山域 |
谷川連峰 |
コース |
平元新道〜平標山〜国境稜線縦走〜谷川岳〜馬蹄形縦走〜土合 |
〜モコモコが行く久々の谷川連峰〜 |
日程 |
2014年5月30日〜6月1日 |
前回の南会津の山行で体力も戻ってきているような感覚がつかめた。
そこで今回は、体力強化・ボッカ訓練として近くて良き山、谷川連峰へと出かけた。
折角なので、国境縦走と馬蹄形縦走をつないでしまうことにした。
結果からいえば、やはり谷川は良い山だった。確かに良い山だったが、ここ2〜3日のいきなりの猛暑で、前回の真冬の山からいきなり真夏の山に放り出された状態となり、暑さにやられた方が心に残ってしまった。
通常であれば、花にはまだ早いが縦走には一番いい時期かもしれないと思った。
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データ |
アプローチ
東京駅6:08-越後湯沢駅7:24/8:20-平標登山口8:55
コースタイム
5月30日(晴れ)
平標登山口9:20〜登山口10:23〜山の家12:02/12:33〜平標山13:34〜仙ノ倉山14:36〜エビス大黒ノ頭15:59〜毛渡乗越16:59〜越路避難小屋17:28(泊@)
5月31日(晴れ)
越路避難小屋4:12〜万太郎山5:09〜大障子ノ頭6:13〜大障子避難小屋6:33〜オジカ沢ノ頭8:18〜肩の小屋9:45〜一ノ倉岳11:46〜茂倉岳12:08〜武能岳14:08〜蓬峠15:00/15:30〜七ツ小屋山16:43〜清水峠17:35
6月1日(晴れ)
清水峠4:20〜JP6:50〜朝日岳7:38〜笠ヶ岳9:14〜白毛門10:45〜土合橋13:50
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5月30日(晴れ夜一時雷雨)
コースタイム
例年だと、この頃飯豊か朝日の縦走を楽しむことにしているが、休暇の関係と気念の体力不足のために近くて良き山、谷川連峰で体力強化を図りボッカ訓練を実施することにした。
谷川連峰は水場が少なく、あっても稜線から遠く、小さなアップダウンが延々と続くので緯度と標高を考えると盛夏に行うのは結構つらい。しかし、梅雨入り前のこの時期ならば、水に関しては最悪残雪を使うことができ、暑さも厳しくない(今回は厳しかった)。何よりも、この山の代名詞「急激な天候悪化」も穏やかであるはずなので日の長さを有効に使える利点がある。
コースは、国境稜線縦走と馬蹄形縦走のどちらにするか迷ったが、折角なのでつないでしまうことにした。帰りの交通の便を考えて、出発は平標山からにした。
朝一番の電車に乗るため駅に向かったが、早朝から蒸し暑くて重荷を担いで歩くと半袖でも暑いくらいだ。
越後湯沢駅に順調に到着。バスの待ち時間が結構あるので、早朝で人気がない隅のベンチでこっそり横になって過ごした。
バスに乗り込んだのは、我々を含め5人で登山客は我々の他1組(2名)だった。
平標登山口のバス停で1名を残して下車。
支度をしてると、一緒に降りた2人組から声をかけられ登山口について尋ねられた。
お話をしてみると、何と韓国からわざわざ登りに来たという韓国人旅行者だった。なんでも韓国には2000mを超える山がないので、東京から日帰りで2000mの山に登ることができるためここを選んだとのことだ。
登る山は一緒でも、我々とはコースが違うので登山口を説明して別れた。
平標山の家を経由する平元新道は、最初1時間強の林道歩きだ。
最初は別荘地の中の樹林の道。別荘はまだシーズン前(逆にシーズン後か?)なのでひっそりとしていた。
林道は手入れがよすぎるのか、下草や路肩の灌木がきれいに刈り払いされていて日影が少なく、強烈な日差しにじりじり焼かれて入山前から汗が滴り落ちてきた。
ゲートのところに水場があって、すぐさま飛びついた。
ここの水場は、冷たくておいしい水で生き返った。
この辺りになると、林道も樹林帯になって日影となるので登りであるが、楽になった。
しばらく歩くと後ろから車が来た。ゲートがあったのではずなので、モコモコさんに「ゲートをどうやって開けてきたのかな?」と話しかけると、「多分、山の家の管理人さんで鍵を持ってるのじゃないかな?」と返ってきた。
林道だけで標高差200mも稼げるのは楽だがさすがに飽きてきた。
林道が何度かカーブを描き、傾斜が強くなると小沢を横切った。
そのすぐ先が登山口だ。
登山口にも水場はあるが、先ほどの沢の方が量があって水も汲みやすいので荷物を置いて沢へと水を汲みに行った。
尚、登山口の水場は少し登山道を登った所から湧き出していたので、水を汲むならここの方がいいが、コップか何かが必要だろう。
蝉の鳴き声がにぎやかな森の中の登山道をゆっくり登っていく。登りで暑いが、日影なので林道の歩き始めより楽に感じた。
しばらく登っていくと後ろから背負子を背負った方が現れた。
どこへ縦走するのか聞かれ、今回のコース取りを話した。モコモコさんがその後すかさず管理人さんであることを確認し、水場のことを質問していた。
以前、3月に既に山の家の水場で水をとることができたことがあったので、今回は確実に水をとれるだろうとは思っていたが、やはり管理人さんから確実な情報が得られるのは安心感が違った。
管理人さんの方が当然歩くのが早いので、この後、ドカドカ音を立てて登る我々の先を管理人さんは足音も立てずにどんどん登っていき、すぐに姿が見えなくなってしまった。
のろい歩みながらも標高1200m付近まで高度を上げた。この標高まで来ると、樹林がない場所が出てきたり樹林があってもまだ葉が開いていないものも増えてきて、日が当たるようになってきた。途端に暑さに苦しむようになる。風が通る所を見つけては何度も立ち止まって息を整えながら登った。ふと前を見ると管理人さんが下りてくる。どうしたんだろうと思ったら、下に稚児ユリが咲いていたので、撮影に行くとのことだった。
