山域 |
谷川連峰 |
コース |
宝川温泉〜雨ケ立山〜布引尾根〜大烏帽子山〜柄沢山〜巻機山〜清水 |
〜春山縦走を満喫〜 |
日程 |
2015年3月29日〜3月31日 |
先月の吾妻以来1カ月以上も開いてしまった。
シールは壊れたし、スキーをかついで行くにはだるいし雪も締まったしということで、ワカンで縦走することにした。
当初は、遠征するつもりだったが、何だか都合により休みがどんどん短くなってしまったので、久しぶりに近くて良き山谷川方面に出掛けることにした。
以前スキーで歩いた柄沢山〜大烏帽子山の稜線がとてもよかった憶えがあるので、今回は巻機山まで歩こうということになった。
また、せっかく雪の多い年なので、稜線へは宝川温泉から入り布引尾根から上がることにした。
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データ |
アプローチ
東京駅6:44-大宮駅7:10/7:18−高崎駅7:49/8:24−水上駅9:31/(タクシー)−宝川温泉(タクシー代約5,400円)
ルート概念図
コースタイム
3月29日(晴れのち曇り夕方からときどき雨)
宝川温泉10:27〜隧道11:38〜林業試験場12:01/12:13〜芦沢右岸尾根14:53〜標高1380m付近15:30(幕営地@)
3月30日(ガスのち晴れ 風やや強い)
幕営地@5:10〜雨ケ立山先の布引尾根7:10/7:19〜布引山〜大烏帽子山9:31〜檜倉山11:13〜檜倉乗越12:20〜柄沢山14:51〜1809mP15:58〜深沢ノ頭16:14〜幕営地A16:19
3月31日(晴れ)
幕営地A5:27〜米子沢ノ頭5:56〜栂ノ峰8:27〜巻機山8:56〜前巻機9:35〜七合目付近10:17/10:40〜標高1250m付近11:05/11:22〜三合目付近12:26/12:40〜二子川橋先の林道分岐13:05〜清水除雪終了点13:28〜バス停13:35
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3月29日(晴れのち曇り夕方からときどき雨)
コースタイム; 宝川温泉10:27〜隧道11:38〜林業試験場12:01/12:13〜芦沢右岸尾根14:53〜標高1380m付近15:30(幕営地@)
昨晩は送別会の為に帰りが遅くなってしまった。直前になって雨マークが出てきたことで、目を三角にして一日中天気予報とにらめっこしていたモコモコさんから、1泊2日の短縮コースを帰るなり提案された。
これに対して絶対行くと抵抗して、結局結論が出ないまま寝た。
はっと目が覚めると既に5:30.。寝坊した!!いつもならモコモコさんをたたき起す所だが、昨晩の今日でなんだか起きぬけに怒られそうな予感がしたのでそっと起こした。
これが良かったのか、モコモコさんの目覚めは良いようで「どうする?」と聞いてきた。兎に角天気予報を見てみようということになり、急いで天気予報を見てみると、昨日の予報では14:00頃から雨だったのが、18:00頃から雨に変わり、明日3/30は天気がよくなるらしい。これを見てモコモコさんから出発しようとのGOサインがでた。
急いで着替えて、次に交通機関しか手段がない我々は時刻表の検索と、、お湯を沸かしてポットに注ぐのとで手分けして出発の準備をする。検索の結果、急げば計画の一時間遅れで水上駅に着けそうだ。それには最寄駅発の電車まで時間がない。大慌てで靴を履いて家を飛び出した。慌てるとやはり忘れ物をするもので、フリースと今朝届いた新聞を持っていくのを忘れてしまった。
グデグデになりながらも無事電車に乗れた。電車の中で、水上駅までの乗り継ぎを検索して確認するが、なぜか出発前に調べた水上駅着9:31に着く乗り替えのがでてこない。
あれやこれやしてようやく探し当てたところ、東京駅発6:52の「あさま」に乗ればいいことが確認できた。一安心して東京駅で切符を買い新幹線改札内へ入ると1本前に発車するガーラ湯沢駅行の「たにがわ」に間に合いそうだ。「あさま」は混んでいるかもしれないということで、「たにがわ」に乗り込んで荷物をおろして席に着いて落ち着いたところで上野駅に到着した。高崎駅に何時に着くのかなと再び検索をかけると、該当するものが出てこない。二人で変だな?おかしいなから始まり、もしかして高崎駅に停まらないのかも・・・。上野駅を出発してアナウンス「・・・停車駅は大宮、越後湯沢・・・」・・・・<( ̄口 ̄||)>!!!オーノー!!!<(|| ̄口 ̄)>
大宮駅でトボトボ降りました。大宮駅は東京駅よりぐんと気温が下がっているようで少し寒かった。
そのまま次にやってくる「あさま」を待った。モコモコさんが「大宮駅から乗るのはすっごい久しぶり」と少しうれしそうにしていたのが救いだ。お弁当を買う時間がぎりぎりあったが、お弁当を買っても座れるかどうかわからないので、高崎駅まで我慢することにした。
やってきた「あさま」は北陸新幹線の車両(E7系)だったので、乗り心地がとてもよかった。「はやぶさ」に使われるE5系よりもいい感じがした。東京駅からならば高崎駅までいい寝心地だったろう。大宮駅からなので、ひと眠りすると寝過ごしそうなので居眠りするわけにはいかない。あーあ、東京駅からこれで来たかった。
高崎駅で乗り換える上越線の発車まで結構時間があるので、朝ごはんを食べて、コンビニで今日の行動食の買い物をした。
上越線は、春休みの影響か結構人が乗っており、水上駅では長岡方面への電車に乗り換える人でいっぱいだった。
今の時間だと、9:40発のバスに乗って宝川温泉に行けるが、少しでも早く出発したいのでタクシーで宝川温泉へと向かった。(5300円位)
何回か通ったことはあるが、いつもガラガラに近いのに結構車の台数が多い。どうやらスキーに行くようだ。途中道路から見えるスキー場の駐車場にも結構な台数があった。それにしても進みが遅い。遅い車でもいるのかと思っていたが、どうやら宝川温泉への分岐の先で道路工事をしていて車線を規制しているのが原因らしかった。
宝川温泉の先に延びている林道の駐車場には4台駐車されていた。そのうち1台は業者さんの車なので、登山者の車は3台といったところか。単純に考えて3パーティー入っているらしい。
登山口に着いた時点でなんだかとても疲れていたが、今日は行動時間が短いので頑張ろう。
空気は冷たいが日差しは春で強い。すでに暑いのでシャツだけの薄着になり、物凄く焼けそうなので念入りに日焼け止めをぬった。準備を整えて体操をして出発。
駐車場で除雪が終了しているので、雪に乗り上げていよいよ出発。
気温が高く、日が当たっているのでワカンをつけていてもズボズボ潜ることが多い。
