山域 南会津
コース 小豆温泉〜三ツ岩岳〜御神楽沢〜会津駒ヶ岳〜桧枝岐
〜久しぶりの山〜
日程 2015年10月1日〜10月4日

今年の沢は、こちらに恨みでもあるのかと言いたくなるほどことごとく雨に邪魔されている。
例年よりも気温の低下が激しく、さらにせっかくとった休暇の中日を狙うかのように雨の予報。
南会津の沢にどっぷり浸かろうとしていたが、結局の所一度行ったことのある沢の後半のみの遡行となってしまった。
データ 1/25,000地形図; 、1/50,000地形図;桧枝岐  山と高原地図;尾瀬

アプローチ

東京駅八重洲口22:20−会津若松駅5:20/8:00-会津高原駅9:19/9:50−小豆温泉10:48

コースタイム
10月1日(晴れのち雨)
 小豆温泉バス停11:16〜黒檜沢渡渉点11:49〜旧道分岐13:30〜三岩岳避難小屋15:46
10月2日(雨のちガス 終日強風)
 停滞
10月3日(晴)
 三岩岳避難小屋6:16〜三ツ岩岳7:04/7:22〜三岩岳南西峰との鞍部の湿原7:36〜標高2060mPとの鞍部の湿原8:07〜標高2060mP南の肩の湿原9:00〜下降点(標高2057mPとの鞍部付近)9:10/9:29〜標高1425m付近二俣12:20/12:40〜(途中ナメコ採り)〜御神楽沢出合13:37〜〜標高1400m付近BP15:30

10月4日(曇り朝のうち雨 ガス)
 BP7:05〜50mナメ滝7:22〜ムジナ窪沢出合9:20〜イナズマの滝10:30〜標高1750m二俣11:12〜会津駒ヶ岳山頂14:16/14:30〜登山口17:12


10月1日(晴れときどきくもり)
コースタイム;小豆温泉バス停11:16〜黒檜沢渡渉点11:49〜旧道分岐13:30〜三岩岳避難小屋15:46


9月10日の大雨によりアプローチに使う東武・野岩鉄道が甚大な被害を受け、運転は再開されたものの以前のように朝出発では会津高原駅発9時台のバスに乗れなくなってしまった。
仕方がないので、夜行バスで会津若松まで入ってのアプローチ。前日の仕事が長引いたが無事乗車。平日であるにもかかわらず、結構な人でバスの席は埋まった。4列シートであるが、皆静かにしていたので結構寝られた。

会津若松で時間調整をして会津高原駅へ。乗った会津マウントエクスプレスはハロウイン仕様になっており微笑ましかった。
快適で楽しい旅であるが、懐は痛かった。
会津高原駅にある土産屋さんで、下車地である「小豆温泉」バス停まで使い切る分の回数券を買った際に驚きの事実判明。小豆温泉に入りに行くわけじゃないよねと聞かれたので山に登ることを伝えると、「よかった、あそこは今やっていないからね。」とのこと。どうことじゃ?と思って事情を尋ねると、老朽化により完全に閉鎖されて締まっているとのことだ。
あずき温泉の「窓明の湯」は食事と入浴がいっぺんに済ませられるので、時間によっては下山後途中下車して入って行こうかと考えていたこともあって貴重な情報だった。

バスには我々の他にも数人の乗客を乗せて出発。
9月10日の大雨の爪跡をあちらこちらで見かけた。特に熨斗戸地区辺りの被害の大きさには愕然とした。
住人は本当に大変で怖かっただろうと容易に想像できた。

道路があちらこちらで工事中なため、バスは少し遅れて到着。小豆温泉バス停で降りたのは我々のみ。登山届入れに計画書を投入して腹ごしらえをして体操をしてから出発。
いきなりスノーシェッド上の歩きから始まる愉快な登山道だ。

黒檜沢渡渉点の橋は壊れており渡れないが、今回は沢靴なので全く問題なく渡渉終了。
前回は登山道の内容を忘れていたので、余計な水汲みをしたりペース配分が分からずで時間が掛って疲れたが、今回はあちらこちらを観察したりする余裕を持って登ることができた。

