朝日連峰
〜冬に逆戻り計画変更の連続、山小屋停滞山行〜 |
2013年4月27日〜5月4日 |
昨年のGWの縦走で気を良くして、今年はさらに大風呂敷を広げて7泊8日予備日2日間(合計10日)の計画を立ててみた。しかし蓋を開けてみれば、何ののことはない、山小屋停滞山行という結果に終わってしまった。7泊8日でわずかな距離しか歩けなかった。なんだか狐につままれたような山行だった。
しかし今回は長期山行について、装備、食糧、重量といった面で非常に良い経験をすることができた。プラス思考で次の機会があれば挑戦してみたいと思う。 |
アプローチ
コースタイム
4月27日(雨後吹雪))
白兎コース登山口 9:06〜標高710m10:53〜葉山山荘13:24
4月28日(吹雪午後から曇り)
葉山山荘11:40〜白兎コース登山口13:15〜タクシー2740円/長井駅13:46〜赤湯駅15:06だが15:20〜山形駅16:00くらい/16:33
〜左沢駅17:11/タクシー(12720円)17:25〜18:36除雪終了点/18:46〜日暮沢小屋20:04
※赤湯駅〜山形駅間は強風のため18分の遅れが出た。
4月29日(晴れ風強く午後曇り)
日暮沢小屋6:46〜ゴロビツ上部10:30〜清太岩山11:05〜竜門山12:53〜竜門小屋13:01/休憩13:38〜寒江山15:06〜三方境15:45〜狐穴小屋16:15
4月30日(雨風強い午後から曇り)
狐穴小屋にて停滞
5月1日(ガスあられのち一時やむ)
狐穴小屋6:40〜高松峰7:44〜サイコロ岩(勝手に命名)9:09〜二ツ石山10:45〜天狗小屋13:50
5月2日(吹雪)
天狗小屋にて停滞
5月3日(吹雪のち曇り)
天狗小屋にて停滞
5月4日(曇りのち晴れ)
天狗小屋9:13〜雨量観測所9:55〜竜ヶ池10:45〜除雪終了点13:30頃
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4月27日(雨後吹雪)
コースタイム
白兎コース登山口9:06〜標高710m10:53〜葉山山荘13:24
遠路はるばる夜行バスと電車を乗り継ぎ、タクシー(約2800円)で長井葉山の登山口まで駆けつけたのだか、出だしから雨で気が減入る。今回の山行は10日間の休みを確保しており7泊8日で予備日は2日間。ルートは長井葉山〜大朝日岳〜竜門山〜狐穴小屋〜障子ヶ岳〜赤見堂岳〜月山〜清川行人小屋〜肘折温泉といった計画だった。
葉山冒険の家という立派な建物の軒下で準備を整える。出だしから雨で荷物も重いし気も重い、しかし財布は軽かった。仕方なしに、出発することにした。進むとすぐに鳥居があり安全登山を祈願した。
標高700mぐらいから登山道に所々雪が出てくるようになった。標高1000m頃から雨が雪に変わってきた。稜線に上がると吹雪状態になり、オーバー手袋とフェイスマスクとGPSを付けて葉山山荘を目指す。ラッセルになってきたのでモコモコさんと代わる。山頂付近は平で今日のような視界のない日は分かりにくい。地図を出すのも億劫になるような吹雪で、GPS頼りで小屋を目指す。小屋のトイレはモコモコさん曰く、雪のオブジェとなっており使用不可のとのこと。
早速小屋に入る。古い小屋だが地元の有志の方々のお陰で整理整頓されており気持ちが良い。2Fに陣取ってテントを張る。水を作って落ち着く。本日の夕飯は鳥つみれ鍋と、しそわかめアルファ米。モコモコさん手作りの為、とってもおいしい。山形駅のコンビニに立ち寄った時に里心がついて日本酒初孫900mlを購入したが、夜行の疲れと雨と吹雪の中の疲れもあり酒が進まず18:00にはシュラフの住人となった。
4月28日(吹雪午後から曇り)
コースタイム
葉山山荘11:40〜白兎コース登山口13:15〜タクシー2740円/長井駅13:46〜赤湯駅15:06だが15:20〜山形駅16:00くらい/16:33
〜左沢駅17:11/タクシー(12720円)17:25〜18:36除雪終了点/18:46〜日暮沢小屋20:04
※赤湯駅〜山形駅間は強風のため18分の遅れが出た。
朝は5:00起床。雪は小雪となったが、風が強く視界は200〜300Mぐらいか?モコモコさんと今後のことを話し合う。モコモコさんは月山、清川行人小屋へ転進を主張。これでは何のための10日間なのか、朝日と月山どのように繋げるのか全く理解できない。自分はというと朝日にこだわりラインを中断したくないので話し合いは平行線をたどる。
