山域 奥日光
コース 湯元温泉〜温泉ヶ岳(往復)
〜スノーシューで奥日光を歩いてみた〜
日程 2017年2月5日〜2月6日

ひょんなことから山へ行くような日程が取れた。
体力を回復させるのとテント泊訓練をかねて出かけることにした。
行き先に迷ったが、スノーシューを使って奥日光の山に登ることにした。
データ アプローチ
浅草駅6:20−東武日光駅9:16/西口9:42-湯元温泉

コースタイム
2月5日(晴れのち雪)
湯元温泉バス停10:53〜金精道路11:21/11:32〜尾根取り付き11:35〜標高2020m付近(幕営)15:55
2月6日(雪)
幕営地6:52〜温泉ヶ岳山頂8:39〜幕営地9:24/10:09〜蓼ノ湖12:07〜金精道路12:25〜湯元温泉バス停12:40


2月5日(晴れのち雪)
コースタイム; 湯元温泉バス停10:53〜金精道路11:21/11:32〜尾根取り付き11:35〜標高2020m付近(幕営)15:55

大人気の日光であるが、日曜日であるためかバスも余裕で座って行けた。相変わらず外国人が多い。
湯元温泉バス停にある待合室に荷物を置いて、登山計画書を提出する場所を探す。
見つからないのでビジターセンターに聞いたところ、近くの駐在所に出してくださいとのこと。モコモコさんはその間にトイレに行くことにしたが、「待合室から遠い。季候の良いときならいざ知らず、この時期には路面の状況も悪く最悪だ。いつも思うが日光は観光地のくせに観光客のことを考えた設計になってない。」と文句を言っていた。

身支度を調え体操を済ませて出発。
源泉地に着いたところで、上方に見える金精道路へ上がる道はこちらでないような気がして別の方向へ進んでしまう。モコモコさんはモコモコさんで車道を最初から行くのかと思ったようで、お互いの思い違い思い込みで少し温泉街をウロウロしてしまった。時間を無駄にしたが、かわいい猫さんの親子を見ることができたのでよしとしよう。

再び源泉地に戻り、奥へと進むと難なく金精道路へ登る道にたどり着いた。
昨日今日と天気が良く人が通ったようで、雪は全く潜らないのでツボ足で登る。あまりにもしっかりと踏み固められているので、傾斜が急なところは少しキックステップをしないと滑りそうだ。

初っ端から少しの頑張りが必要だったが金精道路に到着。ここからスノーシューをつけていく。
切込湖・刈込湖方向、金精峠方向双方にトレースがついていた。このままトレースをたどっていきたいが、我々が登る尾根の取りつきは金精峠方面へ少し歩いてすぐそこだった。

尾根はいきなりの急登で痩せており、藪っぽくてワカンにしなくて失敗した感が大きい。しかも一気に雪が降った後はあまり積もらなかったようで、少し踏み込むと笹が出てきて非常に登りにくい。また、先頭はよくても二番手は先頭に割られた雪面の下の雪はグラニュー糖状態でスノーシューだとやたらに滑って登れない。
お互いもがいて頑張って登ってるものの、どんどん時間が過ぎていく割に稼いだ標高差は小さい。そのうち風が強まり雪も飛んでくるようになった。

標高差100m程登ると傾斜が一旦弱まりペースを上げられるかなと期待するが、倒木やら薮が尾根をふさいでいたりで迂回することが多くてペースが上がるどころか同じように時間がかかる。
再び傾斜が強まると、雪の状態や倒木などにより更に苦労する登りとなった。そんな折、動物さんの足跡が出てきた。はっきり尾根を登るように着いており、足跡を追いかけるように登ると登りやすい。我々はこういった足跡を動物先生と呼んでいる。
動物先生に導かれるようにしてかなりの標高差を稼いだ。

尾根が広がって少し登りやすくなってしばらくで、線引きしたように傾斜が緩んだ。
どうやら標高2020m付近まで登ったらしい。もう少し標高を稼いでおきたいところだがちょうど風が当たらない場所だったので、天気も天気だし幕営地として即決した。