ブナ林の樹林帯を登って行くのでブナの実がたくさん落ちていた。時間が掛るのといちいちしゃがむので疲れるが、何回か二人でブナの実拾いをした。今思い返すと、まるで2頭のクマか猿のようだ。

登る準備をしているときは日差しが強く暑いくらいだったのが、だんだん雲行きが怪しくなってきて風が吹き出し、小屋まであと1時間ほどという所でとうとう雨が降り出した。それでも食い意地が張っている我々はスギヒラタケを見つけ雨の中収穫した。

地塘がある小さな小さな湿原が現れば間もなく小屋となり、道草した割には早い時間に小屋に着くことができてほっとした。小屋前にはわずかだが水が流れており、水を得ることができた。(水たまりからすくう感じ)
小屋は窓を閉めていると暗いので一か所だけ開けたが、風が強まってきてばたついて落ち着かなかった。そうこうしているうちに日が暮れた。

食事を済ませて寛いでいると、ぐんと気温が下がり寒くなってきたので、テントを張って寝ることにした。
明日は午前中雨との予報。焚き火で調理を賄うつもりでいたので、ガスカートリッジにあまり余裕がない。明日焚き火ができる所まで下降できるといいなと祈って寝袋に包まった。

10月2日(雨のちガス 終日強風)
コースタイム:停滞

天気予報通り雨。
風も強い。登山道には既に水が流れている状態だ。これでは沢に入ることはできない。天気予報では午後には雨がやむとのことなので午前中の停滞決定。軽く朝食をとってシュラフにくるまって二度寝した。
お昼になっても風が強く雨音がする。雨なのか濃いガスが落ちてきているのかどうか分からないが、登山道を流れる水は相変わらず。とにかく登山道に水が流れるのが止まるまでは出発できない。そのまま停滞決定。

停滞中に、今後のルートを練り直す。この状態で小豆温泉から入山した場合の定番ルートミチギノ沢下降での入渓は、増水しておりしかも気温が低いので下降遡行ともに時間が掛って日程不足になりそうだ。そこで、三ツ岩岳から会津駒ヶ岳方面へ薮を漕いでいき、2060mピークとの鞍部から下降(Aコース)してはどうかとモコモコさんに提案した。

モコモコさんは地形図を眺めて「うーん」とうなってしばらくして、その場所からの下降だと、本流に出る前にゴルジュが出てきそうだから2060mピークの先まで頑張って薮漕ぎして一本上流の枝沢を下降(Bコース)するか、更に頑張って薮を2057mピークまで漕いでムジナ窪沢下降(Cコース)したらどうかと返された。
モコモコさんによると、Bコースは薮漕ぎは長くなるが、傾斜は急なものの一定であり沢形も浅いのでゴルジュがでてきたり下降が困難な滝は出てこないだろうとの読みだ。Cコースは、泊まり場が少ない御神楽沢で確実に泊まれる場所があるところへほぼ直接降りることができるからとのことだ。
とにかく早く本流に入りたいので、BコースできればCコースで行くことにした。

そんな打ち合わせをしているうちに、そろそろ夕食の支度を始める時間になった。雨もやっと止んだ。
昨日収穫したスギヒラタケもおかずに加えて明日に備えてしっかりと夕食を取った。


10月3日(晴れ)
コースタイム:三岩岳避難小屋6:16〜三ツ岩岳7:04/7:22〜三岩岳南西峰との鞍部(頂稜部)の湿原7:36〜標高2060mPとの鞍部の湿原8:07〜標高2060mP南の肩の湿原9:00〜下降点(標高2057mPとの鞍部付近)9:10/9:29〜標高1425m付近二俣12:20/12:40〜(途中ナメコ採り)〜御神楽沢出合13:37〜〜標高1400m付近BP15:30


久しぶりにすっきりとした青空が広がる朝だ。
さすがにこの時期の朝は寒いが、薮漕ぎで時間が読めないのでできるだけ早めに出発したつもり。
三角点のある山頂に順調に到着。

