山域 |
飯豊飯豊連峰 |
コース |
東俣〜エブリ差岳〜北股岳〜飯豊本山〜三国小屋〜祓川〜弥平四郎 |
〜飯豊は期待を裏切らない(^◇^)〜 |
日程 |
2016年6月9日〜6月12日 |
数年ぶりの飯豊連峰。今シーズンは表玄関の天狗平からの入山が工事の為、歩行者も含めて通行禁止とのこと。
静かな飯豊連峰を満喫しようということで計画してみた。 |
データ |
アプローチ
東京駅八重洲通り23:05−米沢駅東口4:30/5:57-越後下関駅7:51/(タクシー)−東俣彫刻公園(ゲート)
コースタイム
6月9日(曇りのち雨)
東俣彫刻公園8:33〜林道終点10:12〜東俣二号橋10:46〜カモス峰13:07〜千本峰15:05〜前エブリ差岳16:57〜長者原(水汲み)17:55/18:15〜エブリ差岳避難小屋18:28
6月10日(ガスのち晴れ)
エブリ差岳避難小屋7:20〜頼母小屋9:41/10:07〜門内小屋13:14〜梅花皮小屋15:00
6月11日(ガスのち晴れ)
梅花皮小屋4:17〜御西小屋8:51〜本山小屋11:08/11:42〜切合小屋付近の水場13:40/14:04〜三国小屋16:05
6月12日(晴れ)
三国小屋4:32〜疣岩山5:50〜松平峠6:45〜祓川山荘8:35〜林道8:52〜弥平四郎10:00
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6月9日(曇りのち雨)
コースタイム;東俣彫刻公園8:33〜林道終点10:12〜東俣二号橋10:46〜カモス峰13:07〜千本峰15:05〜前エブリ差岳16:57〜長者原(水汲み)17:55/18:15〜エブリ差岳避難小屋18:28
久しぶりの飯豊連峰。天気予報では午後からの天気が怪しい。
雨具を着て登るのは嫌だな、どうか雨よ降らないでくれと祈って夜行バスに乗り込んだ。
ちなみに前回は新潟経由でのアプローチだったが、新潟行のバスはとにかく寝られず、新潟駅から越後関川駅への乗り換え等も快適でなく、最悪の体調で登ることになるので、今回は米沢経由で入ることにした。
これが正解で、通して寝ていられる時間は短いが、新潟行のようにほぼ一時間おきの余計なアナウンスがないので、比較にならないほど休むことができた。
米坂線までの時間を利用して、駅から徒歩4〜5分ほどのところにあるセブンイレブンで行動食を仕入れたり、イートインコーナーで朝食をとって過ごした。
店を出ると、ザックが一つ置かれていた。日帰りではなさそうだが、飯豊か朝日か?、入山口が同じかどうかは不明なので、どこへ行くのだろうねと話しながら米沢駅に戻った。
米坂線は早朝の為か、一両しかないかわいい編成だった。
ふと周りを見ると、コンビニで見かけたザックの持ち主(Fさんとおっしゃる単独の女性)も乗っていた。これで飯豊か朝日の小国口からのどちらかに決定だな。
のんびり居眠りしながら、トコトコ揺られていくと、長い乗車時間もあっという間だった。
越後関川駅で降りると、Fさんも下車しておりここで初めて挨拶を交わした。
軽くお互いの予定を話すと、まったく同じコースだった。なんたる偶然。単独で歩くとのことで、タクシーを相乗りでゲートまで行くことにした。
ゲートで身支度をして、Fさんが先行して出発していった。歩くのが遅い我々は二度とFさんに追いつけないだろうが、今晩はお互いエブリ差小屋泊りなので再会できるだろう。
前回はバカ虫(我々の間ではブヨのことを指す)にまとわりつかれながら歩いていたが、今回はバカ虫がいない。不思議だ。
暑いのは前回と同様だが、曇り空で湿度が高いのが前回と違う。
日差しに焼かれるような暑さはないが、湿度が高いので違った暑さで喉が渇く。
ゲートから30分ほど歩いたところにある水場は貴重だ。ガブガブ飲んでしまった。たっぷり水を汲んだが消費が激しい。
この時期来ると残雪がある沢は、すっかり雪がなくなって草が茂っていた。本当に季節の進みが早い。
そのせいか山菜も採り頃をとうに過ぎてしまったようで、山菜採りらしき車は一切見かけない。
林道終点近くなってきたので、少し先の沢で登りの分の水を汲んだ。
終点には一台の車が駐車されていた。
ここまでペースが遅く、途中で腹ごしらえもしたため、いつものことであるが大幅なコースタイムオーバー。
これからが長いので先が思いやられる。
