山域 |
日光・足尾山塊袈裟丸連峰 |
コース |
中禅寺温泉〜阿世潟〜社山〜三俣山〜国境平〜皇海山〜六林班峠〜法師岳〜小法師尾根〜原向 |
〜静かな静かな鹿さんの山〜 |
日程 |
2015年10月31日〜11月4日 |
破線の登山道歩きや薮こぎにちょうどいい季節がめぐってきた。
満足に山に行けなかった今シーズンであるが、ようやく天気が落ち着いてきた。
長期の連休みが取れたので、以前縦走して楽しかった足尾の山に行くことにした。
今回は、三俣山を通過した時に気になった中禅寺湖南岸尾根と、昨年断念した小法師尾根を辿ることにした。
また、どうしても国境平に泊まりたかったので中禅寺温泉を出発点とした。
|
データ |
1/25,000地形図;中禅寺湖、皇海山、袈裟丸山、足尾 山と高原地図;日光、赤城・皇海山
アプローチ
浅草駅6:20-東武日光駅8:25/8:40-中禅寺温泉9:28/9:40-遊覧船乗り場9:45
コースタイム
10月31日(晴れのちくもり)
遊覧船乗り場10:05〜阿世潟11:00〜阿世潟峠11:40〜社山13:20〜1792mP先の鞍部13:52[水汲み(往復12分)]/14:32〜大平山分岐16:00(幕営@)
11月1日(晴)
幕営地@5:52〜黒檜山6:18〜シゲト山8:20〜国境稜線縦走路分岐10:54〜三俣山10:58〜カマ北のコル11:55/12:15〜国境平北のコル14:14(幕営A)
11月2日(雨夕方からくもり)
停滞(幕営B)
11月3日(晴れ一時くもり)
幕営地A5:51〜皇海山8:18〜不動沢ノコル9:09〜鋸山9:57〜六林班峠10:52/11:09〜男山11:47〜法師岳12:39〜小法師尾根分岐12:51〜標高1780m付近13:30[水汲み]13:50〜笹ノ平15:43〜笹ノ平と小法師岳西の小ピークとの鞍部(幕営C)16:05
11月4日(晴れ一時くもり)
幕営地B6:00〜小法師岳6:30〜雨降ノ頭6:50〜巣神山8:05/8:18〜原向駅10:50
ルート概念図
|
本文中Pはピークを表しています
10月31日(晴れのちくもり)
コースタイム;遊覧船乗り場9:40〜阿世潟11:00〜阿世潟峠11:40〜社山13:20〜1792mP先の鞍部13:52[水汲み(往復12分)]/14:32〜大平山分岐16:00(幕営@)
中禅寺温泉から社山まで
相変わらず日光の人気は高い。
中禅寺温泉まで行くバスは何台も出ていたがどれも満席だ。特に湯元まで行くバスは観光バスタイプまで出動して2台体制だった。
いろは坂の紅葉が見頃だった(窓際でなかったので写真なし)
少しでも早く進めるように中禅寺温泉からバスを乗り換えて遊覧船乗り場までバスで向かった。ここで水汲みとトイレを済ませた。
ここからバスは半月峠へと向かい我々はイタリア大使館を通過して阿世潟へ向かう。ちなみにイタリア大使館へは「イタリア大使館入口」(ちょうど半月峠へ向かう道路が湖畔から離れる辺りにバス停あり)でバスを降りるのが一番近い。歩いてもせいぜい2〜3分の差。
イタリア大使館までは観光客がひっきりなしに歩いているが、トイレのあるイタリア大使館記念公園を過ぎるとぱったりと人の気配がなくなった。
しばらく湖岸道をのんびり歩く。狸窪にある民宿は今日は営業していないのかひっそりとしていた。
民宿の目の前のゲートの先に半月峠への分岐を示す指導標があった。我々はその先の阿世潟へ行くので道なりに湖岸道を進む。
前方が賑やかだなと先を見ると、猿の群れがいた。何かを夢中になって食べていた。
脇をそっと通過して湖岸に男体山が浮かぶような景色が見えるようになると間もなくダケカンバ林のある阿世潟だ。ちょうど狸窪から15分ほどだった。
阿世潟は焚き火でもしながらゆっくりテント泊したくなるようないい所だった。実際はキャンプ禁止なので不可能だが。
ちなみに日光ではダケカンバは標高1500m以上に生えるらしいが、阿世潟は悪条件のため標高1300mでも生えているらしい。
ここから中禅寺湖南岸尾根の阿世潟峠へ取りつく。
腹ごしらえして登りにかかる。よく整備されており傾斜もきつくなく登りやすい。
体が温まってきたかなと思うころ峠に到着。峠からはやせ気味の尾根をぐんぐん登るようになる。結構登る人がいるようで道がしっかりしている。実際社山へ登るまでに5組下山する人達に出会った。
社山に近付くと戦場ケ原や太郎山等も見えるようになってなかなか素晴しい。眺めがよく尾根が長いので、男体山に登るよりも気持ちがいいかもしれないな。
などと思っていたら機嫌を損ねてしまったのか男体山に雲がかかってしまった。更に、皆下山したのか人の気配もなくなった。
社山に着いたころには足尾側からガスに包まれるようになってしまった。
冷たい風も吹きつけてくるので、誰もいない山頂をそのまま通過。
社山から大平山分岐まで
社山からはっきりとした尾根を少し西に進むと、足尾側に伸びているはっきりとした尾根には道がなくなる。登山道は樹林の斜面となる方についている。
もったいないなと言いながら標高差100mほどを一下りすると、先ほどまであった樹林が一気に乏しくなり、風が吹き抜けるのか裸地化した地面が所々顔を出す笹原の尾根道となった。