ラジオを聞きながら、ゆっくりミルクティーやラーメンを飲んだり食べたりしながら過ごす。ラジオでは昼前から晴れと言っているが、その後があやしい。葉山山荘から大朝日岳を越えて大朝日小屋に逃げ込むには、雪が降り積もったこの状態と視界不良の中でワカンを持ってきてない我々では、朝から晩まで歩き通しても最低でもまる2日間は必要と考えた。テントも持ってきているので耐えられないことはないが、モコモコさんはそんなこと耐えられないと主張する(吹雪の中でお尻を毎度出すのは男にはわかるまいとの弁)のでおとなしくここは引き下がることにした。
でも納得できないのでシュラフに包まって、ふて寝して時間を過ごし・・・・そして決断した。
計画を白紙に戻して、日暮沢から主稜線に立ち天候のいい時に大朝日岳をピストンしたり、笹原山、以東岳ピストンという計画で落ち着くことにした。そうと決まれば話は早い。テントを畳み、パッキングをしていると、5〜6人パーティーが登ってきた。下界は晴れているということなので、トレースを頂いて早速下山することにした。途中日帰りの登山者3〜4人に会った。
下山の目途が付く手前で、登山口までタクシーを呼んだ。下山すると、丁度タクシーが到着した。乗り換えにちょうどいい時間に長井駅に到着。長井駅では車窓から桜を見るツアー客でごった返していた。珍しく2両編成で、臨時の路線案内ガイドさんの楽しいお話を聞きながら赤湯駅に到着。
赤湯駅でまたもや里心が出てしまい、駅前に唯一ある食堂に向かったが、昼時を過ぎていたので閉まっていた。仕方がないので構内にある土産店兼そばやで天玉そばを食べた。
赤湯駅〜山形駅間は強風の為、18分の遅れが生じた。山の上は相当酷いことになっているに違いない。
これから日暮沢へ向かうと夜に到着することが確実。夜中に日暮沢小屋に到着してガスを使用したりして寝ている人に迷惑をかけてはいけない。そこで小屋に着いたら後は寝るだけの状態したいので、山形駅の乗り換え時間を使って美味しいパンを買っておいて小屋に到着する前に食べることにした。
左沢駅に順調に到着し、タクシーで日暮沢小屋へ向かう。除雪の状況は分からないので行けるところまでとお願いする。根子からは、除雪したばかりのように狭い雪の回廊が伸びている。狭いし、対向車が来たら避けるスペースもないのでアウト状態の道を順調に走り除雪終了点に到着。車が5台ほど止まっていた。
ヘッデンをポケットに忍ばせて日暮沢小屋へ向かう。小屋手前辺りからヘッデンを点けて、水量豊富な日暮沢を渡渉する。なんとか濡れずに済んだ。水を汲んで小屋に入る。先客二名。2Fで既に就寝していた。小屋の外で出来ることは済ませて、3Fに上って予定通りシュラフを引っ張りだし寝ることにした。
4月29日(晴れ風強く午後曇り)
コースタイム
日暮沢小屋6:46〜ゴロビツ上部10:30〜清太岩山11:05〜竜門山12:53〜竜門小屋13:01/休憩13:38〜寒江山15:06〜三方境15:45〜狐穴小屋16:15
朝4:45分起床。
トイレへ行くときには2Fの方々も起きていたので、昨夜の遅い到着のお詫びをした。2Fの方々は若い男性2人のパーティーで、昨日は大朝日岳を目指したが烈風状態だったとのこと。さらに出発が遅かったこともあり稜線に登るのを断念したとのこと。本日は竜門山まで日帰りで足を延ばすとのこと。
綺麗な小屋で、ついつい長居してしまう。朝食は昨日の残りの美味しいパンとミルクティーとコーヒーで簡単に済ませる。水は一人あたり1リットル持った。後に失敗と判明し反省することになる。
積雪の為、なんだか初めて来たような雰囲気の中、早速尾根に取り付く。所々雪が付いていたりするが、はっきりした尾根だけあって夏道が出ていた。食料を殆ど消費していないことと、お酒を新たに仕入れてしまったので重荷にあえぎながら登っていると、すぐに小屋で一緒だった2人パーティーに抜かされた。さらに黒い大きなザックを背負った男性にあっという間に抜かされた。
尾根が広がると同時に雪の上を歩くようになった。
天気が素晴らしくよく、小鳥の鳴き声に癒された。この時期初めてこの尾根を登ったが登りやすいし、大朝日岳から古寺山方面が見えて展望がよい。大きなブナを見ながら歩くのは楽しい。暑くなってきたので、モコモコさんはTシャツ一枚で登る。
下山してくる男性に会う。竜門小屋の様子などを伺う。黒ザックの方と同じ山岳会とのこと。さらにゴロビツ沢上部からその後また赤ザックの男性が降りてきた。