東俣を橋で渡り、小尾根に取り付いた途端に、汗が噴き出てくる。
ふうふう言いながらようやく小尾根に乗った。
せっかく登ったのに、すぐに降りて東俣二号橋まで斜面のトラバースをしなければいけないのがこのコースの辛いところ。
この時期足元が見にくいのだが、今年は雪解けが早かったせいか、飯豊山荘への道が工事の為通行止めになって登山者がこちらのコースを選ぶようになったためか、きれいに刈り払いされていた。
橋を渡ったところで荷物を下ろした。
水の残りが心配だ。東俣へ降りて水を汲もうか迷ったが、モコモコさんから「危ないし、今日は曇りだから大丈夫だと思う。」と言われたので水汲みはあきらめることにした。
いよいよ本格的な登りに入る。権内尾根は長大で、怠けた体に容赦ない。
取付いた後で軽量化を反省しても遅かった・・・。足取りが重く、水不足なので極力ゆっくり登るようにしているが、汗がしたたり落ちる。
尾根に登りあげたところで、ようやく風が吹くようになって助かった。きつい登りなのは変わりないので息を整えながらゆっくりと登った。
周りの木々は青々としており、ツツジも盛りを越して色あせている感じだ。
カモス峰に着いてやっと一息つける。
ここからも登りがきついのは変わりないが、少し傾斜が緩んで歩きやすくはなる。
しかし、アップダウンがあるのでそれまでの急な登り一辺倒等とは違った辛さがある。
権内ノ峰手前からガスになった。雨よ降るなーと祈りながら進むと、なんだか鳥さんがしきりに鳴いている。鳴き声のする方をしばらく観察すると、キツツキさんが飛んできた。
ガスだったので確かではないが、一瞬見た限りではアカゲラぽかった。
なんだか少し元気をもらった気がして、少し頑張ると、権内の峰だった。
ガスで涼しくなってきたが、これまで水を節制してきたせいかモコモコさんが、頭痛と吐き気がすると訴えてきた。
仕方がないので、モコモコさんが担いでいる食材を持ってあげることにした。
モコモコさんの体調不良で一気にペースダウン。
権内の峰からニセ千本峰と言いたくなるようなポコををいくつか越してやっと千本峰だ。
この辺りから雨もポツポツ降るようになってきた。まだ樹林の中の行動なのと、止んでいる時間が長いので雨具は着ないで進んだ。
千本峰からは、少し下り樹林のちょっとしたトラバース道登り返してポコに出る。再び下っての繰り返しで似たような景色で似たような道なので「繰り返しの廊下」と呼んでポコに出るたびに「まただよー」と二人で文句を言いながら歩いた。
やっと前エブリ差岳についたときには既に17:00近く。千本峰から前エブリ差岳までの約標高400mは本当にきつい登りだ。
曇りなのでここには16:00頃には着くと思っていたが、我々ではやはり無理だった。前エブリ差岳からは完全に森林限界上になり、ポツポツ雨が止む時間が短くなってきたので雨具を着ることにした。
雨具を着てすぐに本格的に雨が降ってきたので、絶妙なタイミングで着られたらしい。
降水量自体は多くないが、風が吹き付けてくるので結構濡れる。
これまでの蒸し暑さはどこへやら、涼しさを通り越して止まると肌寒い。生憎の天気だが、涼しくなったことでモコモコさんの体調も回復してきたらしい。
長者原はもうすぐ。あとは水を汲んで小屋を目指すだけと思ったが、今年はやはり季節の進みが早く勝手が違った。
この時期登山道には融雪水がジャンジャン流れているはずなのだが、すっかり流れきった後になっている。
不安な予感的中。ガーン!!残雪がない。
雨水なのか登山道をチョロチョロ水が流れているが、汲むのには時間がかかりかなり土臭そうだ。
浅い窪に入ってみるがだめ。窪伝いに下ってみると、笹が覆い被さってすぐに両手を空けないと先に行けなくなるような急傾斜になっている。
サブザックを持ってきたので、少し降りてみてダメなら長者原の東の残雪から水をつくるしかないかと作戦をたてた。
モコモコさんには待機してもらって、サブザックに水筒と水汲み用に小さめのコッフェルを入れて降りてみる。やはりサブザックで正解だ。両手を空けていないと降りられなかった。運よく水を汲めるところがあったので、待機しているモコモコさんに声をかけて先行してもらうことにした。
なんとか水筒を満たすことができた。
先行するモコモコさんに荷物を少し分けたが、水はやはり思い。ズシリとくるザックを背負い直してエブリ差岳へと最後の登りに取りついた。
