山域 |
谷川連峰 |
コース |
ロープウエイ駅~旧道~芝倉沢~茂倉岳~茂倉新道~土樽駅 |
~超高速ペースの雪融けにギリギリ間に合った~ |
日程 |
2018年4月28日~4月29日 |
今年も5月に長期で山に入る予定。
その前に、アイゼン歩行や標高差を稼ぐ訓練をしておくことになした。
今年はここ2月までの豊富な積雪量はどこへやら3月入ってからというものの暖かい日が続き、4月に入ると暖かいどころか暑いくらいの日が続くようになって雪融けに加速がかかった。
それでも日の当たる時間の短い沢の登行ならば、なんとか雪が残っていて訓練になるのではないかと思い、数年ぶりに芝倉沢を登ることにした。
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データ |
アプローチ
東京駅6:08-高崎駅6:58/7:12-水上駅8:17/8:29-ロープウエイ駅8:49
コースタイム(天気)
4月28日(晴れときどき曇り)
ロープウエイ駅9:23~一ノ倉沢出合10:18~芝倉沢出合11:47~一ノ倉岳茂倉岳鞍部付近15:45~茂倉岳16:13~茂倉岳避難小屋16:24~幕営地17:35(幕営)
4月29日(晴れ)
幕営地5:54~矢場ノ頭6:00~登山口8:58~土樽駅9:30
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4月28日(晴れ)
コースタイム; ロープウエイ駅9:23~一ノ倉沢出合10:18~芝倉沢出合11:47~一ノ倉岳茂倉岳鞍部付近15:45~茂倉岳16:13~茂倉岳避難小屋16:24~幕営地17:35
連休初日であるため東京駅は大混雑であったが、上越新幹線は比較的平日とあまり変わらない感じで立客はでなかった。
水上駅からのロープウエイ駅行のバスは混んでいるかもと心配していたが、連休で皆遠征したのか、谷川方面は逆に空いているようだ。
ロープウエイ駅で身支度を済ませて、芝倉沢へ向かう。
一ノ倉沢出合まで道路には路肩や山側の斜面も含めて残雪はなかった。たまに浅い窪にかろうじて着いている程度。さすがにマチガ沢には雪があるが、道路付近には全く雪がない。歩くには楽だが、あまりの雪の少なさに登りにとる芝倉沢の雪が切れてしまっているのでは?と心配になる。
一ノ倉沢出合までくると、いきなり雪の壁が出てきた。
近づいてみてびっくり、既にきれいに除雪されて道が切り開かれていた。以前芝倉沢を登ったときは5月半ばだったので除雪されていることに何の疑問も持たなかったが、こんな早い時期から除雪が済んでいるとは思わなかった。
その先の道路(以降旧道)は舗装路でなくなるので、ぬかるみがあったりと多少歩き難くなるが、結局幽ノ沢と芝倉沢の間の尾根を回り込んで芝倉沢側に入ってしばらくするまでほぼ残雪上を歩くことはなかった。
残雪が道を覆うようになると、雪面が傾斜のある片斜面となってくるので、慎重に進む。
しばらくキックステップで進んでいたが、先を見るとずっと雪が繋がっているようなので、アイゼンを付けた。
芝倉沢を旧道が横断する辺りでは、沢水が豊富に流れていたので、水分を補給してから登りに取り付いた。
最初は登るのに調度いい傾斜だ。暑くて汗が出るが快適な登りだ。
標高差100m程登ると、いつも雪崩のデブリが散乱するS字のゴルジュ入口となる。
ちょうど本流は大きく左に曲がるところだ。デブリを避けて右岸ギリギリをいくが、側壁との間には結構大きな隙間が出来ていたので、静かに慎重に通過した。
デブリ地帯を過ぎると、再び綺麗な雪面になるが、傾斜が増す。見回すと、登るのには全く問題はないが、ところどころ亀裂が入っているところが見られた。
前回は、前日に結構な降雪があったためかこういった亀裂は見られなかったが、踏み抜くこともなかったので恐らく綺麗な状態だったのだと思う。それを考えると、今年は本当に雪融けが早いのだと思う。
そういえば、前回は植物の緑はほとんど気にならなかったが、今回は笹が風に揺られて立てる音などがよく聞こえる。
前回でさえスキーで降りてくる人がいなかったので、今回もいないだろうな、こんな状態を滑ってくる人がいたら勇者だなと話しながら登っていると、勇者現る。
前方からスキーで下降してくる単独の男性の姿が見えた。
急傾斜であるのと、亀裂がある箇所を慎重に迂回しながらであるが、やはりスキーは早い。あっという間に我々の前に到着。
挨拶を交わし、結構落石が多かったから気をつけてとのアドバイスをもらった。
それではと別れると、我々が時間を掛けて登ってきたところをあっという間に滑り降りて行き、すぐに姿が見えなくなってしまった。
スキーは早くていいなと思う反面、今日の状態を見ると我々の腕前(足前?)では降りることはできないなとも思う。
前回はとても登り易い雪質で、積雪量も豊富だったので傾斜はあるがさほど急だなと思わない程度まで沢を埋めてくれていたが、今回は積雪量が少ないので、傾斜がその分強くなっている。また、、硬くはないがなんだか足下が滑りやすい雪質だ。
慎重にコツコツと登るしかないが、なんとかピッケルを出さずに済む登りで助かる。
いよいよ稜線が見えるようになると、これまで以上に急傾斜になるようだ。