ゆっくりと登ると、竜門小屋が見えてきた。清太岩山、ユーフン山の山波ががなんともカッコイイ。残雪期はやはり違った一面が見える。上部は寒いのでカッパの下も着用。このころから水が残りわずかになり心配になる。我々の場合は1人1・5リットルは用意してないと駄目だなと実感。もっと暑くなった場合は2リットルは必要かなと感じた。
竜門山の最後の登りを終えると、最初の登りで我々を抜き去った男性2人パーティーが小屋での休憩を終えて出てきたところだった。この時期限定と言える竜門山直下のトラバースルートを通って行った。
小屋には管理人の遠藤さんと先ほどの黒ザックの男性が寛いでいた。ストーブが点いており暖かい。行動食と残り少ない水を遠藤さんに悟られないようちびりちびり飲む。遠藤さんから狐穴小屋の水場は今の時点で出ていないよのこと。余りの居心地の良さと狐穴小屋水無し情報を得たモコモコさんが、ここぞとばかり「ここに泊まりたいよ〜、この団欒に混ざりたいよ〜」と騒ぎだした。モコモコさんが騒ぎだすと厄介だ。
大きな縦走の時は条件の良いときに少しでも先に進んでおかないと計画を達成できない。只でさえ、計画をバッサリ縮小したのにこれ以上小さくしたら跡かたもなくなる。残念なことにそれが現実となり、小屋でのゴロゴロ生活がメイン山行になるとは思いもよらない山モコであった。
駄々をこねて根っこが生えかかったモコモコさんを何とか説得し狐穴小屋を目指す。風があるのでフリースとフェイスマスクを装着して出発。午前中のうちに先行している安達さんとしょーこさんの後を追う。
寒江山前後の鞍部は特に風が強いところだと小屋を出る前に遠藤さんに聞いていたが、その通りで防風対策をしてきて正解だった。
幸い午後になって気温が少し高くなった(竜門小屋前の温度計で4℃だった)ので、風も少し軽くなった感じがした。
寒江山で以東岳方面からの単独の男性に会う。素敵な出会いに感謝です。
三方境は常に風が強いのか、地面が見えるところが多かった。緑化ネットが設置されており、ここを通る度に作業に携わった方々の苦労が偲ばれる。感謝して通過する。
狐穴小屋ではしょーこさんが我々を出迎えてくれた。名前を覚えていてくれてうれしい限りだ。水場に目をやると、なんと水がちょろちょろと出ているではありませんか。安達さんの尽力により水が出るようになっていた。いままで少ない水を強がってモコモコさんに分け与え、水筒は空だったので挨拶もそこそこに日本一美味しい水を堪能した。管理人の安達さんは小屋の側壁パネルの一部が吹き飛んだため修理の準備で忙しそうだが山形弁でゆっくりしてくださいというありがたいお言葉を掛けてくれた。
ジョウゴと水筒を水場にセットして、小屋に入り荷を解く。思ったより早く水が溜まり2.5リットルの水筒3本分が楽に確保できた。我々が寛いでいる間にも安達さんとしょーこさんは外で大工作業に精をだしている。
夕方まで作業が続いていたがようやく終了して安達さんしょーこさんも落ち着いた。今夜の宿泊者は我々だけらしい。
4人でお疲れ様の乾杯。お二人の28日の様子を聞いてみた。スキー板を引っ張って登っていたが、風にあおられて板がバタついて時には自分の真横に鯉のぼり状態になるほどで、途中に板をデポしてやっと竜門小屋に逃げ込んだとのことだった。その他色々なお話等を聞きながら飲んだ。つまみに我々からはお肉を提供、お二人からは焼そばを分けていただき楽しい夜は更けていった。
4月30日(雨風強い午後から曇り)
コースタイム
狐穴小屋にて停滞
いつの頃からかは憶えていないが、目が覚めると風の音が凄い。朝起きて外を覗くと視界はさほど悪くはなかった。お湯を沸かしたところで安達さんからコーヒーをごちそうになり、しばしストーブのそばでお話。
ラジオの天気予報(新潟下越)では午後には一旦回復するとのことだ。外は風雪が強くなったようだ再び小屋の様子を見てみると、一気にガスったようで全く視界がなくなっていた。取りあえず停滞。朝食を食べ終わり、毛布やシュラフに包まって現在9:47。相変わらず風雨強い。
この小屋で風が強いときは、稜線は風が大変なことになっているとの安達さんの弁。午後になると、天気予報通りガスが取れてきた。出来れば、このチャンスをいかして先に進みたいところだが、モコモコさんと共にすっかり寛ぎモードに入っていたのでそのまま宿泊延長を決定した。午後からは、食料計画を見直し予備日を含めた日程のメニュー作りを行った。