モコモコさんは、この花何だろうと思ったらしいが自分は全く気にも留めていなかった。
ここで我々が先行することになった。
いきなり暑くなったとはいえ、これほどまでに弱くなっていることに先行き不安になるが、なんとか山の家に到着。
山の家には冷たい水が出ており、さっそく口に含む。
冷たくておいしい。
日差しは強いが、風が吹いていて動かなければ最高に気持ちがいい。
テーブルとベンチがあったので、お昼ごはんを食べることにした。そうこうしているうちに間に管理人さんも到着。
しばらくすると管理人さんが我々のそばに来て、「雷が鳴ったらすぐに近くの避難小屋に逃げ込め、小屋が遠かったら空身でヤブの中に潜りこんでうずくまってるように」とアドバイスをしてくれた。
今日も蒸し暑いので、確かに雷雨の危険がありそうだ。
居心地が良くて30分も居座ってしまったが、今晩の生活分と明日の行動分の水の分ずしりと重くなったザックを担ぎなおして山頂へと向けて出発。
山頂へは長々と続く階段だ。途中2か所雪に覆われていたが、問題なく通過できた。
まったく日影がないが、標高が上がったのと風が少し強くなったのでさほど汗をかかずに登れた。
山頂に着くと、バス停で出会った登山者2人組にも再会できた。これから山の家経由で下山されるとのことだ。お気をつけて〜。
我々は90度方向を変えて仙ノ倉山へと歩を進める。
風で飛ばされてしまい冬でも雪が積もらないこの辺りは、今の時期でも風が通り抜けて涼しいを通り越して寒いくらいだ。
平標山-仙ノ倉山間はお花畑となるようだが、花にはまだまだ早く殺風景だ。全く人気のなくなった中、今でも健気にポツンと立っているマツダランプの道標(以降この道標のことを“マツダランプ”とする)にはなんとなく励まされる。よく見てみると、定期的に塗装し直しているようで、東芝ランプになっていた。マツダランプによると、ここから肩の小屋まで10500mとあった。結構遠いな。
涼しくなったとはいえ、仙ノ倉山まで一息では行けず、途中風が避けられるところで一度休憩を入れた。
この時点ですでに14:30仙ノ倉山まであと30分はかかりそうだ。そこから今晩宿泊予定地の越路避難小屋まで2時間30分はかかる。モコモコさんから「今日はもうエビスの小屋でいいんじゃない?」と提案された。「いいけど、そうすると明日かなり早く出発しないといけなくなるよ。」と返すと、まだ先に行く気力は残っているらしく「とにかくその場(エビスの小屋)についてから考える」とのことだ。
仙ノ倉山まで小さなピークを越えなければならないが、傾斜が緩いのであまり大変ではない。どちらかと言えば、山頂直下の階段の方が大変だった。
山頂には立派な導標と山岳展望の円盤が設置されていた。
そして眼前には、毛渡乗越へ下降する前に越えておかなければならないエビス大黒の頭が格好よく聳えていた。もっとゆっくりしたいが時間も時間なので早速下りにかかった。
エビス大黒避難小屋は鞍部よりもかなり手前にあったので、予定より遅れているが、思ったよりも早く着くことができた。
前々から気になっていたこの小屋。以前はドラム缶型で、扉ではなく蓋といった感じでパカッと鉄板を上に上げるだけの簡素なものだった。
いつだったかは忘れたが、「エビスの小屋建て替えのため使用不可」のお知らせの張り紙があり、どれどれと見て「
工事期間一日」にモコモコさんと二人大笑いしたことがあった。その小屋を実際目にしたのは感慨深いものがある。
中は意外と快適そうだが、少し床が斜め。
外で作戦会議の結果、越路避難小屋まで頑張ろうということになった。
これから登らないといけないのに鞍部まで標高を下げさせられ、極短い岩場を登って手前の岩峰となっている小さなピークを越えたところで雨が降ってきた。
モコモコさんが、岩が濡れる前に戻った方がいいと言い始めた。すぐ止む天気雨だと先へ行くよう促すが、躊躇して挙句に「携帯で天気予報を見てみる」と言いだした。納得してもらわないと先へ進むことも出来ないので好きにさせたところ、どうやら付近に活発な雨雲もなく雷なども起きていない様子。ようやく先へ進む決心をしてくれたようだ。エビス大黒の頭への登りよりもモコモコさんという壁の方が高かった。
疲れと重荷でつらい登りだったが、見晴らしがいいのでなんだか楽しかった。
ここまでくれば今日の宿泊予定地の小屋が見えるはずなのだが、あれかな?と思うようなものは乗越よりかなり高いところにあるので違うような気もした(実際は正しかった)。
毛渡乗越への下りは、ひたすら忍耐の下りだった。
今回、避難小屋が満員だった場合を考慮してテントまで持ってきているので、水の重量と合わせて肩にくいこんでくる。
痩せ尾根であるが、人気ルートだけあって道はしっかりしていたのが救いだ。
何箇所か岩場はあるが、手がかりはきちんとありヤブをつかむこともできるので問題なく下ることができた。モコモコさんによれば、ここよりも白毛門の下りの方が怖いとのことだ。
下るだけだが、兎に角急な下り一辺倒なのできつい。
これの少し先で下り終わるかと思うと、まだ先にがくんと下っているのが見えてその度にげんなりした。更に余計な小ピークがあったりしたので尚更だ。
ふと群馬県側をみると、斜面に道が見えた。川古温泉からの登山道だ。これが見えたということは毛渡乗越は間もなくのはず。乗越から小屋まで10分とあるのでもうすぐで今日の行動も終了だ。
お互い励ましあいながら、無事毛渡乗越に到着。
乗越といっても新潟県側には登山道はなく、細い尾根にただ登山道が上がってきているだけなので、道標がなければなんともさみしいところだった。
ここから小屋まで地図を見ると10分だが、10分という近さの割には目的の小屋が全く見えない。
目の前に見える傾斜が緩んだようなところまで登ればいいのかな?
