奥只見奥利根 |
奥只見 大白沢アサユウ沢左俣〜東白沢ノ池〜大白沢池〜中ノ沢中沢(下降)〜中ノ沢右沢〜ススケ峰〜奥ススケ沢(下降)〜楢俣川本流(下降)〜湯ノ小屋温泉
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〜ヤブコギ沼湿原巡り〜 |
2012年8月22日〜8月26日 |
モコモコさんは、昨年この計画を実行するつもりだったらしいが、2011年7月の集中豪雨によりアプローチの渡船の船着き場が使用できなくなり、登山口までの国道も土砂崩れや橋が落ちてしまったりなどで交通手段が完全に遮断されため、断念することになったところだ。
仕切り直しての山行。そのためか、やたらに張り切っている。
ヤブコギなんかやだなと思っていたが、モコモコさんがどうしても行きたいということで決行されてしまった。
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山と高原地図;尾瀬、 2万5千分の1地形図;平ケ岳、尾瀬ヶ原、至仏山
ルート概念図
アプローチ 東京駅6:08〜浦佐駅7:38/8:00−奥只見ダム9:15/9:30−尾瀬口10:10/10:16−砂子平10:30
コースタイム
8月22日 晴れ
砂子平11:07〜シロウ沢出合13:47〜小屋場ノ沢出合15:49(BP@)
8月23日 晴れのち一時雨(夕方雨)
BP@6:32〜キノクラ沢出合7:09〜二俣10:09/10:36〜奥の二俣11:59/12:18〜湿原14:31/14:50〜東白沢ノ池15:25
8月24日 晴れ
BPA6:27〜カッパ池8:07〜大白沢池8:54/9:24〜1911mP11:19〜上田代12:29〜下田代13:23〜中ノ沢二俣14:04〜1650m付近BPB15:30
8月25日 晴れ
BPB6:12〜ススケ峰湿原8:02/8:40〜楢俣川本流出合11:27〜中沢出合13:10〜ススケ沢出合14:17(BPC)
8月26日 晴れ
BPC6:47〜日崎沢出合8:35〜狩小屋沢出合10:42〜楢俣林道ゲート13:54〜湯ノ小屋温泉14:30
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8月22日 晴れ
砂子平11:07〜シロウ沢出合13:47〜小屋場ノ沢出合15:49(BP@)
これまで来たのと同じようにアプローチ。
船は予定通り尾瀬口の船着き場に着いた。
昨年の集中豪雨で船着き場が以前よりも下流側に付け替えられていた。これが曲者で、前は少し登ればバス乗り場だったのが、急な階段を結構登らないとバス乗り場に行けなくなっていた。
初っ端から汗が出た。
国道は、バス乗り場からすぐ先、恋ノ岐川へは全面通行止めとなっていた。復旧までには大分かかりそうだ。
バスに乗って以前の船着き場を見ると、土砂が流れ込んだことにより、水位が下がったダムのバックウオーターそのもののといった感じでとても船が入って行ける状態ではなかった。さらに途中途中の小沢からは土砂が押し出した跡があり、どれだけの災害だったのか想像もつかないくらいだ。
只見川の川床は大いに荒れており、復旧工事があちらこちらで行われていた。鷹ノ巣を過ぎて、県境にかかる金泉橋(集中豪雨で橋が落ちてしまった)を見ると、ここも工事の真っ最中で、現在は仮設の橋がかかっていた。
砂子平で降ろしてもらい、支度をする。
こんな時間から太陽がじりじりと照りつけて非常に暑い。
体操をしてタラタラ出発。
いつも通っている道を忘れてしまい余計な藪こぎをしてしまったが、無事出合いに出た。
出合の様子をみて予想以上の惨状に唖然とした。
前は森の中を広い流れが静かに出合っていたのが、土砂や大岩倒木で一杯の河原に変貌していた。
只見川を少し上流へ移動してから渡渉することは変わらずで、そのまま森の中の踏み跡へ分け入る。
森の中に踏み跡は、以前は比較的はっきりしていたのが、集中豪雨の際に流れた水の跡が踏み跡のように見えたりして紛らわしかった。
しばらく歩いていくと踏み跡もはっきりしてくるようになった。
ところが小沢を横断するところになると、前は少しの登り降りで済んだのが、今回はごっそりと沢床を持っていかれて掘れてしまっているので意外に面倒なことになっている。
藪がうるさそうだったり、小沢から登り返すのが面倒そうなところは、大白沢へ降りて適当なところから再度森に入り踏み跡を追っていく。
途中、大白沢に降りたときに先行者の足跡を見つけた。完全に乾いているので我々より結構前に通過したようだ。
大白沢は水はきれいなのだが、前と違いごろごろした浮き石が多くなっていた。
途中小さな岩魚を1匹見かけたが、これが大白沢で見た最初で最後の岩魚だった。
大出水の為かなりの岩魚が流されてしまったのだと思う。
残された岩魚の生命力を信じて、遡行していくときに逃げる岩魚が走る姿をあちらこちらで見られた以前の光景をまた見たいと願った。
不動滝にさしかかる前から本格的に沢に下りて遡行を始める。
いい天気でここまでのわずか数時間にたっぷり汗をかかされたので、沢の水が心地よい。
不動滝はいつも通り巻いた。
沢に戻り、再び河原歩きとなる。河原歩きであるが、荒々しいので落ち着かない歩きをしてようやく池ノ沢出合い。
ここまでくればシロウ沢出合いも間もなくだ。
シロウ沢出合手前の6m滝の釜は、埋まったのか小さくなった気がした。
出合にあるビバーク適地でゆっくり休憩をとった。
以前は焚き火をするのに最適な河原があったが、削られて痩せていた。
ビバークポイント自体は無事で快適そうなままだったが、最近泊まったような気配はなかった。
