山域 吾妻連峰
コース 高湯温泉〜家形山避難小屋(往復)
〜足慣らし兼装備点検〜
日程 2018年1月7日〜1月8日

恒例の山スキーシーズンインにおける装備点検を兼ねた足慣らし。
行き先は例の如く家形山避難小屋往復ルート。
今シーズンはスキーワックスがけをしなかった(サボった)お陰?かモコモコさんの腰痛もなく、寒くなるのが早かったので体が寒さに慣れるのも早い時期に済んだためか風邪引きもなく順調に出発。
データ アプローチ
東京駅6:40-福島駅8:36/9:25−ハイランド前10:01

コースタイム(天気)
1月7日(晴れ 風強い)
花月ハイランド10:30〜登山道入口10:54〜スカイライン横断点11:57〜山鳥山13:29〜慶應山荘分岐14:49〜家形山避難小屋15:35(泊)
1月8日(くもり)
家形山避難小屋8:17〜慶應山荘8:48/10:00〜スキー場トップ10:59〜花月ハイランド12:30


1月7日(晴れ 風強い)
コースタイム;花月ハイランド10:30〜登山道入口10:54〜スカイライン横断点11:57〜山鳥山13:29〜慶應山荘分岐14:49〜家形山避難小屋15:35(泊)

順調に福島駅に到着し、スキーにシールを貼ってオーバーパンツを身につけてブーツを履いてと、いつも通りの動作を行ってからバス停へと向かう。
バス停に向かうと意外にも我々の他にスキーを持った方が見えた。
一瞬箕輪スキー場行のバスと乗り場を間違えているのかなと思ったが、バス乗り場に着くと山スキーの装備の方とスノーシューの方の男性二人組でお話を伺うと、慶應山荘泊で高山下りの予定とのことだった。

今シーズン初と言うだけでなく山自体が久しぶりで重荷のため、もし二人だけでラッセルとなったら途中ビバークかもと内心不安もあったので、正直助かったというのが本音。
バスもいつも通り途中からチェーンを巻いて高湯へと登って行く。
花月ハイランドの駐車場入口には自動販売機が設置された小さな屋根付の小屋があって、小屋の床が乾いているのでいつもスキーをケースから出したりする間、荷物を置かせてもらっているのでそちらへと向かう。

目的地に着いて唖然。
小屋がそっくりそのままなくなっていた。これにはがっくり。幸い下の雪はベチャ雪でなく天気もいいので荷物を置いても濡れることなく済んだ。しかし風が吹いているので、軽い物が飛ばされないように注意が必要。小さいが小屋のありがたさが今更ながら分かった。

我々が体操したりしている間に、ここまで一緒だった男性二人組は出発していった。
昨日今日通してバスで入ったのは我々だけのようで、駐車場脇の小路からスタートした人のトレースはなかった。

いつも通り、スカイラインゲート近くで林道からスカイラインへと出ると、3台駐車されていた。これにはニヤリ。少なくともスカイライン横断点まではラッセルなさそうだ。
さらに登山口に着くと、くっきり付いたスキーのトレースを見て、山鳥山までのラッセルなしが約束されたと思った。モコモコさんからも「やったね」と嬉しそうな声。
男性二人組も、連休なのでトレースがあるだろうとの予想が当たったといった表情だった。

山スキーの時はいつものことだが、モコモコ係数の他に重荷係数も加算されて特に遅くなるので、2人組に先行してもらうことにした。
これが正解で、2人組は小屋泊まりで荷物が我々よりも軽いということもあるが、特にスノーシューの方が早くどんどん我々を引き離していく。

二人組には、スカイライン横断点手前でゆっくり休憩しているところでようやく追い着いた。
我々はスカイライン横断点で休憩することが多いが、今回歩みは遅いもののラッセル皆無だったのでスカイライン横断点ではなく不動沢分岐辺りで休憩をとることにした。

一度傾斜が緩やかなところから再び登りに入る不動沢分岐付近で予定通り荷物を下ろして休憩する。
ついでにこれまでは暑くてたまらなかったが、ここまで登ってくると樹林帯とはいえ冷たい風が吹き付けてくるのでジャケットを羽織った。
休憩が終わる頃に二人組に追い抜かれ、以降二度とこの二人組に我々が追いつくことはなかった。