14:30過ぎ頃だろうか化穴山を目指した西川山岳会の3人パーティーからの無線が飛び込んできた。視界は良くなってきたが、雪がぬかって中々大変らしい。
狐穴小屋を目指して行きますとのことだ。
安達さんに携帯電話が繋がる場所を教えてもらったので、天候が回復したときに散歩がてら行ってみた。繋がったのはいいが、画面が見えづらい。写真で記録しようとあれこれやってみたが、風が強いこともあって上手く撮れないので諦めた。
そうこうしているうちに
西川山岳会3人パーティーが到着。昨日は以東小屋に泊まったとのことだが、2Fの窓枠外壁ともどもぶっ飛んで2Fは雪が入って使えず1Fに泊まったとのこと。また、風が始終吹きぬけるので外気温と同じで寒く、更に壊れた部分の外壁が強風でバタつき殆ど眠れなかったとのこと。写真を見せてもらったが、過激な表現をすれば、ミサイルで攻撃されてぶっ飛んだような感じだった。
宿泊者が増えてにぎやかになって小屋内の温度も上昇してとても快適な中、貴重なお話を聞きながら今夜も更けていった。
5月1日(ガスあられのち一時やむ)
コースタイム
狐穴小屋6:40〜高松峰7:44〜サイコロ岩(勝手に命名)9:09〜二ツ石山10:45〜天狗小屋13:50
細かいあられが降っている。ガスっていて視界が悪い。風はさほど強くないが気温は低い。朝食のもち入りラーメンを食べる。
モコモコさんは風が強いし視界が悪いから二ツ石尾根は怖いと騒いでいて、あまりに居心地のいい狐穴小屋での停滞を希望していた。
確かに二ツ石尾根はヤセ尾根が続くので、強風や突風で飛ばされたら一気に谷底まで転落する恐れがある。
安達さんに二ツ石尾根の風のことを尋ねてみると、二ツ石尾根が風で荒れるのは年に2〜3回くらい。そのようなときは稜線なんか歩けたものではないとのことだった。西川山岳会の方は我々の行く先よりもずっと強い風の主稜線を歩くのだから、我々も頑張ろうということでモコモコさんも決心したようだ。
西川山岳会の方々が竜門小屋へと出発したのを見届けてから我々も出発の準備にかかった。
なんだかこの日は落ち着かず、いつもはこのように天候悪いときは小屋の中でモコモコさんの音頭で体操するのだが、それもせず玄関でアイゼンを履く。私のアイゼンは今回ちょっとした工夫を施しており上手くいけばスムーズに履けるといった寸法になっていた。しかし、思い通りにいかず終いには指を2か所切ってしまった。
何食わぬ顔で手袋をはめ、風雪の中出発を見守ってくれているお二人に気付かれないように体裁を整えた。寒い中、外でモコモコさんの音頭で体操をする。体操にも身が入らず出発。あられが顔にバシバシ当たり痛痒いのでフェイスガードを装着。
昨日は小屋からあれほど近く見えていた道標が全く見えずガスの中とりあえず登る。なんだか怪しくなってきたのでGPSを使って何度か確認作業をして、尾根に上がることができた。道標を発見し一安心して、何気なく雪に覆われた登山道を進む。GPSをふと覗くと小屋に戻っている。これは小屋に続く登山道ということで先ほどの道標まで戻ることにする。たった今、道標から少しだけ降りてきたはずなのに自分たちのアイゼンの跡を見つけられず少し迷う。
ようやく道標まで戻り、道標に付いている雪の塊を落としルートを確認。良く周りを見渡すとしっかりと二ツ石尾根の道が続いていた。高松峰まで1時間ほど費やしてしまった。その後はヤセ尾根となるのでルートははっきりする。
ヤセ尾根に突入する前に一度ザックを降ろして休憩した。再び寒気が戻ってきたらしくザックには薄く氷の膜が出来ていた。
視界が悪い中雪面をトラバースしたりバックステップで降りたりすることもあったが、全体的に雪付きが良かったので、雪の亀裂を踏み抜いたりすることもあるが、順調に歩みを進める。
オバラメキ、コバラメキに入ってここも順調に下りて行くといよいよヤセ尾根も終盤となってくる。ここはサイコロのような岩があるのが特徴だ。サイコロ岩(勝手に命名)の手前は木の根と地面と岩が混ざった短いながら一段と細い尾根となっていた。見附川側はバッサリと谷底まで切れ落ちている。出谷川側は崩れ落ちた雪屁が5m程崩れて斜面にこんもりと残っていた。