ここでまだ今日の予定の半分の行程。
この先は、特に綺麗で、水が豊かで岩魚が走るのを見たり小滝を快適に越えて行った記憶があるのだが、どうなっているのだろう。
クロウ沢に入ると河原歩きが少なくなるので渓相はきれいなままだった。しかし水がなんだか以前ほど澄んでいない気がした。
小滝を快適に越えて行く。
滝自体は変わってないように見えたが、水に浸かることが少ない又は浅くなっているような気がする。
そのうち見覚えのある小滝が出たが、前までにはなかったチョックストーンがあった。もともと登るルートではないのでこちらには何も影響はない。この滝を帰宅後比較してみると、滝両側に生えていた大きな木がきれいになくなって幅広の明るい滝へと変化していたことがわかった。
クロウ沢本流(我々は便宜上、小屋場ノ沢と言っている)出合までの目途が立ってきた頃、人を発見。
どうやら足跡の主らしい。
足跡の主は単独の男性だった。少し話をしたところ、この方は、キノクラ沢へ入ったが、途中の5m滝がどうしても登れず巻くにも巻けずで戻ってきたとのことだった。出合いまであと1時間位ですよと教えてもらったので、そこからキノクラ沢は30程だ。到着時刻の目途が確実についた。
男性と別れた後、沢は急劇に荒れた。
側壁があちらこちらで崩壊しており、沢には大きな岩がゴロゴロしている。水の濁りも強くなった感じだ。
大岩を避けたり越えたりしていくと、わずかに泳ぐか巻くかの選択を迫られる小滝が現れた。
モコモコさんが「暑いから泳いでいく」と宣言して泳いでいった。後は小滝を登るだけだなと見ていたらドボンしていた。這い上がるのに苦労しているのでてっきり戻るのかと思っていたら、何とか這い上がり滝を越えて行った。凄いパワーだ。
しかし全身びしょ濡れのモコモコさんのようにはなりたくないので、山人は巻くことにした。
巻自体は右から簡単に小さく巻けた。
巻き終わった後、モコモコさんから事情を聴くと、旨い具合に倒木がかかっていて簡単だったとのこと、落ちたのは足が滑ったのではなくて、倒木に足を掛け体重をかけたときに少し動いてその際に手が滑ったのだとのことだった。
びしょ濡れになったことを嘆いているかと思ったら、これまで暑くてたまらなかったのが一気に涼しくなって快適だとのことだ。
その後は特に問題となることもなく小屋場ノ沢出合に着いた。
のだが、以前はこの出合対岸になかなか快適そうなビバーク適地があったのが、見るも無残に側壁からの土砂が崩壊して大岩で埋め尽くされていた。
これを見て、予定していたキノクラ沢出合手前のビバーク適地も今は不適地になっているかもしれない。
幸い小屋場ノ沢出合手前に砂地があり、増水しても逃げ場があるので予定よりも手前だがザックを降ろすことにした。
斜めになっているので、簡単に整地をした。
薪は大雨のせいで持っていかれたのか適度に転がっているのは少なく、あってもひっかかって取るのに苦労したが十分な量が集まった。
また、対岸には小さな流れがでていて水を汲むことができた。
夜になると、雷の音がしてきた。雨は降っておらず雷の音は下流の方向なので増水することはないと思うが、一応荷物はまとめてから眠りについた。
その晩ずっと雷の音や、雷光が続いていたが雨に降られることもなく助かった。
8月23日 晴れのち一時雨(夕方雨)
BP@6:32〜キノクラ沢出合7:09〜二俣10:09/10:36〜奥の二俣11:59/12:18〜湿原14:31/14:50〜東白沢ノ池15:25
天気予報では昨日と同じで晴れ。ただ、寒気が昨日は西日本だけだったのが、今日は東日本にも広がるとのことで山では急な雷雨に注意とのことだった。
今日は源流部に御昼頃までに抜けられるかどうかが勝負になりそうだ。
目と鼻の先にある小屋場ノ沢出合へ戻る。昨日も思ったが、小屋場ノ沢の水の濁りが強いので下流部の濁りはこの沢が原因かもしれない。
アサユウ沢に入ると土砂崩壊はますますひどくなり、以前も大岩が転がるゴーロ歩きだったが、今は物置や中には小さな家一軒くらいありそうな大岩がごろごろしていて魚野川のゴウトウみたいになっていた。
大岩そのものは避けて行けるが邪魔なのは変わりないので、もともとのビバーク予定地まで結構時間がかかってしまった。
ビバーク予定地は少し荒れたり水が流れた跡はあったものの適地のままで変わりがなかった。昨日ここまできていても結果として問題はなかったが、昨日のところはそれはそれでなかなかいい場所だったのでよしとした。
いよいよアサユウ沢にかかる滝の大高巻きだ。
以前取り付いたところは、最初のところでモコモコさんが苦労していた。そこで周りを見ると、キノクラ沢の最初の滝を登った上に降りている小尾根が傾斜がわずかに緩い感じがしたので、今回はそこから取り付くことにした。
ところが、最初の滝上部の斜面の崩壊が大幅に進んで以前の登るルートだったところに大岩がかぶさってしまっていた。また倒木が引っ掛かっていたのがすっかり流されていた。
水線脇に一度取り付いてみたが、一段登ったところから手掛かりがなく断念。もう一度周りを見ると右岸の岩と草付きのコンタクトラインをし少し登れば越えられそうだ。
これが正解だったようで、困難もなく登れた。モコモコさんは腰が引けていたのでお助け紐をだして登ってもらった。
後日帰宅してからキノクラ沢遡行時の写真を見てみると、倒木が掛っていたりしてはっきりと滝の形状をとっていなかったのが、さっぱりきれいに流されており岩盤が露出していた。
滝上のキノクラ沢左岸の以前も崩壊していたところが一層崩壊が進んでいた。
滝上の岩上に枝が張り出しているところから取り付く。
