山域 |
只見・南会津 |
コース |
只見〜大幽沢東ノ沢〜丸山岳〜メルガ股沢(下降)〜袖沢〜奥只見ダム |
〜天気に翻弄された連休〜 |
日程 |
2016年7月16日〜7月19日 |
2011年の水害の後大幽沢の林道が崩壊し、沢も荒れてしまったとのことだが、本年は雪が少ないのでこの時期の丸山岳を見るのに絶好の機会だと思った。
しかし、海の日の連休は例年梅雨末期にあたるため、天気に翻弄されることが多い。
今年も例外ではなく、直前までどうするか迷った。
とうとう前日になり最中確認したところ、大雨にはならずに済みそうで、後半は少し回復するらしい。予備日も持ったので計画を実行することにした。 |
データ |
アプローチ
東京駅6:08→浦佐駅7:37/7:46-小出駅7:55/7:58-只見駅9:15/(タクシー約30分6220円)−黒谷林道ゲート(小幽沢出合)
コースタイム
7月16日(くもり一時雨)
小幽沢出合10:25〜黒谷川下降点10:59〜大幽沢出合11:26〜取水口12:05〜東の沢西ノ沢出合13:30〜810m付近15:10(BP)
7月17日(くもり一時雨)
BP6:12〜窪ノ沢出合7:53〜1046m二俣10:17〜1550m上の二俣13:47〜稜線16:00〜BP16:30
7月18日(くもり終日ガス)
BP7:59〜丸山岳8:58〜1250m二俣12:52〜1040m下の二俣15:49〜BP15:57
7月19日(くもりのち晴れ)
BP6:43〜三角点沢出合8:03〜袖沢乗越への沢出合10:59/11:20〜袖沢乗越12:20〜袖沢本流14:23〜奥只見ダム16:22
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7月16日(くもり一時雨)
コースタイム;小幽沢出合10:25〜黒谷川下降点10:59〜大幽沢出合11:26〜取水口12:05〜東の沢西ノ沢出合13:30〜810m付近15:10(BP)
2011年の水害の後は、林道が崩壊して長い歩きを強いられ沢も荒れてしまったとの記録を見た。
しかし最近になって、小幽沢出合まで車が入れるようになったとの情報を得た。
一度初夏の丸山岳山頂に立ってみたいと思っていたが、水害による被害や、例年の雪渓処理に悩まされそうで引き出しの中で眠っていた。
ところが、今年は困るほどの雪の少なさ。更に春が来るのが早かったのでおそらく雪渓はないだろうと踏んで実行することにした。
北沢からは入ったことがあるのと黒谷川の復旧の様子を見たいということもあり、丸山岳への往年のルート大幽沢東ノ沢から登ることにした。問題は天気だ。エスケープは少ないし、エスケープをしても最後は大きな沢の下降又は渡渉が控えているので後半に向かって天気が悪化すると閉じ込められてしまう。
毎日週間天気予報とにらめっこして当日を待つ。
以前は当日朝発では午前中のうちに只見駅に着くことはできなかったが、JR東日本も少し態度を改めたのか朝一の新幹線に乗れば当日朝出発でも只見駅に午前中に着くことができるようになった。
東京駅から乗り換えが2回あるのが面倒だが、順調に只見線に乗り継ぐことができた。
連休初日であるためか、そこそこ乗客がいた。
久しぶりの只見線は、車より遅い速度でトコトコ走っていく、のどかでいい路線だ。気になるのは通過する川がすべて増水して濁っていることだ。
これまた久しぶりの只見駅は、改装工事がなされていてきれいになっていた。
水害の後、現在只見駅が終点となっているので皆降りてそれぞれの目的に向かう。
接続がいいようにシャトルバスが発車するが、その先の乗り継ぎで時間が空くらしく、シャトルバスを1本見送って何人かの人はレンタサイクル(どうやら電動自転車らしい)で回ったり散策したりするらしい。
駅のトイレへ入ったところ、迷い犬の張り紙があった。地元の方の飼っている甲斐犬がいなくなってしまったらしい。