山頂に着いても何も見えないが、小屋の方向からなんだか人影が見えた。モコモコさんが迎えに来ていたところだった。はっきり言ってモコモコさんが来ても、全く楽にならず何も変わらないが小屋が近いことだけはわかった。
小屋には1階に男性2人。既にお休みだったので特にお話はしなかったが、おそらく林道終点に駐車していた車の持ち主だろう。
そうっと2階へ上がると、Fさんが寛いでいた。
Fさんは我々の2時間も前に到着していたとのこと。さすが、シーズン前に単独で来るだけあってなかなかの健脚ぶり。脱帽です。
少しお話しをすると、なんと自宅がご近所さんでした。
到着が遅かったのと、以降の宿泊予定の小屋が一緒なので、色々なお話は翌日に持ち越しにして、明日に備えて休んだ。
6月10日(ガスのち晴れ)
コースタイム; エブリ差岳避難小屋7:20〜頼母小屋9:41/10:07〜門内小屋13:14/12:23〜梅花皮小屋15:00
早めに出発したかったが、昨日から降り出した雨が止まず、二度寝。
本来ならば出発している頃にザーッと勢いよく降る音がしたので、出発を遅らせて正解だった。
1階の方は我々が起きだした頃には出発の準備をしており、いつの間にかいなくなっていた。
我々は出発希望時刻から3時間遅れで小屋を後にした。
最初はガスで風があったので雨具を着て歩き始めた。
小屋の前にはハクサンイチゲの株が密集していたが、満開は2週間ほど前との情報を得ていたので恐らく散っているだろうと予想してた通り、1/3ほど散ってしまったようだ。
それでも、一株当たりの花の数が多いのでなかなか見ごたえがあった。満開の時はさぞかし見事だったと思う。
ハクサンイチゲの満開を過ぎていて残念だなーと話していると、アゴク峰にかかるガスがサーっと晴れてきた。途端に暑くなってきたので、鉾立峰に登る前に雨具を脱いだ。
エブリ差岳山頂も鉾立峰を超えたあたりから見えるようになった。
おーっと歓声を上げて後ろを振り返りながらのんびり歩いていると、前方から単独の男性が現れた。
足の松尾根を登ってエブリ差岳を往復してくるそうだ。
大石山に着くと前方に2人組が歩いているのが見えた。
平日でしかも早朝まで天気が悪かったが、そこそこ登ってきているようだ。
晴れてから気温がぐんと上がってとても暑い。
ちょっとした登りが堪える。頼母木小屋まであまり急な登りはないが、暑さにふうふう言いながら進んだ。小屋直前でネズミちゃんの死体を発見した。
頼母木小屋には先行するFさんが、休憩を済ませてすでに出発するところだった。
バカ虫などがおらず、外のほうが気持ちいいので小屋には入らずに休憩することにした。ついでにザックカバーを外した。
頼母木小屋前には荷揚げされた荷が置かれていた。
次の目標は門内小屋だ。
昨晩から小屋を出発して間もなくのあいだは涼しかったが、日も高くなって暑さが増したので水の消費量が増えた。門内清水まで持つかどうか怪しくなってきた。
頼母木山への登山道のそばに残る残雪の下に沢の流れが見えるので汲みに行こうとあたりを観察したり、色々ごちゃごちゃしているうちにあっというまに時間が過ぎていく。結局、残雪をペットボトルに入れて融けるのを待って飲み水とする(我々の間ではこれをシャカシャカと呼んでいる)ことにした。
登山道が稜線についていたり、残雪が近くにあると涼しい風が吹いて気持ちがいい。その反面、登山道が稜線から少し降りたところについている所はとても暑い。極力汗をかかないようにゆっくり進んだ。そのせいか予定よりも遅れがひどい。モコモコさんから今日は梅花皮小屋泊りじゃない?との発言。この時点では、御西まで行くんだよと強気でいた。
地神山まで来た所で、昨日の雨と汗とで靴下が濡れており靴擦れが気になった。
梶川尾根が合流する扇ノ地紙まで、途中にある池に産み付けられた卵を観察したりして、だましだまし歩いていたが、我慢できなくなった。
残雪が登山道と接しているところで、テーピングを巻くことにした。ついでに腹ごしらえ。
ここで作戦会議。この調子だと、梅花皮小屋に着くのは早くて15:00。それから御西小屋へ行くとこれまた早くても19:00になってしまう。Fさん以外誰もいなければいいが、今晩はだれかいそうな予感。明日早出にして、大日岳をあきらめれば予定通りに三国小屋に入ることができる。大日行ったとしても切合小屋までは行けるし、切合小屋まで行けば一日で下山と帰宅が可能だ。
