吾妻連峰
 高湯〜(旧吾妻スキー場)〜吾妻小舎〜高山下り
〜今季最強の冬型の中快適な吾妻小舎へ〜
2008年2月14日〜2月17日

暖冬と思われていたが、2月に入るとやっと冬型が続くようになった。

やっと二人揃って取れた連休には、天元台から東大テン〜中吾妻山を完全縦走したあと、吾妻小舎へ入り、東吾妻山周辺を遊んでから久しぶりに高山下りをする予定であった。

ところが今季最強の冬型が居座ってしまい、ルートの変更をしないといけないような状態となってしまった。

※このルートは超有名ルートなので、特に新しく記録することもないが、印象深かったので状況を報告することにした.

アプローチ

東京駅7:08〜福島駅7:38/タクシー高湯(花月ハイランド)


コースタイム

2月14日
 高湯(花月ハイランド)9:15〜旧バニーハット10:15〜ゲレンデトップ11:55〜慶応吾妻山荘入口14:30〜家形山避難小屋15:30

2月15日
 避難小屋7:30〜五色沼のコル9:30〜一切経のコル11:30〜吾妻小舎12:30

2月16日
 小舎8:30〜東吾妻山12:20〜スカイライン(鳥子平入口)13:20〜吾妻小舎14:20

2月17日
 小舎7:45〜高山9:30〜土湯温泉14:00




当初予定していたルートは次の理由で変更となった。
理由1
・1月の縦走敗退のとき、ラッセルで時間が通常の1.5〜2倍かかった。
・明月荘泊では中吾妻山を経由していくことは(時間不足で)できない
理由2
・2月10日〜11日に二人の休暇が合ったので、予定のルート上にイグルーを作成しておく予定であった
・前夜の降雪で、重荷でのラッセルがきつく、人形石まで2時間30分かかった。
・稜線は風雪強く視界が悪いため結局は人形石の直下で泊ることになった。
・イグルーはこれらの理由で予定の場所へ作成できず
理由3
・これまでを上回る条件の悪さでは、明月荘までもたどり着けないかもしれない。
・吾妻小舎へ泊ることが目的なので、小舎へ入ることを優先する
・福島側からなら天元台よりも天候が穏やかだろう

結局、
・高湯から入り、途中家形山避難小屋(泊)。二日あれば吾妻小舎へ入れるだろう。
・問題は五色沼のコルから一切経のコルの間の強風だが、小屋で体力を回復させたあとなら越えられるだろう
ということで、超有名ルート高山下りを4日もかけて久しぶりに辿ることにした。


2月14日
コースタイム 高湯(花月ハイランド)9:15〜旧バニーハット10:15〜ゲレンデトップ11:55〜慶応吾妻山荘入口14:30〜家形山避難小屋15:30


今までに無い緊張感の中、福島駅に着くと外は雪景色だった。雪も降り続いていた。
吾妻スキー場が営業をやめた関係で、最初からシール歩行となるため、福島駅構内で予めシールをはりつけていくことにした。

タクシーに乗り込み、高湯の花月ハイランドまで入る。ゲートを過ぎた所に登山届入れがあったので投函していく。
除雪車が除雪作業の仕上げをしていたが、準備をしている内に作業は終了したようだ。

除雪されてもアスファルトはかくれているので、スキーを履いて出発。
スカイラインを行くが、除雪はスカイラインのゲートから先白樺荘までされていた。

除雪がなくなってからのスカイラインには以外にもトレースがあった。
ありがたく使わせてもらう。
トレースのお陰で思ったよりも早く旧バニーハットに到着。

バニーハットからは吹きさらしのゲレンデ跡を登る。
第二リフト乗り場からしばらく登っていくと、滑り降りてきた4人組と出合う。トレースの持ち主だ。
青木山までいってきたのだそうだ。トレースのお礼をいい、先へと進む。

スキー場営業中は、ツアーに出発する人で賑わったゲレンデトップに到着。
ここからはトレースなしだ。
トレースがなくなってからは、概ね脛までもぐる。
慶応吾妻山荘入口まではこまめにつけられた緑布のお陰で迷うことなく進める。