山鳥山までは何段階かに分けて我慢の登りがあるが、スカイライン横断点までの登りと比べれば、急登りは長く続かないし涼しい分ましだ。
福島市街地もよく見える。風は強いが樹林帯を登るには絶好の日だ。

山鳥山にはなんと14:00どころか13:30頃に到着できた。先行者様々だ。
ありがたいトレースの主の何人かは既に下山に向かっているらしく、旧スキー場へと跡が続いていた。
また、山荘の営業案内は本日宿泊者がいるので当然なのだが、営業中になっていた。

先には二人組のトレースよりも先に着けられたトレースがあるので、更に先までトレースがついていることが分かった。
ありがたいねーと感謝しながら進むと、二人組が下山してくる方とお話をしているのが見えた。
我々もその方と挨拶を交わすと、なんと、以前この界隈でよくお会いしていたがここ数年タイミングが悪いのかお会い出来ずにいた方だった。久しぶりにお会いできて嬉しいかぎり。
今日は大岩まで往復してきたとのこと。風が強いので大変だったのではないか尋ねたところ、カメラを構えることが出来たからそうでもないよとの返答に、さすが吾妻に通っているだけあって、風の強さの基準が違うなと感心。
トレースのお礼を言ってお互いの行き先へと足を進める。

ほんの僅かの間にも二人組はどんどん進んでおり、我々が慶應山荘への最後の急な登りにさしかかった頃には既にほぼ登り切っていた。
あのペースならば、明日問題なく高山下りをこなしてしまうことだろうと思った。

ノロノロでもラッセルなしはやはり早い。
いつもなら下手すると山鳥山にも着いていないような時刻に、山荘分岐に到着。

大岩まで往復した方がいたのでしばらくトレースがあるが、ルートが尾根に乗ると風が強い今日はさすがにトレースが消えてしまっていた。
時折うっすらと残るトレースが見られたのも硯石まで。その先避難小屋まではトレースはない。
風が吹き抜けて多少堅めの雪面となっている尾根と違い、こちらは結構もぐる。
一気に進みが遅くなるが、それまでの時間を短縮できたこともあって焦りは全くない。お陰で小屋が見えたときにモコモコさんに「小屋見えたよ」と声をかけたときは、「えっ、もう着いたの?」と返ってきたほどで、いつもでは考えられないほど早い時刻に到着できた。

明日は午後のバスに間に合うように下りるだけなので、早朝起床はしないで済む。その晩はのんびりと山での新年会を楽しんだ。

ガーン!自動販売機小屋が取り壊されていた! トレースばっちり
砂防ダム建設工事現場 福島市街地の展望もばっちり
井戸溝の橋は埋まっていない 日没までかなりの余裕を持って到着


1月8日(くもり)
コースタイム;家形山避難小屋8:17〜慶應山荘8:48/10:00〜スキー場トップ10:59〜花月ハイランド12:30

昨晩は小屋は貸し切り状態だったのでテントを張ったが、そのお陰で温かく寝られた。
テントから出るとひんやりする。
それでも寒気が抜けてきているのと低気圧が近づいているので、外の温度計を見ると昨日着いたときよりも気温が上がっていた。

のんびり8:30頃出発する予定だったのに、なんだかモコモコさんにせかされたので、後片付けが中途半端になってしまった気がする。
一通り掃除はしたし、戸締まりだけはしっかりしたしということで出発。

硯石への途中、後行するモコモコさんから「うさぎー」の声。どこだと辺りを見回すが見つけられない。モコモコさんからも方向を教えられるが分からなかった。
なぜ見つけられなかったのかモコモコさんから信じられないことを聞いて分かった。なんと「今のウサギ、白くなかったんだけど。生え替わってる途中とかじゃなくて、夏毛そのままの色だったよ。」だと。吾妻で冬のウサギといえば当然白いものだと思っているので、白い毛玉を探していたら実は焦げ茶の毛玉だったとは。どうりでいくら探しても見つけられないわけだ。
「この時期に白くないのっているのかな?」「これから白くなるのかな?」「なんだか白毛に生え替わる気配もなかったようだけど?」と「?」を飛ばしながらしばらく歩いた。

硯石まで戻ったところ、高山下りの二人組が付けたと思われるトレースがあった。今日は曇り空であるが、視界もいいし風も穏やかだし、いい山越えが出来ることだろう。
昨晩宿泊者がいたので大垣さんはこの時間確実に小屋に在中であろうということで、予定通り山荘へ寄り道していくことにした。