ここからしばらくは、尾根が右に左に曲がる所だ。
最初に大きく左に曲がる所には道標があった。
次のピークは登らずに巻くようになっており、標高1792mPを越えた先の鞍部で水汲みをするために荷物をおろした。
足尾側に下って行くとすぐに沢筋が現れる。沢に下りると水は出ているが汲むのは厳しいので更に下って行くと、二俣になった所で豊富に出ていた。
今晩と明日の行動分の水を汲んで戻り先へと足を進める。
ガスに包まれつつ歩いていると、単独の男性が前方から現れた。千手ヶ浜から黒檜山を登って来たのかな?お互い急いでいたので挨拶だけをしてすれ違った。
風が強くなり、雪が時折飛んでくるようになった。
出来るだけ進みたいが、早くテントにもぐりこみたい気もするので、1816mPと大平山分岐との鞍部にある辺りで止めようかなと考えながら歩いた。
やがて結構急な登りになって夢中で歩いていたら広々とした背の低い笹原に出た。
どうやら大平山の分岐まできてしまったらしい。
実際には大平山には登山道は付いておらず、登山道が右に直角に曲がるのでその案内の道標が立っている。
ここまで来ておけば明日は確実に国境平まで行くことができる。天気もぱっとしないで雪が舞って寒く、いい時間になったのでテントを張れる場所を探すことにした。
樹林帯に少し入った所でテント一張り分の整地がほぼ不要の場所が見つかったので今夜の宿とした。
これまで何度も鹿さんの鳴き声を聞いていたが、幕営準備中に鹿さんを3頭も間近で見てしまった。
ビュービュー風が吹いて寒い中歩いてきて体が冷えていたので、テントに入ると風から逃げられて一気に安心感が得られた。
暖かい食事で体が温まったら一気に眠気が来てあっという間に寝てしまった。
 |
 |
遊覧船船着き場から出発 |
イタリア大使館を過ぎると誰もいなくなった |
 |
 |
猿の楽園 何かを一生懸命食べていた |
阿世潟から男体山 |
 |
 |
キャンプしたくなるような阿世潟 |
阿世潟峠までよく整備されている |
 |
 |
今日最初のピーク 社山 |
中禅寺湖を眺めながら登る 男体山に雲がかかった |
 |
 |
振り返って半月山 |
急登が終わった |
 |
 |
社山には誰もいなかった |
樹林の中を一下りする |
 |
 |
再び笹原の道 |
登り返した所で直角に進路が曲がる |
 |
 |
伸びた笹の中の道になった |
1792mピークからの下り 鞍部から南面の沢に水を汲みに行った |
 |
 |
渇水期でも十分に水を汲むことができた |
水で重くなったので結構きつい登り 笹がうるさい |
 |
 |
大平山分岐 笹が落ち着いた |
樹林帯に少し入ったところで幕営 |
11月1日(晴れ)
コースタイム:幕営地@5:52〜黒檜山6:18〜シゲト山8:20〜国境稜線縦走路分岐10:54〜三俣山10:58〜カマ北のコル11:55/12:15〜国境平北のコル14:14(幕営A)
大平山分岐〜シゲトまで
鹿さんの鳴き声で目が覚めた。
半月の光で結構明るい。今日は楽しみにしている国境平までの縦走だ。
樹林の中を行けば登山道にぶつかるはずであるが、針葉樹林帯の中の道は分かりにくいので元の分岐に戻ってから出発した。
これまでと違い広い緩やかな斜面の樹林帯になるので薄暗い。踏み跡はしっかりしているが、倒木があったりすると乱れて分かりにくくなる。周りを見るとテープ印を見つけることができる。
尾根がはっきりしてくると日が差すようになって明るくなった。
ここまでくれば後は上へ上へと登って行くと自然に千手ヶ浜黒檜山分岐の道標が出た。
千手ケ浜から来れば、朝出発でも一日で黒檜山を往復することも可能だ。
しかし、社山〜大平山分岐の間は展望がいい(はず、我々はガスの為見えなかった)ので中禅寺湖南岸尾根を通して歩いた方が充実感があるだろう。
黒檜山の山頂は分岐から少し先に進んだ所にある。この間も樹林のうす暗い中の歩きだ。
山頂はあまり傾斜のない中を歩いてきて、更に樹林の中で分かりにくいが山頂標識があるのではっきりとわかる。
登山道として扱われているのはここまでだが、山頂の隅にある雨量観測機までいくとアンテナ柱の脇というか裏に灌木の薮の中に道が続いている。
薮がうるさいのは最初だけで、すぐに下草もまばらな針葉樹林の生えたはっきりとした尾根筋の歩きとなった。
以前市町村界だったためか、結構通る人がいるのか思ったよりも踏み跡があったりテープ印が見られることもあった。
尾根ははっきりしており、薮もうるさくないので快適に進むことができた。
小さなピークを越して行くと、斜面が緩やかな広くなった場所に着いた。地形図で確認すると標高1919mP手前の尾根分岐点まで来たらしい。
この先しばらく尾根がうねっているので注意しなければならない。
ここは進路を左に変えて少し進み、標高1919mPまで行って更に左に方向を変えなければならない。ところが、ピーク手前できちんと方向を変えて1919mPにたどり着き、はっきりとした尾根の形をとる方向にテープ印があったので、地形図で確認することもせず疑いなく直進してしまった。