慶応山荘までの樹林帯でも結構風が吹いているので、五色沼周辺は大変なことだろう。つくづく避難小屋までにしておいてよかったと思う。
慶応山荘入口には予想通り時間がかかった。

山荘から一頑張りして追分へ。
ここからはトラバース気味に行けば小屋のはず。
困ったことに避難小屋は地形図に載っていない。昭文社の登山地図と標高1650mの登山道沿いにあるという情報が頼りだ。
トラバースを始めて2〜3mで混んだ樹林と沢へと落ち込んだ場所にでてしまう。
先を急ぎすぎた。モコモコさんからも「もう少し登ったところからトラバースじゃないの?」と言われ、もと来たところへ戻る。

少し登ると、赤布がついている。最初は吾妻小舎へのものかと思ったが、周りを見回すとトラバースする方向へと続いている。どうやら家形山避難小屋への印のようだ。
赤布は途中から夏道を少し外して、直接トラバースして少し下り気味で小屋へと向かうらしい。
赤布のお陰で予定よりも早く小屋へ到着。

小屋は小さくて古いが、きちんと整頓されていて居心地が良く快適だ。
この小屋のお陰でゆっくり眠ることができた。


花月ハイランド前から出発 旧バニーハット
ゲレンデトップ(前はシールを貼る人手賑わった所) 大抵脛までもぐる
慶応吾妻山荘入口 家形山避難小屋



2月15日
コースタイム 避難小屋7:30〜五色沼のコル9:30〜一切経のコル11:30〜吾妻小舎12:30


朝から雪が降り視界が悪い。
早く吾妻小舎へ着きたいので出発を早くする予定であったが、早朝の風を避けるため出発を少し遅らせた。

追分まで戻り、大根森への少し急な登りへ取りかかる。
モコモコさんと交代して高度を上げていくと、だんだん風雪が強まってくる。
クラストした斜面となっていよいよ五色沼のコルだ。
相変わらず風で雪が吹き飛ばされているのですこし板を外して歩く。

五色沼の淵をトラバースしてパラダイスで一息つく。五色沼のコルから浄土平までの間で風を気にせず唯一くつろげる場所、まさしくパラダイスだ。

パラダイスから一切経のコルを目指して登っていくと、視界がよくなってくる。
また、風も我々が通過するのを見計らって弱まってくれているようになった。
これらの好条件が重なりスムーズに一切経のコルからの下降に移ることができた。

これから先の斜面は、ガリガリか、モナカの印象しかないため予めモコモコさんとシールは着けたままでいこうと打ち合わせをしておいた。
早速下降にかかると、今までに無いフカフカの斜面であった。
シールを着けたままでは楽しさ半減だ。モコモコさんはスキーがもぐり滑らないため、なんでもないところで沈没。

酸ヶ平から先のちょっとした間はシュカブラと背後から押してくる強い風の為慎重に進むが、蓬莱山の先の斜面もまたフカフカで下りラッセルをすることになってしまった。

ともあれ、浄土平へ降りて桶沼を回りこんで無事吾妻小舎へ到着。

小舎の入口は多少雪で埋まっていたが、備え付けのシャベルで軽く除雪するだけですぐに入れるようになった。

寒いので早速ストーブに着火、といきたいところだが、なにしろ初めて点けるので説明書を読むことから始める。
最初はうまくいったかのように見えたが、鎮火してしまった。
モコモコさんが「コークス入れすぎたのかも」というので最初からやり直し、コークスもあまり入れないようにしたらうまく安定して燃えるようになってくれた。

一安心だ。
室温を上げるのに時間がかかるが、体の心から温めてくれるこのストーブはとてもありがたい。

清潔でフカフカの布団で寝られることに感謝して眠りについた。

追分から大根森への登り 風雪が強まってきた
視界がきき、風も弱まった 「モコモコさん沈没す」の図
下りラッセル(シールつけたままを後悔中) 快適な吾妻小舎へ到着


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