10分登った。小屋は見えない。重荷だし疲れているからやはり10分では着かないか。15分登った。まだ着かない。なんなんだー。数歩登っては立ち止まる遅いペースがますます遅くなった。結果30分登ったところで小屋の頭がヒョコっと現れた。後で地図を見てみると標高差150m近くあった。下りならともかく我々の脚力では10分で着かないわけだ。
何はともあれ、無事辿り着いたことに感謝だ。
群馬県側にはすぐに下りられる雪堤があったので、水を作ることもできそうだ。
小屋内を覗くとエビス大黒避難小屋より広いこともあり、2人なら快適に泊まれそうだ。
水を担いできたので、すぐに夕食に取り掛かることができた。
天気がよかったので、金属製の小屋内は暖かく18:30頃まで扉を開けて過ごした。
日の長いこの時期も19:00過ぎるとさすがに暗くなり、暑さと重荷で疲労していたのですぐにシュラフに包まった。
心地よく寝ていると、0:00頃何度かフラッシュをたかれた感じがして雷が鳴り始め雨も降り始めたようだ。
雨はそうたいした降りではなさそうだが、金属製なのでにぎやかだ。雷も結構近いようで、何度か小屋が震えるような感じがした。
この騒動は1時間ほど続いた。小屋のありがたさを実感した夜だった。
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ゲートの水場。すごい勢い |
管理人さんの背負子 |
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きれいな平標山の家に到着 |
ビールも売っているらしい |
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山の家の冷たい水(缶チューハイの持ち主曰くあっという間に冷えた) |
布団干し中の山の家と平標山 |
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仙ノ倉山 |
平標山から山の家を見下ろす |
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平標山から仙ノ倉山へ向かう |
咲き始めたのもあった |
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お花畑の時期にはまだ早い |
殺風景な感じだ |
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ここは「東芝ランプ」だった 肩ノ小屋まで10500mらしい |
山頂が見えた |
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山頂で行く方向の山座同定をする |
霞がかかっているのが残念 |
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毛渡乗越まで大きく下る(その前にあのピークを越える) |
仙ノ倉北尾根 中間部を左手に見ながら下る |
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エビス大黒避難小屋が見えた |
下りはあっという間だ |
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エビス大黒避難小屋と仙ノ倉山 |
エビス大黒ノ頭への登り返しから仙ノ倉山 |
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エビス大黒ノ頭手前の岩峰 |
岩峰を越える |
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エビス大黒ノ頭まであともう少し |
融雪水がおいしそうだが、その下は絶壁 |
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仙ノ倉山が大きい |
万太郎山との最低鞍部、毛渡乗越へと下る |
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下っていくと・・・ |
マツダランプによると肩の小屋に8000mまで近づいたらしい |
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群馬県側を見下ろす |
下ってもまだまだ毛渡乗越は見えない |
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エビス大黒の頭 |
群馬県側は切り立っている |
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下ってもまだ毛渡乗越は見えない |
目前の小ピークを越えないと乗越に着かない |
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エビス大黒ノ頭がかなり高くなった |
やっと毛渡乗越(陰で見えない)への最後の下降だ |
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数少ない花に癒される |
だいぶ日が傾いてきた |
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毛渡乗越だ 登山道が上がってきているのが見える |
シャクナゲと東俣ノ頭 |
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毛渡乗越 |
川古温泉からの登山道 きれいに刈り払いされている |
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シラネアオイに癒されながら |
今日最後の登りを頑張る |
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ようやく今晩の宿、越路避難小屋に到着 |
群馬県側に残雪あり |
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東俣ノ頭が近い |
外見と違い快適だった |
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東俣ノ頭 |
東俣ノ頭から更に東へ続く尾根 |
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小屋からは仙ノ倉山の展望がいい |
仙ノ倉北尾根も良く見えた |
5月30日(晴れ)
コースタイム:越路避難小屋4:12〜万太郎山5:09〜大障子ノ頭6:13〜大障子避難小屋6:33〜オジカ沢ノ頭8:18〜肩の小屋9:45〜一ノ倉岳11:46〜茂倉岳12:08〜武能岳14:08〜蓬峠15:00/15:30〜七ツ小屋山16:43〜清水峠17:35
にぎやかだった雷雨も1:00頃に治まったので、起床予定の2:30まで一眠りできた。
今日は蓬峠、できれば清水峠までコースタイムで10.時間30分、暑さを考慮した上にモコモコ係数を掛けると最低12時間はかかるはずなので、ヘッドランプを使わずに歩ける4:00には出発したい。
もう少し寝ていたいが、気合で起きた。
寒くないと撤収もテキパキできる。ほぼ予定通りに行動開始。
昨日は早く小屋に着きたい一心で、こんなに登らなくていいよと文句を言ったが、万太郎山までの登りを考えると昨日のうちに結構登っておいてよかったに気持ちが変わっていた。
目の前に聳える東俣ノ頭は山頂を巻くように道が付いているので助かる。
東俣ノ頭を巻くと、稜線は北上するように方向が変わるので、これまでは涼しくて助かった早朝の冷たい西風が、始終強く体に当たるようになり寒くなった。
群馬県側の雪が消えて間もないような裸近化した斜面に逃げて一枚羽織った。
万太郎山手前のピークは痩せ尾根だが、ヤブと灌木が両脇にしっかり生えているので高度感なく歩けた。このヤブがなければ風が強い時などは怖そうだ。
最近人気の赤谷側源流部から万太郎谷へとつないだスキールートや数年前行った4月の赤谷川横断のルートを確認しながら山頂を目指した。、
万太郎山頂では、天気が良く展望が効くので山座同定を楽しんだ。
万太郎山まで来ると、これまで見えなかった大障子の頭がデーンと目に入り、次のステージへと入ったことがわかる。
山頂から赤谷川へわずかに踏み跡があった。もしかして、スキーで来る人が増えて跡ができてきたのかな?