テープを追って急な斜面をどんどん下降していくとテープを見失ってしまった。
さすがにおかしいと荷物をおろして地形図を出して腕時計の高度計を見ると標高1800m近くになっているにもかかわらずまだ下に斜面が続いている。
左には稜線が見える。完全に外した。1919mピークで尾根が分かれるのが見えたんだよな。テープがあるからそのまま進んでしまったのだ。
幸い、1919mPとシゲト山(1835m)との鞍部まで緩やかな斜面で標高差もほとんどないので、トラバースして稜線へ戻ることにした。
涸れた広い沢の源頭部を横切って本来乗るべき稜線の斜面に簡単に移動できた。
斜面は傾斜がきつくないので、そのまま鞍部へ向かって登ると思ったよりも簡単に復帰できた。結果として、わざわざ時間を掛けて1919mPから折れ曲がる部分を巻いて鞍部まで来た形となった。
稜線にはしっかりとテープ印があった。
これからはきちんと確認しながら行こうと反省した。
鞍部へ出てみると、何面は急な斜面となっておりこれから先は余程ぼーっとしているか、視界が効かない限り尾根を外しようがないような地形になった。
シゲト山へ少し登り返すと、山頂にはご丁寧にプレートがあった。現在地を確定できるのでありがたい。
シゲト山から三俣山まで
シゲト山から尾根が広がり、二俣に分かれる。我々の行く先は最初は特にはっきりとした尾根の形を取っていないので、今回はしっかりと地図を見て確認して下降した。
シゲト山への登りにかかる辺りからは山頂付近を除いて尾根南側には樹林がなくなって見通しが効くようになっているため、先に延びる尾根を見ることができるのもありがたい。
1928mPとの鞍部へ下ると鞍部手前に小さな祠があったので、今後の安全登山を祈願した。
先を見ると1928mPと三俣山がそびえておりあれを登って行くのかと思うとクラクラする。
尾根南側は陽のあたる笹原で気持ちがいいが歩きにくいので、北側の笹薮のない樹林を歩いた。
1928mPへ登るには鞍部から少し急な登りを済ませて一度傾斜が緩む。ここで鹿さんたちが慌てて逃げて行くのを目撃。一頭は立派な角を持った牡鹿だった。
その先に急傾斜の標高差約100mの登りがあるので休憩をした。ここまでほぼ予定通り。この調子でいけば国境平には14:00頃には着くなとふんで、「国境平に着いたらシュラフ干すんだー」と早くも気持ちは国境平に向いていた。
ところが、これまでの緩やかながら小さなアップダウンが効いていたのか、たった標高差100mがえらくきつい。途中ナナカマドの実を食べたらしい熊さんの糞(とても色鮮やかで糞とは思えない)を発見して喜んだりして気を紛らわした。ようやく1928mPに着いたと思ったら今度は標高差で約60m降りてまた次の小ピークを標高差約120mを登るので「なにこれーバカじゃないのー」とモコモコさんは悪態をついていた。この小ピークの登りは尾根が痩せており逃げ場がなく直登になるので特にきつく感じた。
1928mPの次のピークからは三俣山が良く見えた。ここまでくれば三俣山の登りはさほどきつくないはず。
尾根通しに降りて行くと、三俣山との鞍部手前で尾根がシャクナゲの薮になった。薮の先へ数m進んだモコモコさんが「ここはだめだ。右か左を巻かないと下りられない。」と引き返してきた。
ちょうど待機していた所の左側を見ると、尾根横の緩やかな斜面に下りられそうだ。
試しに降りてみると、少し急だが木の枝を掴んだりして傾斜面まで問題なく下りられた。続くモコモコさんも無事下りられ小さく巻くことができて時間のロスはなかった。
下りてから振り返ると、シャクナゲの薮の下は切り立った岩で出来た岩塔状になっていた。こんな所にこんな場所があるとは思わなかった。
三俣山は肩に小さなコブをい持つ面白い形をしている。
ゆっくりと登って最初のコブを通過するといきなり倒木が多くなって跨いだり、回り込んだりと距離の割に時間がかかった。
倒木に体をぶつけたりしないように気を付けていると、国境稜線の縦走路を示すプレートがいきなり目の前に現れた。
それと同時に笹が一気に深くなった感じがした。
山頂は分岐から少し南に行った所にある。
三俣山から国境平まで
この先は歩いたことのある道だ。
三俣山からの下りは笹が深く傾斜が急で滑り、更に倒木が笹に隠れていてつまずくので、後ろ向きで下りた。
尾根が狭まって下が見えなくなってくると、モコモコさんが懸念しているカマ北のコルへの下降だ。
さすがにここは両手を開けておかないと危ないので、今までお世話になった杖を置いていくことにした。
最初は乏しい灌木混じりの土の斜面の下り。岩がでてきてからは岩場を下降するが、数年前よりも崩壊が進んでいるようで、浮き石があったり岩が動いたりとなかなか緊張する下りだ。
前向きに下りられるような傾斜になってからも、足元はぐずぐずでここ最近人が通った様子がなかった。
コルまで下りて一安心。
前回は泊まってみたいと思った所だが、今日は風が吹き抜けて寒いので少し笹薮に入った所で休憩した。
コルを出発するときに鈴の音が聞こえたような気がした。周りを見てみても誰もいない。空耳か?「縦走する勇者はいないのかね?」と話しながらササの道を歩いて行くと、勇者現る。