張り紙によると人懐こいとのことで、見た目もかわいい(我々の好み)ので連れ去られていなければいいな、無事戻るといいなと話しながら、駅前のタクシー営業所へ向かうと、予約が入っているので、別の運転手さんを呼ぶから待っててと言われた。
少し待っていると、一台の車が到着。
呼び出された運転手さんだった。もしかして休暇中のところ呼び出してしまったのかな?申し訳ないですが、助かりました。
運転手さんに黒谷林道の入れるところまでお願いして乗り込んだ。
黒谷川が見えるようになったので水量等を観察すると、水は澄んでいるので一安心。
地図にある倉谷までは人が住んでいるので確実に入ることができる。予想通り道もきれいに舗装されていて普通の道だ。倉谷には携帯電話のアンテナが建っていたので、下山してタクシーを呼びたい場合はここまでくれば確実に電話が通じる。昔のガイドや記録を見ると、住民の方にお願いしてタクシーを呼んでもらっていたらしい。便利な世の中になったものだ。
林道はしばらく走ると舗装路ではなくなった。
工事車両が入っているので、ミキサー車とすれ違う。丁度退避場所のある所で、どちらかもう少し早いか遅かったりするとすれ違うことができなかったのでなんとも素晴らしいタイミングだった。
途中張り紙があり、もしかしてここで通行止めかとヒヤヒヤしたが、「8/6(記憶あいまい)〜8/(正確な日にち忘れたがお盆過ぎまでは入っていたと思う)は通行止め」とのこと。今日はまだ7月なのでそのまま奥へと進んでもらう。
とうとう林道が分岐する小幽沢出合に着いた。先を見るとゲートがあった。事前情報通り小幽沢出合まで入ることができた。
運転手さんはここまで来ること自体が初めてということだった。
タクシーを降りたところにはちょっとした広場があり、1台駐車されていた。ここで支度をして出発。
林道はゲートのすぐ先で崩壊しているので、堰堤工事中のところを通過させてもらう。
工事現場からしばらくは、崩壊を免れていた。
昔は大幽沢出合まで車で入ることができたらしいが、今は草ぼうぼうの中に踏み跡があるだけだ。
このまま出合まで行けると楽だなと歩いていたが、ごっそりと落ちているところが出てきた。崩壊した場所から河原に降りるところは虎ロープがかかっていた。しばらく河原を歩いてから適当な所から林道へ戻った。「山火事注意」と木に打ち付けられた標識が辺りから先はまた林道が崩壊していたので、踏み跡に従って降りた。
ここから入渓となる。
滝などない河原歩きであるが、今年は雪が雨が少ないとはいえやはり梅雨期であり、昨日までの雨などで少々水量が多い感じだ。
渡渉には少し気を使う。30分弱歩くと前方に青い橋が架かっているのが見えた。
水害の前は、ここまで林道をたどってきてこの橋を渡って取水ダムまでの作業道を行くのが定番ルートだったらしい。
しかし、水害後は作業員の方もあまり入っていないだろうから恐らく作業道も荒れているだろうし、この水量ならば沢通しに行った方がいいだろうということで、大幽沢出合で相談した結果そのまま沢を進んだ。
黒谷川と水量を分けているが、沢幅が狭まり、少し側壁が立ってきたのでそれなりに気を使う渡渉が続く。
15分ほど遡行していくと、ぐんと両側壁が迫ってきた。しかし問題になることなく進むことができてほっとする。
大幽沢出合からちょうど30分ほどで突如取水ダムが出現した。
沢右岸の魚道を利用してダム上に上がった。
ダム上部には、今日はお休みだが現在工事作業しているような重機があった。ダムを過ぎると河原歩きの戻り、「どうやって運び入れたんだろう。ヘリかな?」と話しながら進める余裕があった。
大出水前は泊り場に事欠かないきれいな森だったのだろうと思われるところは、かなり立ち枯れが目立ったり、土砂が身長以上の高さで堆積していたりしていた。
それでも自然の回復していこうという力はすごいもので、土砂の上には草が茂り始めていた。緑が茂るようになると、大荒れしている感じが薄れる。大水害の後一度行っただけでしばらく行っていない奥只見もこんな様子になっているのかな?