これは林道歩きだけでも相当大変だと覚悟したところ、林道はすぐに日陰になり、我々の前の人のトレースを外さないようにすれば潜らないようになった。これには随分と助けられた。
再び林道が大きくカーブをして日向になると再びズボズボ潜って途端にペースが落ちるが、あせらず行くしかない。途中数年前の水害で大きく斜面が崩落したらしき場所は、きれいに法面工事が施されていた。
寝不足と重荷でペースが上がらず、強い日差しと気温の高さで汗が出て喉が渇く。幸い簡単に沢水をとることができる場所があったので助かった。
黙々と歩くと苦痛でたまらないので、周りを観察しながらゆっくり行くと段々林道側壁が立ってきた。お腹がすいたので休憩をした。
地形図を見るとそろそろ隧道に到着しそうだ。
読んだ通り、休憩した場所からすぐに隧道だった。
隧道入口に積もった雪にはステップができていたので、隧道には簡単に下りられた。
先に隧道に入ったモコモコさんから「おー、これすごい」との声が上がった。なんだなんだと続いて隧道に入ってみると、氷筍ができていた。結構立派に育っていた。おもしろいなーと思って簡単に倒れるか試してみたかったので近づいてみると、2つ程既に横に倒れていた。折角できたものをこれ以上倒すのはもったいないので、そのままそっとしておくことにした。
隧道出口の雪にもしっかりとステップがあった。
気温が更に高くなって「暑いー」と言いながら林道を進むと、見覚えのある大岩が現れた。大岩はまだ厚い雪の帽子をかぶっていた。
ここまでくれば、潰されずに残っている林業試験場関係の建屋が目印となる初沢の橋は間もなくだった。
ちょうどお昼時だったので、休憩をとった。
当初ではすぐに斜面に取りついて登るつもりでいたが、思った以上に急なので止めることにした。地形図を見ながら、このまま林道を進むか、ここから林道を離れて初沢沿いに緩やかな斜面を登って行くかを相談した。
相談してすぐに、4人パーティーが降りてきた。
モコモコさんから、「今降りてきたということは、踏み跡が締まっているからトレースを追っていこう」と提案され、それもそうだなと林道を離れて沢沿いの斜面を登って行くことになった。
少し雪の斜面を登るとすぐに平坦になった。そこには雨量観測のものか分からないが、アンテナとブロック作りの小屋があった。
傾斜がゆるいが、はっきりとした尾根状になった。
トレースがあっても登りと違って皆同じように足を置いていないので、結構もぐるがトレースがあるのとないのでは違う。ただトレースを追って歩いて行けばいいのは精神的に楽だ。
林道を離れてから結構歩いた気がするが、傾斜が緩いため一向に高度が上がらない。
天気予報ではお昼くらいから曇りとなっていたが、うれしいことにまだ太陽が出ていて暑いくらいなのでこまめに水分をとりながら進んだ。
やがて、初沢がはっきりと見えてくるようになると、広い斜面に小さな沢型が出てくるようになった。
進路はこの小沢を詰めていくようにとられていた。
初沢左岸の尾根に最初から取りつけない場合は、できるだけ右岸の尾根に早く乗ろうと思っていたが、トレースはそのまま広い斜面の小沢をどんどん進んでいたので、我々も尾根には取りつかずにそのままトレースを追うことにした。
標高1050m辺りで4人パーティーが泊まったと思われる場所に着いた。立派な半雪洞で、4人もいると違うなと思った。
この辺りまで来ると板幽沢にかなり近づいており、比較的はっきりとした尾根状になっていたが、尾根には乗らずにそのまま進んでいくと傾斜がやっと出てきた。
トレースがあっても既に無いに等しいほど雪が緩んで潜るので、空は曇ってしまったが汗は変わらず出た。
傾斜が出てきた所を登り始めてすぐに前方から単独の男性がやってきた。スキーで雨ケ立まで行ってきたそうだ。ワカンでも結構潜って、汗をかきつつえっちらおっちら登って行く我々と違って、サーっと滑り下りていくスキーは早くて快適そうだ。自分のスキーの腕前(脚前?)はおいておいて、こういうときはスキーはいいなと思う。
標高を稼いで行けるなと思ったのもつかの間、広々とした場所に出た。やっと標高1050m付近まできたらしい。
広々としているが、振り返ると木には比較的新しい感じの赤印がついているので下降のときには心強いだろう。
スキーのトレースの上を歩くと潜り方がいくらかましな程度で相変わらず緩んだ雪面をノロノロと歩いて行くと、前方から2人組のスキーーパーティーがやってきた。
お互い先を急いでいるので特に話すこともなくすれ違った。結構遅い時間だが、スキーならばあっと言う間に着いてしまうだろう。ここまで会ったパーティはこれで三組目。駐車場にあった車の持ち主は全て下山したということかな?(以降誰にも会わなかったので、やはり皆車で入ったらしい。)
スキーとは違ってずぼずぼ潜るが、ようやく芦沢右岸尾根への登りに取りつくようになった。
自覚はしていなかったが、これまでの行程の疲れがたまっているようで、一歩一歩の足取りが重かった。
急な登りの部分の標高差があまりなかったのが幸いだ。
ここまで木に付けられた比較的新しい赤印がしっかりしており、いつのまにかこの辺りは人気のルートになっているのだなと感じた。
尾根に上ると一気に傾斜が緩んだ。尾根も割と広い。トレースを追うが、これまで以上に潜るようになった。尾根に上ったので風も通るようになった。
地形図にある標高1436m地点を目指して登って行くと、モコモコさんが以前通った時に泊まってみたいと思ったと言っていた二重山稜の場所に着いた。
なるほどいい場所だ。もう少し進むことも考えたが、なんだか今日は体調が戻らずに疲れているのでここで行動を終了することにした。
整地を始めると、お彼岸の頃に降ったものと思われる雪の層が30cmほどあった。今回は、雨を見越してデラックスフライにしてきたので、普通よりも広い範囲を踏み固めなければならない。厳冬期や新雪と違うので、思ったよりも早く設営に取り掛かれた。また、スノーソーを使うまでもなく、スコップで新雪部分を取り除くくと、自然といい感じでブロックを切りだしたようになるので大した苦労もなく最低限の風除けも作ることができた。
モコモコさんは、この後の雨の為にタープも張ろうとしていたが作業が大変そうなので、諦めてテントにもぐりこんだ。
夕食を済ませた頃に、雨が降りだした。強い降りではないが、この時期濡れるのは特に勘弁願いたい。
幸い雨は降り続かず、ときおり止んでくれたので生活にはあまり不便はなかった。
明日の好天気を信じて早めに体を休めた。
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宝川温泉先の林道駐車場から出発 |
数年前に土砂災害が起きた所 |
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スキーのトレースがありがたい |
