山域 |
吾妻連峰 |
コース |
高湯温泉〜家形山避難小屋〜谷地平避難小屋(往復)〜ガンチャン落とし〜旧吾妻スキー場〜高湯温泉 |
〜高温による悪雪に四苦八苦〜 |
日程 |
2015年2月11日〜2月13日 |
すっかり今シーズンの山スキーに出遅れてしまった。もしかすると、これで山スキ初め且つ山スキー納めになってしまうかもしれない。そこで今回の目標は@中吾妻山に登ること(ピークに登り登山という意義を強めたい)A谷地平へ降り立つこととした。
二つの場所のこの時期なかなか辿り着くは難しい。谷地平には特に思い入れがある。厳冬期に谷地平へ下ってしまったらもう抜け出せないなるのではないかという不思議な感覚。山モコにとっては覚悟と冒険心が必要な魔境のような場所だ。
天気予報では後半は下り坂となり高温が予想されるとなっているが、どんな山旅となるのだろう。
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データ |
1/25,000地形図; 山と高原地図;
アプローチ
東京駅6:20〜福島駅8:10/9:25〜高湯温泉10:01
コースタイム
2月11日(晴れ)
高湯10:31〜スカイライン横断点12:38〜山鳥山15:11〜慶応山荘分岐16:49〜家形山避難小屋17:52
2月12日(晴れ)
家形山避難小屋7:25〜五色沼のコル8:44〜谷地平避難小屋13:58(泊)
2月13日(曇りガスのち雨)
谷地平避難小屋6:15〜五色沼のコル10:45〜家形山避難小屋11:30/12:00〜山鳥山13:10/13:40〜高湯15:10
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2月11日(晴れ)
コースタイム:高湯10:31〜スカイライン横断点12:38〜山鳥山15:11〜慶応山荘分岐16:49〜家形山避難小屋17:52
久しぶりの重荷を担いでの山旅だ。しかも今シーズン初の山スキー山行ということで装備に不備がないか心配だ。
バス停では慶応吾妻山荘の管理人さんと出会った。車中、終点の高湯ハイランドまで楽しく歓談しながらバスに揺られた。
準備体操をして出発。ゲートまで一汗かいて到着。2台車が停まっていた。ちょうど一人の方が下山してきた。ということは先行者はもう一台の方のみだ。
吾妻連峰はやはり人気がないらしい。今回も静かな山旅になりそうだ。
薄着でなるべく汗を掻かないように時間をかけて、ようやくスカイライン横断点に到着。
ここからワカンの方が一人で先行しているようだ。
今シーズンは雪が少ないとはいえ前日に降雪があったので、山モコ二人だけだったら相当きついラッセルとなっていたところだ。先行者に感謝だ。
天候は晴天で風も弱い。福島市が一望できる。
先行者がいるとはいえ、スキーでも結構潜るのでなかなか進まない。賽ノ河原に着いた所で時計を見ると予定よりも大幅に遅れている。はたして小屋まで行きつけるかという不安が一瞬頭に浮かんだ。
山鳥山手前で先行者が下山してきた。慶応吾妻山荘まで足を延ばしたそうだ。
よし、これならなんとかなりそうだ。
モコモコさんと先頭を交代しながら先を進む。
慶応吾妻山荘分岐で、トレースはやはり終わっていた。
いつもなら家形山の避難小屋に着いていてもいい頃だが、未だこの地点。避難小屋に辿り着く頃にはこのペースだと日没を迎えそうだ。
ヘッテンをすぐに取り出しやすい場所に準備した。
ここから本当の二人旅。先行者のトレースを当てに目的地に向かうのは楽だが、冬山とはこうでなくてはと思う。
というわけで苦労して小屋に到着。通い慣れた道なのでGPSやヘッデンは使わずに済んだ。
相変わらず有志の方が管理してくださっているので、快適に過ごすことができた。我々もいつか恩返しをしなくてはと思う。
2月12日(晴れ)
コースタイム:家形山避難小屋7:25〜五色沼のコル8:44〜谷地平避難小屋13:58(泊)
小屋のお陰で昨日の疲れがとれた。外に出ると快晴で風も弱く暖かい。
さて今日の行程は「さくっと、ガンチャン落としを登って谷地平避難小屋に荷物をデポして、身軽な荷物でさくっと中吾妻山をピストンしよう!」
という計画だったのだが・・・。