梅花皮小屋泊決定。
そうと決まれば急ぐこともないので、元々遅い歩みがさらに遅くなった。
シャカシャカをしながら行くと、門内小屋手前の残雪から冷たい水が流れている。
先程休んだばかりだが、荷物を下ろしてゆっくり休むことにした。
天気がいいので、靴と靴下を脱いでのんびりと過ごした。
残雪量が少ないので、シーズン入りしてすぐになくなりそうだねなどと話していると、北股岳方面から来た2人組の姿が見えた。頼母木小屋手前で見かけた人達だろう。挨拶しかしなかったが、後ほどFさんから聞いた話では、千葉県民の方だったとのこと。千葉県民は県外の山に依存するしかないので、山行中に同じ県民に会うことは珍しくないが、我々含め一度にこんなに千葉県民がいるとは驚きだ。
登山道近くの池で、サンショウウオの卵と思われるが見られた。うれしいことに卵だけでなく、近くにサンショウウオが泳いでいてほほえましかった。
小屋内に入って小屋ノートを眺めてから、さきほど休んだので珍しく早々と休憩を切り上げて、北股岳へ向けて出発。
門内岳山頂の祠に手を合わせてギルダ原へ。
ギルダ原はいつ来ても気持ちがいいところだ。花も咲いていて歩いていて飽きず、ついつい足が止まりがちだ。そうえば天気がよく花が咲いているときにここを通るのは初めてかもしれない。そのせいか、ギルダの池らしきものも初めて見た気がする。池を埋めている雪が結構融けているので池に気が付いた。
北股岳山頂間近で単独の男性に追い抜かれた。日帰りらしい。本当に飯豊は健脚な人が多いな。
門内小屋〜北股岳間は一日で一番暑い時間となったが、水を補給できたので門内小屋までよりも体が軽く感じた。かなり水不足だったらしい。
山頂まで来ればあとは一気に小屋まで下るだけ。
モコモコさんが、「ここの下り、雪が残ってて怖いんだよな。藪の中降りるかな・・・」とつぶやいていたが、そんな心配ご無用だった。
なんと夏道がほとんど出ており、雪を踏んだのは数mだけ。
ほっとして、小屋を見下ろすと、人影が見えた。Fさんではなさそうだと思ったら、小屋を出発する見覚えのあるザックを背負った人が見えた。Fさんだった。
なんとこれから水を背負って御西小屋へ向かうらしい。恐るべし。Fさんの脚力ならあまり遅くならないうちに小屋まで行けるだろう。
我々は、作戦会議通り先へ進むのはあきらめているので焦ることもなく、のんびりと小屋まで降りた。
小屋前に単独の男性が一人いただけで、小屋内には誰もいなかった。
早速水汲み。梅花皮小屋の水場は冷たい水がドバドバ出ていて、大きな桶に水が注がれている覚えがあったので楽しみに行くと、なんだか水量が少ない。
それだけでなく、桶を動かしたのか水が少ないせいか、分からないが桶には水が注がれていなかった。ここまで大事に持ってきた缶ビールを冷やそうと思っていたので、これにはがっかり。
しかし、水があるというのは幸せだ。
水を汲んで顔を洗った。腕など洗いたかったが小屋前にいた男性が順番待ちしていたのであきらめた。少しずらしてくれればいいのにな。
2Fに上がり、荷ほどきをしてから小屋前の石転び沢の残雪に埋めて冷やすことにし、ビールを冷やすのともう一度水場へ向かった。
今度は貸し切りでゆっくりと水場で腕を洗ったり、体を拭くことができた。
小屋へ戻ると、水場にいた時から近くを飛んでいたヘリコプターが北股岳山頂に着陸でもしそうな状態でホバリングしていた。
黒い格好のいいヘリコプターで、数年前にも同様のヘリコプターを見た。シーズン前の訓練かな?なんだろうな?としばらく眺めた。
今晩は結局、いずれも石転び沢を登ってきた単独の男性と、2人組の男性の計5人だった。
通行止め&平日にも関わらず他に人がいるとは思わなかった。
明日はこれまでの遅れを取り戻すため早出する予定なので、夕食就寝ともに早めにした。
6月11日(ガスのち晴れ)
コースタイム; 梅花皮小屋4:17〜御西小屋8:51〜本山小屋11:08/11:42〜切合小屋付近の水場13:40/14:04〜三国小屋16:05
昨日のいい天気はどこへやら。北股岳や梅花皮岳山頂はガスの中だ。
我々が出発の準備をする頃に、同泊の方々も起き出した。
挨拶をして一足先に出発。