隧道には氷筍があった(手前のは倒されたのかな?) |
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雪の帽子をかぶっている大岩 |
林業試験の建屋 押しつぶされずに頑張っている |
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気象観測のかな? |
4人パーティーの幕営地跡 |
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あの辺りで遊んだ人もいるのだろうな |
以前スキーで越えた尾根だ |
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いよいよ尾根へと登ります |
小さいながらも雪庇ができている |
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芦沢右岸尾根へと登りあがる |
登ってきたところ |
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芦沢右岸尾根にはこんな広い所があった |
二重山稜の素敵な幕営地 |
3月30日(ガスのち晴れ 風やや強い)
コースタイム; 幕営地@5:10〜雨ケ立先の布引尾根7:10/7:19〜布引山〜大烏帽子山9:31〜檜倉山11:13〜檜倉乗越12:20〜柄沢山14:51〜1809mP15:58〜深沢ノ頭16:14〜幕営地A16:19
夜中、雨が降ったりやんだりで風も結構吹いていたようで、頻繁に目が覚めてしまった。
それでも尾根に守ってもらいテント自体にはほとんど影響はなかったので、疲れはとれていた。いい場所だった。
今日はできるだけ進み、あわよくば一気に下山してしまおうという魂胆で、早起きをしてまだ薄暗いうちに出発した。
いつも起床から出発まで最低2時間半はかかっているが、頑張れば我々でも2時間で出発できるものだな。
夜中から吹き始めていた風は出発時にも止んでいないが、やはり幕営地に選んだ所は風が避けられる場所のようであまり風は感じなかった。
天気も悪かったので放射冷却による気温の低下もあまりなく、寒くなかった。この気象条件では昨日と同じような雪の状態だと思い、ワカンで出発したのは正解だった。
昨日同様スキーのトレースを辿って行った。
ガスなので周りが見えないが、トレースがあるのもさながら、これまで広かった尾根が狭くなったので方向ははっきりとわかる。
しばらくは大きなブナの木があったりと落ち着いた雰囲気が続くが、ガスなので十分味わえなかったのが残念。
途中テントを張るのによさそうなところがあったが、昨日の条件では、我々にとってあの二重山稜のところが一番だったようだ。
雨ケ立までは昨日すれ違った方が往復しているので確実にトレースがついているのがわかっているため、ガスでも疑うことなくトレースを辿った。
トレースは尾根上にできている雪堤を通ることもあったが、ほとんどが斜面を通っていた。やがてワカンの踏み跡はスキーのトレースを外れて尾根上の雪堤に上っていったが、我々はスキーのトレースの方が沈まずに済むので、ワカンの跡ではなくスキーの跡を追った。
ガスなので雪堤がとても高い所にあるように見えた。
雨ケ立に近付くにつれて、どんどん雪堤との高低差が開いていくように思えたが、雪堤上に登りあげるのはかなりの労力になりそうだ。一瞬ワカンの跡を追った方が良かったかなと思ったが、時遅し。そのままスキーのトレースに付いていくことになった。
どこから雪堤上へあがるのかなとモコモコさんと話していると、なんだか前方にも雪の斜面がでてきた。
よく周りを見てみると、右にピークが見えた。どうやらトレースは、雨ケ立へ直接向かうのではなく、布引山手前のピークとの鞍部に着くように付けられていた。なるほど雪の安定したこの時期ならば、うねる雪堤上を辿らずに済む。
雨ケ立は以前登ったことがあるので山頂には寄らずに進むことにした。尾根の雪堤下は北風から風を避けられザックを下ろすこともできるので、休憩をとることにした。
これまで尾根横の斜面を歩いていて風を受けることがほとんどなかったのが、尾根に上ると北風にのってガスが吹きつけられてくるようになった。ガスが濃いのでしっとりと濡れてくる。
モコモコさんからオーバーパンツを履いていくことを提案されたが、今日は晴れてくる予報で晴れれば乾くだろうとそのままで行くことにした。
しかし、これまでと違い北風が当たるので布引山手前の1626mピークでやはりオーバーパンツを履いた。
布引山へはそこから一登りしたところだった。山頂は広かったがガスなのであまり実感がない。布引山からは尾根がきれいに四方へと伸びている。視界が良ければ全く問題ないが、今はガスが濃いので慎重に進む布引尾根を見極めて北西の方向へ足を運んだ。
風とぼんやり見える植物が方向を見るのに助けになった。
布引山からは尾根が痩せてくるので、ガスで視界が悪いため雪庇の張り出しから足を踏み外さないように気を付けながらいくと、小さなピークを二つ登る。
二つ目のピーク付近は、緩やかで広いナルミズ沢源頭への斜面が見えてついそちらへ行きたくなる。尾根はすぐに登りになると同時に雪庇が発達するので、意識して風上側を歩くようにした。
いよいよ小烏帽子山への登りだ。少し雪面が堅いところがあったので、これから痩せた急な斜面になるからアイゼンで行こうとモコモコさん言われて、アイゼンに履き替えた。ところが、雪は中途半端に柔らかいままで、アイゼンだと潜って仕方ない。すぐにワカンに履き替えることになった。
傾斜が急なのは変わりないので、ゆっくりと足を滑らせないように登っていくと一気に傾斜がなくなった。
小烏帽子山は細長く、小さなピークが手前にあるのが特徴だ。手前のピークに着いたらしい。
以前ナルミズ沢を遡行した時に見た小烏帽子山がとても格好良かったので、実際に小烏帽子山を真近で眺めるのをとても楽しみにしていたのだが、ガスは一向に薄くならない。
それでも布引尾根一番の痩せている部分で、雪が着かない所や、既に落ちてしまっている所もあり、なんとなく形は分かった。
小さなピークも痩せた部分になっているので、ヤブがでており踏みぬきに注意する所だった。
小烏帽子山自体は、側壁は荒々しいものの尾根伝いに登るのには厳しい所もなく山頂へ登ることができた。
小烏帽子山からの下りは、奥利根側へはっきりとした尾根が伸びているのを確認して大烏帽子山へ向かった。
大烏帽子山手前の小さなピークを越して大烏帽子山との鞍部になると、奥利根側は変わらずきつい傾斜の斜面となっているが、ナルミズ沢側は一変して沢源頭部の緩やかで広い斜面になっているのが分かった。ガスでもこのまま下って行きたくなるような気持ちのよさそうな斜面だ。