まずはガンチャン落としを登る。雪が締まっていて登りやすい。このルートは雪崩が起きそうでいつも怖い。さらに五色沼の斜面をトラバースする。近年ここのトラバースは雪がガリガリのことが多く苦労していたが、今日は雪が柔らかいので助かった。ここも雪崩が怖いので長居は無用。
トラバースが終わると、風で吹き飛んだ地面になる。スキーを持って雪のある所まで少し移動する。
いつもなら、大倉深沢から強風が吹き上げてきて、歩くのも困難なこの場所は今日は穏やかだ。
計画したルートは五色沼と谷地平避難小屋を直線で結んだようなルートで、前大巓の北斜面をトラバースするように進む。
樹林が立ち混んでいたり、雪面が波打つような感じなため地道に回り込んだりしながらルートを延ばす。
天気が良いので、兵子やニセ烏帽子山、烏帽子山、昭元山などが時折、樹林の隙間から見えるのが慰めになる。
午後近くになると急激に気温が上昇してきて雪が重くなってきた。さらに悪いことにシールに団子が付くようになってきた。
シールワックスを塗ると少しは良くなった。
ラッセルは重い雪に変わったので、足を上げるのが疲れる。
パウダースノーの深いラッセルとは違い、ちっとも面白くない。この雪質だと滑ってもはっきり言って辛いだけのような気がしてきた。
2月の連休と言えば寒いのが当り前なはずなのに、異常に暖かい。我々はパウダーの時期にどうやら置いて行かれたらしい。
五色沼から谷地平までは、前大巓の西側斜面に伸びる尾根状を我慢して通過すれば、後半は緩やかな下りになって快適に下降できるはずだったのに、重い湿雪でシールが全く滑らずに下りラッセル状態になって時間が押してきている。
重いラッセルになる上にシールが全く滑らないことに、モコモコさんは悪態をついている。自分も中吾妻山を目指す気持ちがガクンと落ちてきている。時間も体力も気温の上昇と共にジワリジワリと重雪にいつの間にか吸い取られていた。
ようやく、モコモコさんが地形図上で「夏道のそばの秘密の湿原を辿るルートにしたんだよ」という秘密の湿原の場所まで辿り着いた。ぽっかりと開かれたこの場所は、樹林帯ばかりの吾妻で正しくオアシスだ。しかもここには道はない残雪期限定で訪れることができる正に秘密の場所だ。ここを中心に吾妻の山が望める。
この景色のお陰で少しばかり疲れが吹き飛んだ。しかし中吾妻山を目指す体力は残されていない。とうとう気持ちが切れてしまった。
そうと決まれば、谷地平避難小屋を目指すのみ。姥沢の近くまで来ると夏道のピンクリボン目印が出てきた。夏道通りに姥沢沿いに進み、姥沢へ下降した辺りで木が邪魔しているトラバースポイントがあった。モコモコさんがお約束の転倒。「もうなんなんだよ〜」(怒)と騒いでいる。近寄ると八つ当たりされるので知らんぷりをして先に進んだ。
丈夫なスノーブリッチを渡ると小屋は目の前だった。いつもは小屋の裏側から辿り着くことが多いので、この時期に小屋の真正面から辿り着くのは不思議な感覚がした。
小屋の周りはうさぎさんの足跡がたくさんあった。
小屋の入口をスコップで除雪。小屋の影となるので雪が固まっておらずに比較的楽に除雪できた。
中に入って小屋の日誌のを見る限りでは、今シーズン初の利用者が我々らしい。小屋は相変わらず綺麗に使われている。しかしながら、ゴミも目につく。
早速沢へと水汲み。今回ビリー缶ではないコッフェルなので、紐を使って細工してきたが全く役に立たなかった。腹が立つが、それを作ったのは私、文句の言いようがない。
仕方がないので、リスクを犯して足場を作るために沢に面した雪を足を使って蹴りつけてみた。
思ったよりも大きく崩れて、体もろとも沢に落ちそうになったので、少しばかりよじ登って難を逃れた。
崩れた所にちょうど水面に出ている岩を発見。その岩に右足を置いて右手で直接鍋で水を掬う作戦を取ることにした。
左膝を曲げて、左手でバランスを取って、足が滑りませんようにと思いを込めて右手を延ばして無事に水をとることができた。
水さえ確保すればあとは、疲れを取って明日に備えることにした。
谷地平は盆地なので冷気がたまるのか小屋内が冷え込んだままで、外はポカポカ陽気だったが中は結構ひんやりしている。