山頂からは最初に目指す湿原が確認できる。二つのピークからなる三ツ岩岳の南西の峰との鞍部にある頂稜部の湿原だ。
休憩を取っていよいよ出発。
展望が効く所から直接向かうと灌木の濃い薮にいきなり突入してしまうので、山頂裏(西側)になぜか踏み跡があったので辿ってみた。
踏み跡はすぐになくなってしまった。
最初は思ったよりも薮は薄いと思ったが、下りに入ると薮は濃くなった。できるだけ尾根をなずさないように、若干西側を意識して歩くと気分的に楽に感じた。

距離も標高差も短いが、たっぷり時間がかかって湿原に到着。
いきなりの激薮だったのでほっとした。小さいがなんともいい雰囲気の湿原だ。モコモコさんは「たったこれだけの距離なんだからここまで刈り払いすればみんなこの湿原を見られるのに。」と言っていたが、「これを守るためあえてあそこ(三角点)までにしたんだよ。」と返すと、「そうだね、ここはそのままがいいね。」とすぐに思い直すほど静かで綺麗な所だった。

後ろを振り返ると三角点の山頂はまだすぐそこ。
しかし薮漕ぎで下りにもかかわらず一運動した感じだ。湿原を踏み荒らさないようにそうっと通過して次の薮に突入し、南西峰を目指す。
久しぶりの本格的な薮漕ぎに苦労するが距離標高差ともに短いので、思ったよりも早くに南西峰に到着した。
ピークと言っても薮なのでそのまま2060mPとの鞍部へ下降に移る。

薮は三角点の頂上からの下りよりも濃くなり、傾斜が急であるにも関わらず時間がかかった。
この下りは比較的尾根の形状をはっきりとっているので、尾根を外さないように行くと少しだけ楽な気がした。下りきると、先に湿原が見えた。頂稜部の湿原は下りきるとすぐにあったが、こちらの湿原は平坦になってから少し薮を漕がないとたどり着けなかった。
湿原がオアシスとなるのはどこもかわらない。

標高2060mピークへ向けて出来るだけ湿原を使って距離を稼ぐ。
湿原がなくなってからは、薮が薄くなっている出来るだけ尾根東側の端を歩いて行った。これでかなり距離と標高差を稼いで行けると思っていたが、予想に反して傾いた斜面に足がつるつる滑って、効率よく歩くことができない。
モコモコさんは逆に疲れるといって、薮の中に入って歩いていた。尾根の傾斜が緩いところはさほどひどい薮でないらしく、モコモコさんから「足が滑らない分、こっちの方が楽だよ」とのこと。
やがて登りの傾斜が出てきて尾根の端も薮がせり出してくるようになったのをきっかけに、モコモコルートに交流することにした。登りになると、尾根西側は多少薮が薄いので、西寄りに移動した。思った通り、針葉樹林帯の下には笹が簡単にかき分けて行ける程度にしか生えていないので時間を稼ぐことができた。

標高2060mP直下の登りにかかると薮が濃くなってきて、尾根の形状を取り始めた。尾根を外さないように登って行くと、太い枝に邪魔をされ迂回するのも大変なので、ザックを下ろして空身でくぐったりすることもあった。
針葉樹だけでなく広葉樹も混じる薮漕ぎとなり今日一番の薮漕ぎに突入した。
薮漕ぎに夢中になっているうちに標高2060mピークは通過してしまったらしく、斜面が下っていた。

このピークを越えてしまえば予定の沢に入れるはずであるが、モコモコさんから「念のためピーク南の湿原を確認してから下降したい。」とのことでそのまま尾根を南に進んだ。
ここも南北に伸びている尾根であるため、西側の薮が薄いので意識して西側を歩くようにしていると、モコモコさんから「なんだか左上に尾根が見えるよ」と指摘を受ける。地形図を見てみると、標高2060mPからは北西にも尾根が伸びており、その尾根に引きこまれつつあった。
この尾根を下降してもいいのだが、湿原の確認ができなくなるので大きく左に方向を振って修正した。