ここから大烏帽子山まではひと頑張りしないといけない。
まだガスが濃く先が全く見えないが、傾斜が強くなってきた。ワカンでステップを作りながら登って行く。もう少しで朝日岳からの稜線へ登りあがれそうだという辺りで、雪がグズグズに崩れてしまい、ワカンとストックでは危ない感じになった。
急斜面を崩して足場を作り、ストックからピッケルに持ち替えた。
慎重に足場を作って、ピッケルを深く刺してバランスをとりなら登ると稜線に登りあげることができた。
濃いガスで良く見えないが、続くモコモコさんを待つ。
息を切らしながらモコモコさんも到着。大烏帽子山直前の尾根は、これまでの急斜面はなんだったのかというほど広く緩やかな斜面となっていた。
そのままピッケルで大烏帽子山へと向かう。後ろを振り返ると、一瞬だがガスが切れそうになることがあった。写真撮影のチャンスかもしれない。すぐそこの山頂へはモコモコさんに先行してもらい、シャッターチャンスを待った。
残念ながら写真が撮れるほどガスは薄くならなかったので、あきらめて山頂へと向かうと、先に到着していたモコモコさんから「おお、見えた!!」と歓声があがった。
言われた方向を見ると、朝日岳の山頂だけが見えるようになった。
これはガスがいよいよ晴れてくるのか?
進行方向の檜倉山はまだ濃いガスに包まれているが、周りは少しずつ見える様になるときが出てきた。
大烏帽子山に着いてからは強い西風をもろに受ける様になったので、山頂から少し東側へ降りて風当たりが弱くなったところで休憩がてら再びストックに持ち替えた。
ビュービュー風が吹いているが、雪は硬くないのでそのままワカンであるくのに丁度よかった。
進むほどに、だんだんガスが晴れて空も青空が見えるようになってきて幸先がいい。
大烏帽子山からは少し傾斜がある下りだが、雪の状態がいいのでどんどん進むことができた。たまに雪面に亀裂があったりするがはっきりと見えるので、はまることもなかった。
檜倉乗越は、ガスも乗り越す所なので、濃いガス(雲)が勢いよく稜線を乗り越えいるために、檜倉山はまだガスで見えない。柄沢山は標高が高いので山頂がチラッとではあるが見えるようになってきた。最低でも今日中に越えておかなければならない山だ。ここから見るととても遠くにあるように見える。実際遠かった。
行先はまだ濃いガスの中だが、歩いているところはどんどんガスが晴れてきて、風は強いが気分良く歩ける。1614m地点へ降りる前に再び尾根が痩せて稜線は雪が切れて薮がでており、その先に急な下りとなっていたので、ヤブを回り込むように後ろ向きに下りることもあったが、雪自体は安定しているのでさらっと通過できた。
大烏帽子山と檜倉山との鞍部である1614m地点まで来ると、「キター!!」とモコモコさんが雄たけびを上げた。とうとう檜倉山と歩いてきた大烏帽子山方面の両方のガスが取れたのだ。これを待っていたのだ。やったねと檜倉山への登りにかかると、朝日岳から清水峠さらには大源太山まで一気に見えるようになった。
視界が効くようになったら、今まで見えなかった分後ろを振り返ったり、景色に見とれたりですぐに足を止めてしまいがちだ。
それでも、冷たい風が吹いているので長くその場に留まることができなかったので、思ったよりも早くに檜倉山に着くことができた。
広い山頂の直下にあった木には氷の華が咲いておりきれいだった。また、お彼岸の頃の悪天候で山がきれいに化粧直しされていて汚れがなく真っ白だ。雪面も昨晩の雨と風で凍った後、雪自体は柔らかくなっているが表面は薄く溶けずに残っていて光を反射して青く光っている。どこを見てもきれいだった。
前回は、風もなくいい天気で暑くてたまらないほどだった。そのような天気で、広い山頂は気持ちが良くて荷物をおろして休憩した所だ。今回は風で寒いので休憩をとることなくそのまま通過した。
檜倉山までくると、今日一番の登りとなる檜倉乗越から柄沢山への標高差がはっきりとわかるようになる。このままの高度を保って繋がっていれば楽なのだが、これから一気に下降して一日のうちで一番気温が上がる中の登りになると考えると少しうんざりした。柄沢山への登りとは逆に、刃物ケ崎山へと繋がる尾根もはっきり見えてとても魅力的に感じた。
大烏帽子山から巻機山の間の稜線は比較的直線的だが、檜倉山から檜倉乗越方面への下りは珍しくうねっている。
一度刃物ケ崎山へ向かうかのように稜線は続いており、尾根を分けると再び柄沢山へと向きを変える。檜倉乗越を見ながら行くと、猛禽類が清水側で旋回しているのが見えた。しばらく見ていると柄沢山の方へ飛んで行ってしまった。
下りなのでさくさく進む。
ふと稜線を見ると、さきほどの猛禽類と思われる鳥さんが再びやってきてあっという間に檜倉乗越で清水側から奥利根側へと越えて行った。そういえば、以前カモシカが乗り越していったのを目撃したが、動物だけでなく鳥さんしかも大型だけでなく、後で小鳥さんも越えて行ったのを見た。まさしく乗越だった。
人と繋がりのある山の地名はうまく付けられているな。
檜倉乗越直前は急な下りとなるので、後ろ向きに下りた。前回スキーで来た時も、前日のうちにステップを付けておいた所だ。ここを降りたところで幕営したんだったけなと懐かしみながら通過。
ここまでかなり下りてきているが、檜倉乗越はさらにもう一段降りた所だ。雪が柔らかいのでズンズン下って檜倉乗越に着いた。標高1550m、檜倉山から一気に標高差200m近く下ってしまった。柄沢山へは標高差350m稼がなければならない。
風は依然として強いものの気温が上がってきて、ここまで結構距離があったので自覚していない疲れがあり、長い戦いになりそうな予感がした。
予感は現実のものとなった。
雪が潜るほど柔らかくなってしまったので、傾斜が緩くても急な斜面を登っている気分だ。前回スキーで逆走したときは、とてもきもちのいい下りだったが、ワカンで登りとなる今日は違う。頻繁に先頭を交代して、とにかく辛抱の登りだった。標高1800mの柄沢山の肩までがとにかくきつく感じた。
登っていると強い日差しで暑いが、休憩しようとすると冷たい強風で寒い。
何回か、顔をのぞかせている薮の陰で休憩した。それでも今日は、条件がよかった。大きな雪庇の基部には亀裂が入り始めており、来週だと踏みぬきがひどくなっているかもしれず、そうするとさらに体力を消耗していただろう。
標高1800mの肩までくるとがくんと傾斜が落ちてかなり楽になるが、潜るのは相変わらず。引き続き先頭を交代しながら山頂を目指す。標高1850mになると再び傾斜がある登りとなった。そのまま稜線伝いに登ろうとすると、風の影響で雪面が削られて反り返っていたりして苦労しそうなので、風上側となるわずかながら尾根の形態をとる西側へ回り込んで登った。