梅花皮岳へ登り始めてすぐに、日の出を拝むことができたが、それから10分もしないうちにガスの中に突入し、その後御西小屋までほとんど周りは見えなかった。
烏帽子岳まではほとんど夏道が出ていた。
クサイグラ分岐近くで、何を思ったかモコモコさんが道を外しかけたが、その後は順調に進んだ。
数少ない経験でも本当に今年は雪が少なく、大きな雪堤を歩いた記憶のあるところも痩せた雪堤となっており、もうすぐ夏道が出るのではと思われるところも多かった。
御手洗ノ池もかなり出ていた。この時期大きな雪堤歩きの印象が強く夏道を意識して歩くことがあまりないが、今年はあまりにも残雪が少なくて夏道を探しながら行く感じで時間がかかっている。
天狗の庭からしばらく夏道歩きだ。ガスが濃いので夏道が出ているのはありがたい。
再び雪上歩行になって足が止まる。
天狗岳から少し降りたところに夏道のようなはっきりとした踏み跡があった。今年は雪解けが早いから夏道が出たのかな?と踏み跡に入ったが、すぐに途切れてしまった。
方向としては踏み跡に入らずに、そのまま雪と藪の境界沿いに進めばいいのだが、この踏み跡にすっかり混乱してしまった。
一度荷物を下ろして腹ごしらえしながらガスが晴れるのを待つが、一向に視界は効かない。
とにかく小屋は雪上を歩いた方向にあるので、方向を定めて歩くとなんだか見覚えのあるところに出た。
ガスと、雪の少なさに惑わされてしまった。小屋はすぐそこだった。
小屋でこのガスなので大日岳はもちろん濃いガスの中。ガスの中わざわざ大日岳に行かなくてもいいやということで、小屋内の様子を見てから先へ進むことにした。
小屋の中には1人分の荷物がデポされていた。大日岳へ行っているらしい。
Fさんの荷物はなかった。2階に上がるには靴を脱がないといけないし、Fさんは大日岳へ行ったとしても既に戻って本山へ向かっているのだろうと思い、2階の様子は見なかった。
本山へ向かうと、この時期雪原を歩くはずの所は雪が少なく、ビシャビシャのシャーベット状になっている。それどころか、夏道もかなり出ていた。
季節の進みが早いので、人の出動も前倒しになっているようで、すれ違う人もいた。
ガスが稜線にしつこくまとわりついているが、だんだん晴れてくるようになった。
今年は早くにハクサンイチゲが満開になってしまったので、これまで散り始めや半分散った状態のものしか見られなかったが、御西と本山の間のハクサンイチゲは見頃だった。株あたりの花の数は少ないが、花自体が生き生きとしておりとてもきれいだった。
写真を撮ったりしていると、なにやなにやら大日岳方面からヘリコプターの音。
昨日のヘリコプターが訓練しているのかな?「それにしては随分とガスの中飛ぶなあ〜」と呑気に見ていた。
駒形山手前の鞍部は、いつも雪原上を歩くのだがここも夏道が出ていた。
登り返しの途中で、駒形山山頂付近に人がいるのが見えた。本山に向かっているようでその後姿を見ることはなかった。
ガスが晴れてきたので、暑くなってきた。暑いよーと言いながら駒形山に着くと、先ほどから音がしていたヘリコプターが大日岳方面から現れた。
昨日とは違う、オレンジ色の線が縦に入っている。(後日調べてみたら新潟県警のヘリコプターのようだ。)
「なんだろうね、昨日のヘリとは違うね」と会話を交わしながら、いよいよ本山への登り返し。
一気に無口になる。
しかし不思議と、今年は馬鹿虫がいないのが助かる。本山の登りでは、石の上に沢山のバカ虫が止まっており、近づくたびにワンワンと湧き上がってくるのが嫌で鬱陶しかった。虫よけネットは持ってきてはいるが、被ると息苦しいので被りたくはない。
本山山頂には、さすが天気のいい土曜日の百名山だけあって人が数人いる。
我々が着く頃もさぞかし賑わっているだろうなと思いながら山頂に着くと、なぜか誰もいなかった。ちょうど我々に山頂を譲ってくれているかのように登ってくる人もいない。不思議だなー。
小屋で休むことにしているので、サクッと通過して意外と長い小屋までの道を歩いていると、日帰り装備の男女2人組が現れた。
小屋横の神社はまだ休眠中だった。
外で休んだほうが気持ちがいいが、日差しが強く暑いので小屋内に入って休んだ。
靴を脱いで腹ごしらえして,、などとやっているとあっという間に時間は過ぎていく。まだ先は長いので重い腰を上げた。
外に出ると、ザックが1つ置かれていた。空身でピストンしているのかな?