バサバサガサガサ薮をかき分ける大きな音を立てて、再び無心になって進んでいると前方の視界がぱっと開けた。湿原はもうすぐだと思った瞬間に足が宙に浮いた。
あまりの濃い薮に東側の切れ落ちた場所が見えずに落ちてしまった。薮を掴んでいたので転滑落することなく止まったが、戻るのは結構大変だ。モコモコさんに助けを求めモコモコさんからも「今行くから」と返事が来たが、薮漕ぎの音が聞こえるだけで一向に姿は見えない。そうだった。モコモコさんはただでさえ遅いのに薮漕なので一段と進むのが遅いのだった。モコモコさんが到着する前に自力で脱出できた。

すぐ先に数mの段差ができており、段差の下には湿原が見えたので、薮の尾根に戻るよりも湿原に出る方が早くて楽そうなので、湿原に向かった。
ところがこの湿原が曲者だった。結構斜めに傾いた湿原なため、とにかくつるつる滑る。薮から湿原歩きに移ったモコモコさんからも「滑るよー」と騒いでいる声が聞こえた。

それでも薮を漕ぐよりは早い。再び尾根全面が薮に覆われるようになる所までサクサク進むことができた。
再び薮に突入。
これまでと違い、西側によっても薮は薄くならず。昨日は次なるピーク標高2057m地点まで進んでムジナクボ沢をなどと言っていたが、とてもそんな気は湧いてこない。なんだがいやになったよとモコモコさんに訴えると、同じ気分だったようでムジナクボ沢下降は諦めるとのことだった。

地形図を確認すると、ここまでくればどう下っても、下降予定の沢に入ることができる。腹ごしらえをして御神楽沢へ向けて下降した。
下降するにはできるだけ斜面を進みたい。地形図を見ても、沢の形を取るところまでにはかなり斜面を下ることになるが、未知の場所となる我々にとっては都合がいい。
西側を向いた斜面は薮はこれまでに比べて薄いが、それなりにあるので二人とも何回か薮に足を取られた。

時折標高を確認すると、全く高度を下げていないことに愕然としながらも黙々と下って行くとようやく窪状の地形が見られた。
しばらく枯れ沢の状態で、下りられない涸滝等もなく下りやすい。
水が湧出て来るようになったが、沢そのものが小さく浅いのでさほど濡れるなく下りることができる。
いくつか小さな沢を合わさるとさすがにしっかりとした流れになった。

先にがくんと落ちているような感じが見えるとドキッとするが、傾斜が急なだけで済んだ。さすがに下降を初めて1時間も経つと滝が出てくる。高さ3mほどで規模も小さいがクライムダウンできないので、右岸の薮を使って下りた。数mだが、足元が急なので重荷を背負った握力の弱いモコモコさんにはきついかもしれないのでモコモコさんのザックだけ荷下げした。これが正解だったようで、下降したモコモコさんによると「荷物背負ってだときつかったかも」とのことだった。

その後も困難な場所はなく、苔むした小滝を後ろ向きにクライムダウンした程度で順調に下降した。
なかなか標高が下げられないでいたが、それでも何事もなく標高1750m付近に岸壁に紅葉が映える綺麗な所に着いた。ここは二俣になっていた。出合った沢は、2060mPからすぐに下降した場合に入っていたであろう沢だが、我々が下降してきた沢に比べて水量が多い。先の湿原まで進んでから下降を始めて正解だったようだ。

この辺りからさらに沢の傾斜が増すが、沢はさほど深くなく周りの樹林が良く見えるので威圧感がない。下降できない滝を一つ簡単に巻き下りただけで先ほどの二俣から一時間強下降した所で標高1425mの二俣。
合流してきた左沢はなかなか綺麗な滝を掛けていた。

この二俣から一気に傾斜が緩み、沢も開ける。
水量が増えた中、なるべく濡れないように下降していくと、大きな倒木があった。なんとなく覗いて見るときのこが見える。モコモコさんと二人良く見てみると「ナメコだ!!」さっそくザックを下ろした。

少ししかないと思ってさらに覗きこんでみると、群生していた。嬉々として収穫をしたが、このあとまだ先が長いので、かなり残した状態で泣く泣く収穫を終わらせた。あーあ、すぐに行動終了だったらなと残念に思うほどきれいなナメコだった。

