朝日連峰 
大井沢〜石見堂岳〜赤見堂岳〜障子ケ岳〜天狗小屋〜二ツ石尾根〜狐穴小屋〜以東岳〜大影境〜枡形山〜白岳〜常願寺山〜大鳥
〜春ののんびり尾根歩きと、のびやかな尾根時々ヤブの充実山行〜
2012年4月28日〜5月2日

 昨年立てた計画であるが、悪天候のため大影境を大鳥から往復するだけになってしまった。
 週間天気予報と予想天気図を睨みながら出発日を待っていると、今年は天気の神様が微笑んでくれそうだ。
 コースは昨年の計画とは逆走することにした。モコモコさんは大鳥小屋を経由して行きたいようなことを言っていたが、登り返しを考えて、「うちらバカだから(今回を含めると延べ5回通る)また以東岳から尾根通しで行くか」ということになった。
 更に、今年こそはと予備日も十分にとってあるので1〜2日天候が崩れても問題ない。天気がよければ笹原山と甚六山も往復してしまおうという贅沢欲張りプランを練った。

山と高原地図;朝日連峰、 2万5千分の1地形図;赤見堂岳、大井沢、朝日岳、相模山、大鳥池


アプローチ

東京駅八重洲口23:50-山交ビル6:00/山形駅7:04−寒河江駅7:31/(タクシー)−砂沢橋8:30

コースタイム

4月28日(晴れ)
砂沢橋8:50〜757m地点10:55〜石見堂岳14:17〜鞍部14:57(幕営)

4月29日(晴れ)
幕営地5:00〜赤見堂岳6:15〜枯松山8:50〜大桧原山11:23〜紫ナデ手前鞍部13:00(水作り)13:36〜紫ナデ14:17〜障子ケ岳16:00〜天狗小屋17:46(泊)

4月30日(曇りときどき晴れ)
天狗小屋6:51〜二ツ石山9:47〜二ツ石山鞍部(水場標識)10:30〜高松峰13:44〜狐穴小屋14:30(泊)

5月1日(晴れ)
狐穴小屋6:00〜以東小屋8:36/9:13〜1446mピーク11:30〜化穴山12:54〜大影境14:22〜1278mピーク先の鞍部16:15(幕営)

5月2日(くもりときどき晴れ)
幕営地4:51〜枡形山6:10〜白岳手前1254mピーク7:19〜白岳8:36〜西ノ俣沢への乗り越し9:40/10:11〜1003mP12:18〜1004mP14:39〜猫渕沢源頭鞍部13:08〜常願寺山14:39〜953mピーク15:50〜林道出合17:00〜ゲート(蘇岡発電所)18:21〜大鳥(旅館朝日屋)19:27




4月28日(晴れ)
砂沢橋8:50〜757m地点10:55〜石見堂岳14:17〜鞍部14:57(幕営)

前夜発の山形行のバスは満席で出発。山形方面行きの夜行バス(東北急行バス)は乗り心地はいいのだが、いちいち休憩時に車内照明を煌々と点けられ車内放送を流されるので、連続して静かに休めるのは2時間程度で体力を削られる。観光旅行ならいいが、翌日登山を控える身としてはやはりつらい。登山のアプローチには、余計な放送や照明点灯がないJRバスの方がいい。しかしJRバスだと出発時刻が早く更に乗車地が自宅から遠くなるので、出発に間に合わない恐れがありなかなか利用するのが難しい。
要するに選択の余地はないので、腹をくくって乗り込んだ。

山形までの道中、出来るだけ眠っておこうとする。
ところが、出発して少しうとうとしてきたかなという頃に「東北道が渋滞しているので常磐道経由で向かいます」との案内が流れて目が覚める。いきなりやられた!!!以降、落ち着いたかと思うと明かりが点くの繰り返しだ。

「休憩です。なんたらかんたら・・・」どうしても目が覚める。最初の休憩ではトイレに行っておいた。席に戻ってうとうとし始める「出発です。」目が覚めてしまった。しかしこれは序の口。以降、確実に体力が削られていくのであった。
うとうと・・・(パチっと明かりがつく)「休憩です・・・」(また〜?) しばらくの休憩。 うとうと・・「出発です。・・・」((o ><)oもぉぉぉ〜っ!! )
うとうと・・・(パチッ)「休憩です・・・」(寝られん・・・ (#`-_ゝ-)ピキ) しばらくの休憩。 うとうと「出発です。・・・」(勘弁してくれ・・・)・・・・・
うとうと・・・(パチッ)「米沢です・・・・」うとうとする暇なく(パチッ)「米沢市役所前です。・・・・」・・・・・・
もうどうにでもな〜れ  /(。□。ハ←逆立ち・・・ 。

山交ビル到着。

山形の朝は寒かった。
出発前に松屋で朝食を食べて行く。店内には同じことを考えている人(バスで見かけた顔)が結構いた。

朝一番の左沢線に乗り込み寒河江駅へ移動し、寒河江駅で身支度をしてタクシーへ乗り込んだ。バスだと2時間ほど到着が遅くなるのと、間沢又は月山口からでは回送料金が上乗せされて、寒河江から乗ってもバス停から乗ってもあまりタクシー料金が変わらないので、一番早く着けるこの方法をとった。(ちなみに小型で9670円)

大井沢には豊富な残雪があった。
砂沢橋で降ろしてもらう。モコモコさんによると小桧原沢から取り付く人が多いらしいが、距離が長くなるので、我々は少しでも距離が短い方(砂沢右岸尾根)で一気に標高を稼ごうという作戦らしい。