最初はこちらにきて正解だったなと思っていたが、やはり甘くはなかった。傾斜がきついヤブの登りなのは全く変わりがない。
休み休み藪が薄そうなところを一生懸命登っていく。最初は少し直登してその後トラバース気味に登っていけば昨年取り付いて登った所へ合流できるのではないかと思っていたが、急傾斜のヤブでそんなことはできなかった。
とにかく上へ上へと登ってそろそろ傾斜が緩む頃だと思う頃に気持ちが折れそうな所に出た。
数mであるが、岩盤が露出している急斜面となってしまった。
ヤブの枝があるのでそれを手がかりにして何とか登れたがきつかった。これはモコモコさんは登れなさそうだ。
そこでモコモコさんを待たせて少し登る。立たなければ両手を離しても転げ落ちない程度くらいの傾斜になったところがあったのでザイルを出す。
ザックを確保しておいて、ザイルを張りながら空身でモコモコさんの所に降りる。
モコモコさんのザックを預かり、モコモコさんには空身で登ってもらう。ザイルを張ってあるので、タイブロックで確保したモコモコさんに先行してもらう。
最初の岩場をモコモコさんが攀じ登る。空身でも苦労しているが、なんとか登りきった。さらにザックデポ地まで登ってもらう。
モコモコさんが藪の中に消えて登っていくのを確認して後を追いかけて登る。
モコモコさんが待機しているところにやっと着いた。
ザイルを仕舞っているいる間に、モコモコさんには先に登っていてもらう。
どうやら先ほどの岩場がこの巻きの核心だったようで、相変わらずの傾斜と藪だがこれまでに比べて幾分か楽になってきた気がした。そのうちにモコモコさんから「前の巻きの尾根と合流した!」との声がかかった。尾根といっても松の生えた急傾斜のヤセ尾根だ。
天気が良くて乾いてしまったフエルトシューズには天敵となる、乾いた松葉の絨毯が待ち構えていた。
尾根に乗り上げる直前からとにかく滑る。わずか数mだが一気に疲れた。
ここからは比較的ふくらはぎにやさしくなる程度には傾斜が緩む。ザックを降ろして休憩を取った。
前回はお助けだけで済んだのが、今回はザイルを出すことになったのではやり出合いから少し入ったところから取り付くのがいいかもしれない。
しかしそうすると合流する手前は松の木のヤセ尾根で滑るので、結果として、前回巻いたのと消耗する体力は一緒だろう。
松の木のヤセ尾根は少し続く。つるつる滑るのであまり傾斜が緩んだ感じがしないが、足場がしっかりしているのでずっと楽になった。
そのうち松の木から広葉樹に尾根植生が変わるといよいよ登りも終了だ。
あとは傾斜の緩いところを探して上流部にトラバースしながら下降していくと、ちょうどゴルジュ帯が終わったところに懸垂下降なしで降りられたはずだ。
太いブナの木を目標にしながらトラバース美味に下降していく。順調に進んでいたところとんだハプニング。ハチに刺されてしまった。
慌てて逃げて後から来るモコモコさんに注意するように声をかける。モコモコさんが追いついて来たところで刺されたところを見てもらい、水で洗い流そうとしたところ、モコモコさんも刺されてしまったので、慌ててさらに逃げる。落ち着いてたところでお互いの刺されたところを水で洗い流してムヒを塗った。
やれやれだ。
気を取り直して下降&トラバースを続ける。
穏やかな水音が間近に聞こえるようになったので一気に下降することにした。
さすがに沢近くは傾斜が急なので枝を使いながら降りる。次の枝に移るときはなるべく上流側に生えている木の枝を選んで降りて行くと、ほぼ前回と同じ場所に降りられた。
降りたところのすぐ上流側にルンゼが入っていたので、今度はこのルンゼを目印に降りると分かりやすいかもしれないと思った。
ここから二俣までは小滝が数個掛るくらいで、さくさく行けるはずだ。
昨日も思ったのだが、ここから二俣まで少し暗い印象があったのが、なんだか底抜けに明るい。
天気のせいかもと思ったが、前回も天気は結構よかった。
何が違うのだろうと思って写真を比べたところ、周りの木が流されてしまっただけでなく、一番の違いは大きな岩が流れたりするくらいの大出水によりコケや草などが磨き落とされて、花崗岩本来の白さがでていた為だということが解った。
二俣についてゆっくり休憩。
ここまでもやはり荒れていた。さらに二俣には小さいがいいビバークポイントがあったので、前回ここに泊まってみたいと思ったのだが、見るも無残に土台から大きく削られており、大きな石がごろごろしていて、まだ側壁から落石がありそうな危険なところになってしまっていた。
左俣は初めて入る所だ。
滝は大きくても6〜7m程まででどれも登れた。
2段10m滝手前の曲線が美しい6m滝は、最初滝右に張り出している岩を快適に登れたが、落ち口へ移動するところが足場が安定していないようで草付きを小さく巻いた。天気が良いおかげか草付きも足場が以外と安定していたので助かった。
モコモコさんにはお助け紐を出した。
モコモコさんは紐があるので草付きではなく、山人が行こうとしてやめた不安定そうな岩をトラバースしてきた。モコモコさん曰く、実際足を置いてみると安定しており、充分スタンスもあったとのこと。
この上にある2段10滝は下段は左壁を登り水流を横切ってから、滝右横の草付きから小さく巻いて落ち口へ出た。
すぐに奥の二俣だ。ガイドではこの二俣から右沢へ入っているが、東白沢池が目当ての我々は左沢へ入る。
左沢へ入ると沢は一気に小さくなるが、逆にどんどん高度を上げるようになる。
数個の滝を快適に越えて行くが、6m滝に行く手を阻まれる。