登ってくるときは雪が固かったりで苦労したのに、設営となると傾斜の関係か雪が柔らかくなって設営に時間がかかった。
早めに幕営の準備を始めたので、暗くなる前にテントに潜り込むことができた。
これから低気圧が近づいてくるとのことで、気温はさほど下がらず暖かく過ごすことができた。モコモコさんは気温が高くてありがたいと言っていたが、訓練で来たので寒さがないのが物足りない気がした。


2月6日(雪)
コースタイム; 幕営地6:52〜温泉ヶ岳山頂8:39〜幕営地9:24/10:09〜蓼ノ湖12:07〜金精道路12:25〜湯元温泉バス停12:40

目覚めると風雪が結構強い。幕営場所の選定が良かったようで、テントはあおられることもなくよく寝られた。
天気の悪さにモコモコさんはやる気0。
この幕営場所は携帯電話が通じる。邪魔する尾根もない山頂まで携帯電話が通じるだろうということで、モコモコさんをテントキーパーとして留守番させて単独で山頂を往復してくることにした。

フライだけでも行動用の装備として持っていきたいところだが、雪が結構積もってきたのとフライを用意していると時間がかかるので樹林帯の中の行動で往復だからなくでもいいだろうということでフライは持たずにいくことにした。
一応定時交信ということで、出発して1時間後に電話を掛けることを約束して出発。

幕営地のすぐ上が地形図にある標高2060mのピョコだった。
ピョコを超えると緩やかな雪面の斜面となり、どこでも幕営できそうないいところになった。スノーシューならばラッセルもなく歩け、ここを歩かないなんてもったいないなと思いながらどんどん登っていく。

標高2100m付近まで登ると、行く方向と急な南西側の斜面が平行して見えるようになるので、進む方向の目安としていく。

定時交信の時間となったのでモコモコさんに電話を掛ける。ばっちり通じた。荷物も軽く足取りは軽い。

主稜線についてしばらくすると広い樹林帯となり、山頂直下の急な登りを越えると何も見えない山頂に着いた。
長居は無用で、モコモコさんにこれから下山すると電話する。

自分のトレースを追い下山する。先ほど通ったばかりのトレースが所々風雪で飛ばされているところがあり、厳冬期の山の怖さを思い知る。

幕営地までの目途が立ったところでモコモコさんに再び電話を掛けて撤収の準備を促した。

下りは早く、撤収準備があまり進んでなく慌てているモコモコさんを目撃することになった。
さすがのこの幕営地場所にも風が当たるようになってきたが、撤収作業を終わらせ下山にかかる。

山頂を往復してくる間にそこそこ雪は積もっているが、傾斜があるので昨日の登りにくい雪面を覆うほどでなく、相変わらず二番手は滑りがちで、後続のモコモコさんはこわごわ歩いてくる。跡をきちんとたどらなくてもいいよと声をかけるが、歩きやすいいいところは先に踏まれているじゃないかと文句を言われた。そんなやり取りをしつつ昨日のトレースがわずかに残っているので、安心して下っているといきなり急な場所に出た。

確かに急なところはあったが、こんなに急だったかな?と疑問に思いながらも進んでしまう。とうとうスノーシューで降りるには雪が固く急なのでツボ足で降りることにした。ツボ足になった途端腿まで潜る。傾斜が急なので進めるという感じだ。尾根に横たわる倒木を避けるように巻き降りることにした。
後続のモコモコさんを待っていると変な転び方をして叫んでいる。どうやら倒木の下の変な隙間に足を取られたようで、傾斜が急なためザックがずり落ちて脱出できないらしい。やれやれラッセルして救出した。

落ち着いた所で、なんだかルートが怪しいことにやっと気がついた。足跡はすっかりないし、ガスのため今まで周りが見えなかったが、一瞬右上にはっきりとした尾根が見える。
GPSで現在地を確認しようとしたら電池切れ。往復ルートだし尾根がはっきりしているので替えの電池は不要と思い持ってこなかった。
地形図を見ると、本来のルートとした尾根は標高1800mあたりからわずかにわずかに右にそれている。どうやら標高1800mあたりからわずかに分かれる支尾根に入ってしまったらしい。ルートを外したのは明らか。