御前坂の下りに入って半分くらいのところまでは、御西小屋を出てから一人会っただけで結局誰にも会わなかった。
皆日帰りで、日帰りの人は登り終わったのかなと思っていると、いきなり親子と思われる二人組が現れた。
本山小屋に泊りたいが、混んでいるようだったら御西小屋まで行こうと思っているとのことだ。今のところ小屋には誰もいないが、その後どうなったのだろう。
人が一度ぱったりと途絶えていたが、これをきっかけのように、我々が小屋で休んでいるうちに本山を往復してきたらしき日帰り装備の人に追い抜かされたり、これから登る人に会ったりと人に会うようになった。
御秘所を通過して、目の前に見える草履塚の登り返しきついなーと眺めていたら、大日岳のガスがきれいに晴れた。イエーイやったね。
暑いよーと言いながら登っていくと、本山方面に向かう人が次々と降りてくる。
その人たちの中に、なんと吾妻で何回かお会いしたSさんがいた。本山小屋泊りとのこと。お互い先があるので少ししかお話しできなかったが、お会いできてうれしかったです。
草履塚山頂にも若い人が7名ほどたまっていた。泊りの装備だったので本山小屋泊りかな?本山小屋は大賑わいになりそうだ。草履塚からの下りは掘れた登山道で、この時期踏み抜きがひどいのだがすっかり雪はなくなっていた。
そのかわり、夏でも残る雪の斜面がいきなり出てくるので、乗り上げるのが重荷だと少し面倒だった。雪が少ないといってもこの残雪量、やはり飯豊はすごい。
切合小屋まで雪の斜面を一下り。前回は水不足と雪面からの照り返しで、モコモコさんがフラフラになりながら降りたところだが、今回は十分水を担いできたので元気に降りられた。
小屋は覘かずに通過して水場へと向かい、早速荷物を下ろした。
水場では、冷たい水が出ており飲むと体に染みわたり生き返る。
ここから三国小屋まで水を担いでだと、我々の足で2時間ほどかかるが、天気が良く日の長いこの時期は多少のんびりしても大丈夫なのがうれしい。
ゆっくりと休んでいると、10人ほどの団体さんがやってきたので入れ替わりで出発。
種蒔山は例年夏でも雪が残るので、この時期はいくら季節の進みが早いといってもしっかりと残っていた。
急な斜面には、既に多くの人が通ってステップができていたので不安なく上り下りできた。
雪が消えて片斜面の道となっている夏道になると、風が当たらなくなるのでとても暑い。すぐに登りの3人組とすれ違う。切合小屋泊りとのこと。今晩切合小屋は賑わいそうだが、三国小屋には誰もいなかったとのこと。水を担がなければいけないので重荷となるが、三国小屋泊りにして正解かな。
水の重量分がズシリとくるのでゆっくり歩く。小屋までの直線距離は短いが、うねるアップダウンの道を見てうんざりする。
しかもハエが大発生して、ちょっとした岩にびっしりと止まっている。なんだかいきなり別の山に来たみたいだ。
なんだこのハエ、などと話していると後ろから単独の男性がやってきた。
汗がだらだら流れて、日焼け止めを塗りたいとモコモコさんが騒ぐので、荷物を下ろして男性に先に行ってもらった。
七森の辺りで、いつも芽が出たばかりでニョキニョキ状態のコバイケイソウが、既に1mほどまで伸びているのに驚いたりしながら行くと、先程の男性に追いついた。
道を譲ってくれたので、再び我々が先行する。
すぐ先に出てくる鎖場に備えて、ストックを仕舞っているとまたもや男性に追いつかれた。ここで初めて言葉を交わした。
というのもこの男性体調がすぐれないのか、なんだかとても足取りが重かったので、これまでなんとなく話しかけるのに気が引けたからだ。
話を伺うと、大日岳へ行ってきたが出発が遅れたので遅くなってしまったとのこと。てっきり三国小屋泊りかなと思ったが、今日中に降りるとのことだった。
よく見ると、この男性のストックが曲がっていた。やはり大日岳はハードだったのかな?と思っただけだったが、男性の足取りの重さの訳はのちに判明することになる。
長いよー暑いよーと言いながらもいよいよ小屋が射程距離となった。小屋の外に人がいる。てっきりFさんかと思ったが、姿が男の雰囲気。これにはモコモコさんもがっかりで、「なんだーFさんでなくて男かー。Fさんもしかして今日中に降りちゃったのかなあ?」と漏らしていた。
男性に対して失礼な気もしたが、Fさんと飯豊縦走の色々な話をしたいのでFさんでないことにがっかり。
とうとう小屋への最後の登りとなり、モコモコさんのカウントダウンで今日の登り終了。
小屋前では、登山道から見えた男性だけでなく、先程会った曲がったストックを持つ男性が休んでいた。男性から水場は近くにあるかと聞かれたが、この時期剣が峰の水場が出ているかわからないと答えると、頑張って降りるとのことだった。
小屋内に入り中を見ると、Fさんの姿が見えない。降りてしまったらしい。残念。
明日のデマンドバスの予約をすると、我々のほかに途中から一人乗るだけとのこと。Fさんの予約は入っていないということは、やはり降りてしまったのだろう。
なんだかパッとしない雰囲気になってしまったが、明日は下山日ということもありそれなりに飯豊最後の夜を楽しんで、明日も早出をするためにできるだけ早くシュラフに包まった。
6月12日(晴れ)
コースタイム; 三国小屋4:32〜疣岩山5:50〜松平峠6:45〜祓川山荘8:35〜林道8:52〜弥平四郎10:00
歩くのが遅い我々は早めに出発。
疣岩山手前の急斜面にはまだ雪がついていたが、数mトラバースするだけで済んだ。
昨日はハエだったが、今日は朝からバカ虫がうるさい。
最初の1時間は、服を脱いだりウン気が起きたりと忙しいので、いつも通り大幅に遅れて疣岩山に到着。
疣岩山から猪鼻までの巻道状につけられているあたりは、日陰となるので涼しい。
ここで若い男性2人組とすれ違う。今どきの恰好で、サポートタイツにひざ丈ズボンで颯爽と駆け上がっていった。
「我々のようなシャージーはいないのかね、おおジャージー最高!!」「でも今どきの高校山岳部でもジャージー履かないないもんなー」と下らないことをいいながら松平峠への下りに入る。
ここは登りはいいが下りは表面がザレて滑りそうで、そろそろとモコモコさんはこわごわと降りた。降りても降りてもザレの下りが終わらない。やっと峠についたときにはほっとした。
気持ちはほっとするが、足はほっとしない。大きく傾いた登山道は歩きにくく、小さなアップダウンが足に来る。
十森の水場で一息入れた。ここの水の量も少なかったため、十森の水場との確信がしばらく持てなかった。
カエルの声がゲゴゲコ聞こえた。
相変わらず歩きにくくてうんざりするトラバース下り道を行くと、何やら話し声が。新潟県から来た男性二人組だった。行けども行けどもさきが見えないので、モコモコさんがあとどれくらいで祓川山荘に着くか男性方に聞いたところ、駐車場から1時間ほど歩いてきたとのことだった。
やっと先が読めるようになった。
お礼を言い、まずは山荘を目指す。ちなみに新潟の男性は「おお、ジャージー」でした。しかもいまは見つけるのも大変な裾がつぼまっているものだった。ジャージー最高!!とモコモコさんと声をかけながら進むと山荘が見えた。山荘の屋根が傷んでしまったらしいが、ブルーシートをかけて処置してあった。中は覘かずに通過。