右に左に蛇行する沢を行くと、なにやら前方に白い段差が見える。
2mほどの小滝がかかっている。
水量があと10cm低ければ問題なく越えられるが、今日は水量が多いのか水の流れが重いので超えるのに少し苦労した。
水流左をなんとか登った先もちょっとした段差がある。渡渉して左岸に行ければ問題ないのだが、今日の水量ではここの渡渉は厳しい。
簡単に巻けそうなので、巻くことにした。
取りつきは楽だった。
すぐに小尾根状に張り出したところに出た。このまま下降すればよかったが、下を見ると白く激しい流れが見えるのでここで下降は無理と思い、登りながら上流に移動する。すると捨て縄発見。小尾根の脇にあるので下の状況は同じに見えて、更に進むことにした。
上流に向かうとどんどん登ることになってしまう。とうとう斜面が急に落ち込んでしまう場所になってしまい、上流に進めなくなった。
懸垂下降するしかないかとザイルを垂らすが、下が一切見えないし長さもきっと足りないだろう。
途中切る場所がないかと少し降りて様子を見るが無理そうだ。
登り返して戻ることにした。
結局先ほどの捨て縄を利用して、懸垂下降で沢へ降りた。この場所だけ一人なら立てるような岩があった。
時間をロスしてしまった。
降りられたといってもまだこの強い水流を抜けたわけではないので、気を引き締めて水に入る。
重くて早い水流に逆らいながら、お互いできるだけくっついて岩からはがされないように慎重に上流に向かう。数m進むだけで随分と時間がかかってしまった。あと10cm水位が上がったらここの突破は無理だったな。
突破した後は、以前は穏やかな森の中の流れでほっとするところだったと思われる開けた場所になった。しかし、両岸から崩壊した大岩や倒木がごろごろして結構面倒だ。
これは結構厳しいかもと覚悟するとすぐに沢はミニゴルジュ状になった。まだ先程のようなところがあったら面倒だなと先を覘くと、すぐ先は東ノ沢西ノ沢出合で、問題になるようなところはなかった。
出合で休憩して東ノ沢に入る。
水流を二分したので渡渉等はかなり楽になったが、やたらに石がヌルヌルして滑る。フエルトにしてよかったと思った。
ヌルヌルがひどいので、二人とも何度か本格的?な転倒をしてしまう。さらに条件が悪いことに雨まで降ってきた。
天気予報通りといえばそうだが、やはり雨だと気が滅入る。また、これ以上増水するとこの先のゴルジュ突破が困難になってしまう。
雨具を着て止んでくれーと願いながら歩くと、なんと雨が止んだ。さらに太陽の光まで差し込んできた。これはうれしい。
森の中を穏やかに流れる渓相となった。これぞ大幽沢東ノ沢という感じなのだろう。
15:00近くになり、なんとか泊まれそうな場所があった。以前は快適なところだったのだろうが、水が流れた跡がありすこし整地をする必要がありそうだ。一応泊り場の候補にして先に進む。
標高810m付近の沢が2本立て続けに入る直前に、整地すれば泊まれそうな場所があった。草ぼうぼうなのでもう少し先の様子を見てみることにする。しかし、小沢2本目が入った後も快適に泊まれそうな所は見当たらない。このまま進むとゴルジュに入りそうなので、先程の草ボーボーのところに戻った。
よく見てみると、石が多いが小さめで簡単に取り除けそうで、草を刈ればいい感じになりそうだ。
二人で整地を頑張ってタープを張ればなかなかいい感じだ。
今後手入れをしていけば、東京を朝出発して初日にゴルジュ突破が時間的に難しいときは、泊り場にするのに一番いい場所になりそうだ。
薪がすぐに集まりそうだったが、思ったよりも量は少なかった。
それでもたき火はよく燃えてくれ、終盤は暑くてたまらないくらいになった。天気も味方してくれてその晩雨も降らずにいい夜になった。
7月17日(くもり一時雨)
コースタイム;BP6:12〜窪ノ沢出合7:53〜1046m二俣10:17〜1550m上の二俣13:47〜稜線16:00〜BP16:30
たき火で体を温めすぎたせいか、暑くてシュラフカバーだけで寝たが、寝ているうちに腕を出していたら顔や腕がかゆくて目が覚めた。
モコモコさんも同様で、起きて見てみると蚊がたくさん入り込んでいた。ツエルトに入っていたからと思って油断していた。
沢の音が賑やかなので、耳元で蚊独特のプーンという音に気が付かなかった。
ムヒを塗ってから蚊と格闘して蚊取り線香をつけて、ようやく落ち着いて再び寝ることができた。
昨日のラジオでは今日の昼前頃から所により雨とのこと。天気予報で言う所によりは山のことがほとんどだ。ゴルジュ突破の日なので、せめてその間だけでも晴れてほしかったが、雨が降らないだけましだ。
昨夜水量の目印を立てておいたので確認してみると、水量は昨日よりも数cm減ったようだ。
雨やだなと話しながら朝食の準備をしていると、雨が降ってきた。