登れそうで登れない滝だ。仕方がないので巻くことにしたが、どちらも傾斜が急な草付きだ。右岸は上部に岩場があるので左岸を巻くことにする。
草付きなのでザイルをだしていく。
幸い足場が怪しくなるところでは灌木で確保を取ることができた。すぐに落ち口へ戻れるかと思っていたがそこは甘くなかった。予想以上に登らされた。
しかし、連日の晴天で足元もしっかりしていたので灌木帯に無事巻きあがれた。モコモコさんも最初の取り付きで少し苦労したようだが、無事登ってきた。
このまますぐ落ち口へ降りようかと思ったら更に滝を掛けていたようなので少し上流側を狙って降りることにする。
下は急な草付きになっているようだったので、懸垂下降となった。
ここが左沢の核心部だったようで、後は平凡なゴーロと時折出てくる小滝登りでぐいぐい標高を上げて行く。
1720m付近で最後の二俣となる。ここは東白沢池に近い右へ入る。ここまでくれば今日は確実に東白沢池に辿りつける、その前に水を飲んで、と一息ついていたら雲行きが怪しくなってきてポツポツ雨が降り出してきた。
雨具は着ないで様子を見ながら行こうと右沢へ入った途端にザーっと降り出した。
あわてて雨具を着て水が濁らないうちに行動中に必要な分の水を汲む。
結構雨脚が強く、丁度二人並んで座れる所があったので雨宿りすることにした。モコモコさんがこんなこともあろうかとシートを上の方に入れておいたのでシートをかぶって雨をしのげた。
ここまでくれば、増水してもたかが知れているし、すぐに引くだろうから雨降りでも気が楽だ。
また、さっきの巻が終わっていてよかった。もしこの雨の後や最中だったらニュルニュルで登れなかっただろう。戻って大高巻きするにしても、もし増水したらすでに河原がない状態のところだったので身動きがとれなかったかもしれない。
そんなことを話していると、雨も小降りになってきた。
沢も変化なし。行動するに問題のないくらいの降りなったので再出発だ。
シートを仕舞ったりしているうちに雨は止んでくれた。
一気にヤブっぽくなった小沢を詰めて行くとひょっこり小さな湿原に出た。1790m付近の地形図にある湿原だ。予定より少し早い時間に着けた。
小さな湿原なので、沢は蛇行することなく湿原へと導いてくれた。
湿原へ上がる前に今晩と明日の朝の分の水を汲んで行く。
モコモコプランでは1時間かからずに東白沢池へ着けるようになっていたが、ここから本格的なヤブコギなのでどうなることやら。
コンパスを池に合わせて笹藪へ突入。
この辺りのササは固くて太いので大変だ。
ガサガサというヤブを掻き分ける音しか聞こえない中ひたすら藪を行く。ときどき太い笹に滑ったり足を取られてもがいたりしながら進むと先にぽっかりと空間がありそうな気配がした。足元を見ると水流の跡もある。モコモコさんと池にかなり近づいたよと話しながら水流跡を追いながらヤブを掻き分けることわずかで今日の目的地東白沢池だった。
池はとても綺麗で、水草があるのが何とも言えない雰囲気だ。
出たところは直ぐに池で対岸には湿原が広がっている。最初池を横切ろうとしたが、足を泥に取られたりして逆に大変かもしれないから面倒でも藪を回った方がいいとモコモコさんから止められる。
それもそうだ。藪をあともう少し漕ぐだけだ。再びヤブこぎで対岸へ。ここの湿原は鹿などに荒らされていない綺麗な湿原だ。
写真を撮ったりしばらく滞在したが、再び雲行きが怪しくなり雷も鳴り始めた。
明日の朝もここを通るので観賞は明日にして泊まる場所を探すことにした。
湿原は平であるが、テントでないのと水が上がってくるのが嫌なのでそばの樹林の中で泊まる場所を探す。
目安は大きな針葉樹の木の下だ。こういったところはヤブが薄いことが多い。傾斜についてはこの辺り一帯が平なのでさほど気にすることはなさそうだ。
ガサガサと分け入ると、あまり奥に入ることなくツエルト一張り分くらいなら張れそうな藪の薄いところを見つけた。小さくならば焚き火もできそうだ。
急いでタープとツエルトを張る。というのも薮蚊がすごいからだ。
無事張り終えたところで、今度は薪集め。森の中であるし、炊事が出来ればいいのですぐに集め終わった。
蚊がうるさいので、蚊取り線香を点けてから着替えにかかる。ツエルトに潜り込めば一安心。
ザーッと雨が降ったが、ここは増水の心配無用、上には木の傘、藪の防風壁のおかげで穏やかに過ごせる。
多少水の不便はあるが、雷の光で夜中の雨を心配しながら寝ていた昨晩よりもぐっすり寝られた。
8月24日 晴れ
BPA6:27〜カッパ池8:07〜大白沢池8:54/9:24〜1911mP11:19〜上田代12:29〜下田代13:23〜中ノ沢二俣14:04〜1650m付近BPB15:30
今日は本格的なヤブコギの日。
アサユウ沢源頭の池と湿原巡り&文殊沢中沢の湿原訪問だ。
藪こぎで時間が読めないので早目に出発しようとしたが、結局昨日と同じような時間になってしまった。
快適に過ごさせてくれたテンバを後にする。湿原へ戻る前にわずかであるが水が取れるところがあったので水を補給しておく。
昨日はあまりゆっくりできなかった分湿原を堪能してからカッパ池へコンパスを合せて出発。ちょっとした尾根を乗り越さないといけないので、いきなり傾斜のある笹藪の登り。相変わらず太く固い笹に悩まされる。
尾根に無事出られたところで、今度はカッパ池へできるだけ標高を落とさないように地形図の等高線に沿うように進路を取る。なかなか思うように進まず時間ばかりが過ぎて行く。朝早くて幾分涼しいのが救いだ。
ようやく目途がついてきた頃に倒木があったのでその上に乗り周りを見てみるが、全く池が見えない。しかし射程距離まで来ているはず。