万太郎山へ直接登る吾策新道と縦走路との分岐は、山頂から少し進んだところにある。この辺りで4月のルートがはっきり見えるようになった。懐かしい。気象条件はいいとは言えなかった中でも楽しかったいいルートだった。
行き先を見ると、これから越える大障子ノ頭に人がいるのが見えた。
万太郎山から一下りしたところで休憩。
風が少し寒いが、この縦走路の中では珍しく尾根が広がりいい所だ。
鞍部手前で大障子ノ頭に見えた5人パーティーとすれ違った。昨晩は大障子の避難小屋に泊まったそうだ。
昨晩の雷雨のことを尋ねると、距離が近いこともあって同じ頃にあったそうだ。
今日は土曜日なので、誰かには会うだろうと思ったがもっと谷川岳に近いところだと予想していたので意外だった。
あちらはこれから我々が登る大障子ノ頭よりも高い万太郎山へ登るのだと考えると、こちらも頑張ろうと励まされた。
大障子ノ頭は、谷川岳側から見ると穏やかな山容だが、万太郎山から来ると意外に険しく、簡単だが数ケ所岩場がある。
大障子ノ頭から避難小屋まで、赤谷側源流部を眺めながらまた4月に辿った尾根を見ながら進んだ。大障子避難小屋は小さなピークを越してぐんと下った所にあり、大障子ノ頭からは結構距離がある。
前回この小屋を覗いたときは、雪が吹きこんでいて使えない状態だったが、今は全く問題なく使えるようになっていた。誰かが除雪したりしているのだろうか?いずれにしてもこの縦走路中一番大きい避難小屋なので、どうか小屋には頑張ってもらいたいものだ。
ここまでくると、何回か歩いたことがあるので少し気持ちが楽になった。
谷川岳の前に越えるべきオジカ沢ノ頭が高く見えて大変そうだが、風が吹いていて涼しいので助かる。歩く前は、オジカ沢ノ頭に登る前に小さなピョコがいくつか続いて大変そうに思えるが、実際歩いてみると、国境稜線上一番長閑なのではないかと思う笹原の尾根道を歩いていく楽しいところだった。
また、昔はこの辺り笹が登山道まで張り出していて、朝歩くとずぶぬれになった記憶があったが、きれいに刈りはらわれていて非常に歩きやすかった。
小障子ノ頭を通過するとオジカ沢ノ頭への登りだ。
えっちらおっちら登り、避難小屋がやっと見えたと喜んだのもつかの間。小屋は冬でも雪に埋まらないだけあって、小屋周辺は今も風がビュービュー吹いていて寒い。
小屋の中で休憩することにした。
この小屋の収容人数は5人となっているが、せいぜい3人だろう。しかも斜めなので水平に寝られるのは一人だけ、その場所はスノコが壊れていて結局誰も快適には寝られない状態になっている。本当に避難小屋だ。
それでも、風がないのは天国なので非常に心強くかれこれ30分ほど居座ってしまった。
オジカ沢の頭から俎ー山稜がきれいにつながっているのが見えるようになった。
さらに谷川岳がいよいよ目前に現れた。
オジカ沢ノ頭から谷川岳側は痩せ尾根と岩場がしばらく続く。
小さい岩峰を巻き下りる際の岩場には、記憶にない立派な鎖が付いていた。最近崩壊が激しいのか、以前よりも段差が大きくなっており、更に動く岩があったりしたので、登るには問題ないが、重荷で下降するには少し怖いので、鎖があってよかったなと思った。
岩混じりの尾根歩きが落ち着くと、風の当たらない群馬県側に登山道がつけられるようになって風が当たらないので急に暑くなった。
防風・防寒のために着ていたものをすべて脱いだ。日も高くなってきて、黙っていると暑さがこたえてとてもつらい。
谷川岳に向かって歩いている人が見えたが、こちらに歩いてくる人はまだいない。
気分転換に誰かすれ違わないかな?縦走する勇者はいないのか?とどうでもいい話をしてごまかしながら歩いていると、いきなり勇者が現れた。
若い単独の男性で、早朝西黒尾根を登り今日中に平標山へ抜けて下りてしまうのだそうだ。とても足が速い方だったので、余裕でこなしてしまうだろうと思った。
対して我々は、やっとのことで中ゴー尾根分岐に到着。万太郎谷を遡行したときの思い出話をポツリポツリとしながら肩の小屋までだらだらと登って行った。
辿りついた肩の小屋の周りには、小屋前に景色を見ている単独の若い男性一人がいるだけで以外にも静かだった。
男性はとても感じのいい方で明るく挨拶をしてくれてたが、暑さにまいっていた我々は、今思い返してもかなりぶっきらぼうで愛想のない挨拶の返し方だったと思う(反省)。
肩の小屋に入ると長居してこの先に進む気持ちが挫けそうだったので、そのまま山頂へと向かった。肩の小屋からいきなり人が増えて銀座のようになった。
山頂へ向かうと間もなく先程の好青年(Fさん)が追いついてきた。
やっと気持ちに余裕がでてきたので、お話をすると、やはり馬蹄形縦走をするそうだ。今日の目的地も同じなので、別パーティーであるが仲間ができた気がしてなんだかうれしくなった。
いつもモコモコさんとあまり人がいない所(時期)を自由気ままに歩いているが、たまに同じコースを同じような予定で進む方がいると仲間のような気がしてうれしいものだ。
Fさんには先行してもらい、我々はノロノロと山頂へと向かった。
谷川岳はさすが人気で山頂には多くの人が休憩していたためそのまま通過した。
オキノ耳までも結構な人が歩いていた。この辺りは、ただでさえ滑りやすい蛇紋岩が磨かれてますます滑りやすくなっており気が抜けない。
以前はなかった鎖が垂れていたが、岩の磨かれ具合とシーズン前であるのに今日の人の多さを見ると設置に納得した。
オキノ耳には、これまたしばらく来なかったうちに鳥居が建っていた。浅間神社奥の院の祠に手を合わせてさらに一ノ倉岳へと向かう。
一気に人が減った。
途中一ノ倉沢を覗いて、高度感でお尻がムズムズするのを楽しんだ。一ノ倉沢の車道出合は、すっかり雪が融けてまるで8月のようだった。雪の多い時だと7月下旬でも雪が車道近くまで迫っていたりするので、今年は雪が少なかったのかな?それとも雪消えが早かっただけかな?