いきなりやだなと言いながら準備を進める。一番の難関は着替えだ。幸いたき火が朝から簡単に点いてくれたので助かった。
住めば都ではないが、なかなかいいところだった。草を刈ったばかりなので蚊が多いのが難点だが、モコモコさんが蚊取り線香を持ってきてくれたのであまり気にせずに過ごすことができた。
こういったところは、寝ている時こそ蚊取り線香が必要だな。1年ぶりなので忘れていた。
小雨の降る中出発準備をした。幸い出発する頃には雨がやんでくれた。助かった。
昨日行ったところまでサクサクと進む。
水量が少なければ記憶に残らないような小滝がいくつかかかるが、水量が多いので巨岩と側壁の間から巻いたり、恐る恐るへつったりとそれなりに楽しみながら進む。
やがて側壁が立ってくるといよいよサブウリと言われるゴルジュの始まりだ。
最初は腰まで水に浸かったりしながらも簡単に小滝を突破していく。
やがて簡単にへつれそうなところが、水量が多いために意外に難しかったりするようになった。
そしてサブウリの関門となる小滝がでてきた。ご神木と言いたいほどありがたい倒木が引っかかっており、この倒木を使ってなんとか登ることができた。
しかし木は滑るし、水量が多いので足が払われそうな感じで緊張した。モコモコさんは登れないかも、その場合はどうしようかと考えながらモコモコさんが登ってくるのを見つめる。
じわじわとカタツムリの進みだが、モコモコさんも無事突破してきた。モコモコさんは身体能力が低くバランス感覚も悪いが、変な所で上手いことがある。この場でその変な所が発揮されたらしい。
次の関門は、大木がゲートのように何本か横たわっている小滝だ。
落差はほとんどないが、最狭部となるので白く波立った早くて強い流れだ。
できるだけ水流右をへつって、足を水に払われそうな水流の中にある石に足を置く。ここまでできれば対岸に一歩足をついて体重が移れば終了。
続くモコモコさんもうまく水流中の石に足を置くのに成功した。やったと思った瞬間にグラっと傾いて姿が消えた。
すぐにやり直してくるだろうと待ったが一向に姿が見えない。もしかして流されていったかと心配になって様子を見に行こうとしたところ、頭上からモコモコさん登場。
話を聞くと、落ちた後水流右岸に簡単にたどり着け、水流と格闘するよりも倒木を上がったほうが楽に越えられたとのことだ。水が少なければ水流沿に行くのが一番楽で楽しいが、今日は水量が多く天気が芳しくなくて寒いので、なかなか手応えがあった。当たり前だが、つくづく水量が成功の第一の鍵だなと思った。
この滝がサブウリの出口の滝だったようで、滝上は沢中合(窪の沢)出合だった。
この出合には往年の幕営適地があるが、大出水の後は大岩がゴロゴロしたり土台が削られたりで適地ではなくなってしまったとの情報を得ていたが、その通りで1人、2人ならばなんとか泊まれそうだが、快適ではない。
もしここで泊まる予定で来てがっかりした人は、天気がよければ、ちょっとした小滝を越えて窪の沢出合いから30分ほど進んだところの左岸に、増水には弱いが雪渓の雪消え跡と思われる所があったのでそこで泊まるのがいいかなと思った。
サブウリを過ぎたら河原歩きかと思ったが、そこは地形図通りでミニゴルジュ風に小滝が掛かったりと相変わらず水と格闘しながら進んだ。あーあ晴れているかもう少し水が少なかったら最高に楽しいのになーと文句を言うと、やがて沢はV字谷の石がゴロゴロした渓相となり雨が降ってきた。
これにはうんざりして、モコモコさんは「今日はもうやめにしてたき火にでもゆっくりと当たりたいよ」と言い出した。
標高1046m二俣に着くと本格的に雨が降ってきた。
休憩を取りながら先の相談をする。
結果、少しでも先に進んだ方がいいだろうということで、先に進むことにした。
出合にかかる滝は、面倒そうなので大岩の手前から取りついて大岩上に上がって巻いた。
これまでほとんど見られなかった落差のある滝が次々と出てくる。
問題になることなくぐいぐい登っていく。気になる雨も止んでくれた。
途中、岩かげに隠れた小鳥さんを発見。捕まえることができたので写真撮影して放したところ、飛んでいくのではなく沢に飛び込んで流れに乗って下って行った。一度水から上がったが、再び流れに乗って下って行ってしまった。結構流れが強くて速いので、心配になって追いかけたが見つからなかった。
飛べなくなってしまったのかな?そうだとしたら悪いことしたな。
落差のあるゴーロや小滝でさらに高度を上げると、先程と同じ鳥さんが水の中に潜って逃げていった。
本当にどういう何という鳥なんだろう。