祓川に降りて、かけ替えられた橋を渡り、林道に登り返すのがつらかった。
お疲れ様でしたの看板に迎えられたところが林道だ。
ここで斜面から水が出ていたのが助かった。
地図を見ると、弥平四郎まであと1時間20分の林道歩きだ。日陰が多いのが助かる。日陰がなくなると暑くて「暑いよー、まだかなー」と騒ぐモコモコさんを適当にあしらって延々と歩くと、前方に家が見えた。
終わりは近い。
鏡山から下りてきたときの林道を合わせて、大阪屋さんが見えればバス停はすぐそこだ。
冷えた飲み物でも飲みたいなと思っていると大阪屋さんの前に自動販売機があった。やったと自動販売機を見ると、ガーン!営業していませんでした。
バスの時間まで1時間ほどある。バス停そばの旧学校にちょうど良い日陰と水道があるので、顔や靴の汚れを洗ったり着替えをしてから、靴を乾かしながらパッキングを済ませてバスを待って居るとなんとFさん出現。
てっきり既に降りてしまったと思っていたので驚いた。
Fさんによると、大日岳へ同じような時間に4人登ったが、降りるときにFさん以外の人が滑落してしまい、うち一人は自力下山が不可能となり救助ヘリを呼んだとのことだ。無事降りたのはFさんだけだったので、ヘリコプターが来るまで付きそったりしていたので、昨日は切合小屋までしか行けなかったとのこと。昨日のんきにヘリコプターを飛ぶのを眺めていたのだが、そんなことがあったとは夢にも思わなかった。
また、昨日三国小屋までの道で出会ったストックの曲がった男性は、滑落でどこかを痛めてしまったとのことだった。道理で足取りが重く、具合が悪そうな感じがしたわけだ。
新幹線の切符をもっているFさんとは会津若松駅でお別れ。我々は奇跡的に高速バス2人分の予約が取れた。バスの出発まで時間があるので、駅中のそば屋で腹ごしらえをして、お風呂で4日分の汗と汚れを落として帰宅した。
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かわいい一両編成の米坂線 |
東俣彫刻公園のゲートから出発 |
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例年なら残雪があるはずの場所 |
大木の切り株 |
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林道歩きは辛い |
厳しい登りの始まり |
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ほっとする場所 |
東俣2号橋 |
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水はすぐそこなのに取れないのが残念 |
なんだか色あせている |
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やっとカモス峰 |
今年倒れたらしい |
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権内の峰で早くもガス |
もう咲いている |
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花盛り |
えっ、もう咲いちゃうの? |
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なんで葉が枯れているのだろう? |
うにょーん 我々が近づいたらあわてて頭をひっこめた |
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やっとだよ前エブリ差岳 |
風雨が強くなってきた |
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長者原 |
がーん、雪がない!! |
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色あせている |
なんとかエブリ差岳 |
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ガスの中出発 |
散り始めている |
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昨日の雨でかなり傷んでもいる |
ポツンと咲いている |
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黄色は目立つね |
ここでも既に花の準備をしている |
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レリーフ |
ガスが取れてきた |
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いつもながらここを超えるのはきつい |
やったガスが晴れた |
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くっきりはっきり見えた |
足の松尾根から結構な人数が登ってきている様子 |
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つぼみがかなり膨らんでいる |
散ってきてはいるもののまだ見事 |
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まるで夏山 |
ネズミちゃんの死骸 |
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暑くなってきた |
頼母木小屋 |
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早く水が出るようにならないかな |
頼母木小屋内 |
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毛布 |
ありがたいね |
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振り返る |
登山道補修作業に感謝です |
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もう咲いているの?その2 |
暑いよー |
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景色はいいが暑くてペースが上がらない |
この辺りはまだ残ってくれている |
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花盛り |
同じく |
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やっぱり雪少ないなー |
花盛り |
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地神山 |
