縦走路との分岐だった。予定通り縦走路には入らずに甲子温泉方面に入る。この辺りからガスが少しずつとれるようになった。のんびり周りを見ながら進み、途中おなかが空いたので休憩。

九十九折りの下りとなると、歩きやすいがたまに落ち葉に隠れた木の根にズルッと足を滑らせたりでヒヤヒヤしながら歩くようになった。標高を下げて行くに従い紅葉が見られるようになってなかなかきれいだった。
昨日見えた国道が下に見えるようになると間もなく甲子温泉だが、ここからが長かった。前回は国道に直接降りたが今回甲子温泉へつけられた山道をそのまま降りたところぐるっと回り込んで、白水沢を渡るために僅かながら上り下りがあって、国道に直接降りた方がよかったかなと内心思った。

建替えられた甲子温泉大黒屋旅館の敷地内に登山道から飛び出すが、そこはガラス張りの休憩所から丸見えでまるで我々は動物園にいるゴリラ状態になってしまい恥ずかしかったので足早に通り過ぎた。甲子温泉では入浴休憩食事と三拍子揃ってとても惹かれるが、我々はバス停までこれからまだ歩かなければならない。
いつかはと思いながら新甲子温泉へとさらに歩みを進める。

途中で側壁の堰堤から水が出ていたので、靴を洗った。
この道は車両通行止めになっており車のことを気にせず歩ける。しかしそのためか、舗装道路に苔が生えておりツルツル滑る。まるでスケートリンク状態。平坦なら良いが、この道は結構上り下りがあって気が抜けない。
ツルツルに気をつけてゴーゴー吹く風に寒さを耐えながら歩く。かなり歩いただろうという頃に車両通行止めのゲートに着いた。それまで静かな道だったのがいきなり車が頻繁に通るようになって鬱陶しくなった。

地図を見るとまだここー?という具合で、上り坂になって追い打ちを掛けてくる。
やっとバス停に着いてバスの時刻を見ると、あと30分しかない。
急いで温泉セットを出してバス停前の宿のお風呂に飛び込んだ。
慌ただしくてあまりゆっくり浸かれなかったが、さすが温泉。冷えた体を温めてくれた。ポカポカ状態でバスに乗ることが出来た。
新白河駅に着いたところでおなかが空いたので、帰りの電車を一本遅らせて駅前のラーメン屋さん「せきた」でご飯を食べていくことにした。

これが正解で、予定では二岐温泉に降りてから会津側に出てお気に入りのお酒を買って帰るつもりだったのができなくなったのが心残りだったのをまるで悟ったかのように、目当てのお酒が置いてあった。
不思議に思い尋ねたところ、酒造会社と契約してお店の分を作ってもらっているとのことだった。
また、お酒を頼んだときのおつまみの量が半端でなかった。ラーメンの出汁は会津地鶏を使っており、さっぱりしていておいしく、お腹いっぱい食べたにもかかわらず胃にもたれないちょうど良い感じだった。また次回も来たくなるラーメン屋さんでした。
その後も電車を順調に乗り継いで無事帰宅することが出来た。

那須塩原駅でバスに乗り込む これから向かう朝日岳 雲行きが怪しい
峠の茶屋まで遊歩道を歩く 整備されている
峠の茶屋 この時期きのこ汁に惹かれる 登山届入の先に鳥居
狛犬さん 山の神様
樹林を抜けると途端に風が吹き抜ける 剣が峰 登山道は東側を巻いている
おっ?怪しい雲が切れてきた 峰の茶屋 意外と遠い
峰の茶屋から茶臼岳 噴煙が上がっている 峰の茶屋 冬季用入口
三斗小屋温泉方面 那須岳避難小屋が見える 剣が峰巻道から茶臼岳
落石注意  間をお開けて通過した まさに溶岩といった場所
堂々とした茶臼岳 階段状に整備されている 鎖やロープには霜がびっしり
ここは左(西)側を巻く 朝日の肩 朝日岳山頂はパスした
霧氷の中1900m峰へ 三本槍岳
1900m峰から三本槍岳 清水平
霧氷の花咲く斜面 三本槍岳への登り
三本槍岳直下から茶臼岳方面 三本槍岳山頂から大峠-三倉山方面
ガレているが凍っている急傾斜の下り 鏡が沼が見えた
須立山の登りから振り返る 須立山の下りはガレの急な下り
ガレの下りから旭岳方面 須立山を見る
もうすぐ新道の巻道に入る 坊主沼
霧氷が水面に映る 場所を変えて撮影
斜面に風が遮られて最高の条件 貸し切りとなった坊主沼避難小屋
翌朝、ガスの中出発 滑る斜面を下る
水場 山頂からは本来こういう眺めがあるらしい
濡れてツルツルの露岩を怖々下るモコモコさん ガスが晴れてきた
まだ赤い紅葉が残っている 大黒屋旅館が見えた
ここで終わりならなー まだあと1時間は歩かなければ



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