下りられない滝を2つ簡単に巻き下りてナメコ収穫地点から40分程で本流が見えた。この沢自体は10m程の滝を掛けて本流に合流しているが、簡単に下降できた。
結局のところ、直接下りられない滝は4〜5個ほどあるが、全て簡単に小さく巻き下りることができたので下降する沢として選んで当たりだったようだ。

本流はやはり規模が違って流れも大きく太くて速い。
初めてきたわけではないのに。声を揃えて「大きいなー」と言ってしまった。

本流はこの時期の平水+5〜10cmの増水と言った感じだ。気温が低いので、下流から遡行していたらかなり大変だったろう。短縮ルートにしたのは残念であり、薮漕ぎも大変だったが、冷たい増水した沢を遡行をせずに済んだことから結果としてよかった。

二人揃ってすっかり忘れていた所や、どちらかが憶えていたところありと問題になる所もなく、遡行を楽しんでいく。
一度沢が開けた後、再び沢が狭まってくると長細い釜を持つ3mナメ滝が現れた。
釜に入る気にもなれず登れそうもないなと周りを見ると、思い出したこれは右岸を巻いた所だ。
窪状を登ったが、昨日までの雨でニュルニュルしており掴む枝も乏しい。モコモコさんにはお助け紐を出した。
すぐに沢へと下降に入る。残置スリングがあったのでこれを利用して懸垂下降した。沢へ降りてからようやくモコモコさんも「そういえば前もこういうことした」と思い出したらしい。前回に比べて踏み跡がかなりはっきりと出来ていたので分からなかったのかもしれない。

懸垂下降したのはここだけ。
後は順調に標高1280m付近で左岸からの支流が出合ったのを確認して先へ進むと、先人が止まった跡を見つけた。
御神楽沢は泊場適地に乏しく、薪もなぜか少ないので、折角見つけた場所であるし早い時間に行動を終了して薪集めをしたかったが、残念なことにテントを張ることはできないようだ。日没までまだ時間はあるので、涙をのんで先に進むことにした。

ところが、沢が開けてくるものの巨岩帯になっており一向に泊まれそうな所がみつからない。少しでも樹林が下りてきている所やスカンポが生えている所を見つけては物色するが全くだめ。
このままではムジナ窪沢まで行くことになってしまうのでは?そうすると行動終了前に日没を迎えることになり薪集めはできない。この寒い中焚き火なしは考えられない。
モコモコさんからも「どーしよう?全然見つからないよ。もうやだ。」と泣き言が出て、前方に滝が見えてきて絶望感に襲われそうになったときに奇跡が起きた。

なんだかテンバの匂いがすると思って岩畳のような所を登ってみると、なんとかテント一張り分の平な場所がみつかった。
整地をしてスカンポを敷けばなかなかよさそうだ。モコモコさんからも一発OKがでた。
気になるのは、側壁が急で、大岩があり、教科書では泊まってはいけない所に挙げられるような場所だが、今の所落ちてくる様子はなさそうだ。なにより選択の余地がないので荷物を下ろした。

結構な時間をかけて整地をした。今回なぜか鋸を持ってくるのを忘れてしまったので、スカンポを刈るのが大変だったがそこそこ快適な状態までになった。テントを張ってから薪集め。
やはり薪がなく、これも二人がかりで結構な時間をかけてなんとか一晩分の薪を集めることができた。

滝下の巨岩帯の真横なので風が吹き抜けて、沢の音がかなり大きいが、焚き火が付けば心温まる。収穫したナメコ汁もおいしく頂いくことができた。



10月4日(曇り朝のうち雨 ガス)
コースタイム:BP7:05〜50mナメ滝7:22〜ムジナ窪沢出合9:20〜イナズマの滝10:30〜標高1750m二俣11:12〜会津駒ヶ岳山頂14:16/14:30〜登山口17:12