見附川側に落ちたらかなり危険な感じがしたので一声掛けて注意を促そうかと思ったが、距離も短いのでそのままサイコロ岩まで先に歩いた。モコモコさんが来るのを見守っていた。モコモコさんは、なんと足を木の根に引っかけてバランスを崩し出谷川側へ転倒。灌木を瞬時に掴み滑落はまぬかれた。なかなかモコモコさんが起き上がらないので下から回り込んでザックのチェストベルトとウエストベルトを外してあげた。不幸中の幸いとはこのことか。重いザックを背負って斜面を転がったら、自分の力ではどうにもできずゴロゴロと転がり下の雪屁の塊にぶつかっていただろう。見附川側に落ちたらと思うとぞっとする。今朝からの違和感はここに通じていたのかもしれない。
モコモコさんも見附川側へ落ちたらやばいという心理が働き、体制を直す際に左ひざを捻ってしまったらしく痛そうだ。しばらく休んで様子を見る。重い荷物を出してもらい代わりに背負う。なんとか歩けるということなので天狗小屋まで頑張ってもらうしかない。
懸念していたサイコロ石の下降は雪がほとんど繋がっており、少し切れているところは上手い具合にヤブがあって手掛かりにできたのであっけなく通過できた。
しばらく尾根は痩せているが、これまでより転滑落の危険がぐんと減ったので少し気が楽になった。
これまでとがらりと変わってヤセ尾根で急斜面の登下降がなくなるので、二ツ石山手前の鞍部にある標識の所でピッケルからストックに持ち替えた。
二ツ石山で狐穴小屋の安達さんと交信。二ツ石山を降りた辺りで一時的だが視界が良くなったので少し元気が出た。
湯沢峰とその先の所ピークで方向をがくんと変えるとウツノシマ峰が目前に迫ってくる。
湯沢峰、ウツノシマ峰の間は例年カタクリが咲いており、暖かい年だと足の踏み場もない程のカタクリの花道となっているところだが、今年は春が遅いので花どころか地面も見えていない状態だ。多少地面が見えている所でもこれからショウジョウバカマが花を咲かせる準備をしているところだった。
ウツノシマ峰は見た目なだらかなドーム状のピークに見えるが、実際は大きな亀裂が走っており(例によって最近の降雪により亀裂は一切見えない)モコモコさんは腰近くまで亀裂にはまった。
ウツノシマ峰との鞍部を越えると最後のきつい登り。モコモコさんも頑張ってついてくる。稜線に上がると、ガスの中から天狗小屋が姿を現した。管理人さんは西川山岳会の石川さん。2010年秋に狐穴小屋で同宿したことがあるが、直接お話しするのは初めてだ。
しかしながら、西川山岳会のHPをGW前になると特に食い入るように見ながらイメージを膨らませモチベーションUPと例年の傾向を勉強。その中で石川さんも度々登場するので、こちらとしては初めてお話しするようには感じなかった。
平日でこの天候ではさすがに訪問者はない。今日は貸し切りということで、2Fを広々と使わせていただいた。荷物整理が終わったところで、1Fで一緒に飲むことになった。膝が痛いモコモコさんの為に石川さんが親切にキンカンを持ってきてくれた。モコモコさんはキンカンかへ〜、別にいいやという感じだ。キンカン=虫さされのイメージ。使わなくていいやということになった。しかし、石川さんが効能をよく読んでみると捻挫の2文字。手のひらを返したように取って代わってキンカン塗りがモコモコさんの停滞中の日課となった。
下りてきた興奮と石川さんのお話が面白おかしいので盛り上がった夜になった。そんな感じで今宵も更けていった。
5月2日(吹雪)
コースタイム
天狗小屋にて停滞
昨日から寒いのだが、朝起きてみると吹雪となっていた。起床と同時に停滞決定。
6時前に1Fに降りてお湯を分けていただき、コーヒーやミルクティーを飲みながら定時交信を聞く。狐穴、竜門小屋も吹雪で風が強く酷い状況らしい。なんと狐穴小屋はドア前の除雪までする必要があったとのこと。天候も悪いし、モコモコさんの膝は良くもなく悪くもなく現状のまま。
もう無理をする必要はないと判断。きっぱりと月山は諦め天気の良い日に大井沢に下山しようということになった。
そうと決まれば、石川さんとたわいもないお話をしながら楽しく過ごし親睦を深めるのでした。昨日よりも悪い天候でやはり訪問者は0。今晩も宿泊者は我々のみの貸し切り。
5月3日(吹雪のち曇り)
コースタイム
天狗小屋にて停滞
今日も朝から細かい雪が降っている。冬山という表現のほうが合っているような気がする。今日から暦は4連休となっており、ひっそりとしていた天狗小屋にも活気がやってくる兆しがある。西川山岳会の皆さんが、管理人の石川さんの慰門登山に登ってくるとのこと。また今日は午後から天候も回復傾向になるということで他の登山者も上ってくるだろう。
今日中の下山は十分可能だが、大井沢に下山するのだから、せめて天気の良い日に大井沢〜天狗小屋間のルートの確認と、最後に朝日連峰の山々を目に焼き付けて下山したい気持ちがあった。また、モコモコさんの足の具合も気になるので、皆さんのトレースを当てにして本日も停滞することにした。