一ノ倉岳との鞍部までくると、歩いているのは我々の他、Fさんと茂倉新道から土樽へ降りるという二人組だけで静かになったので、ここでしばらくぶりにゆっくり休憩をとることにした。
暑いので、水の消費が激しい。その水も生ぬるくなってきた。この辺りで一気に水も体力も時間も消耗した。
休憩しているとFさん通過。Fさんは、それなりの重荷を背負いつつ写真撮影に時間をかけているにも関わらず、我々よりもやや早いペースで順調に歩を進めている。土樽へ向かう二人組は日帰り装備なので足取り軽やかで、重荷であえいでいるのは我々だけらしい。
一ノ倉岳への急登は自分のペースでゆっくり登るしかない。
一ノ倉岳へと向かい始めてすぐに、逆走してくる単独の男性に出会う。
土樽から茂倉新道を登ってきたとのことで、今回我々は通らないが、茂倉岳から新潟県側にはまだ雪が結構ありますよとの情報をくれた。
さらに一ノ倉岳まで半分ほど登った辺りで、男性3人のクライマーが降りてきた。
一ノ倉沢を登ってきたとのことで、残雪量を尋ねると、下(車道出合辺り)は少ないが、中腹は結構多くそれなりに残ってますとのことだった。
やはり今年は標高の低いところでの雪消えが早かったようだ。
直射日光がじりじり照りつける中、ノロノロと登りを続けていると山頂にヒョコっと到着。
山頂小屋は、ペンキを塗り直したりと最近手入れをしたらしく中も一応使える状態になっていた。
一ノ倉沢を登ってきた人にはとても心強い小屋になったと思う。
山頂は中芝新道への道標があったが、特に特徴もないのでそのまま通過。
一ノ倉岳から茂倉岳との鞍部までの間は、まだ尾根状になっている残雪を歩くことになる。
以前6月に歩いた時は割と平らな雪面を緩く下る感じだった憶えがあるので、もう少し後だと単なる雪田になるのかな?
下りであるが、傾斜自体は緩く雪も柔らかいので容易に通過し鞍部へ。
一ノ倉岳と茂倉岳間は距離も短く鞍部と山頂の標高差もあまりないので、連峰中一番楽な部分だ。
茂倉岳ではFさんが撮影中だった。
我々はそのまま山頂を通過し、笹平へのもったいない下降へと入った。下降を始めて間もなく、モコモコさんが靴擦れを訴えた。
テーピングをしていると、Fさんが早くも我々に追いついてきた。暑くてへばっている我々とは対極に、Fさんは「天気が良くて最高の稜線歩きですね、今日は蓬峠までに決めたのでゆっくり満喫していきます。」と颯爽と笹平へと下降していった。
更に、日帰り装備の単独の男性が追いついてきた。蓬峠から土樽へ降りるそうだ。
笹平までやっとの感じで降り着いた。武能岳がドーンと聳えている。今日一番きつい登りになりそうだ。
あまり標高差はないはずなのだが、やはりきつく感じる登りだった。
山頂直下にある残雪を水筒に詰めてシャカシャカ振って冷水を作った。
いままでの生ぬるい水と違って、喉に入った瞬間に体にしみこんでいくようだ。
山頂を通過した所で休憩して蓬峠まであと一下りだ。
蓬峠には小さな池があり、卵があったのが微笑ましかった。
蓬ヒュッテ前には布団が干してあり、今日泊まる人はこのフカフカな布団で寝られるのかな?いいなと思いながら荷物を下ろした。
清水峠の水はまだ出ていないと思うので、ここで水を汲んで行くことにした。
ここの水場のことはすっかり忘れてしまった。
下り10分登り15分とあるので、モコモコさんは水場に行くと清水峠に行く気力がなくなると言って先行することになった。
水場に行く途中、先に到着していたFさんが水場から戻ってくる所で水場への詳しい所要時間を教えてくれ、思ったよりも近いことがわかりほっとした。
水場は下り6分、登り10分ほどの所だった。豊富な雪解け水が出ていた。
蓬峠に戻ると、Fさんは小屋の前で読書中だった。
お別れしてモコモコさんの後を追った。
蓬峠からの登山道には終わったばかりのカタクリが生えていた。
意外にこの辺りは花が多いようだ。
水を担いだことでザックがずしりと重くなり、肩が痛くなってきた。ふと前を見るとモコモコさんがフラフラ歩いていた。
モコモコさんもこちらに気がついたようだ。七ツ小屋山に登りにかかる前に追いついた。以前は気がつかなかったが、小さな湿原があった。
蓬峠に泊まるパーティー何組かとすれ違った。
日がだいぶ傾いてきたが、まだまだ暑い。ちょうどいい具合に七ツ小屋山頂直下の雪田から融雪水が流れていたので、汲んで飲んだところ土臭くもなく冷たくておいしい水だった。
生き返った気分で七ツ小屋山へ到着。
ここに来る前に見えていたが、小さなピョコがいくつもあるピークが目の前に現れた時には、さすがにうんざりした。
大源太山への分岐を過ぎて残雪を下降するが、中盤でモコモコさんが滑落。笹をつかんだが、止まらず大の字になってようやく止まった。
小屋直前になってお腹が濡れたと騒いでいた。
この辺りは珍しくあまり切れ落ちておらず尾根が広がっている部分があるので、いきなり残雪量が増えた。
まるで飯豊や朝日のような感じの所もあり、谷川連峰の意外な一面を見た気がした。
小さなアップダウンを繰り返すが、肝心の清水峠は見えない。
まだかと文句を言いながら歩いていくと、ようやく今日の終了点の清水峠が眼下に見えた。
見た目よりも長い笹の中の登山道を延々下っていくと、JRの立派な巡視小屋に着いた。小屋前には風力発電なのかわからないが大きくてまるで爆弾のようなものがあった。
この小屋に泊まりたいが、実際の避難小屋はその先にある小さな小さな小屋だ。
小屋の後ろには、テントが2張り張られていた。
誰かいるかな?とおそるおそる小屋内に入ると誰もいなかった。テントを持って来てはいたが、誰もいないので小屋に泊まることにした。老朽化しているが、じめじめしている感じはなく、変な匂いもないので、天気がいい今日は入口の扉を開けておけば暗さも幾分解消できる。
早くに着いたら食事は小屋の外でとる方が快適だと話していたが、昨日に続いて到着が遅かったので、小屋内で食事をとってすぐにシュラフに包まった。
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万太郎山 |
東俣ノ頭 |
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赤谷川源流と谷川岳方面が見えるようになった |
今年初でハクサンイチゲに出会った |
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ちょっとした桜の道 |
ニョッキリ小ピーク |
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俎ー山稜 |
この眺めももうじき見おさめ |
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開いて間もない様子 |
ここからいよいよ次のステージ |
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谷川岳から日が昇る |