鳥さんのおかげで、和んだのと同期するように暖かくなってきた。気分よく進んでいると、水線沿いに登るのは面倒なところがあったので大岩が重なるところを巻いていったところ、ニョロ(蛇)がいた。 慌ててよけるとよけた先にもニョロ、その脇にも横にもニョロと半径2m以内に4匹も蛇がいて焦った。幸い体温を上げるためにジッとしているので、お互い構わないようにそうっと通過することができた。
相変わらず続く小滝とゴーロを登っていき、二俣はすべて右に入った。いよいよ標高1550m付近の二俣になった。ここも右に入った。
しばらく登ると、左は涸れ沢で右は水が流れている二俣になった。一度右沢に入ったが、すぐに水涸れで窪もなくなっていた。
今日は山頂で泊まる予定なので、水汲みをして左沢に入る。
藪がうるさいがかなり上まで窪が続き、やがてガレになって草付きの斜面になった。
モコモコさんは左よりに進むように主張したが、すぐ右上にある灌木を目指して少し急な草付きを登ったほうがいいと思い先に登った。モコモコさんはピンソールをつけていたが水を汲んで重くなったためか灌木までの5mほどが登れずに騒いでいる。仕方がないのでモコモコさんには空身で登ってもらいザックを背負ってあげた。
その上は灌木が適度にあるので、問題なく登っていくと針葉樹の生える稜線に着いた。
丸山岳の北東尾根にでたようだ。地図で確認すると草原ポイントまで結構ある。やれやれだぜ。
丸山岳東峰まで500mほどだが、ガスが出てきたのと思ったよりも樹林と藪の背が高く濃いので先が見えない。
バサバサと藪を行くが、時間だけがどんどん過ぎていき、ガスがどんどん濃くなっていく。
途中藪の薄いところがあった。モコモコさんから「山頂行っても今日の天気じゃ大変だから、ここで止めておいたほうがいいんじゃない?」と言われ、どれどれと戻ると、少し笹を刈り払えばなかなかよさそうなところだ。
冷たい風も吹いてきたので行動を終了することにした。
笹を刈りはらってタープとツエルトを張れば立派な宿だ。
着替えをして暖かい飲み物を飲めばそれなりに快適だ。奥只見のクロウ沢から東白沢池の近くで泊まった時になんだか似ている。
今日は気温が低いので蚊がほとんど活動していない分、過ごしやすいかもしれない。
濃いガスでボタボタ水滴が始終落ちてくるが、周りの藪で風はさほど吹き込んでこないし、タープを2枚連結して低く張ったので濡れずに過ごすことが出来た。
それなりに行動したのと、ずっと服が渇く時がなかったためか疲れていたので、昨日と同じように早めに休んだ。
7月18日(くもり終日ガス)
コースタイム;BP7:59〜丸山岳8:58〜1250m二俣12:52〜1040m下の二俣15:49〜BP15:57
昨日から降り出した雨は、小雨のままだが止む気配がない。
早めに出発する予定だったが、少し待つことにした。
2時間ほどシュラフに包まってうとうとしていると、雨が止んでぽたぽた落ちてくる音はガスのためと分かったので起きることにした。
本来ならば、今日は西実沢に降りる予定であったが、出発が遅れたのと天気がなかなか回復してこないので、未知の場所を下降するよりも一度下降したことのあるメルガ股沢から奥只見ダムに下山したほうがいいだろうということになった。
昨日以上に着替えるのがつらいがなんとか出発準備を済ませた。
相変わらずの藪を漕いでいくと、やっと草原に出ることができた。
草原から東ノ沢方向に踏み跡がついていた。昨日モコモコさんのいう通り左方向に進路を取っていたら余計な藪漕ぎはしないで済んだのだろう。反省をモコモコさんに言ったら、「藪漕ぎは大変になったけど、昨日あのルートを取らなかったらいい泊り場はなかったよ。正解だよ。」と言われた。
初夏の装いの山頂湿原を見るのを楽しみにしていたが、あいにくのガスであまりよく見えない。それに昨日までの雨等でニュルニュルして歩きにくい。
藪に絡まれないのは楽だ。
北沢から登ってきたときに飛び出たあたりを過ぎたころから再び藪漕ぎ。
以前は、朝日沢側につけられた登山道の名残を進んだが、崩壊が進み濡れていて滑りやすいので思い切り藪に入って行ったりしたので時間がかかった。
それでもなんとか山頂湿原に飛び出た。しかし一面のガス。
雨でないだけでもよしとしなければいけないが、この時期に雪渓に悩まされずに来れられることは、そうそうないのでガスなのが本当に残念だ。
昼寝でもしていきたいところだが、あいにくのガスと風なので下降に移ることにした。
西ノ沢を分ける尾根らしきものが見えるところまで着いたが、ガスではっきりしないので確実に入れるよう尾根を少し進んでから下降に入った。
濃い笹薮であり濡れているので、ときどき足を滑らせるが無事窪に入ることができた。沢の向きや他の支沢が入ってくる方向から確実にメルガ股沢に入ったことが確認できた。
記憶通りしばらくは下降しやすい下り。
そのうち水が出てくると、泥で濁りヌルヌル滑るので下降しにくくなった。