さらに藪を漕ぐと、藪の中に小さなかわいいカッパ池がひっそりとあった。池は真っ青な空と周りの木々を鏡のように写し出していて本当にきれいだった。
モコモコさんの予想タイムでは2時間と踏んでいたが、予想より少し早く着いた。
今度は白沢ノ池へコンパスを合せる。
ここから白沢ノ池も同じくらいの距離だが、これまでと比べて少し傾斜が緩いので気持ち楽になった藪こぎだ。
途中、池方向に向かう獣道らしきものを見つけたので辿っていくと、地形図には載っていない小さな湿原に出た。小さな小さな湿原であるがちゃんと地塘もあった。
この湿原に会えたことで少し元気が戻ったのか、勢い余って白沢山直下の傾斜が急になる手前まで進んでしまった。
慌てて方向を修正。真っ直ぐ水が流れたような跡を探して辿っていく。
いよいよ跡がはっきりしてぬかるんできたという状態になってすぐに白沢ノ池に出た。
こちらの池は広いこともあり、東白沢ノ池よりも開放的だ。残念なのは鹿のヌタ場が出来つつあることだ。
行動食をほおばりながらのんびりと眺めて過ごした。
さて、今日はさらに藪をこいで稜線を越えて反対側の水長沢文殊沢側へ下らなくてはならない。
重い腰を上げて出発。
まずは大白沢山と1911mピークの間の稜線だ。
湿原縁の葦の生えたところから取り付くと、小沢が流れている。水を汲んで先を見てみるとけっこうしっかりした沢のようだ。
藪よりは少しでも沢を使って標高を稼ごうということで沢を辿ることにした。
これが正解で、蛇行はするものの沢は我々の行きたい方向へ向けてわずかずつであるが標高を上げて行く。
方向が離れてきたところで藪に移った。
この稜線への登りは思ったよりも藪が濃くなかった。ただし、これまでと比べての話だが。少し進んでふと右横を見てみるとしっかりした窪が見えた。
モコモコさんと相談して、足元がはっきりしているだけでも楽だろうということで窪へ降りた。
窪は長くは続かなかったがそれでも随分と時間短縮になったと思う。
窪が消えるあたりから藪に入り直して稜線目指して藪を進むと、思ったよりも早くに稜線に着いた。出たところは鞍部より少し1911mピークによった所らしい。大白山には山頂に湿原があるらしくわずかな距離でもあるので見てみたい気もするが、藪となると話は別。山頂には行かずにすぐに1911mピークを目指すためコンパスを合せる。
このピークは名もなきピークであるが、今回下降するのに目印となる重要なポイント。それだけでなく、積雪期には平ケ岳方面と景鶴山方面とを分けるジャンクションピークと言ってもいいくらい重要な位置にある。
稜線に出たので、これまでと違って方向がわかりやすい。
藪の濃さは相変わらずだが、稜線のせいか笹が少し柔らかいので発狂しそうになることは少なくなった。
暑いので意識的に水分を摂ってひたすら藪を漕ぐ。
やっと1911mピークの肩に着いた。ここからは方向を少し変える必要があるが、先にちょっとしたピョコが見えたのでわかりやすかった。天気が良くてよかった
ピークに着くと正面に顕著なピークが見えた。
赤倉岳だ。
赤倉岳へ行った時もいい沢旅だった。今回はその時のルートと途中から合流する予定だ。なんだかワクワクしてきた。
ここからいよいよ文殊沢へ向けての下降だ。ピークから直接降りようと思っていたが、モコモコさんからピークからだと急傾斜を降りる距離が長すぎるので、少し尾根を辿って標高を下げてから降りるとのことだ。
モコモコさんの主張通りススガ峰へと繋がる尾根を藪こぎして進む。もう少しで鞍部というところでホンの少しであるが登り返しが出てきた。
下降する方向を見ると、ぎっしり笹藪に覆われており、比較的太い木も所々に生えていて下降しても問題なさそうだ。
モコモコさんからもGOサインが出たので、ここから眼下に見える上田代を目指して下降開始した。
傾斜は急だが、笹藪がものすごいので下るにはちょうどいい感じだ。ここの笹はやわらかく細めなので足を滑らせることがほとんどなく降りて行ける。
藪の中にしては下りとは言え信じられない速さで降りられた。
傾斜が緩んでからの方が藪がうるさい感じで時間がかかった。
それでも水が流れた跡や、窪に出合っては辿ってそれがなくなっては次の同じようなところを進みできるだけ藪がないところを選んで行くと、別天地のような湿原に出た。
これまでのように大きな池があるわけでも、特別湿原が大きいわけでもないが、延々と藪を漕いできた稜線から見えたところに実際に降り立ったということで特別にそう感じられた。しかも今日の藪こぎはこれで終了だ。
池があるのが上から見えたのに、実際に湿原に立つと池が無くなっていたので間違った湿原に出てしまったのではと不安に思ったが、周りを見回すとちゃんとあったので安心した。
支沢を下降して本流へ向かい、本流に出合ったところで藪こぎの埃と汗を洗い流した。
中沢は滝などが皆無なので、後は右沢出合いまで下降して右沢を登り返して適当なところで泊まる予定だ。右沢は以前泊まった標高1550m付近まであがれば予定通りに確実に降りられることが解っているのでそこまで頑張ればいい。
一下りすると、突然傾斜が無くなる。
沢はいきなり葦原の中を蛇行を始める。
下田代だ。これまでの湿原がきれいだっただけに、単なる葦原である下田代は「ああ下田代に着いたんだな」と思っただけで通過してしまった。
さらに下降を初めて不安になった。
沢に滝があるのではとかということではなく、文殊沢側も大きく荒れていたのだ。
小さな沢でありながら、側面は大きく崩壊していたり、削られていて倒木も多い。沢自体が塞がれているわけではないが浮き石があったりして気を使った。