山頂へ着くと大烏帽子山からこれまでトレースが全くなかったが、急にトレース(スキー)がでてきた。柄沢山もどうやら最近は人気の山となっているようだった。
時計を見ると15:00前。モコモコプランでは、柄沢山に着くのは早くて15:30と見込んでいたので嬉しい誤算だ。柄沢山から大烏帽子山へと続く稜線は本当に格好がいい。やはりこの縦走は巻機山から大烏帽子山へと南下するほうが見ごたえがあると思った。
今日中に越えておかなければならない大きな山はこれで終了だ。ここまでくれば越えておきたい二つの小さなピーク、1809mとエガシラ山を残すのみ。後は時間の許す限り進むだけ。
先にはその二つの小さなピークがはっきりと見えた。
柄沢山から一気に広い尾根となって、ワカンで気持ち良く下りていける。
前回スキーで来た時は気温が低くて硬い斜面だったが、今日は、もしスキーだったら我々でも気持ちよく下りて行けそうだ。
鞍部に来ると風這いになり、笹が出ていた。ササ地帯に入って踏みぬくのがいやなので笹地帯の西側を回り込んで通過した。
1809mピークの登りでなんだかモコモコさんがやたらに遅れてくる。なんなんだ?モコモコさんを待っていると、「ワカンが壊れた」と言ってくる。どれどれと見てみると、後のバンドが切れてなくなってしまい、つま先だけでなんとか着いている状態だ。とりあえずこのままごまかしながら行ってもらうしかない。
1809mピークは緩やかで広いので、着いてからああここがピークかと分かる程度。この付近は檜倉山同様に風がなければいい幕営地になりそうだ。風が強くまだ先へ十分進める時間なので通過。
スキーのトレースはこの先にもまだ続いていた。
次の小ピークは、遠目には緩やかであるが意外に登り応えがあった。
ここまでくると、米子沢ノ頭手前の小ピークがはっきりと見える。そろそろ泊まり場が欲しい所だ。
風がなければどこでも幕営できそうだが、今日は風が強いのでかなりブロックを積まないといけない。風がよけられる場所を探しながら進むことにした。
最初にすぐ目の前に見えている1809mのピークだ。
1809mピークまではこれはという場所はなく、整地とブロック積みを頑張ればなんとか泊まれそうというところがポツポツあったがしっくりこない。
米子沢ノ頭の前のピークの前に地形図でも良く見ないと見逃してしまいそうな、単なるでっぱりというほど小さなピョコを巻くようにスキーのトレースがついているのが見えた。モコモコさんがあそこにいい幕営地があることに賭けてみたいと言うので、そう言うモコモコさんに賭けてみることにした。
1809mは小さなピークであるがこれまでと違い雪面がうねっており、もし戻ることになるかもしれないと思うと、先に行くピョコとは結構標高差があるように思える。いずれにしても今日中に米子沢ノ頭を越えるのは無理そうだ。それでも、もうすぐ行動終了だとなると、足取りも軽い。
結果は・・・。
見事賭けに勝った。
無積雪やもう少し遅い時期だと幕営地として考えられないが、今はまるで我々の為にあつらえたのかのような場所になっていた。
ピョコが強い西風を遮ってくれ、微妙な稜線の曲がり具合により、まるで懐のような小さな小さな平坦な雪面を作っていた。
ほぼ平坦なので、整地も楽そうだ。
多少は風が入るので、新雪部分を除いてそのままブロックとして利用すれば立派な風よけ及び整地のための(雪?)地ならしもできる。一石二鳥で早めにテントを張ることができた。
うれしくも少し時間の余裕ができたので、モコモコさんが荷づくり紐を使ってワカンの仮補修にとりかかっている間に稜線に上がり写真を撮ることができた。
整地が楽だった分時間を掛けられたので居心地良く過ごすことができた。
寝る前にトイレのために外に出たモコモコさんから「うわーすごい!!」との声が上がった。
満点の星空に、月明かりに照らされて綺麗に山が見える。「月見登山でもしようかな?」と一度テントに入るとめったに外に出たり動いたりしないモコモコさんからこんな言葉を出させるほどだった。
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熊棚 |
雨ケ立への登りではスキーのトレースを辿った |
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ガスなので、雪庇から落ちないよう注意 |
小烏帽子を越えた辺り |
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大烏帽子山と小烏帽子山の鞍部から広がるナルミズ沢源頭部 |
雪がグズグズなのでピッケルに持ち替えた |
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ガスガスの中大烏帽子山へ登る |
大烏帽子山の山頂で、ガス晴れ待ちのモコモコさん |
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朝日岳が顔を出してくれた |
布引尾根のガスがとれてきた |
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さすが稜線の風は強い |
ガスが晴れてきた |
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大きな亀裂があった |
檜倉乗越を物凄い勢いで雲が流れている |
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檜倉山山頂のガスはまだとれていない |
薮のところが少し急なので後ろ向きで下りた |
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檜倉山が見える様になった |
後ろを振り返ってばかり |
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朝日岳と清水峠の小屋まで見えた |
大烏帽子山はどこから見ても格好がいい |
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丸い檜倉山 |
雨ヶ立から大烏帽子山までの布引尾根が見えた |
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大烏帽子山から朝日岳が綺麗に見えた |
檜倉山は広い |
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このままの高度で柄沢山へ行けたらな |