慶應山荘の改装された玄関の前は綺麗に除雪されていた。
まるで除雪機でも使ったかのような、あまりにも見事な除雪ぶりだった。
思った通り大柿さんは小屋に在中で、昨晩の宿泊者は既に出発した高山下りの二人組だけだったのでひっそりしていた。

相変わらず美味しいコーヒーを頂きながら、大柿さんの楽しいお話に聞き入った。
その中でもやはり気になるのは今年の吾妻の気象についてだ。今季はずっと気温が低い日が続いて、ほんの二日ほど前にようやく気温が上がって雪がやっと締ってきたとのことだ。また、今年は雪の降り出しから気温が低く軽い雪だったため、例年ならば重い湿雪で倒されて埋まる笹や小さな藪がそのまま立っているので積雪量がある割には埋まっていない。更には、天気が荒れた本年の年末年始は山荘までたどり着ける人がおらず、訪問者がいなかったとのこと。
ちなみに先ほど見かけた白くなっていないウサギのことを話したら、この周辺では白くならないウサギもいるとのことだった。山はいろんな物事がある(見られる)なあ。

あまりにも大柿さんのお話が楽しいのでいつまでも聞いていたいが、バス(乗り物と温泉入浴両方)のことを考えて腰を上げた。
外まで見送りに出てくれた大柿さんに、モコモコさんが除雪の見事さに感嘆したことを話すと、小さなママダンプ一つでやっつけたとのこと。
さすが仕事が丁寧だ。

一段と気温が上がった気がする中、大柿さんに見送られて本格的下山にかかる。
いつも通りシールを着けたまま旧吾妻スキー場に向かう。
この間一人にも会わなかった。最終日とはいえ3連休でこれだ。吾妻人気ないなあ。静かでいいけれど。

旧スキー場トップでいつもシールを外すのだが、いっそう気温が上がって重雪となってしまったのでシールを着けたまま下りることにした。
すると最初は順調だったが、傾斜が増してくるとモコモコさんが途端に遅れ始める。
藪がここ数年で一気に育ってきて滑りにくいのはあるが、あまりにも遅すぎで何でもないところで転んだりしている。

ようやく追いついてきたモコモコさんは「シールに団子が着いてひっかかるよ」と苦しい言い訳をしていた。
滑りが下手すぎるモコモコさんを少しだけ弁護すると、傾斜が緩んだら今度はシールを着けていても普通滑っていけるところでも歩いているので、確かにあれでは滑りにくいだろうなと思った。

ようやくスカイラインにでたところでやったというべきかがっくりと言うべきか、砂防ダム工事のためか除雪がここまでされている。
今日の気温の高さに雪が溶けてしまい、アスファルトが見えていたり雪が残っていてもべちゃべちゃでシールが濡れるだけで滑らない。
それでもここまでシールを外さないできたので、意地になってそのまま下りていき結局シールを外したのは花月に到着してスキーを外したときだった。

しつこいようだが、自動販売機の小屋がなくなってしまったのと気温が上がって雪面がビショビショで、ここでパッキングをしていく気にならない。
お風呂に入っていける時間に着いたので、花月ハイランドホテルの玄関ホールを借りてパッキングすることにした。
パッキング中に日帰り入浴の団体さんが到着して慌てるが、なんとか迷惑を掛けずに済んだようだ。
入浴のタイミングが調度団体さんとかちあってしまい、特に女風呂の混雑を心配した宿の方はモコモコさんをかなり気遣ってくれたようだった。心配無用だったようで、広いお風呂なので混雑した感じはせずゆっくりと体を温めることが出来た。いつ入ってもいいな、ここの温泉。

帰りに乗ったバスの運転手さんもとても親切な方で、最初から最後まで何もかも恵まれたさい先のいい新年山行となった。

後日談
モコモコさんにせかされるようにして出発したため、小屋にシャベルを忘れてきてしまった。近いうちに回収に行かなければ。


下山途中、慶應山荘に寄っていくことにする 改装された玄関前はきれいに除雪されている
山鳥山から旧吾妻スキー場へ ここ数年でヤブが一気に育った
やっと旧バニーハットに到着 除雪されているので日当たりのいいところは路面が見えている



活動記録に戻る

トップへ戻る