小滝をクライムダウンしたり軽く枝を使って下降することもあるが降りられない滝はしばらく出てこないのが救いだ。
水量がかなり多くなってから、モコモコさんからそのうち懸垂下降した滝が出てくるはずと言われた。全く記憶にないが、モコモコさんのいう通り捨て縄のある滝に出た。
巻き降りることもできそうだが、今日は地面がニュルニュルなのでさっさと懸垂下降したほうがいいとして迷わず懸垂下降した。
次に懸垂下降したのは、やはり捨て縄が残る二俣にかかる滝だ。モコモコさんが覚えていたのはこの滝らしい。
こんなに懸垂下降したかな?と思ったが、モコモコさんによると、1回2回ではなく4、5回は懸垂下降した覚えがあるよとのこと。
二俣の先はしばらくクライムダウンして行けるところが続き少し傾斜が緩んだところで、ここって思い出のテンバじゃないとモコモコさんがふいに声を上げた。
以前は快適なスカンポ畑の小さな台地だったが、御多分にもれず台地と側壁の間を水が流れて溝ができてしまっていた。
こんな小さな流れのところでも影響があったとは、どれだけの降りだったのか全く想像もつかない。
今回はまだずっと早い時間なのでもちろん更に下降を続けた。そこから下降することわずか少し沢がひらけた場所でうれしい発見。
さすが会津の沢。雪消えしてあまり経っていない感じの崩壊した斜面に、なんとおいしそうなウドが生えていた。
取りやすい場所に生えていたので、喜々として収穫に当たった。
一週間後にずれていたら伸びすぎていたであろう。いいときに来た。今年は春があまりにも早かったために山菜欠乏の年となっていたので、まさかまさかのごちそうでした。
下降してもいつまでも泥濁りが続き足元が全く見えない下りに時間がかかる。
標高1040mの二俣までに、階段状であるがヌメヌメなので倒木にお助け紐をかけて中断まで下降してからクライムダウンした滝、捨て縄を利用して懸垂下降した滝2つ以外は困難なく降りることができた。
二俣になると一気に穏やかで傾斜が緩くなる。
その左岸にスカンポ畑が広がる。ふと目をやると泊まれそうなところがあった。
候補に入れて下降するとすぐにもっと条件のいい場所があった。
連休中に泊まったのか、まだ整地(草刈り)して間もない感じだった。
そのためか、めぼしい薪がほとんどなく、集めるのも時間がかかった。また湿気って燃えにくい薪ばかりで、なかなか火が上がらなかった。
標高の高いところにとどまっていたガスまで降りてきた。
初日のたき火の暑さが恋しい夜だったが、ここまで来れば明日一日で下山できる安心感で穏やかな気持ちで過ごすことができた。
7月19日(くもりのち晴れ)
コースタイム;BP6:43〜三角点沢出合8:03〜袖沢乗越への沢出合10:59/11:20〜袖沢乗越12:20〜袖沢本流14:23〜奥只見ダム16:22
早いものでもう下山日。
下山日になってようやく天気が回復してきた。
昨日までで主要な滝はすべて下降してきたので、多少の滝はあっても簡単に降りられるものばかりだ。
ヌルヌルは相変わらずだが、昨日までよりも舞い上がるのが泥ではなく砂のことが多くなり、足元が全く見えなくなるようなことが減ってきたのがありがたい。
せっかく天気がよくなってきたので、のんびりと遊びながら道草を食いながら進んでいたらあっという間に時間が過ぎてしまう。
三角点沢出合についたのは予定よりもかなり遅れての時間だった。
出合には以前だったらいい泊り場だったのだろうと思われるところがあったが、ここも斜面が平面に変わる境に大出水のときに水が流れて掘れてしまい、今でもチョロチョロと水が流れている状態だ。
天気が良ければ現在も泊まれるが、昨日我々が泊まったところが一番いい場所に思える。
ここまできてやっと青空が見えてきたので、ますます遊びに精が出て歩みが遅くなって、なんと滝をかけて入る袖沢乗越への沢出合に着いたのは、遊ぶ時間を加味した予定よりも更に1時間以上も遅れた時間だった。これぞ山モコスタイルだが、遊びすぎた。
これ以上遊んではいられない。
出合で一休みしてから乗越への沢に入る。
出合にかかる滝はホールドがあるが、ヌルヌルしているのでモコモコさんにはお助け紐を出した。
滝上には快適そうな泊り場があった覚えがあるが、今回は見つけられなかった。
次の滝がモコモコさんには登りにくかった他は、普通の沢の源頭の登りになっていく。
暑さのあまりお互い薄着になった。
袖沢乗越にたどり着く前に何本か沢を分ける。以前は支流に入らないように枝等でふさがれていたが、経年なのかそれらが貧弱になっているように感じた。
倒木が沢筋に沿って横たわるところでは少し判断に迷ったが、倒木の左側を登っていくと、やがて水涸れとなり窪もなくなった。