鞍部に直接上がるのは怖いとモコモコさんが騒ぐので、少し傾斜が緩い一ノ倉岳寄りの斜面を登っていくことにした。
ちょうど方向を分けるかのように笹が出ていた。その直下で雪が割れて水の音がしたので覗いてみると、水を汲めそうだ。
慎重に雪割れ部分に降りて水を汲んだ。
汲んだ水の分重くなったが、稜線まであと少し。
気合いを入れ直して最後の登りに掛かる。
いっそう傾斜がまして、更に笹藪の近くを登っているので踏み抜くことが多くなる。
このまま登ると藪に阻まれそうなので、少し笹藪を茂倉岳寄りにトラバースして雪面に出た。
出た雪面は調度急傾斜が緩んだ辺りだった。
こうして歩いてみると、超高速で雪融けが進む中なんとか繋いで登ってきたような、消費期限ギリギリという感じだった。
ふと稜線を見ると、茂倉岳から一下りしてさらに笹平方面へ降りる人らしき物が見えた。
傾斜が緩んだとはいえ、それなりに急なので転滑落に注意しながら雪堤に這い上がれるところを探して、無事稜線に到着。
これまで稜線の陰でしかも沢中だったので、薄手のシャツ一枚で調度だったが、稜線に上がった途端新潟県側から吹く風で寒くなったので一枚羽織った。
荷物を下ろしたついでに行動食を囓っていると、一ノ倉岳から単独の男性がやって来た。
挨拶を交わし、行く先を尋ねると、時計回りの馬蹄形縦走中だそうだ。
男性を見送り引き続き休憩をしながら、今日の泊まり場を相談する。
茂倉岳避難小屋は埋まっているだろうから、今回は掘り出したりせずに泊まれるところを探すと言うことになった。
鞍部から茂倉岳への登り返しになると、夏道が完全に出ているのでアイゼンを外した。
茂倉岳山頂に着くと、先ほどの単独男性が荷物を下ろして周りを見回していた。
山頂には立派な導標があったはずだが、ボッキリと根元が折れてしまったらしく折れた上部をなんとか立つように施されており、随分と背の低い導標となっていた。
山頂から見える避難小屋を観察してみると、見えているのはトイレ棟の屋根の一部のみ。小屋は完全に埋まっている。
その先に続く尾根に目を遣ると、矢場の頭の前後の尾根に雪が着いているのが見える。
避難小屋の周りか、矢場の頭付近で泊ることになるかな?と話して降りてみると、小屋へと雪面が繋がり始める辺りに笹に囲まれた平坦な雪田部分があった。泊まり場としては最高だが、モコモコさんが「明日の朝雪が硬いときにこの斜面を降りたくない」というので、通過する。小屋までの僅かな下りは、正確に登山道をなぞるのでなく、直線で結ぶように雪の斜面を下降した。
雪も柔らかくなっており、モコモコさんでも快調に降りることが出来た。
山頂から見たとおり小屋は完全に埋まっているので、未練はない。
すぐに矢場の頭へと向かう。
地形図で見ると、すぐに着く感じであるが、地形図には現れない小さなアップダウンがあり痩せているところ有りで意外に時間がかかるところだ。
泊まり場にならないかどうか残雪がある度に覗いてみるが、どれも不適当だ。
結局矢場ノ頭直下の、傾いてはいるが雪堤状の残雪上に泊ることにした。
斜めなので少し整地に時間が掛かったが、なんとか暗くなる前にテントを設営することができた。
春は日が長いのがいいね。
さすがに薄暗くなってきたなとふと茂倉岳方面を出てみると、満月に近い見事な月。
その後も風もなく穏やかで気温が高く暖かいので、快適な夜を送ることができた。
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ロープウエイ駅を出発 |
マチガ沢 驚くほど雪が少ない |
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あれ?ここには巌剛新道の導標が立っていたような? |
さすがに一ノ倉沢はマチガ沢よりは圧倒的に雪が多いけれど |
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除雪されていた これでも例年に比べると少ないんだろうな |
幽ノ沢 |
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幽ノ沢近くにある「ブナのしずく」 お気に入りの水場 |
芝倉沢に近づくにつれて道が雪に覆われてきた |
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ようやく芝倉沢が見えた |
水を汲んで出発 |
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正面に見えるデブリ地帯までは快適な登り |
デブリ地帯通過にとりかかる |
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こんなのに直撃されたらひとたまりもないな |
改めて雪少ないなと思う |
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これは新しめのデブリ |
なんとスキーで降りてくる人が |