先ほどの鈴の音は空耳ではなかった。男性二人組が我々と逆の方向へ縦走する所だった。
昨日は不動沢のコルに泊まったとのことだった。お互い先があるのでエール交換をして別れた。
我々がコルから大オナラキの頭と新しいプレートがあるピークへ登り返した時に、先ほどの勇者達は例の岩場を登っている所だった。
北上コースだとあの先の笹薮登りがきついよねと縦走した当時のことを思い出しながら歩いた。
次のピークとなる標高1828m地点は直角に方向を変える所だ、そのまま尾根を忠実に辿ると岩場に出て行き詰るところだ。ここは楽チンにもピークを巻くと、すんなりと縦走路の稜線に乗ることができる。
カマ五峰と呼ばれるこの辺りは岩塔や岩壁が見事だ。これらを見ながら安全な所を歩くことができ、本日のハイライトとでもいうべき眺めだ。
唐松の幼木が生える稜線を忠実に歩いて、アップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げて行くと、いつの間にか1736mPまでたどり着いていた。
1736mPへの登り返しはほんのわずかであるが、地味に足にきていたのかのろのろ登りとなってしまった。
その先にある小ピークへは登らずに、これまで唐松だったのがダケカンバの生える笹原の中を巻き気味に斜面を下りて行くと、カモシカ平となった。
人の足跡よりもずっと鹿の足跡の数が多い所だ。いい幕営地で、実際に石で焚き火用のかまどが作られており、なぜか新しい鍋まであった。
目の前には前回巻いてしまった日向山。今回はきちんと登ることにした。先ほどの登りよりも標高差があるので時折足を休めながらになってしまったが、これが最後の登りだと思うと頑張れる。
小さな山頂を越え、目の前にドーンと聳える皇海山を見ながら一気に下ると国境平だ。
白砂の台地となっている所は幕営にちょうどいいが、明日悪天候になることを考えると周りに多少木や薮があったほうがいいと思い、水場の案内がある国境平北のコルまで行くことにした。
国境平北のコルはいい所だが、天気のいい今日でさえ風が吹き抜けて寒い。
どこか風があまり当たらずに明日一日停滞となってもなんとか過ごせる場所はないか、空身になって更に先の様子を見に行ったりして30分ほど彷徨った。結局、稜線から少し降りたところで幕営地を探すことにして、笹薮の薄いテント一張り分の比較的平坦な所を見つけて泊まることにした。
幕営地を探したりしているうちに、時間は15:00を過ぎてしまったので楽しみにしていたシュラフ干しはできなかった。
水汲みに行っている間にテント設営等の幕営準備はモコモコさんに任せて、と手分けをして今晩と明日に備えた。
水は5分ほど下った所ですぐに水音がしていたが、流れが見えなかったので更に下りて汲んだ。落ち葉で隠れていただけだったので、もしかしたら水音がした所で汲むことができたのかもしれない。
水汲みを済ませたところで、立派な角が付いた
完璧な形の鹿の頭骸骨(
注意 苦手な人は見ないでね)を見つけたのでモコモコさんへのお土産にした。
テントやテント入口には雨よけのタープを張り終えた所に戻って、モコモコさんに「じゃーん♪凄いの見つけたよ、ザックにつけていってよ」とお土産を見せてあげたが、喜ぶどころか「凄いけど、私はプレデターじゃないからいらないよ」と一蹴されてしまったので、稜線の水場案内の所に置いてきた。
国境平からは町の明かりもみえず、聞こえるのは風の音と鹿さんの鳴き声だけ。身も心も自由になった気分だ。やっぱり日光・足尾の山はいいなあ。
その晩は、風が少し寒いが本当に明日天気が悪いのかと思われるような穏やかな夜だった。
 |
 |
日が昇ってきた |
千手ヶ浜、黒檜山分岐 |
 |
 |
黒檜山 |
縦走路入口は雨量観測機の裏にある |
 |
 |
シゲト山 |
明るい尾根道になった |
 |
 |
国境稜線と皇海山が見えた |
かわいい祠 安全祈願した |
 |
 |
鋸山から庚申山への尾根 その向こうに袈裟丸連峰 |
三俣山へ最後の急登 |
 |
 |
岩塔は巻き下りた |
倒木地帯を通過すると・・・ |
 |
 |
国境稜線縦走路に合流 |
三俣山にあるプレート よく作ったな |
 |
 |
笹薮の中を下る |
急傾斜でつるつる滑る |
 |
 |
そろそろカマ北のコルへの下りに入る |
カマ北のコルへは短いが岩場混じりの急な下り |
 |
 |
前向きに下りられるようになった 崩壊が進んでいる |
カマ北のコルと下降してきた所を振りかえる |
 |
 |
縦走中唯一出会ったパーティ |
登り返したピーク 大ナラキの頭 |
 |
 |
三俣山 カマ北のコルから登り返しているのが見える |
歩いてきた南岸尾根も見える |
 |
 |
釜五峰の岩場 その1 |
釜五峰の岩場 その2 |
 |
 |
釜五峰のピークを下りながら越えて行く |
振り返る |
 |
 |
絶景 |
振り返る |
 |
 |
釜五峰を過ぎると笹原が広がる |
前回は巻いてしまった日向山 |
 |
 |
鹿さんの足跡だらけ カモシカ平 |
鍋があった |
 |
 |
日向山への登りから振り返る |
松木渓谷 |
 |
 |