13:00過ぎ頃だろうか、無線が入り西川山岳会をはじめ10名程の方がこちらに向けて登っているとのこと。いままで3人でのほほんとしていたのが、急になんだか落ち着かなくなる。水を作ったりしていると先発隊が到着。一気に賑やかになった。最後に福島の相馬からの登山者が到着。お話を伺うと、岳友のさんまりちゃんのお知り合いの相馬の天狗オタクさんということでした。
西川山岳会の皆さんのザックからは夢のような品々が飛び出してきて、天狗オタクさんからもありがたい差し入れがあり、これまた素敵な時間を過ごすことが出来ました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
5月4日(曇りのち晴れ)
コースタイム
天狗小屋9:13〜雨量観測所9:55〜竜ヶ池10:45〜除雪終了点13:30頃
皆さん昨夜の飲み疲れか6:00過ぎの起床。ミルクティーを飲んで、ゆっくりともちとソーセージ入りラーメンを作って食べる。
天狗オタクさんが、大変ありがたいことに最寄りの駅まで送っていってくださるという。お言葉に甘えて、一緒に下山する。天候も回復し終り良ければ全て良しとはこのことか。無積雪期との違いや、熊狩りのポイント、地形のレクチャーを受けながら楽しく下ることが出来た。下山後は、大井沢のゆったり館で汗を流した。おいしい豆腐屋さんを紹介していただき、さらに山形駅まで送っていただき感謝の気持ちでいっぱいです。お世話になりました。ありがとうございます。
結果的に予備日が余ったので、どこかで泊まっていこうかと言う話も出たが、モコモコさんから連休だから宿はとれない+このままの勢いで帰った方が足も楽ということで一気に帰ることにした。時刻表を確認すると、天狗オタクさんに山形駅まで送っていただいたお陰で各駅停車で帰れることが分かった。
今日はどの電車も遅れることなく乗り換えも順調に行って予定通り帰宅できた。
山と関係ないようであるような
どうでもいい話。
山へ出かけるときは、所謂ローカル線に乗る機会が非常に多く、また連休になっていることが多い。
車内は鉄っちゃんパラダイスでした。我々も乗り物、特に鉄道が好きな方ですが、やはり筋金入りは格?が違っており、色々と人間観察ができて退屈しませんでした。
※登山メモ※
出発時ザックの重さ 山人 28キロ(ポカリ1リットル含む)、 モコモコさん 23キロ(水1リットル含む)
写真撮影枚数約456枚
・テント(ICI ゴアライトX2〜3人用とフライ)
・ガスヘッド(プリムス エクスプレススパイダー)
・ボンべ イワタニパワーガス500T×3本
250T×1本
・さらにモコモコさんが予備で250T1本と、コッフェル小、ガスヘッドを持った
(使用したのは500T1本。残りガス70gでした。雪から水を作ったのは4月28日と5月3日。4月29、30日は狐穴小屋の水使用。)
・フライパン(プリムス・ライテックフライパン)286gが料理の幅を広げ役に立った。アルファ米と手作り肉みそでチャーハンを作った。
スワミベルト、スリング、カラビナ数個、8mm×30M(未使用、重かった再考)
ストック各自2本(非常に役に立った。重い荷物でもバランスをとって歩くことが出来た。荷重を分散しているような気がする)
今年のような気象条件で、未知のルートに挑戦するのであればワカンがあれば心強かった思う。来シーズンの課題。
〜食料計画メモ、2人分10日間〜
無洗米3合、アルファ米2食分×3、アルファ米1食分×10、ナン×2、キーマカレー、ラーメン2食×4、もち×8個、パスタ300g、サラスパ1袋、パスタソース2袋、手作り肉みそ250g×3、カレールー4皿分、シチュー4皿分、焼肉400g、ソーセージ7本、ベーコン、ハムステーキ等
(アルファ米1食×8個余る)
〜行動食〜
山人 一袋110グラム(たけのこの里きのこの山、亀田のおつまみ、カキピー、チョコ、キットカット等)×10袋は結果として7泊8日で、4袋余った。
また、ヤマザキ 薄皮粒あんぱん一袋5個入り×4を持参。最終的に6個余った。
停滞中は各種粉末の緑茶、ミルクィー、コーヒーを飲んだ。ゴミも出ず飽きずに飲めたので良かった。また、味噌汁、スープ等は2人で2袋持っていったが、二人で1袋でもいいなと感じた。ポカリ粉末3つ。寒くて1袋のみ使用。