昨晩はとてもきれいに星空が見えていたのに、気圧の谷の影響だとかで北陸地方は雨とのこと。
ここ南会津もそれに引きずられて濃いガス。さらに朝食の準備をしている頃には雨が降り始めた。天気に腹を立てても仕方がないが、腹が立つのは腹が立つ。

昨日は服を乾かすほど薪に余裕がなかったので、濡れた服に着替えるのは拷問のようだった。
特に濡れた下着を着るのと、渓流靴下を履くのはつらい。余りにも冷たいので、靴下にはお湯を入れて温めてから履いてみたところ、いきなりキーンと言う冷たさがなく逆に暖かいので履くのが辛くなく、これから寒い時の常套手段にしようと思った。

巨岩帯の中に時折ナメ滝といった渓相が続く。せっかく周りが開けて斜面に生えた木々が色づいてきたのにガスときどき雨がぱらついてほとんど景色を楽しむことができない。本日の眺めの楽しみの一つだった50mナメ滝もガスでぱっとしない見た目になってしまって非常に残念だ。
ナメ滝は前回同様に取りつきやすい水流左から登ることにした。滝の幅が狭まる辺りまでは快適に登ることができる。2〜3mほどの岩に阻まれる所では前回モコモコさんにザイルを出したが、今回は雨のせいで岩がぬれているので最初からザイルを引いていくことにした。
といっても、岩を回り込むように登った後が、濡れて外傾した一枚岩で支点を取る所もないので先頭はノーザイル状態と同じで緊張した。ここは右を巻気味に越えればザイルを出さずに行けそうだが、やはり左を登った方が緊張はするが解放感があっていいな。

この後は、快適に滝を越えて、登れないところはどこかしらに簡単に巻いていける所があったりで順調に進めた。
巨岩帯再びか?という渓相になれば10m直瀑滝手前のゴルジュにかかる3連続滝に到着。
最初の滝は一見登れそうに見えないが、実際取りついてみると難なく登ることができ、後の二つも問題ない。
これを越えてしまえば、ゴルジュ状であるが水の冷たさを除けば簡単に進むこと10分足らずで10m直瀑滝だ。ここまで泊まれそうな場所はなし。昨日はあそこで止めておいて正解だった

前回は、10m直瀑滝の左を巻いたが、それには手前の廊下を腰まで浸かって進まなければならず、さらに巻きの上部がニュルニュルだった覚えがある。
この寒さと天気では水に浸かる気になれないので、今回は左岸の取りつきやすい所から登って巻くことにした。
ザレているように見えてモコモコさんにはお助けかザイルが必要かと思ったが、実際登ってみると足元はしっかりしていた。登りきった所で最後に少しグイッと土壁を登れば傾斜がなくなった。
ほぼ平坦な地形となっている所を薮を漕いで上流へ進むと、懸垂下降することなく下りられた。少し大きく巻きすぎた気がしたが結果良しとしよう。

この滝から上流へ少し進んだ所が前回泊まった場所だ。ムイナクボ沢の手前。
いい所ではあるが、風が吹き抜けて寒くて満足に休憩もできず、前回以上に薪が全くと言っていいほどなかったので、昨日はあの場で行動を終了しておいて正解だった。

しばらく平凡な河原歩き。しかし泊まれそうな所はない。本当に泊まり場に恵まれない沢だ。
ムジナクボ沢の出合を確認して更にゴーロ歩きをしていくと、イチゴの木の群生地を発見。
この時期は諦めていたイチゴの実も食べごろだった。我を忘れて熊のように貪り食った。

中門岳からの沢が出合うと、沢は久しぶりに滝が出てくる。水量と高さの割には深い釜を持った滝でちょっとした騒ぎ。滝の左壁を登ったが、少し段差がありホールドが小さいのでモコモコさんにはお助け紐を出して登ってもらおうと準備していたら、いきなりモコモコさんが取りついてしまい蝉になってしまった。幸い安定した所に自力で下りられお助け紐を付けることができた。落ちても度ボンで済むが、今日はドボンだけは絶対に避けたい。無事登りきった所で、「取りついたら誰も助けることはできないんだから、自力で頑張るしかないよ。」と注意した。