国境平北のコル 水場の案内標識 |
水汲み |
11月2日(雨夕方からくもり)
コースタイム:停滞 ほとんどテントの中にこもっていたため写真もなし
4時ころから雨が降り始めた。風もある。稜線から下りていたので、時折ゴーっと風が吹く音がするが、テントにはさほど当たっていない様子。
天気予報では夕方まで雨らしい。予備日があるのでおとなしく停滞することにした。
二度寝した後、テントでラジオを聞いたり昼寝したりして一日中ゴロゴロ。テントの出入り口には雨よけにタープを張ってあるので、テント入口を開けても雨が入ってくることはない。昨日停滞になってもいいようにしておいてよかった。
朝と夕方は鹿さんの鳴き声が良く聞こえた。オジカは「ピャー(伸ばす)」メジカは「ピャ(短い)」と鳴くと誰かから聞いた気がする。本当の所はどうなんだろう。
どうでもいいが、両方の鳴き声が良く聞こえた。
モコモコさんは、「(伸ばす方の)声は安っぽいドラマの女の人の下手な悲鳴に似てるな」と言うので「鹿さんをバカにするな」と叱っておいた(一応シャレのつもり)。
11月3日
コースタイム:幕営地A5:51〜皇海山8:18〜不動沢ノコル9:09〜鋸山9:57〜六林班峠10:52/11:09〜男山11:47〜法師岳12:39〜小法師尾根分岐12:51〜標高1780m付近13:30[水汲み]13:50〜笹ノ平15:43〜笹ノ平と小法師岳西の小ピークとの鞍部(幕営C)16:05
国境平から皇海山まで
今朝も鹿さんの鳴き声を聞きながら出発の準備をした。
雨は完全に止んでいるが、冷たい風が吹いていて寒い。
天気予報では晴れるといっていたが、群馬県や山沿いでは午前中はくもり所により雨が残るとのこと。ガスはないが、予報通り空はまだぱっとしない。
空気は乾燥して風も吹いているが、気温が低いので笹はまだ濡れているため、雨具を上下着て行くことにした。
国境稜線に戻ると吹きっさらしとなり、気象条件が良ければ最高だが昨日からの悪天候ではここに幕営しなくてよかったと心から思った。
皇海山の急な登りの前に緩やかな登りが続く。前回はいい所だなと言いながら皇海山からのうんざりする下りを済ませてホッとした所だ。
いよいよ目の前にそびえる皇海山の登りだ。
最初は踏み跡もあるかないかのような感じだ。踏み跡はあまり意識せず樹林帯の斜面を大きく使ってゆっくり登ったので、下りで感じた程は急な感じはしなかった。
やがてどんどん傾斜を増していくと、踏み跡も集束してきてはっきりしたので踏み跡を辿った。
朝からきつい登りだ。
前回の縦走で下りでもやられた大変なところだ。今回は登りだ。心して取り組まなければならない。ここは辛抱あるのみ。
やがて斜面が針葉樹林帯から石楠花混じりの灌木帯もでてくるようになると雨上がりで滑りやすい登りとなった。
これが続くときついが先行するモコモコさんから尾根になったとの声が掛った。
尾根になったからといって登りが終わるわけでもなく、逆に風がビュービュー吹きつけるようになってきて道に覆いかぶさる灌木にはうっすらと氷の膜が出来ているほど寒い。もし、昨日に無理して出発していたら風雨の中で全身びしょ濡れでさぞかし悲惨だったろう。停滞にしておいて正解だった。
灌木がうるさい中をひたすら登って、やがて草つきもちらほら見える頃には、歩いた跡の落ち葉に霜が付いているのが見えるようになった。
皇海山の山頂は樹林に囲まれていて展望がないので、山頂に着くまではどこまで行けば山頂に着くのか全く分からない。
いつもは山頂が見えた時点で先行するモコモコさんから「山頂が見えた」の声が上がるのだが、今回は「山頂だ」の声が出たのは本当に山頂に着いてからだった。
山頂には誰もおらず、どうやら今日の登頂一番のりだったようだ。
皇海山から六林班峠まで
展望もないし寒いので山頂の写真だけ撮ってとっとと降りることにした。
下降を始めて間もなく単独の男性が登ってきた。
途中日当たりのいい所があったので休憩を取った。
その間にも人が登ってくる。流石百名山、山頂の展望はないし山頂直下の登り下りは変に急なのにこの人気。
最初は日差しがあってポカポカだったが、雲が出てきて日が陰ってしまった。途端に寒くなったので重い腰を上げた。
登ってくる人が次々と現れる。それにしても皆ずいぶんと早いなと思っていたが、そうか不動沢から登ってくるとこんな早くに登ってこられるのかと気が付いたのは不動沢のコルにかなり近づいたころだった。公共の交通機関を使ってくる我々では選択しないコースなので頭からスコーンと抜けていた。
不動沢のコルは予想に反して誰もいなかった。余り広くないし今日は風が吹き抜けて寒いので当たり前か。我々もそそくさと通過。
ここからはまた静かな山道だ。
先には尖った山が見える。もしかしてあれ登らないといけないんだっけ?いったいどうやって上り下りするんじゃ?と言いたくなる山だね、と慌てるモコモコさんにあれは登らないでしょと返したが、近づいていくにつれて、思い出した!残念!直登でした。