宿泊予定地と同じ標高辺りは特に荒れていて、今晩ちゃんと泊まれるところがあるか心配になってくる。
二俣まで降りて、右俣に入り登り返す。
右俣も荒れている。
しかし左俣よりは少しましな感じだ。ここも滝などなく、どんどんゴーロで標高を上げて行く。とうとう前回泊まったところに着いたが、ここも荒れていて、密かにモコモコさんが楽しみにしていたイチゴの木も無残にも流されたようで跡かたもなくなっていた。
これでは泊るのは無理だ。
もう少し先へ進んでテンバ適地を探しながら進むと、前回南田代から藪を漕いできて飛び出した所に着いてしまった。ここは右岸に獣道が付いているので二人ともはっきりと覚えていた。
前回ここは寝心地が悪そうで泊まるのをやめたところであるが、この先適当なところがないのが解っているのでなんとかならないか二人で模索していると、モコモコさんがここはどうかと見つけたところを観察してみる。少し狭いのと傾斜があって笹藪がうるさい感じがするが、笹藪を刈って敷けば大丈夫そうだ。
そうと決まれば荷物を降ろして設営だ。
最初に出来るだけ周りのササを刈って快適になるように敷く。
ためしに転がってみると中々の寝心地だ。
タープとツエルトを張ってから薪集め。すぐに太いのが手に入ったので山人が切断している間にモコモコさんが結構な量の薪を集めてきてくれた。
早目に着いたお陰で設営に時間をかけられたので快適に過ごせた。
焚き火にのんびり当たりながら、今日の労をお互いねぎらった。
楽しい時間は過ぎるのが早い。いい時間になったので寝ることにした。
獣道を避けたとはいえ道の傍らに寝ることになったので、夜中威嚇されたらどうしようかと思ったがそう頻繁に通るところではなさそうだ。
今日も雨に降られなかったことを感謝して眠りに就いた。
8月25日 晴れ
BPB6:12〜ススケ峰湿原8:02/8:40〜楢俣川本流出合11:27〜中沢出合13:10〜ススケ沢出合14:17(BPC)
早いもので今日で既に4日目。
今日の行程は一度通ったことがあるので、時間も読めてこれまでで一番余裕がある気がする。
中ノ沢右俣はやはり荒れていて、わずかながらも岩盤が張っていたところが石で埋まっていたりした。
背後に白沢山が更にその後ろに平が岳が見えるようになるといよいよ沢は傾斜を増して源流部となる。
沢が大きく左に曲がり、笹藪が被ってくるようになるといよいよススガ峰湿原は近い。
窪がなくなり笹藪を少し漕いで行くと、小さな湿原が変わらない姿で現れた。
小湿原からススゲ峰湿原までは獣道が付いているので辿っていけば自然にススゲ峰湿原に出る。
ススケ峰湿原はやはりいい所だ。
ここはトンボをはじめとする虫やオタマジャクシの楽園だった。そうっと地塘に近寄りオタマジャクシをからかって、パニックになったオタマジャクシが「わぁぁーー」と逃げるのを見て和んだり、一生懸命蜜を集めるハチを観察したりして楽しんだ。あまりにも気持ちが良いので長居をしてしまった。
奥ススガ沢源頭にコンパスを合せて藪に突入する。尾根上には前回気がつかなかったが小さな湿原が数個あった。その湿原を繋ぐ獣道があったので、方向が一致しているときに使わせてもらった。やはり足元がすっきりしていると楽だ。
そろそろ降りてもいいかなとも思ったが、念のためにもう少し尾根上を進む。
傾斜の方向を見ると降りてもいい方向に下っていたので、下降を開始した。
しばらく藪の中を降りて行くと水の流れたような跡がでてきたのでそれを繋いでどんどん下る。やがて小さな溝が出てきた。少し下ると完全な窪になった。
どうやら奥ススガ沢へ確実に入っているらしい。
窪が沢の源頭となり、水が現れれば安心。
やがて出てくる小滝をどんどん下降して行く。
途中5m程の滝を下降しているときに、いきなりモコモコさんからストップがかかる。何も降りるのに問題はないがと不思議に思っていると、降りた所から少し下流の斜面に生えている木の枝が不自然に揺れている。熊かもと二人で声を出したり笛を吹いたりした。
しばらく観察すると枝の揺れ方や場所から熊ではないらしいと判断して先へ進んだ。
前回懸垂下降した10m滝は今回も懸垂で降りた。
その先の5m程の滝はクライムダウンできないので、左岸を小さく巻き降りた。
ここまで降りてみて、楢俣川は大増水の跡はあったものの荒れてはいなかったのがうれしい。
順調に下降して本流に出合う。
出合いで一息。
本流になると一気に水量が増えて滝も大きく大胆になってくる。
しかし楢俣川は全てクライムダウン出来るので楽しい。
楢俣川はいつ来てもきれいな沢だ。
少し遊びながら、モコモコさんとニコニコ顔で降りて行く。
以前は気がつかなかったが、中沢出合の前のブナ林にテンバの臭いを感じたので覗いてみると、いい泊まり場があった。
まだ時間が早いのと、今日はススガ沢出合いまで下降しておくつもりなので、そのまま通過。
中沢出合いの右岸は前回我々が泊まったところであるが、水線ぎりぎりのところだったので残念ながら水流に削られてしまったようだ。
本流を下降してから先行者の足跡があったので、ススガ沢出合に先客がいるかもしれないが、楢俣川は泊まるのにいいところが点在していた覚えがあるので時間に余裕があれば心配はない。
気になるのは、怪しい雲が広がってきたことだ。
沢い雨に降られることなくススガ沢出合のテンバ適地に着いた。
幸運なことに誰もいない。また、このテンバは薪が少ないのが難点だが、今シーズンはまだあまり人が入っていないらしく、薪集めに苦労はなさそうだったので即座に泊まることに決定した。これまで気がつかなかったが、水も対岸の小沢から汲むことができる。それまではススガ沢の水を使うつもりでいたのでうれしい誤算だ。