昨日までのはっきりしない天気等により、にゅるにゅると滑ったりするが、傾斜が緩いので助かった。
新しめの赤テープがつけられており、それをたどっていくと乗越に着いた。
そのまま沢に降りようとすると、モコモコさんから滝を避けてしばらく沢へは降りないでいくから踏み跡かテープがあるはずと言われ、少し探すと1090mP方面へテープがあった。倒木で踏み跡が隠されていたのだった。
少し稜線を進むと、大きなブナの木に切りつけがあった。そこでぷっつりと踏み跡が途切れてしまう。
手分けをして探すと、稜線の南側へ行くようにテープがつけられていた。乗越に着いてからかれこれ合計30分ほど彷徨してしまったが、なんとかルートに乗ってきているようだ。
テープを探しながら踏み跡を伝っていくと、小さな尾根状になって踏み跡は尾根に従ってついていた。
そのまま尾根を行くと、踏跡はやがて沢に向かって一直線に急な斜面に落ち込んでいった。
転げ落ちそうな急な斜面を枝に捕まりながらどんどん下降していくと、沢筋が見えた。沢に降りるところは急なので気を付けて枝を使って何とか降りられた。
沢に降りると、すぐに滝が出てきた。なんとかクライムダウンできるが、一つだけスリングがかかっている滝があった。おそらく登りの時に使うのだろう。
下降は足場が遠いがなんとかスリングをつかまずに降りることができた。
モコモコさんは「こんなに滝を降りた記憶ないんだけどな」としきりに首をかしげている。
その後は小滝が出てきたり、沢床が崩れた土砂で埋まっているところがあったりするが、問題になることもなく下降できた。
やがて傾斜が落ちてきて沢幅が広がってくると袖沢本流はまもなくのはずだ。
標高740m付近の二俣には気が付かずに通過してしまったらしく、ポンという感じで袖沢本流に出た。
出合で長めに休憩して、袖沢の渡渉にかかる。
出合すぐ前は瀬になっているので、少し上流の深いが流れが穏やかなところで渡渉した。
底にある丸い大石にのってしまい滑って一瞬バランスを崩しかけたが、持ち直して無事渡渉終了。モコモコさんも石にのらないように気を付けて無事渡渉終了。
対岸から見えたテープ印の所から林道を目指すと、すぐに林道に上がることができた。
この林道も水害でズタズタになってしまったらしいが、最近の情報で南沢にかかる橋が復旧したことがわかっている。そこまでは作業用に道が復旧しているはずだから予定通りの時間でダムに着くだろうとふんだ。
南沢の橋は情報通り復旧していたが、南沢沿いの林道工事の最中だった。
また、崩壊したらしき場所は思った通りしっかりと修復してあったので安心して普通の林道歩きができた。
おかけで思ったよりも早くトンネルを抜けてダム下の橋に着いた。
「やった、ダムの食堂で食事をしていけるぞ。」と喜んだのは早かった。ながーい上り坂を登らなければいけないのだった。
歩いても歩いても着かないで、延々と同じようなところを歩いている気がする。モコモコさんがいきなり「やぎさんゆうびん」を歌いだした。
ヤギさん同士の話で、ヤギさんが手紙を書いたけれどもらったヤギさんは手紙を読まずに食べてしまったので、手紙の内容を問う手紙を返信した。しかし返信をもらったヤギさんは読まずに食べてしまった。そこで手紙の内容を(繰り返し)というあれだ。どこまで続くか終わりの見えない歌に、心境を重ねたらしい。
ヤギさんたちは何回繰り返したかわからないが、とりあえず我々はかなりの回数を繰り返したところ、やっとゲートが見えた。
相変わらずがっちりと締まっている。
たしか門をよじ登らずに行けるようなところがあったような気がしたが、門前で回り道ができないニワトリさん状態になっていた。結局この門を超えるのにかなり時間を費やしてしまった。結局最後は正面から門をよじ登って超えた。最初からこうすればよかった。
この遠回りと門前の騒動で食事をする時間はすっかり無くなっており、着替えてお土産を買うだけで精一杯になってしまった。
その間にダム駐車場で働いている方から、どこへ行ってきたのか聞かれたので丸山岳と答えると、丸山岳はあれだよと教えてくれた。
丸山岳は山登りする人の間でさえマイナーだが、奥只見ダムで生活する方にとっては象徴的な山らしい。
それを表しているのが、お土産屋さんで同じことを聞かれて丸山岳について話したところ、ここから見える丸山岳は、一番最初に紅葉して最初に雪で白くなって、季節の進みを知る山だそう。
丸山岳はマイナー12名山に選定されて久しいが、マイナーでもやはり名山だなと実感した。
銀山平行の定期船がなくなってしまった今、午前と午後1便ずつしかないバスで浦佐駅へ向かう。珍しくバスには結構な乗客がおり、乗り変えた電車は丁度下校時間で混み合っていた。
越後湯沢でお風呂に入ったところ急激におなかがすいたので、新幹線までのわずかな時間を使って食堂で夕食をとった。