刃物ケ崎山 |
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いよいよ檜倉乗越から柄沢山 |
傾斜が急なので後ろ向きで下りた |
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檜倉乗越へもったいない下り |
檜倉乗越からは今日一番の大きな登り |
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先を見るとクラクラする標高差 |
結構登ってきた |
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まだまだ登らなければならない |
柄沢山の登りで風を避けて休憩 |
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柄沢山の肩にようやく着いた |
ここまでくれば柄沢山までもう少し |
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清水峠〜谷川岳がよく見える |
まだまだ豊富な残雪 |
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あそこをずっと歩いてきた |
谷川岳が霞んでしまい残念 |
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今日中に越えておくピークはあと二つ |
下津川山へと連なる稜線 |
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柄沢山が大きい |
風這いを過ぎた |
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1つ目のピーク(1809mP)から次のピークを見る |
1809mPを登るモコモコさん |
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1809mPを登ると深沢ノ頭が見える |
深沢ノ頭の先に幕営場所があることに賭けた |
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米子沢ノ頭の名もなきピーク手前に到着(賭けに勝った) |
幕営場所から |
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最高の幕営場所 |
深沢ノ頭 |
3月31日(晴れ)
コースタイム;幕営地A5:27〜米子沢ノ頭5:56〜栂ノ峰8:27〜巻機山8:56〜前巻機9:35〜七合目付近10:17/10:40〜標高1250m付近11:05/11:22〜三合目付近12:26/12:40〜二子川橋先の林道分岐13:05〜清水除雪終了点13:28〜バス停13:35
一昨日は風の音であまり寝られなかったが、昨日は静かで寝心地も良かったのでよく寝られて少し寝坊した。モコモコさんは例によってまだ寝ていたので起こしてあげた。目覚めはすっきりだ。
風も穏やかで文句なしのいい天気だ。
最初はワカンで出発しようと思ったが、今朝は放射冷却で雪面が堅くなっているからアイゼンの方がいいということでアイゼンを履いていくことにした。
この判断は正解で、アイゼンで全く沈むことはなかった。これならばサクサク進めるぞと期待して幕営地から稜線に戻ると、お約束であるが、出発していきなりモコモコさんの方から「うわっ」という声が聞こえる。
あわてて後ろを振り返ると、早速亀裂にはまっていた。胸まで完全に落ちてしまい、ザックと腕が引っかかって止まっている状態だ。
荷物を体から外そうともがいているがどうやらひっかかって上手く空身になれないらしい。
手伝ってあげてようやく空身になれた。足場はあったので下まで落ちることはないが、這いあがるのに苦労していた。
モコモコさん脱出の後、穴を覗くと結構深くて大きな亀裂ができていた。春だなー。
いきなりのことで面喰った。
まず最初に、目の前にある雪がなければ完全モチャクチャピークになると思われる米子沢ノ頭の手前の名もなきピークに取りついた。
近づくと思ったよりも薮がでていた。
薮の薄い所や雪の付いているところを探して登って行く。
結構傾斜が急で雪もそこそこ硬いので、ピッケルを出した方が良かったかなと思う所もあった。
そんな所でも、スキーのトレースがあった。いくら雪が柔らかい時に通ったとはいえ、我々なら完全に担いで通過したであろう場所でもカニさん歩きで突破したこのトレースの主に、雪のある所はまだしも、下の薮をどうやって突破したのか直接会って尋ねたくなるほど見事だった。
出発早々なんだか一戦交えてしまった気分だが、この名もなきピークを登ってしまうと薮が目立つもののゆるやかな稜線となった。
米子沢ノ頭へと向かっているうちに周りの山が赤く染まってきた。
奥利根と奥只見を分ける稜線から朝日が顔をだしてきたのだ。その光景は見事で、足を止めて何枚も写真を撮ってしまった。
米子沢ノ頭はさきほどの名もなきピークはなんだったのかとおもうほど穏やかな山だった。
ここから傾斜は緩やかだが、もったいないことに一気に標高差150m下る。この辺りで我々を導いてくれたと言っても過言ではないスキーのトレースがいつのまにかなくなってしまった。どこを滑り(登って)下りたのだろう。
ここの下りは、踏みぬきが結構あり思ったよりも骨が折れた。また、直射日光が当たり、昨日とは打って変わって風もないので暑くなった。雨具を脱いでシャツだけになった。
天気がよくて嬉しいけれど暑いなーと贅沢な文句を言いながら進むと、いつの間にかスキーのトレースがまた出てきた。うーんどこを通ってきたのだろう?謎だ。
鞍部から標高1750mまでは、暑さと重荷に耐えながら脹脛を苛めるような登りで、頻繁に足を止めて休ませて息を整えてといった具合になってしまい、なかなか標高差を稼ぐことができなかった。天気が良くて暑いが、初めて遡下降した上トトンボ沢や上ゴトウジ沢の沢筋が見えるのがなぐさめになった。
この登りでは、痩せ尾根で傾斜が急なため、完全に薮がでている所が所々見られた。雪が使えないと大変そうだなと薮をよくを見ると、早めに雪が使えなくなるためか薮の中に踏み跡を見ることができた。
ようやく普通に登ることができるような傾斜になったところで、標高1926mの栂ノ頭への登りの前に休憩した。
あまりに暑いので、オーバーズボンを脱いで、冬用の帽子をとった。水の消費が激しい。
上ゴトウジ沢のときはあそこに出たのかな?と思い出話をしながら栂ノ頭へ登る。