ススガ沢出合いはこれまで泊まってみたいと思っていたが、実際に泊まるのは初めてだ。
設営をしてからも、昨日以上に時間に余裕があるので、のんびりと過ごすことができた。
今回の沢旅の最後の夜。雨に降られることなく焚き火のそばで楽しい夜を過ごすことができた。
8月26日 晴れ
BPC6:47〜日崎沢出合8:35〜狩小屋沢出合10:42〜楢俣林道ゲート13:54〜湯ノ小屋温泉14:30
とうとう下山日。
頭がかゆくなってきたので早く降りてお風呂に入りたいが、ここまで山の中にいると降りるのも寂しい感じがする。
どんどん広くなってくる沢を問題なく下降していく。
このあたりまでくると正しく川だ。
日崎沢出合までにいくつか点在するテンバ適地を回っていく。
どれも変わらずに快適そうだ。
日崎沢出合にある滝を巻き降りる最後で釜にドボンしてしまった。
まだ朝で谷にはあまり日が差し込んでこないので寒くなってきた。
日の当るところで休憩することにした。休憩場所を探しながら行くと、水にぬれた足で石の上を歩いた鳥さんの足跡を発見。あまりにもかわいいので写真に撮ってとモコモコさんが騒ぐので、石に近づいたら水を跳ねさせてしまい足跡をだめにしてしまった。
幅広のきれいな滝をいくつも下ると、ちょうど滑り台にちょうどよさそうなところがあった。
モコモコさんがうずうずしている。
どうしても気持ちが抑えられないようなので、遊ばせてあげることにした。
「ひゃっほー」とうれしそうに滑り下りたところを動画で撮ってあげた。
写真でも撮ってほしいと2回目を滑りに登り返したので、写真を撮ってあげると気に入らなかったらしい。ブツブツいいながら3回目に挑む。
望んでいた瞬間のものとはやはり違ったらしいが、さすがに4回目はもういいということで終了。
矢種沢を合せ、前深沢が出合えば楢俣川下降もそろそろ終了だ。
狩小屋沢出合から狩小屋沢へ入り少し遡行すると、左岸に虎ロープが垂れているのが見えた。水を汲んで林道に上がる。
沢から上がる一歩でモコモコさんがいきなり「うぎゃっ」と声を上げた。
何かと思ったら、「手を置いて体重を少しかけたらむにゅっといった、慌てて手をどかしたらケロンパだった」と非常に焦った様子。
「ムチムチしてて気持ち良かったでしょ?」と尋ねると「うん、ムチムチしてた。でも大丈夫かな(内臓破裂とかしてないかな?)?」との回答だった。
林道までしっかりとした踏み跡がありサクッと遡行終了した。
楢俣川は荒れてはいなかったが、林道は大いに荒れていた。道そのものが大きく掘れてしまっていたり、それまで存在に気がつかなかったくらいの小さな沢から大量の土砂が押し出していたり、林道そのものがザクッっと崩壊して削られてしまっていたりとやはり無事ではなかった。
歩行には全く問題ないが、余計な時間がとられた。
そろそろ楢俣ダムのバックウオーターだなという頃になると、林道の荒れ具合も少し落ち着いてくる。
しかし飽きてくる。まだ酸っぱい山ブドウをつまんだりしていると、なにやら人の声が聞こえる。
下を覗くと、親子連れが遊びに来ていた。バックウオーターをカヌーで通過してきたらしい。
子供は大人の監視の下、小沢を登ったりして喜んでいる。少し下流の方では大人がバーベキューの準備をしていた。日陰のない炎天下の中、火を扱うなんて灼熱地獄だ。これだけ活動した後にまたカヌーを漕いで帰るとは凄い体力だ。
この光景を見て気がついたのが、ダム湖の水位が低いことだ。バックウオーターへ流れ込むことろの砂地部分が異常に長い感じがした。
山行中、連日群馬県北部に大雨洪水警報や注意報がでていたが、楢俣川源流部には全くと言っていいほど降らなかった。
この現象がずっと続いているのかもしれない。
(後日、楢俣川ではないが利根川本流のダムの水位が低下しているとのニュースが流れた。奥利根源流部はどうやら今年は渇水しているようだ)
ダム湖左岸の法面には、以前いつもつがいの猛禽類がいたのだが今はいるかな?と探してみるといない。がっかりした空気を呼んだのか我々の近くをサーっと飛ぶものがあった。我々のお目当ての鳥さんだった。久しぶりに見られてうれしいが、一羽しかいなかったのが気になった。
山ブドウが無くなり、日陰もなく暑くて苦しい歩きをしているとイチゴ発見。
甘酸っぱさに癒された。いくつか摘んで歩きながらつまんで食べた。
イチゴの木は摘んだものが無くなると、次に出てくるようないい間隔であったので助かった。
ダム湖から林道が離れてからが長く、登り気味になるのでつらかった。
ようやくゲートに出たときは二人ともバテ気味。
湯の小屋温泉まであと頑張り。再び登山道に戻ると、やがて植林地帯の下りとなる。松葉ほどではないが、カラカラに乾いたフエルトシューズにとっては、乾いた針葉樹の落ち葉は地獄だ。
二人とも何度か尻もちを突いて降りた。途中出合ったミヤマクワガタ君が唯一の心の慰めだった。
無事湯ノ小屋温泉へ到着。
とにかく早くお風呂に入りたかったので、一番手前にある葉留日野山荘のお風呂に入らせてもらうことにした。
ここのお風呂は毎日汲み替えており14:30にならないとお湯が溜まらないとのことだったが、ちょうど時間は14:30を回ったばかりで大丈夫ですとのこと。ありがたや〜。
一番風呂、しかもまだ誰もいなかったので貸し切りで5日分の汗と汚れを流すことができた。
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尾瀬口の船着き場は大きく移動していた |
いつもの所から入渓 |
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想像以上の荒れ方に愕然 |