吾策新道 |
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4月の赤谷川横断で下降に使った尾根 |
大障子ノ頭からの縦走者パーティー |
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万太郎山へ登る5人組 |
川棚ノ頭 |
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大障子避難小屋が見えた |
長閑な笹の尾根 |
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可憐だ |
万太郎山方面 |
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気持ちよく歩いていけそうな赤谷川源流 |
万太郎山も遠くなった |
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オジカ沢ノ頭 |
俎ー |
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一ノ倉岳と茂倉岳 |
谷川岳が大きくなった |
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オジカ沢ノ頭と俎ー |
中ゴー尾根分岐 |
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急に気温が上がりきつい登りになった |
肩の小屋から後半戦出発点である谷川岳山頂へ |
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トマノ耳 |
オキノ耳へ向かう |
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次は一ノ倉岳へ |
磨かれた蛇紋岩は滑りやすい |
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いきなり人が増えた |
切れ落ちている |
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一ノ倉岳避難小屋は珍しく山頂にある |
武能岳が見えた |
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一ノ倉岳茂倉岳鞍部の残雪 |
芝倉沢 |
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天気がよくて眩しい |
茂倉岳から一気に下る |
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明日歩く朝日岳 |
茂倉岳避難小屋 |
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茂倉岳と一ノ倉岳 |
あの先の下降がもったいない |
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下るのも登るのもきついところ |
堅炭尾根 |
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一ノ倉岳が大きい |
茂倉岳からぐんと下りてきた |
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暑くてたまらないが景色は最高 |
やっと武能岳への登り |
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蓬峠へ |
下りてきた |
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小さな池に卵が |
蓬峠のいい水場 |
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土樽への道は、残雪のトラバースに要注意だな |
清水峠へ先行するモコモコさんを追う |
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よく歩いてきたな |
七ツ小屋山 |
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ちょっとした湿原 |
この辺りは尾根が広い |
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融雪水で喉を潤した |
七ツ小屋山と清水峠の間にある小ピーク |
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七ツ小屋山からの下降 |
ここに来ていきなり残雪量が増えた |
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この様な小さなアップダウンをいくつか越えて |
やっと清水峠が見えた |
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立派な建物はJR巡視小屋 |
避難小屋は少し離れた所にある、とても小さな小屋だ |
6月1日(晴れ)
コースタイム:清水峠4:20〜JP6:50〜朝日岳7:38〜笠ヶ岳9:14〜白毛門10:45〜土合橋13:50
今日は昨日に増して暑くなるらしいので、涼しいうちにどこまで進めるかが勝負になりそうだ。
また、昨日は天気がいい割に遠くが霞んでいたので、梅雨入り前なのが原因かと思ったが、なんと黄砂が飛んでいたことが原因だった。今日は湯檜曽川を挟んだ谷川岳の対岸の稜線を歩くので、すっきりと見えることを期待したい。
避難小屋の扉が壊れているで針金でドアを固定して出発。
最初に目の前に見える鉄塔目指して登る。きれいに刈り払いされているので、朝露で靴やズボンをぬらすことなく進めた。
ほとんど標高差もないのに、卵があった池の窪まで1時間もかかってしまった。
池の窪から本格的な登りになった。
尾根が細くなるまで残雪を登る。これから尾根が痩せるので残雪を踏むことはないかと思ったが、思ったよりも残雪を踏むことがあった。
中でも風向きの関係か、馬ノ背のような所もあり、冬はナイフリッジの雪稜となっていたのだろうと思わされることもあった。
昨日に続き、小さいがアップダウンが多く、なかなか標高を稼ぐことができない。
ようやく本格的な登りに入るのは、登山道が新潟県側に移った頃からだ。
手入れの関係なのだろうが、登山道は雪が遅くまで付いている方につけられており、雪が植物を巻き込んで土を削ってしまうので外傾した片斜面歩きを強制されるため歩きにくい。
特に崩壊地を高巻ようにつけられた辺りは登りにくく、下りだと少し怖そうだ。