山人 日本酒900ml、ウイスキー900ml 、モコモコさん ラム酒(レモンハート115 75度)持ち過ぎ再考。
GPS、無線器、ラジオ、スマホポータブルバッテリー。
医薬品として湿布は必要か?再考
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4月27日 東屋があって助かった |
葉山冒険の家 |
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鳥居をくぐって出発 |
登りやすい道 |
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雨降りで気が滅入る |
雨が雪に変わった |
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吹雪の中、葉山山荘に到着 |
寒いのでテントを張った |
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4月28日 葉山下山。やっと天候が回復してきた |
長井駅は大賑わいだった |
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4月29日 日暮沢小屋 |
最初は暑いくらいだった |
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上手い具合に夏道が出ていた |
尾根が広がると雪上を登るようになった |
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展望が期待できそうだ |
やっと青空の下で登れた |
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気持ちが良い所 |
ゴロビツ沢源頭の雪庇 |
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飛行機雲 |
トラバース気味に登り雪庇をかわす |
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雪庇を乗り越すと一気に視界が広がった |
まだ先は長い |
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清太岩山へ登る |
清太岩山へは見た目よりも長く感じた |
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主稜線もばっちり見える |
風が強い |
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風が強いが眺めは最高 |
ユウフン辺りはヤセ尾根注意 |
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風で雪が吹き飛ばされていた所 |
竜門小屋を目指して下る |
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風吹き抜ける中、竜門小屋へ到着 |
後ろ髪を引かれながら狐穴小屋へ向かう |
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南寒江山鞍部は強風地帯 |
眺めが良いので頑張れる |
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竜門小屋方面の見納め |
寒江山を越えた |
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寒江山から相模尾根がきれいに見えた |
早くも悪天候の兆し |
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格好いいよ相模尾根 |
北寒江山でもパチリ |
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三方境を一気に下る |
狐穴小屋が見えた |
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壁の修理をしていた |
4月30日 停滞した日の午後、少し天候回復 |