栂ノ頭という名の通り、なぜかこの辺りだけ針葉樹林帯となっており吾妻連峰に来たかのようだった。時間があったらゆっくり昼寝でもしたいところだが、まだ先には大き山容の巻機山がでーんと横たわっている。写真撮影だけ済ませて、巻機山へと進む。
直接登りたいが、ここも風の影響で斜面の雪がガタガタになっているため少し東側へ周りこんでから登った。牛ヶ岳もかなり近くに見えるようになり、トレースがはっきり残っているのがわかる。
ようやく大きな登りは終わり、山頂台地状になった。
どこが山頂だかよくわからないが地形図に1967mと記されている場所を目指す。牛ヶ岳からの稜線方向が一致するようになると、まるで銀座へワープしたかのように一気に踏み跡が増えた。後はこの踏み跡を辿るだけだ。
さすが北風をまともに受ける山だけあって、冷たい風が吹くようになった。
一枚上に着ようか迷ったが、すぐに暑くなるだろうと思って我慢した。
地形図の1967mポイントは雪が飛ばされてしまうのか、地面が見えており粗末な棒が立っていた。
ここから先少しの間ニョキっと端正な形の割引岳方向へと進むが、踏みぬきがひどく先が思いやられた。
すぐに割引岳方向と離れて、今は雪に完全に埋まっている小屋へ目指して下降に入ると、下りなのでいくらかましだが、とにかく潜る。
振り返って見ると栂ノ頭は目と鼻の先の距離にあるが、米子沢の源頭部をぐるりと巻いてくるのでけっこう距離がある。小屋辺りから見る栂ノ頭はさきほどよりも針葉樹がよく見え本当に吾妻連峰のようだった。
前巻機(標識にはニセ巻機)山までの登り返しはわずかであるが効いた。
下りでもうんざりなので、登ってきた人はこの先の下りと最後の登りにはかなりダメージを受けそうだ。
前巻機山から大烏帽子山方面を見ると、このまま柄沢山へと尾根が繋がってそのまま登ってしまえそうだ。実際には米子沢が深く隔てており、下降する井戸尾根は90度向きを変えて一気に下降にかかるのだ。
この下降は傾斜が強いので、笹が出始めていてあちらこちらに踏みぬいた跡がある。モコモコさんは懸念した通りやたらに時間がかかった。
時間が掛るのでどんんどん気温が上がり踏みぬきやすくなり、踏みぬくので時間がかかり・・・と悪循環だ。そうこうしているうちに登ってくる人がちらほら見えた。
さすが巻機山、人のことは言えないが平日でも登ってくる人がいる。
広々として我々でも快適に下りて行けそうな斜面になったところで、登りの登山者第一号の方とすれ違った。暑くて潜るので大変な様子だ。そのすぐ後にも、スキーを履いた方や、アイゼンを付けて登ってくる方と足回りはさまざまだが、各々ここまで苦労された様子が伺えた。
モコモコさんがここまでの緊張と暑さで喉がかわく、ワカンに替えると騒ぐのでかなり時間を無駄にしてしまった。
ワカンに替えたことで少し進みが早くなり順調に標高1200m辺りまで下りてこられた。雰囲気がとてもよかったので休憩することにした。
休憩中の間に単独のスキー登山者の方2名が登って行った。
ここで、清水からのバスの時刻を確認したところ、予定では15:48のバスに十分間に合うというつもりだったが、順調に来られたので一本前の13:45に乗れるかもしれないことが分かった。
そうとなればのんびりしていられない頑張ろうということになった。
休憩ポイントから出発してすぐにテントを張るために整地された箇所がいくつもあり、それが取り囲んだ中心に立派なテーブルがつくられていた。どうやら大宴会が開かれた模様。
確かにここは最高の場所だ。そういえばモコモコさんも時間が許せばこの辺りに泊まりたいなと言っていたことがあったっけ。
そんな和やかな時間は長くは続かなかった。
モコモコさんは、井戸の壁の直前で落ちた枝に足をひっかけて大転倒。やれやれ。
いよいよ井戸尾根の関門、井戸の壁の下りだ。
転倒すると一気に下まで転がり落ちそうな傾斜だ。ゆっくりと下りて行くが、雪がグズグズでワカンの爪が効かずに滑ってしまう。
前向きに下りるのは危険と判断して後ろ向きに下りるが、木製のワカンでもずるっと行きそうで、モコモコさんの金属製ワカンでは完全にアウトになりそうだ。
途中でピッケルに持ち替え、モコモコさんにはさらにアイゼンに履き替えて下りてきてもらった。
巻機山は通年通じてこの井戸の壁が本当に関門だよな。
なんとか前向きに下りられるようになったところで、早くもスキーの方が降りてきていた。どこまで登ったのかはわからないが、スキーはやはり早いな。
スキーでない我々はズボズボ潜りながらえっちらおっちらだ。
広々とした所に出てモコモコさんがワカンに替えたいと騒ぎ出した。
早く行きたいのに、更に水が飲みたいなどと言いだすので休憩をとることになってしまった。
水を飲んだモコモコさんに先頭を変わってもらったところ、今度はなんだか分からないが踏み跡に惑わされ道を間違える始末だ。
余計な体力と時間を使ってしまった。
なんとかルートに戻り、米子沢橋を渡り二子沢川の橋を渡った。
渡った先で、スキートレースは西谷後沢バス停へと続いていた。迷ったが、ワカンでは除雪終了地点が少しでも標高が高いところにある清水へ下りた方がいいだろうと思い、清水へ向かう林道へ入った。
これが正解だったようで、樹林帯の道となって潜り方が浅くなった。
最初先頭はモコモコさんだったが、遅いので先頭を交代した。バスに乗り遅れまいと急いだが、モコモコさんも頑張ってついてきた。途中ポイントとしていた送電線の下を通過した。いいペースだ。
踏み跡が余計なカーブを絶妙にカットしてくれ最短距離で進めるようについているので、送電線からは予想よりも早く除雪終了点に着くことができた。
終了地点に建つ民家に設置された消雪ホースから豊富に出ている水で顔を洗うことができてさっぱりした。
ワカンを急いで脱いで、バス停へと向かう。最初は一本道だったが、すぐに二俣になった。ここで左に行けばよかったが、右に入ったことでバス停からすこし遠い所でバス通りに出てしまった。登山地図を見てバス停を探しながら歩く。バス停の終点(始発)は集落の一番奥にあった。
バスは既に到着していた。やった間に合った。これを逃すと2時間待ちだ。本数が多くなる沢口まで歩いても結局2時間後に出る同じバスに乗ることになるのでタクシーを呼ばなければいけないところだった。
出発まであまり時間がないので、ピッケルをザックから外してまとめてと最低限のことだけしかできなかった。
バスの中で装備を整理することも考えたが、なんだか疲れていたのと周りの景色を見ていたかったのでホゲー(ボーっとしていい気分でいる状態のことを我々はこう表現している)と乗って行くことにした。
出発前に運転手さんから「もしかして越後湯沢へ行きますか?」と聞かれた。深く考えずに「はい」と返事すると、バスで六日町駅へ出るよりも途中の「塩沢駅前通り」で下りた方がいいこと、更に乗り継ぎの電車の時刻まで調べて教えてくれた。