胎内尾根 |
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おっ、池だ |
卵だー |
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導標に着く度うれしい |
やった次の導標に着いた |
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あそこに行けば水あるかなー? |
残雪がそばにあると少し涼しい |
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暑いよー、喉乾いたよー |
やったー水だ! |
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冷たくておいしい。 生き返った |
感謝 |
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門内小屋 |
門内小屋内部 |
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厳しい気象条件の下、維持するのは大変だ |
祠が新しくなったような気がする |
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水を飲んだので体が軽くなった |
お花畑 |
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楽しい歩き |
天気がいいので最高に気分よく歩ける |
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どんどん融けている |
振り返る |
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北股岳からの下り ほぼ夏道が出ていた |
こんなに夏道が出ているとは驚きだ |
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北股岳山頂付近でホバリングするヘリヘリコプター |
水の量が少ないような気がする |
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日の出と同時に出発 |
ガスの中の梅花皮岳 |
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雪堤が痩せている |
既に池が出てきている |
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雪が少ないので調子が狂う |
朝で雪が固いので慎重に降りる |
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色鮮やか |
御西小屋 |
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雪面歩きが前回に比べてとても短い |
この辺りは花の状態がいい |
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一株当たりの花の数は少ないようだ |
それでも見事 |
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この辺り前回は完全に残雪歩きだったな |
県警のヘリコプターのようだ。何かあったのかな? |
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大日岳はまだガスの中 |
飯豊本山まで来ました |
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大ー尾根 |
本山小屋 小屋内撮影禁止とのことで内部の写真なし |
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あれを登り返すのか |
御前坂カフェ |
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鮮やか |
大きい |
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水不足が心配 |
姥権現様 |
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この時期こんなに数多くの花を見られるとは |
ここまでで花だけでなく多くの人とすれ違った |
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やっと大日岳が見えた |
小雪とはいえ豊富な残雪 やはり飯豊はすごい |
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切合小屋は覘かずに通過 |
水場を振り返る |
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三国小屋へうねる尾根を行く |
ようやくこの時期らしい花発見 |
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遠い |
黒い点はハエ なんでこんな大量発生しているんだ? |
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三国小屋は大日岳の展望台だ |
御西岳に日が沈む |
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とうとう下山日 |
疣岩山を目指す |
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大日岳がくっきり |
もう一枚 |
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本当にいい眺め |
稜線の見納め |
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疣岩山からの急な下り |
十森の水場 ここも水量が少ない気がする |
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太い倒木 |
祓川山荘 屋根が傷んでいるらしい |
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ありがたい橋 |
登り返しは本当に疲れるよ |
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最後の林道歩きが一番きつかった |
無事弥平四郎まで下山できた |
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