そういえば前回鋸山の下りがいやらしくて怖かった憶えがあるよとのモコモコさんの言葉通り、樹林の登りが急になるといきなり岩場が現れた。これまで使っていた杖を武士が刀を差すように杖をザックのウエストベルトに挟んでいく(我々はこの格好をサムライと呼んでいる)ようにして、最初にモコモコさんが取りつくが、最初の一歩で足場にもなる灌木に引っかかって苦労していたのを見て思い切って杖は棄てて行くことにした。
モコモコさんはサムライのまま無事突破。
岩場には2か所に分けてロープが掛っているが、古くなっていてなんだか頼りない。極力触らないようにして登る。
岩場を越えると、今度はガレた急斜面の登りだ。
前回よりも崩壊がさらに進んだようで、ガレの横にある土の斜面に新しい感じのしっかりとした踏み跡ができておりロープが張られていた。
山頂直下は岩盤がむき出しになった登りでここにもロープが張られていた。この登りを済ませて、岩をヨイショと登れば山頂だ。
登るときの左側がすっぱりと切れ落ちていて高度感があり、今日は風が強いので緊張した。
山頂を過ぎるとすぐに庚申山と六林班峠との分岐点。迷わず六林班峠へ。
前回は刈り払いされて間もなくで助かったのだが、百名山一筆書きの田中さんが通った時は笹薮がひどかったそうなので時間がかかりそうだな、と下って行くと笹は綺麗に刈られていた。
下り始めは急で滑るので、先行するモコモコさんは滑るーと言いながらササを掴んだりして下りていた。
急下降が一段落すると、時折岩混じりの痩せ尾根となるが、ここも刈り払いされていたので問題なく進むことができた。もしかして田中さん効果で刈り払いされたのかもしれないな。
尾根が広がると、笹の伸びが早いのか両脇から登山道に覆いかぶさってくる所もあったが登山道自体は歩きやすい。
鋸山から峠まで結構長いが、倒木が多くなってくるといよいよ六林班峠も近い。女山はよくわからないうちに通過したらしく、一下りしたら六林班峠だった。
前回はここで泊まったのだった。庚申山荘から峠に来る時は、山腹を横切って行くので水を途中で汲んでこられるので便利な所だ。
水は小法師尾根に入ってから汲むことに決めていたので前回水を汲んだ所へは行かなかった。
ここから先は再び登山道のない道だ。それに備えて休憩した。
六林班峠〜小法師尾根入口まで
前回(2011年)六林班峠にいるときは薄暗かったので周りの様子はよくわからなかったが、今回よく見てみると全くないと思っていた男山(袈裟丸山方面)方面へ伸びる踏み跡があった。
跡を辿って行くとすぐ近くのピョコまで薮漕ぎすることなく進め、ピョコ付近は樹林帯なので薮が薄くなり歩きやすい。
男山付近は法師岳までで一番薮が深いらしいが、最近人が通ったのか笹薮が深くなっても笹が踏みつけられた跡があって意外にも時間を稼ぐことができた。はっきりとした尾根の形状を取る所は西側に寄って歩けば少し薮が薄くなるので出来るだけ西側を歩いた。
男山が近くになった辺りでヘリコプターが飛んでくる音がした。雲で良く見えないが、皇海山辺りから聞こえて山頂付近をずっと飛んでいる感じだ。捜索でもしているのだろうか。
男山直前で皇海山の雲が切れたので山頂を見ていると、ちょうどヘリコプターから人が下りてくるのが見えた。やはりなにかあったらしい。
間もなくヘリコプターは飛び去って行った。
男山山頂には山頂を表す標識がぶら下がっていた。
山頂から法師岳との鞍部は尾根が広がるので西側の薮が薄いところがなくなってしまう。しかしここも人が通った跡を鹿が利用するのか鹿の踏み跡を人が利用するのか分からないが、笹の絡まりがほどけて踏みつけた跡があるので、やぶこぎが遅いモコモコさんが杖を持ったまま付いてこられた。また、日光足尾周辺の笹は、深くても雪国に生える太い笹と違って細いので助かる。
この調子ならば今日中に小法師岳を越えられるかもしれないな。
法師岳への登りは樹林帯となるので笹薮から解放される。
結構傾斜がきついが、 樹林の中にも踏み跡がうっすらと続いていて、それを辿って行けたので脹脛が悲鳴を上げるようなことはなかった。
傾斜が少し緩むと倒木があったりして時折踏み跡を失ったりすることもあったが、登りあげた所でホッとする。地図を見ると法師岳山頂はまだ先だ。
樹林が続いているので笹薮こぎをすることなくそのまま歩いて行けた。尾根が曲がる地点にチョンとあるピークが法師岳で、薄暗い樹林と灌木の山頂には律儀にも山頂標識を示すプレートがあった。
尾根伝いに鞍部まで一下り。ここで鹿さんの親子を目撃した。
鞍部手前に東へ伸びている尾根状態になっている斜面があって一見それが小法師尾根に見えるが、小法師尾根が尾根の形状を取るのは標高差50m程下りてからだ。
小法師尾根へは鞍部の目の前にあるピークには登らずに、鞍部から一見沢の源頭部に見える斜面を下降するはずだ。周りを少し探索してみると、「小法師尾根入口 」と書かれた小さな小さなプレートを見つけることができた。
小法師尾根入口から笹ノ平まで
入口が確認できたので、正面にある沢の源頭部のような笹の斜面をどんどん下って行く。
しばらく下ると、斜面の左右から沢が発生し、小法師尾根に入っていることが分かる。特に北側の庚申川支流の源頭部が顕著に見える。水がすぐ近くで簡単に取れるのではと期待したが、渇水期の今はかなり下まで沢を降りないと水はなさそうだ。夏までなら水が採れるのかな?