ひと段落してラジオを聴くことにした。ラジオからは「春の嵐」というフレーズが聞こえてきた。中吾妻山に行くために谷地平に下りてきたが、その中吾妻山をカットしてしまったので予定も何もないが、当初の計画としては明日は吾妻小舎(泊)、明後日高山下りという日程だ。
明日も気温が高く更に雪は腐ってくるし、天気は下り坂で吾妻小舎に泊まってしまうと、「春の嵐」につかまってしまう。今回のような雪質だと、高山下りは暴風雨の中の下りラッセルとなって悲惨・危険なので、おとなしく往路を引き返すことにした。
中吾妻山というピークに登れなくなり、登山として締まりのない山行になってしまった。いつの日かまたチャンスが巡ってきたら挑戦したい。
谷地平の思い出を大事に持ち帰ろう。
そうと決まれば残った酒を飲んで騒ぎたいが、本日の行程が相当堪えたらしく、明るいうちに夕食を摂ると18:00頃にはフュラフの人となった。
2月13日(朝のうち一時小雨、曇り時々晴れ)
コースタイム:谷地平避難小屋6:15〜五色沼のコル10:45〜家形山避難小屋11:30/12:00〜山鳥山13:10/13:40〜高湯15:10
昨夜は早く寝たので、体もなんとか動きそうだ。コッフェルに少しばかり残っていた水が、本来ならばこの時期凍ってしまうはずなのに凍っていない。2月の標高約1500mのこの場所でだ。
異常気象なのだろう。外に出ると生暖かい風が吹いている。低気圧が迫ってきているのだろう。
さて今日のテーマはズバリ「超〜ヤバイ、大脱出作戦!!!」。
天気予報では今日は全体的に曇り。場所によっては青空も見えるらしいが、午後は風が強くなり雨が降るかもということだ。
ということで、山モコにしては珍しく薄暗いうちの6:15分発。
昨日苦労して付けたトレースを辿る。昨晩は風もなく雪も降らなかったのでトレースがくっきりと残っていてラッセルは一切なく進むことができる。昨日は腹が立ったが、今日は愛おしいルートに思えてくる。正に命のルート。
気温が高いままで、樹林に積もった雪からポタポタと滴が垂れてくる。風が吹くと水分豊富な雪の塊がドドーッと音を立てて落ちてきたりする。時折通過直前や直後に落ちてくるが、落ちてきませんようにと自分の運を信じて歩くしか術はない。
歩き始めてすぐに雨が少し降ってきたが、幸いその後は止んでくれた。それよりも樹林のポタポタ滴により、まるで雨に降られたようにザックはぐっしょり濡れてしまった。
それでもルートを辿って行きさえすれば、確実に脱出できるということが励みになる。
本当に今日は異常に暖かく、いつもは固いシュカブラの雪面が柔らかくなっており今日一番歩きやすくなっていた。五色沼のコルに辿り着く頃には、天気も持ち直してきた。ザックも多少乾いてきた。
五色沼のコルは防風防寒対策をしないとつらいところなのに、今日はジャケットの脇のベンチレータ全開で、手にはオーバーグローブなし、頭には手ぬぐいを巻いただけで調度いい程だ。
昨日より軟らかくなった雪面をトラバースしてガンチャン落としに到着。「谷地平脱出成功、あとは無事に下山」となった。
この気温のせいでガンチャン落としでは小規模であるが上部の雪庇が崩壊したようで、沢床までゆきまくりが転がってきていた。
シールを着けたまま、斜面を大きく使い高度を下げる。ガンチャン落としの急傾斜が幸いしてシールでもよく滑り、なんとか早い時間に家形の小屋まで戻ることができた。今日中に下山できる目処がついた。
思ったよりも早く戻ってこられたので、慶応山荘の大柿さんに挨拶して行くことにした。
小屋から慶応山荘分岐までのトレースもきっちり残っていた。
慶応吾妻山荘分岐に着いた所「命惜しんで定休日」となっていた。あれ、いるはずなんだけどな〜と思いながら山荘には寄らずにシールを外して一気に下山することにした。
腐れ雪でもやはりスキーは早い。初日にあれほど苦労したのに井戸溝まではあっという間に到着。
その後もスキーのメンテナンスをしっかり行った成果が出たのか、滑りが良く、いつものように腕の力で漕ぐということは少なかった。
山鳥山の分岐で休憩していると、登ってきた大人数のパーティーと出会う。皆さん山荘に泊まるらしく楽しそうだ。
山鳥山から旧吾妻スキー場へはうっすらとトレースがあるだけだった。今日は誰も行っていないらしい。