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以東岳方面 |
明日行く予定の二ツ石尾根もはっきり見えた |
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5月1日 ヤセ尾根の下降の始まり |
二ツ石尾根の高松峰の下り 踏みぬき注意 |
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ここは夏道でも左(狐穴から見て)を巻く所 |
慎重にトラバース下降(巻いています) |
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慎重にバックステップで下る |
主稜線の陰なのに積雪豊富 |
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豊富な積雪でまろやかな尾根に見える |
ここをやり過ごせば(サイコロ岩と命名)ヤセ尾根から解放される |
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その直前でモコモコさん転倒して足を痛める |
懸念のサイコロ石からの下降 |
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問題なくクリア、ここまでくればもうすぐ二ツ石山鞍部だ |
モコモコさんも無事通過 |
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転滑落の危険は減ったが、踏み抜くことが多いのは変わらず |
なんとか通過 |
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二ツ石山鞍部からは尾根幅が広がるのが見える |
二ツ石山鞍部の標識 |
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二ツ石山を振り返る、一時的に視界がよくなった |
最近の降雪により亀裂が隠れているのでこれまで以上に気を付けて行く |
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ようやく今日の目的地が見えてきた |
やはり踏み抜きが多い モコモコさんは踏み抜き脱出中 |
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鞍部まで下って最後の一登り |
鞍部から振り返る 例年だとカタクリが咲いているが今年は地面も見えない |
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5月2日 12:27 天狗小屋 停滞日 外は吹雪 |
5月4日 天狗オタクさん先頭に出発 まずは粟畑目指して |
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3日間もお世話に張った天狗小屋 |
障子ケ岳 |
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エズラ峰 |
雨量観測所 |
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主稜線はまだ雲の中 |
視界が無いと怖い所だ |
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竜ケ岳 上部にはなんだかおどろおどろしい雲 |
積雪期には下降の重要なポイントとなるブナ林 |
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竜ノ池付近は素敵なブナ林 |
竜ノ池の窪み |
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まだブロックが落ち切っていないので間を開けて通過 |
ブロックが落ちてこないよう祈りながら見守る |
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下りは早い |
下もまだ芽吹き始めたばかり |
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