北側の沢はあきらめて南側の沢に期待をしてみる。
小法師尾根が尾根の形状を取り始めたあたりで、一度空身で南面の沢へ様子を見に行ってみると少し降りた所に水が流れているのが見えた。もう少し下りてから沢に汲みに行った方がよさそうだ。
一度尾根に戻って下りているとまたもや鹿さんに遭遇、先ほど見た親子連れかもしれない。標高1780m辺りの傾斜が緩んだ所から、尾根横の斜面をトラバースして水を汲みに沢に下りた。
本流には汲めるような状態で水は流れていなかったが、沢を少し降りると標高1750m辺りで支流から汲むことができた。ここを逃すとかなり下まで下りないと汲めるようにならないようなので幸運だった。(カメラを持って行くのを忘れたので写真なし)往復15分ほど。
これで今日は水の心配をせずにどんどん先へ進むことができる。
標高1784mPまでは薮のうすい歩きやすい顕著な尾根の形を取っている。先の小さなピョコ辺りから笹がうるさくなってくる。
尾根が広がってから途中まではうまくルートに乗っていたが、標高1690mPが良く見えるので地形図で方向を確認せずにまっすぐ次の1690mPを目指して下りてしまった。後続のモコモコさんから待ったがかかる。下に尾根の繋がりが見えない状態がこんなに続くような下りはこの辺りにはないはずとのことで、地形図を出して周りを見てみると、我々が進んでいた方向の右手に尾根が見えた。なまじ先が見えていたので油断した。幸い尾根の斜面に入り始めたばかりのところだったので、短い距離をトラバースすることで修正できた。
笹薮がうるさいが、踏んだ跡があるのでそこを辿るとあまり苦労なく進める。1690mPが近づいてくると、尾根北側が薮が薄いので尾根の北側を歩いてピークを越した。
笹ノ平となる台地状の1630mピーク(以降笹ノ平のピークとする)との鞍部へ降りている途中で異変を感じたので荷物を下ろすとなんと水漏れ。今回100円ショップで買ったペチャポリ水筒を持ってきているのだが、1年ほど使ったのが水漏れを起こしていた。
早めに気が付いたので被害は少なくて済んだが、ショックだ。水漏れ水筒の中身を他の空いている容器になんとか移して一段落。
ちょうど木にワイヤが掛っていた所での騒動だった。
鞍部はテントが張れそうな所があったが、まだ時間があるのと風がよけられそうな場所がなさそうなので先へ進むことにした。
笹ノ平のピークへの登りは薮が薄く尾根北側にはほとんど薮がないので、薮を気にせずに登ることができた。
傾斜が緩やかになると一気に笹原となった。
尾根北側を進んで小さなピョコを通過すると、平坦な一面の笹原となった。笹ノ平らしい。
笹ノ平から幕営地まで
ここで進路を南東に変える必要がある。隠れた倒木があちらこちらにあり踏み跡も乱れているので、自分で進行方向を見定めて進むと踏み跡と合流したり、テープ印が見つかったりする。
一下りすると再び尾根がはっきりする。
小法師岳は今日中に越えるのは無理そうだ。
テントが張れそうな薮の薄い所を探しながら進み、結局手前のピークとの鞍部で風の当たらない所を探して荷物をおろした。
今日は天気はいいが気温が低く風が冷たく寒い。
テントに潜り混んでシュラフに包まる頃になって、これまでの風がウソみたいにぴたっと止んだ。
空は満点の星空。
途中休養日があって体が楽になったので、今日は楽しく歩くことができた。明日はいよいよ下山日、無事下りられるように気を引き締めて頑張って行こう。
 |
 |
朝日を浴びる皇海山 |
来た道を振りかえる |
 |
 |
尾根状になった 風が冷たい |
気温低下で霜が付いた |
 |
 |
こちらにも霜 |
本日の山頂一番乗り |
 |
 |
青銅の剣 |
不動沢ノコル ここから誰にも会わない山旅 |
 |
 |
ニョッキリ鋸山 「あれ登るんだっけ?」「登らないでしょ。」 |
直登でした |
 |
 |
これから行く先を見ながら鋸山からの下り 滑りやすかった |
雲がとれてきた |
 |
 |
六林班峠 |
以外にも踏み跡があった |
 |
 |
皇海山でなにかあったらしい |
男山直下 |
 |
 |
まだ新しい「男山」山頂プレート |
男山から法師岳へ笹原を進む |
 |
 |
法師岳への登りは樹林となる |
山頂直下の台地 |
 |
 |
法師岳山頂 |
露が光る |
 |
 |
小法師尾根入口 |
小法師尾根へは沢の源頭部のような斜面を下る |
 |
 |
標高1960mピークからの下り |
笹ノ平との鞍部へ |
 |
 |
笹ノ平への登り |
頂上台地の南面 笹が薄ければいい幕営地だ |
 |
 |
北側は少し薮が薄い |
南東の方向へ進む 薮の中の倒木に注意(本日これで写真撮影終了) |
11月4日
コースタイム:幕営地B6:00〜小法師岳6:30〜雨降ノ頭6:50〜巣神山8:05/8:18〜原向駅10:19
幕営地から小法師岳を越えて雨降ノ頭まで
一日停滞してしまったので、平日の帰り。帰宅ラッシュになる前に帰りたい。鹿さんの声を聞きながら出発準備。
今日もヘッドランプなしでも歩けるようになってからすぐの出発。
朝一で小法師岳への登りだ。
昨日までと違って風が一切ないのですぐに体が温まったが、体自体はまだ起きていないので結構きつく感じた。
笹薮がない尾根北側寄りに木の根を足場にして登ると幾分楽だ。
手前の小ピークを越えて、一旦笹の茂る鞍部へわずかに下ってから再び登りだ。鞍部では、笹薮が薄くて風をよけられるような場所はすぐに見つからなかったので昨日はあそこで止めて置いて正解だったかな。
小法師岳へは手前のピーク同様に尾根の北側寄りを登っていくと、一気に傾斜が緩み笹原が広がるようになった。
ここまで登ってくれば、風がよけられて笹薮が薄い幕営地が見つけられそうだ。昨日ここまで頑張っても良かったかな?