この騒動の頃から、沢筋のガスはとれて岩も乾いてきた。
これから上流部の連瀑帯に入るのでありがたい。ついでに晴れてくれればなあ。

連瀑帯は、乾いた岩を快適に登って行けた。周りの色づいた木々も曇りでもそれなりに映えて楽しい所だった。いよいよイナズマの滝。
前回同様ザイルを出して登る。モコモコさんが、この滝には残置ハーケンがあったよと言っていたので、注意して登って行くと確かに残置ハーケンはあったが、頭が潰れており、スリングを通すのも外すのも大変そうで残念ながら使えなかった。

登りきった所で、枝にセルフビレイをとってモコモコさんを迎えた。さらに上部にある滝も登れないので、モコモコさんに確保を交代してそのままザイルをひいて巻きに入る。この巻きは、水流を渡って対岸の岩棚に上るのだが、前回取りつきやすい所から登ったら一歩少し面倒な所があったので、今回は取りつき場所を少し下流側に変えて登ったところ簡単に岩棚に上ることができた。もう一段上がる所はほんの数mだがホールドが乏しく、落ちたら下の岩にゴチンとなってただでは済まないので灌木に支点を取って上がった。

上がると笹薮となって安定するのでモコモコさんに登ってきてもらい、前回同様そのまま先行してもらう。今回も先行したモコモコさんからOKが出たので後を追う。数m傾斜した岩のトラバースしながらの登りだが、乾いているので問題なく突破してモコモコさんに合流した所でザイルを解いた。
ザイルをしまったところからそのまま岩棚に上がり進むと終了。

ゴルジュ出口で直角に曲がるようにかかる滝は快適に登ると沢は明るくなりゴルジュが終わったことが分かる。いくつか連続するナメ滝を越えるとかわいい標高1750mの二俣だ。前回はこの辺りで体を温めつつ休憩したが、今日は日差しもなく止まると寒いだけなのでさくっと通過。
すぐ先にある登れない滝は、前回同様左岸を巻いてあっけなく通過。

滝上は一気に傾斜が緩み河原、ゴーロ歩きとなる。ゆっくり休みたいが休むと寒い。時折出てくるイチゴをつまみ食いしながら進んでいくと、右に入る二俣を見逃したらしい。気付いた時には既に遅し。小沢又は窪が分岐するたびに右に入ったがとうとう水涸れ。標高が上がったせいか、回りは濃いガスで下はニュルニュル地面となっていたので、ピンソールを着けて行くことにした。

前回はモコモコさんが1回使っただけで、全く使わなかったが今回は着けて正解だった。ほとんどつるつる滑ることなくグイグイ登って行くことができた。薮漕ぎに入ってからもできるだけ右に進路をとっているが、一向に稜線に出る気配がない。ガスで笹がぬれているので上半身は雨具を着ているものの全身びしょ濡れで寒い。笹薮が濃いので、風が直接吹き付けてこないのがせめてもの救いか。

ガスで全く周りが見えず、自分がいったいどこにいるのか分からなくなってきた頃、ガスであっても先が明るいのが分かるようになってきた。やっと稜線か?と言いながら一頑張りしたら稜線に着いた。出た所は大戸沢岳寄りの場所で、会津駒ヶ岳の山頂までさらに20分ほど薮を漕ぐことになった。
前回は上手く中門岳との登山道近くの湿原に出られたが、どこでどう間違ったか。山頂までの標高差と距離の分余計に薮を漕いだので、予定よりもかなり遅れてしまった。

これから下山となると疲れもあり、下山後の入浴どころか最終のバスにも間に合わなさそうだ。
予備日を1日取っておいたので、入浴を第一に考えてゆっくり下りて明日早いうちに帰ろうということになった。
山頂は笹薮に囲まれていて少し風をしのげるので、行動食をつまんで下山にかかった。

湿原はいい感じに色づいているがガスで見えないのが残念だ。
冷たい風も吹き続けているので雨は降っていないが雨具のフードをかぶった。
下山を開始して1時間ほどで、ガスがすっかり取れて青空まで見えるようになった。
山頂や稜線付近だけがガスだったらしい。重荷のせいか膝が痛くなってきたのでゆっくり下りる。標高を下げて天気も良くなってきたが、これまで体が冷えに冷えているので、寒いままだ。