荒々しくなっていた |
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ちょっとしたゴルジュの入口 |
巻かずに通過できた |
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池ノ沢出合 |
ワカゴイ沢出合手前の滝 釜が埋まって小さくなっていた |
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出合のテンバは快適そうなまま |
久しぶりのクロウ沢 |
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小滝にチョックストーンが出現していた |
この辺りは暑いときは楽しい |
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豪雨のために大きく崩壊していた |
モコモコさんは泳いで突破、山人は小さく巻いて通過 |
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クロウ沢本流出合 水が濁っている |
出合はいいテンバだったが崩壊した大石に埋まっていた |
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出合手前の砂地で泊まる |
アサユウ沢にかかる滝は変わらない姿だった |
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きつい巻を終えてから出てくる小滝は左岸を小さく巻いた |
左俣に入ってから快適に登れる滝が続く |
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2段10m滝 下段は左を登り上段は左岸を巻いて越えた |
1710m付近で左沢に入った所で土砂降りとなったので雨宿り |
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小湿原に出た |
東白沢ノ池 |
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藪を少し漕いで対岸にある湿原に来た |
静かでいいところ |
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湿原傍の森の中でヤブの薄いところを探して泊まった |
もう一つ池があった |
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東白沢の池を後にして藪こぎ開始 |
カッパ池 小さいが鏡のようになっていた |
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大白沢ノ池 |
こちらの池の周りにも湿原があった |
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池からヤブコギで稜線へ上がった |
1911mピークにようやくたどり着いた |
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延々とヤブコギが続く。あの池のある湿原を目指してまだまだヤブコギ |
やっと辿り着いた上田代 |
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下田代は葦原だった |
中ノ沢右俣1650m付近で泊まった |
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背後には白沢山と平ヶ岳 |
わずかに笹をこぐと |
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小湿原 |
ぐるっと回り込むとススガ峰湿原 |
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久しぶりのススガ峰はやはり素晴らしいところだった |
この地塘は草原化が進んでいるのかな? |
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奥ススガ沢の10m滝は前回通り懸垂下降 |
本流は明るく気持ちが良い |
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楽しいへつり |
今年はススガ沢出合の薪も豊富 |
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楢俣川は荒れていない |
いつ来ても綺麗だ |
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来て良かったと思う瞬間 |
下降も楽しい |
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今日もいい天気でうれしい |
必ず撮影される滝 |
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楢俣ダムバックウオーター 水位が低いような気がする |
葉留日野山荘で入浴 |
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