往復のルートであるので、油断していた。GPSの替え電池を持ってこなかったこと、地図をよく見ていなかったことが追い打ちとなってルート外してしまった。山は怖い。

先を見ると、一番傾斜が急な所もしっかりと雪がついてきれいな斜面となっている。ここを降りても蓼ノ湖に出て、冬でもよく歩かれているところに出られる。
尾根に登り返すよりも早くて安全だろうということでそのまま下降することにした。
樹林が薄く急斜面で結構新雪が積もっていて雪崩が怖いの、でツボ足でそのまま下ることにした。

ツボ足になった途端元々歩くのが遅いモコモコさんは輪をかけて遅くなった。
それでも傾斜がある柔らかい雪の斜面の下りは早い。樹林が濃くなったところでスノーシューを履いた。
フカフカ雪の急斜面の下りはとても楽しい。こういった斜面の下りが下手なモコモコさんも楽しそうだ。購入して以来片手で数えるほどしかない使用経験であるが、初めてスノーシューの楽しさを感じた。緩やかな斜面が見えたところで一安心。

蓼ノ湖に向かって一気に降りていくとテープ印が見られトレースが現れた。折角なので蓼ノ湖の上に立とうと近づくと、凍結しているのはくびれた部分と周りの浅い部分だけで、凍結していない部分で鴨が優雅に泳いでいる。全面硬く凍っているのを想像していたが、寒気の張り出しが足りないのかほとんど凍っていないのと同じだ。

凍結しているくびれた部分をそおっと横断して、時折ミシッという嫌な音に緊張しながら金精道路へ登るトレースの方へ移動した。
トレースだけでなくテープ印もしっかりついているので難なく金精道路に到着。そのまま源泉地まで下降して雪が途切れたところでスノーシューを脱いでいると、金精道路を歩いてきたというガイドさんとツアー客が到着した。ガイドさんと少し話をしてバス停へ。

バス待合所には最初誰もいなかったが、荷物整理やパッキングをしているうちにバスが到着して、その中の一人の男性が待合室に入ってきた。
この男性も山スキーなどをされるとのことで、少し山話に花が咲いた。
パッキングが済んだので楽しみにしていた温泉に入りに行くが、冬季の休日翌日の平日のせいか休みだったり準備中だったりとなかなか入れるところがない。
最後の望みをかけて飛び込んだ所「スパビレッジ釜や」さんで「露天風呂がぬるいのでよければどうぞ」と快く受け入れてくれた。
探し回ったおかげで、ゆっくり浸かる時間がその分削られてしまったが、そこはさすが温泉、体の芯から温まり湯冷めすることなく帰ることができた。
また、お風呂上りのサービスですとご馳走になった甘酒がとても美味しかった。

余談だが、宿の方の言う通り露天風呂の湯はぬるくてとても入っていられるものではなかった。女湯も同様で、モコモコさんによると、露天風呂に行った人があっという間に戻ってきたそうだ。露天風呂はそんな状態なので、内湯で温まっていたところ、外国人が湯につかってきた途端「熱い、熱い」と言って露天風呂に飛び出していった。ぬるくて外も逆の意味でだめだよ(浸かれない)なと思っていたら、楽しそうに浸かっていた。余計なお世話だが寒くないのかなー?



バス待合室 温泉街の猫さん親子
源泉地 地熱ですっかり雪がない 尾根取り付き
最初は藪っぽい 開けてきたが急な登りが続く
雪の量が少なく踏み抜いてずるずる滑る 登りやすくなったかな
それもつかの間 やっと登りやすくなった
風の当たらない所を見つけたので終了 冬山の強い味方 MSR
単独で山頂を目指す モコモコさんはお留守番 幕営地よりも上の斜面はとても歩きやすい
吾妻連峰みたいになってきた 稜線に出た途端風が吹き付けてくる
温泉ヶ岳山頂に到着 無事戻ってきた
間違った尾根に入り込んだのでこの急斜面を下ることにする 樹林が薄く雪崩が怖い
樹林が濃くなって少し安心 もう少しで傾斜が緩みそうだ
スノーシューでも膝下までもぐる 本来往復するはずだった尾根
蓼ノ湖が見えた 鴨さんが優雅に泳ぐ
金精道路に出て元のルートに戻った あとは源泉地まで一下りすれば終了



活動記録に戻る

トップへ戻る