止まると寒いので、珍しく休憩を取らずに下山した。途中団体さんが休憩している所を追い越したが、団体さんも出発する所だったらしくほぼ時間差なく登山口にあるトイレに到着した。団体さんはそのままバスに乗り込んで行ってしまった。

疲れた体では若干距離が近く下り気味となるアルザへ行く方が楽だが内湯がないので、駒の湯に入りに行くことにした。
体は相当冷え切っていたようで、いつもならお湯に浸かってすぐに体がポカポカしてくるのに、今回はしばらくは言っても一向に体が温まらなかった。
時間を気にせず入ることができたので、ゆっくりと体を温めることができてよかった。
こうして我々の南会津の沢旅は終了した。

〜いつものどうでもいい話〜
帰りの野岩鉄道「上三依塩原温泉口駅」での出来事。
待っていた乗り継ぎ野岩鉄道が到着したので、荷物を背負おうとしたその瞬間オオスズメバチ(一目でオオスズメバチとわかるほど大きかった)大接近。
とっさにだるまさんが転んだ状態に突入。我々の姿を見た親切な車掌さんが「車内に入れますよ」と声をかけに来てくれた。ありがたいが車掌さんもあぶない「ありがとうございます。でもスズメバチが!」とお礼なのかなんだかわからない我々の言葉を聞いて車掌さんもだるまさんが転んだに緊急強制参加。
緊張していると、やっとスズメバチは遠ざかって行った。一同緊張から解放され、いつまたやってくるとも限らないので、急いで我々は車内へ入り車掌さんは階段を降りて行った。
モコモコさんによると、スズメバチはかなり頭の近くまで来たそうだがモコモコさんのところまではこないで山人の周りを飛び回っていたらしい。ここでふと気が付いた。山人は全身黒い服装だった(モコモコさんの上半身は淡い色の服装)。
久しぶりにオオスズメバチに大接近した(された)。子供の頃のカブトムシ、クワガタ採り以来かも。


ハロウィン仕様の会津マウントエクスプレス 9月10日の大雨の影響が残る バスの車内から
黒檜沢渡渉点の橋は壊れている ブナ林の中を登る
天気が怪しくなってきた とうとう降りだした雨の中登る
小屋に到着 翌日、雨で登山道に水が流れる
入山3日目はいい天気 窓明山が見えた 三ツ岩
窓明山との稜線を雲が越えている 三ツ岩岳山頂
三ツ岩岳頂稜部にある湿原 山はやはり青空が一番
湿原を少し進んだ所から三ツ岩岳を見る 黄金色に光る 薮漕ぎ
あの湿原(2060mPとの鞍部)を目指す 湿原に出るとホッとする
再び薮漕ぎ 次なる湿原を目指す
片斜面の湿原はつるつる滑るが薮漕ぎすることに比べたら天国だ 美しい所だ
いよいよ下降に入る 早く本流に下りたい
岸壁に紅葉が映える ナメコの群生 おいしいナメコ汁になりました
本流(右下は、我々が下降した沢が滝になって出合う流れ) 本流の遡行を始めるとすぐに滝がでてきた
印象深い所 巻いた滝、今回唯一懸垂下降した
巻き下りた所から下流を見る ビバークポイントから見た所
ガスの中登って行く 50mナメ滝 濡れていて緊張した
50mナメ滝の先にある美しい滝 快適に登る ちょっとしたゴルジュ
10m直瀑滝 今回は左岸を巻いた 10m直瀑滝の落ち口
イチゴを熊のように貪り食うモコモコさん 上部連瀑帯に突入
イナズマの滝 イナズマの滝上部を巻き終えた所
イナズマの滝の先にかかる 連瀑帯はここを越えれば終了
簡単に巻いていける ガスで笹がぬれておりびしょ濡れになった
ガスで折角の湿原はあまり見えない 山頂から1時間も下りていないのにガスが晴れた
紅葉は順調に進んでいるようだ いい具合に色づいている




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