三角点のようなものがあったので一瞬山頂に着いたかと思ったが、小法師岳は細長い頂稜を持っていて、実際はもう少し先にある小さなピョコが頂上示すプレートのある小法師岳山頂だった。
小法師岳から少し先にはススキとシダの生えた岡状の盛り上がりがあり、まるで花札の芒(坊主)みたいだった。
少し不明瞭になったりすることもあるが、小法師岳からは比較的踏み跡やマークがこれまでよりも分かりやすくなってきた。
小法師岳から20分ほどで大きく方向を変える雨降ノ頭に到着。
ここから防火帯の切り開きとなった。
雨降ノ頭から巣神山まで
雨降ノ頭はそのまま西に向かう方が歩きやすそうな尾根が続いている。実際進む方向は結構傾斜がある。「←小法師岳 原向駅へ→」のプレートがありいい目印になっていた。
小法師岳までは比較的登ってくる人がいるのか、踏み跡がしっかりしていた。隠れた倒木が頻繁に出てくるのに注意だ。
踏み跡があると、足に笹が絡みついてこないので歩きやすくペースが一気に上がった。
一気に下ると1426mPとの鞍部だ。この鞍部手前から北側の沢の源頭部で水が採れるらしいが、水は下山までもちそうだったので汲みに行かなかった。
1426mP先で尾根が広がるところは要注意だ。そのまま西へ延びる尾根へ乗ってしまいそうだが、ここは進路を南東へ振らないといけない。
尾根の右手側の斜面が急に落ちているので、これを見ながら進めば自然に巣神山へと繋がる尾根に乗ることができる。
巣神山手前の小さなピョコにはなぜか大石がごろごろ転がっていたのが不思議で、中でもパッカーンと綺麗に割れている石があるのが面白かった。
今日は鹿さんの声は聞こえるが姿を見ないな。
巣神山は地味なピークで、山頂を示すプレートがなければ見逃してしまいそうだ。
進路を確認するため地形図を出して、ついでに原向駅の列車の時刻を確認したところ、なんだか9:38発の列車に間に合いそうだ。休憩もそこそこに切り上げて出発した。
巣神山から原向駅まで
巣神山でこれまでの方向から左に進路を変えることになる。
少し降りて標識のように大きな石がいくつかある所で更に左に方向を変える。ここはまっすぐ行く方が正式な尾根に見えるので一度入り込んでしまい慌ててもとに戻った。
緩やかな小ピークを少し巻き気味に通過すると再び尾根がはっきりしてくる。
ここから尾根の分岐が増えてくるので、その都度地形図で確認しながら進んだ。
標高1120mp先の尾根が二俣になる所で、地形図では沢に下りるように線が伸びているのでその通りに進んで庚申ダムへ降りようとしたら、モコモコさんからしばらく尾根を降りてから沢へ下降すると言われた。
しかし、モコモコさんの言うルートはなんだか分からなくなりそうなのと、そこまで尾根を降りるのならばそのまま尾根を原向駅に降りる方が近い気がしたので、庚申ダムへは下りずに、原の集落に下りる尾根へルートを取ることにした。この時点で結構時間が過ぎてしまったので、9:38の列車には間に合わなさそうだ。
原の集落に下りる尾根には尾根を左右に絡むように掘って作った道がついており、落ち葉に隠れた石や枯れ枝に足を取られないように注意するだけで歩きやすい。
また、ちょっとしたピョコは全て巻くようになっており道もしっかりしている。
やがて植林地帯に入ると落とした杉の枝が足に絡んでくるが、作業道にもなっているのか歩きやすく時間を稼ぐことができた。途中尾根から道が離れて行く所で地形図で確かめなければいけなかったにも関わらず、もしかすると9:38のに乗れるかもと思い地図で確認する時間を惜しんで、はっきりと作業道が続いている方に進んでしまった。
どんどん進んだ所で、やはりおかしいと思ったときには後の祭り。尾根を外れて道も不明瞭になりU字溝だけが残された斜面となった。地形図で確認したり戻ったりしているうちにどんどん時間が過ぎて行く。
現在地が特定できて斜面下にある林道に出ようと決めた時には、ガタンゴトンとわたらせ渓谷鐡道が原向駅を出発する音が聞こえた。
これには先行していたモコモコさんが流石に申し訳ないと謝ってきた。地形図を確認しなかったのがいけなかったし、正解の道を行ったとしても9:38には間に合わなかっただろう。
斜面を下りて林道へ向かうと、なんと林道には恐らくシカよけと思われるネットが張られていた。我々は鹿と同様に集落に降りられなくなってしまった。なんとか林道へ出られないかと探した所、運よくすぐ近くでネットが途切れていてた所から林道に出ることができた。ちょうど原と切幹の真ん中辺りだ。
駅は目前だが、駅へと繋がる国道へは急な法面に阻まれて下りられない。
結局、駅とは反対方向にある切幹まで国道に並行して林道を歩かないと国道には出られなかった。
回り道をしたので、駅に着いたのは結局10:00すぎ。
無人駅だが、綺麗な水洗トイレがあり外にある水道で顔を洗うこともできて、着替えたりパッキングしたりして時間をつぶすことができた。
平日であるがわたらせ渓谷鐡道は結構な人気だった。
前回逃した大和豚弁当(とてもおいしく、念願の手ぬぐいも入手できた)を購入してお腹を満たし、途中の水沼駅でお風呂に入って汚れを落として冷えた体を温めてから早めに帰宅できた。
今回山の中で出会ったのは、日帰りができる社山の少し先までと皇海山〜不動沢のコルの間を除くと1パーティのみで、鹿さんの方が多く、鹿さんの鳴き声で始まり鹿さんの鳴き声で終わる5日間の山旅だった。
久しぶりに歩いた小法師尾根は、記憶以上に素晴しくまた歩きたいと思った。
 |
 |
袈裟丸連峰が朝日に染まる |
我々にも日が当たってきた |
 |
 |
小法師岳頂稜部に出た |
小法師岳 |
 |
 |
小法師岳の先に芒の岡 |
雨降ノ頭へ |
 |
 |
雨降ノ頭で直進する尾根ではなく左(南東)へ曲がる |
防火帯の切り開きの中を下降する |
 |
 |
鞍部の斜面には唐松林が広がる |
パッカーンと割れた大岩 |
 |
 |
大岩のある巣神山 ここで進路を左に変える |
巣神山から緩やかな下り |
 |
 |
原向駅への尾根は歩きやすい道がついている |
無理やり下りて林道に出た |
 |
 |
渡良瀬川を渡ればすぐに原向駅 |
駅は綺麗だが日影で寒い |
 |
 |
日向ぼっこする猫さんの真似をしそうになった |
長かった山旅も終わりだ |
活動記録に戻る
トップへ戻る