歩きにくいが標高はきちんと稼いでくれたことが救いだ。
振り返ると清水峠を見ることができた。
ひょっこりと見える大源太山が標高が低いにも関わらず、見事な迫力感を出していた。
柄沢山から巻機山へと続く稜線も見渡せるようになれば、ジャンクションピークに到着。
ジャンクションピークに建つ、「この先難路道なし」という相変わらずやる気があるのかないのかわからない道標を通過して、しばらく歩いた先の風の当たらないヤブの陰で長めの休憩をとった。
朝日岳までは、ほとんど標高差がなく、涼しいを通り越して寒いくらいの風が吹いているので、周りの景色を楽しんで行けた。
朝日ノ原には大きな雪田が残っており、水場もまだ埋まっていた。
当然花にはまだまだ早い。
朝日岳山頂には、お地蔵さんが変わらず鎮座していた。
ここから笠ヶ岳まで小さなアップダウンが続くので距離の割に時間がかかるところだ。
涼しいうちになんとか抜け出したい。朝日岳から下降を始めると、まだ咲くには早いがウスユキソウが見られた。この辺りのウスユキソウは谷川岳と至仏山の蛇紋岩にのみ生息する固有種ホソバヒナウスユキソウということなので、花の季節に再訪したいと思った。
大烏帽子小烏帽子までは、登山道が雪で削られた片斜面状になっているところも多くあって気が抜けない。こういうところは風下になっているので暑い。
また、残雪を踏むことが何回かあった。途中、比較的大きな雪田では、先頭を行くモコモコさんが乗り上がり、数歩進んだところで踏みぬいた。
下の隙間がかなり大きく完全に落ちてしまっていて、自力で脱出するのは難しそうだ。
ザックを外してあげてようやく脱出した。やれやれ。
このすぐ先が大烏帽子で、笠ヶ岳や白毛門がようやく見えるようになった。
笠ヶ岳との鞍部まで一下り。この鞍部はニッコウキスゲが群生するところだったはずで、良く見るとニッコウキスゲが生えているのが確認できた。
鞍部から少し登り返したところにある笠ヶ岳避難小屋の前で男性がゆっくりくつろいでいた。
挨拶をして避難小屋を覗こうとすると、男性からは「その小屋ドアが開かないよ」とのこと。
とりあえず試してみようとよいしょっとドアを開けてみると、確かになかなか開かないがなんとか開けることができた。
ドア枠の下には、隙間があいてしまったのを塞ぐために銀マットが詰められていた。
中に入って内側からドアを閉めてみたところ、なんとか閉めることはできたが、あまりきちんと閉めると今度は開けられなくなりそうだ。ドア枠がゆがんだのか引っかかってしまっていた。
避難小屋探検?を終えて笠ヶ岳へと登り返す。
ここに来ると白毛門はぐっと近づき、後は土合へ下るだけで楽ちんのように見えるが、実はここからが縦走中一番きつかった。
笠ヶ岳の下りは雪消え間もないようで、登山道の小石がまだ落ち着いておらず歩きにくい。暑さも増してきてペースがあがらない。
鞍部手前の残雪から融雪水が豊富に出ていたので、少し土臭いが水を汲んで適当なところで休むことにした。
この融雪水はしばらく登山道を水路として流れていたので、ドロドロやぬかるみにはまるのに注意しながら歩いた。
鞍部となり、流水が登山道からなくなった辺りが日陰もあって休憩にちょうど良かったのでザックを下した。
二人揃って靴を脱いで、モコモコさんはテーピングを巻きなおした。
休憩しているとあっという間に時間は過ぎていく。休憩場所の居心地の良さに思わず長居をしてしまった。
休憩で回復したのもつかの間、強い日差しにすぐにへろへろだ。
笠ヶ岳から白毛門のコースタイム45分のところ、休憩時間が長かったとはいえなんと1時間もオーバーしていた。白毛門直前でウツボギ沢から登ってきたらしい単独の男性を見かけた。辿ったルートなどを聞きたかったが、この先ますますペースが落ちるだろうことを考えると留まるわけにはいかず、山頂へと足をそのまま進めた。
白毛門は谷川岳東面の展望台なため、山頂は狭いし、登り下りの道もはっきり言って好きという人はいないのではないかと思うような道だが、山頂の人気は高い。
今日も山頂は人であふれているだろうと思って山頂へ着くと、予想に反して一人がいるのみだった。しかし我々が着いてすぐに2人組が山頂へ登ってきた。山頂がにぎわうのはこれからのようだ。
休憩をとったばかりなので、このまま下降にかかった。
まだ樹林や草が茂っていないので、ジジ岩ババ岩がはっきりと見下ろせた。
山頂すぐ下の大岩を回り込むところは、いつもながら「ここなんだか怖いんだよな」とモコモコさんは文句を言いながら通過。
ジジ岩ババ岩横を過ぎる辺りから、この登山道の真骨頂ともいうべき急下降の開始だ。
直射日光にじりじりやかれながら、岩場下りが始まると途端にペースが落ちた。
オジカ沢の頭でも思ったが、この辺りも崩壊が進んでいるようで、以前は岩場でもちょうどいい高さで階段状になっていたところが、段差が大きくなっていたり降りきったところはぐずぐずだったりした。良く見ると、やはり崩壊した跡のような岩が転がっていた。
大荷物を背負っている上、これまでの疲れがたまって足の踏ん張りが効かなくなってきているので、慎重に降りて行くと時間がどんどん経っていった。
太陽が高くなるとは逆に標高が下がって気温や湿度が上昇していくので、ペースがこれまでにないくらい落ちた。悪いことに馬鹿虫もまとわりついてきて集中できない。
元気な学生さんが休憩していた松ノ木沢の頭を通過して、いくつか鎖の付いた岩場をやり過ごすと、やっと樹林帯に入れるようになった。
樹林帯の入ると直射日光を避けられるのが唯一の救いだ。
これまでかいた大汗で靴擦れの痛さが強くなったというモコモコさんに合わせて、靴を脱いで休憩した。
蒸れた足を風に当てると、とても気持ちがいい。
こんどは木の根頼りの下降だ。
人気の登山道のせいか、土が削られて木の根がむき出しになってしまったところが多く、岩場を降りるのとあまりかわらないような場所も多い。そのたびにストックを外したりして面倒だった。
そのような場所ではストックを先に落として両手を開けて降りて、と何度か行っていると、あるときストックを落とした時にパカッと分離したのが見えた。
ストックをみてショック。持ち手部分がもげてしまっていた。
あともう少しで下山だったので悲しすぎる出来事だった。
足だけでなくストックを壊した後悔を引きずりながら、トボトボ降りて行くと、登山道がこれまでになく左に大きく曲がり尾根が開けた。
やっとここまで降りてきた。
いつもだと、ラストスパートをかける所だが、今回ほどこの最後の下りが長く感じたことはなく、下りの終了を示す指導標が見えた時は達成感よりもやっと終わったという気持ちの方が大きかった。
降りてすぐ東黒沢で顔を洗うのも気持ちよさそうだが、白毛門の駐車場に湧水が出ていたはずなのでそこで顔を洗うことにした。
ところが、その湧水は涸れていた。がっかりしたが、バスの時間まであまり待たずに済むし、バスに乗ってからあまり時間もかからずに温泉に入れるはずなのでそのまま駐車場出口にあるバス停に向かった。