後半少し忙しくなってしまったが、越後湯沢始発の空いている新幹線でゆったり帰ることができた。
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只見線は現在只見駅で折り返し |
林道はすぐ崩壊場所になる 下の工事用道路を行く |
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林道崩壊場所は河原に降りて巻く |
ここから入渓した |
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黒谷川に架かる橋 |
取水ダム |
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水害の後少しずつ復活している |
水量が多い |
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水量が多いため、右往左往してしまった |
東ノ沢西ノ沢出合 |
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この辺りは水害前の面影を残しているのかな |
二日目の朝 出発 |
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標高810m付近の2本目の枝沢 |
サブウリ この辺りから水に浸かることが多くなる |
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楽しいが寒い |
ご神木がなければ突破は厳しい |
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サブウリの出口 |
窪ノ沢出合 大出水前は最高のテンバだったらしい |
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整地すればこちらの方か快適かも |
ちょっとした小滝は出てくる |
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荒れた渓相の二俣 右に入る |
小滝が次々出てくる |
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ゴーロでぐいぐい行動を上げる |
不思議な鳥さん |
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こういった滝は珍しい |
ガスの中藪漕ぎ |
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山頂は明日にして藪の薄いところで泊まった |
丸山岳山頂湿原 その1 ガスなのが残念 |
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丸山岳山頂湿原 その2 |
丸山岳三角点 |
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山頂の池 |
何回目かの懸垂下降で降りた |
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思い出のテンバも大出水の影響あり |
上物ウドだー |
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上段上部はお助け紐を補助にして、以降はクライムダウンした |
懸垂下降した |
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連休中に泊まった跡あり |
三角点沢出合 |
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袖沢乗越への沢 |
切り付けのある所から沢上部を巻くように斜面を下る |
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沢に降りた |
袖沢本流出合 |
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南沢出合付近の災害復旧工事現場 |
奥只見ダム ここからの登り返しにやられた |
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丸山岳 |
バス停は目前だ |
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