旧吾妻スキー場へ向けて本格的な滑りを楽しむ。
旧ゲレンデトップからは雪質の悪い中、斜面を広く使ってゆっくり下りた。
重い雪で足に来るのかモコモコさんが遅れがち。頻繁に止まっては休んだりしているのでなかなか下りてこない。挙句の果てに立ちゴケしている。
立って待っているのも疲れるので、ザックをおろしてスキーを脱いでモコモコさんが下りてくるのを待った。
旧吾妻スキー場は樹林の成長激しく、自然の力に圧倒させられる。
こうやって山に戻るのか〜と感心させられる。
モコモコさんのリクエストによりバニーハットからは、スカイラインへ出て車道をチンタラ歩いて花月ハイランドホテルに到着。
いつもは入浴可能時間とバスの時間が折り合わない関係で指をくわえて入浴を見送るのだが、今日は時間に余裕があるので気持ち良く汗を流してゆっくり温泉を楽しんでから帰宅することができた。
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花月ハイランドホテル 入浴料700円 |
登山届あり |
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深いラッセル溝 |
スカイライン横断点 |
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福島市を一望 |
スベスベ 白樺(ダケカンバかな?) |
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山鳥山 |
井戸溝 |
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翌朝、小屋の裏側 |
ガンチャン落とし |
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家形山 |
大根森方面 |
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振り返る |
五色沼と一切経山 飛行機雲が何本も走る |
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トラバース 怖いな〜 |
強風地帯 今日は穏やか |
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五色沼〜谷地平ライン 烏帽子山が見える 慰め |
秘密の湿原 兎さんに先を越された |
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中吾妻山方面 |
烏帽子山方面 |
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姥沢横断 モコモコさん直前で転倒。一人で怒る |
正面から小屋発見 兎さんは元気らしい |
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谷地平避難小屋 |
2月13日 大脱出作戦 |
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前大巓 |
滴と雪がどさっと落ちてくる |
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戻ってきた |
戻ってきた(その2) |
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お待ちかねのガンチャン落とし |
滑ると言うより、高度を下げる |
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もう少しで慶応吾妻山荘分岐 |
いつの間にか 旧吾妻スキー場トップ |
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コース |
ここを滑ってスカイラインへ行った |
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