バス停は日影がないので、駐車場出口付近の日陰でバスに乗る準備や温泉セットを出してパッキングをし直した。
ひと段落してバスを待っていると、声をかけられた。何とFさんだった。
これには驚いた。いくら我々が歩くのが遅いとはいえ、昨日2時間分リードしていたので、まさか追いつかれるとは思っていなかった。
Fさんからの更に驚くとともにありがたくも「温泉まで送りますよ」との申し出に、ずうずうしくもほいほい飛びついてしまった。
お陰で、時間を気にせずに日焼けの痛みも忘れてゆっくりと3日分の汗を流すことができ、久しぶりに木村屋でお腹を満たして電車内で無事完走の乾杯をあげることができた。
この場で改めて、Fさんには深くお礼を申し上げます。
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早めに出発 |
日が昇る |
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ジャンクションピーク |
谷川岳〜茂倉岳が朝日に染まる |
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池の窪 地塘には卵 |
残雪を踏むことが増えた(来た道を振り返る) |
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馬ノ背のようになっていた |
時間の割には標高を稼いでいない |
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谷川岳から武能岳 |
七ツ小屋山 大源太山が見える |
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巻機山へ続く稜線 |
昨日歩いた稜線 |
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ジャンクションピークが見えた |
布引山方面 |
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朝日ケ原 |
朝日ケ原からジャンクションピーク |
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朝日岳山頂 |
烏帽子山を越えて笠ヶ岳へ |
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風が強い |
登山道が東側に来ると暑い |
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笠ヶ岳が目前 |
笠ヶ岳への登りで来た方向を見る |
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笠ヶ岳への下りから白毛門 |
笠ヶ岳 |
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白毛門直前から笠ヶ岳〜朝日岳へと続く稜線 |
白毛門山頂と谷川岳 |
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ジジ岩 ババ岩が見えた |
白毛門は谷川東面の展望台 |
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白毛門下り 融雪水喉を潤した |
ジジ岩 ババ岩 この先の下りは暑さにやられた |
おまけ
谷川連峰は気象の変化が激しく、国境稜線上は幕営禁止であるため避難小屋の数だけは充実している。
しかし、東北地方や新潟県のような立派な避難小屋を想像してはいけない。どれも小さく小屋というより避難用物置という感じで、話のネタにつきない小屋ばかりだ。そこで小屋(営業小屋は除く)に関するメモを載せておくことにした。
エビス大黒避難小屋
横になれるのは、せいぜい2人くらいが(詰めることが必要)いいとこの小さな小屋 水場もなく床も少し斜めだが、オジカ沢ノ頭よりはずっといいと思う
以前の、大きなドラム缶を横にしたもので扉すらなく、蓋をパカッと開けるだけのものに比べたら格段よくなった。 |
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越路避難小屋
5人程度までなら詰めればなんとか横になれる
水場はないが、6月上旬までなら近くの残雪で水作りができそう(残雪への登り降り時には注意) |
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大障子避難小屋
稜線中一番大きい小屋だが、快適に泊まれる人数は7人くらいまでだと思う。
ドアの閉まりが弱いのか、小屋内に雪が吹きこんで残雪期には使用できる状態ではなかった(右の写真は2010年4月上旬に撮影したもの) |
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オジカ沢ノ頭避難小屋
せいぜい3人
スノコが一部を除き水平になっていないので、平等に寝ようとすると全員伸びた状態で寝られない
1人なら体を伸ばせるが、スノコが一部破損していて不快
連峰中一番泊まりたくない小屋になった
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一ノ倉岳避難小屋
珍しく山頂にある小屋
今までは一番泊まりたくない小屋だったが、最近手入れしたのかオジカの小屋よりも快適そうだ
ドアが外れそうなのが難だが、雷雨などの時の強い味方になりそうだ |
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茂倉岳避難小屋
連峰中一番快適な小屋だが、6月上旬だとまだ雪に埋まっている可能性があり、結露がひどい(右の写真は2012年同時期のもの)
シーズン中は水場も近くトイレがあり最高 |
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白崩避難小屋(清水峠)
小さく薄暗い。
扉はきちんと閉まらず、下手に閉めると内側から開けられなくなることがある(取っ手がとれているため)
6月上旬の時点で、水場は埋まっているが、逆に近くの残雪で水作りができそうだ
天気がよければテントの方が快適そう |
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笠ヶ岳避難小屋
ドア枠がゆがんだのか、開閉しにくい
急激な天候悪化や雷雨の場合には心強い小屋
水場はないが、今回、笠ヶ岳を白毛門側に下りたところで融雪水をとることができた。残雪量が少なく且つ日当たりがいいため、すぐになくなりそうだ。 |
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