親切な運転手さんの言う通りに、教えられた(運転手さんがここですよとバスを停めてくれた)ところで下りて、2〜3分ほど歩いたところが塩沢駅だった。
塩沢駅に着いて荷物をおろして、教えてもらた電車まで時間があるし途中にあった「つむぎまんじゅう 蒸したて」に妙に魅かれたので買いにいくことにした。その前にもう一度時刻を確認してと時刻表を見ると、なんとあと5分もしないうちに電車がくるではありませんか。ここでも予定の1本前に乗ることができる。
あわてて切符を買って、ホームへ入った。
やってきた電車の席はほぼ埋まっており、汗臭い我々は気後れして立ったまま越後湯沢へ行くことにした。ほくほく線の電車は、越後湯沢まで停まらない快速運転をしていたので立っていても苦ではなかった。
それにしても平日なのに結構人が乗っているなーとこのときは軽く考えていた。
越後湯沢でお風呂に入ろうと改札を出てびっくり。
人人人・・・・まるで東京駅だ。
閑散とした越後湯沢駅しか見ていないので本当に驚いた。いつものんびりパッキングする場所も団体の待ち合わせ場所なのか人人・・・。
やっと探し当てた人のいない場所でお風呂の準備をした。
汗を流して綺麗な服に着替えれば気分もさっぱりだ。荷物の所へ戻ると、人はさらに増えており、我々のザックは団体さんらしき人に包囲されていた。
さらに荷物を移動して作戦会議。
今回は少し贅沢をして新幹線でバビューンと帰ろうと計画段階から考えていたが、この混雑では座れないかもしれない。さすがに東京まで立ちっぱなしはつらい。指定席を取ろうと空席状況を確認してみると、16:00台までほぼ満席だ。越後湯沢駅発で今日まで臨時に水上まで走っている在来線で帰ることも考えたが、そういえば青春18きっぷが使える時期できっと混んでいるはずだ。今日はこの大荷物で席取り合戦に参加する気力がない。色々理由をつけた結果、16:00台の指定席が空いている出来るだけ早い時刻の新幹線で帰ろうということになった。
無事に思った通りの新幹線の席がとれたので、新幹線の時間までお土産を買ったり、利き酒(500円でお猪口で5杯分(5種類)飲むことができる)を楽しんで時間をつぶした。
指定をとった新幹線の自由席はほどほど空いていたが、並んで座るには少し厳しそうでまた、結構前から列に並ばないと座れそうもなかった。
新幹線発車と同時に乾杯をすると、すぐに新幹線は長いトンネルへと突入し、桜咲く街を目指して疾走していった。
出発の朝からなにか追い立てられているかのような、ある意味乗り継ぎがよすぎる慌ただしい山行だったが、久しぶりだったこともありとても満足した。
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今日も天気がよさそうだ |
いきなり嵌るモコモコさん |
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モコモコさん脱出待ちの間に一枚 |
結構立派だが、名も無きピーク |
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予想通り面倒な登り |
奥利根側はスキーで滑り降りるのによさそう |
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面倒な所が終わった(モコモコさんは直下を登っています) |
モコモコさんも無事突破 |
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米子沢ノ頭 |
米子沢ノ頭の前で朝日を浴びる |
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同じ山容が続くように見える |
あの先へ歩いていきたい |
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あれを目指してひたすら歩いてきた |
鞍部まで踏みぬきが多かった |
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大烏帽子山が小さく見える |
近道したくなる |
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思ったよりも骨の折れる登り |
いい眺めに慰められる |
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こんなにはっきり見えるのはめったにないだろう |
栂ノ峰 |
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巻機山は大きい |
巻機山と牛ヶ岳 |
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牛ヶ岳からの稜線も近くなった |
この雪の量なら快適な縦走ができそうだ |
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奈良俣湖が見える |
質素な山頂 |
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雨ケ立山からの一望も見納め |
谷川国境稜線が見渡せる |
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広い斜面を自由に下る |
吾妻のような山容 |
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前巻機山から見た割引岳 |
このまま稜線へ行けそうな気がする |
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実際は尾根はこちらへと向かっている |
急斜面の下りは踏み抜きに注意 |
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暑くて潜るのでスキーが欲しい |
下りは早い |
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天狗岩が目立つ |
大宴会の跡 |
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井戸の壁を降りてほっとする |
除雪終了点までくれば間もなくバス停だ |
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