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直ぐそこで終わりに見えるがまだ先は長い |
暑さもあり、今日一番辛い登り |
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あの岩峰を過ぎればS字のゴルジュ地帯が終わる |
朝日岳と登ってきた沢筋が見えるようになってきた |
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ようやく稜線が見えるようになった |
武能岳の高さも超えた |
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ここで水を汲んだ |
鞍部へ直接でる斜面は急なため回り込んだ |
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鞍部と同じ高さまでは登った |
稜線に出た 続くモコモコさん |
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稜線から登ったところを見下ろすが、屈曲しており上部しか見えない |
茂倉岳まで一登り |
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一ノ倉岳と谷川岳 |
ボッキリと折れた導標 まるで三角点みたいになってしまった |
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トイレ棟の一部と避難小屋の屋根が覗いているだけ |
小屋に未練はない とっとと下ろう |
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下りはあっという間だが、小さなアップダウンがあって時間がかかる |
ここは泊るのに不適 先の白いところに賭ける |
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見事な月が出た |
矢場の頭直下で幕営地に恵まれた |
4月29日(晴れ)
コースタイム;幕営地5:54~矢場ノ頭6:00~登山口8:58~土樽駅9:30
土樽発10:10の水上行臨時列車に間に合うように、歩きの遅いモコモコさんに合わせて少し早めの出発。
冷え込みもなかったので、起きるのも辛くなくて助かった。
目前の矢場の頭を越えてしまえば、少しの登り返しもなく下りだけなので朝一の登りを軽く頑張る。
昨日下降するときに見えていた白い部分(残雪部)まできたところでモコモコさんの足が止まる。
朝でまだ雪が硬いのでアイゼンを付けていくかどうか迷っているようだ。
先行して降りてみると、さほど硬くなくアイゼンなしで降りられた。モコモコさんに大丈夫だよと伝えたところ、そのまま降りてきたが数m降りた所で足が止まった。
やはりアイゼンを付けて降りるとのこと。
そんな雪の斜面の下りになると特にへぼくなるモコモコさんであるが、アイゼンを付けたのはここだけで、後は残雪が出てきてもアイゼンなしで問題なく降りて行けた。
そうこうしているうちに、茂倉新道名物である檜廊下に入った。
痩せ尾根に根が張りだしていて、相変わらず歩きにくいが、この根が尾根が崩れるのを防いでくれていると思うと感謝しなければならないな。
ここまで標高が下がると、広葉樹が芽吹いているだけでなく石楠花が既に咲いているのに驚いた。
天気がいいので、鳥さんを見て喜んだりしながらいくと登山口に着いたときには予想よりも時間が掛かっていた。
電車に乗る前に靴洗いと着替えを済ませたいので、少し早歩きで駅に向かう。
いつも顔を洗ったりしている水場に着いたら、パイプが水流から外れてしまっているようで水が出ていない。
仕方がないので、落差のないとても洗いにくい状態でなんとか汚れを落とした。
あまりすっきりしないが仕方ないなと駅へ再び歩を進めると、ほんの数メートル先に見覚えのある水場があった。雪のないときにしばらくぶりに来たので記憶があいまいだったようだ。
改めて、水場を堪能した。
着替えなどで時間がかかるからというモコモコさんは、早歩きで駅に向かったが、自分はさほど時間はかからないだろうということで普段のペースで駅に向かった。
それぞれの読みが当たったようで、二人とも着替えとパッキングをきちんと済ませて予定の電車に乗ることが出来た。
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幕営地からすぐの矢場ノ頭 |
矢場ノ頭は万太郎山の好展望台 |
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相変わらず雪面下降がヘボいモコモコさん |
檜廊下の痩せ尾根は通過に時間がかかる |
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日当たりのいいところは開花が始まっている |
光の加減で暗くなってしまったが、なかなか見事だった |
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