朝寒いくらいだったのが、日差しが強くぐんと気温が上がった。
体操をしたり、日焼け止めを塗ったりしてと色々準備をして、半袖になってから出発。
砂沢のすぐ横ではなく、少し移動して尾根の砂沢の反対斜面から取り付いた。
モコモコさんは、前回の谷川の時にザックにくくりつけていたストックの片方をヤブに盗られてしまったので、片方は枝を杖にしてスリングで手皮の代用にしていった。
最初からしっかりと雪がついているのでヤブコギはなし。やはり予想通り傾斜が急で、重荷と暑いこともあり汗が噴き出る登りが続く。
尾根が細くなるところなどは雪が落ちてしまっているところもあってそのときはさすがにヤブ歩きとなるが、それもほんのわずかで済むので登りやすい。

月山湖や寒河江川を見下ろしながら息を整えつつゆっくり登っていくと、桧原からの尾根が伸びているのが見えてくる。桧原からの尾根合流点の757mは間近に見えた気がしたが実際歩くと意外に長かった。
757mを越えると少し楽になった気がする登りとなった。尾根が少しやせるが、これまでと余り変わらない状態の登りで951mピークに近づくと、なにやら松の枝が散乱している。強風かなにかで結構な太さの枝が折れてしまったらしい。

ここから急な斜面を標高差約100m程を頑張って登れば、一番苦しい登りは今日は終わったも同然だ。
石見堂岳手前のピョコ直下はとてもいい所で、時間さえあれば焚き火でもしてゆっくりしたいところだった。ピョコへは急な登りだが標高差は小さいのでさほど辛くなかった。ピョコへ登りきるといよいよ石見堂岳は目前だ。

前夜のバスで体力を削られていたので気力だけで登ってきていたが、既に気力も残り少なくなってきた。時間はまだまだ早いが、石見堂岳を越えておけば後の行程もなんとかこなせるだろうということで、いい場所があったら泊まることにした。
石見堂岳周辺はゆるやかな雪原状で、天気が良い今日は最高の歩きだ。石見堂岳山頂には誰かが運んだかのような石が転がっていた。これが名前の由来か?
緩やかに鞍部へと降りて行く。地形図で見たところでは、鞍部は細い尾根になっていたので少し登り返してからが宿泊地になるかなと思っていたが、膨大な積雪量のお陰でまろやかな尾根となっていて幕営するのにもいい感じだったので即ザックを降ろした。

天気も良く時間も早かったので、テーブルを作ってのんびりした。たまにはこういうのもいいな。
夕方になって風が冷たくなったのでテントにもぐりこんで簡単に入山祝の続きをしてから早目に眠りに就いた。



4月29日(晴れ)
幕営地5:00〜赤見堂岳6:15〜枯松山8:50〜大桧原山11:23〜紫ナデ手前鞍部13:00(水作り)13:36〜紫ナデ14:17〜障子ケ岳16:00〜天狗小屋17:46(泊)

少し風が強くて寒いので、雨具を着た。
気温はさほど下がらなかったので、雪面は固くない。モコモコさんは最初に急な登りだからということで、アイゼンを着けて出発。
昨日の疲れが残っているのか最初の登り返しが辛かった。
ここを登り切ってしまえば赤見堂岳まではあとわずかな距離だった。赤見堂岳山頂は風が吹いて寒いので少し降りて風が弱いところで休憩した。
先を見るとのんびりとした雪原が続く尾根だ。今日も天気がいいので気分が良い。出発時は寒いくらいだったが、日が完全に昇ると途端に暑くなった。今日も半袖で歩く。途中にある1327mピークは、奥に入り込んでいるため寄らずに巻くようにして通過した。

ずっと広い尾根が続くため、現在地を確定しにくい。
目指す方向もはっきりと見えて迷うこともなく、地形図をみればわかることだが、はっきりとした位置づけがほしいということでGPSをだしてみると枯松山まで無事に来ていた。
予定よりも順調に進めているので、天狗小屋には早目に着けてゆっくりできる、とこのときは思っていた。

1400mピークを目指していくと、気温が高いので南を向いた斜面からはブロックの崩壊が起きていた。
少し傾斜が急なところを登れば1400mピーク。大桧原山が良く見える。予想外に山頂付近はヤブが出ている。大桧原山山頂手前はやはりヤブが出ていて、雪面を繋ぐのにヤブコギとなった。
山頂そのものには雪堤ができていたのでヤブコギすることもなく通過できた。山頂を少し過ぎたところからこの先の様子が全て見えるようになった。
紫ナデへ向かうにつれて標高が下がるためか、藪が出ているところが目立った。それを見て、「担ぐより足に着けている方が楽だから」といってずっとアイゼンを着けていたモコモコさんであるがさすがに外していくことにした。

大桧原山を下ると、雪堤が切れているところが増えてくるので、そのたびにヤブに入ってやり過ごしてから次の雪堤に乗り直して切れているところまで進んで、という行動を繰り返すようになる。
途中雪堤に乗り直す手前のブロックが突然崩れ、モコモコさんがあわててヤブにしがみつくというアクシデントがあったが、危険なところはあまりなく進んでいく。

紫ナデ直前の小ピークに向けて小さなアップダウンを繰り返しながら行くと、さすがに雪堤も途切れることが多くなり、ブロックを慎重に通過したり、ヤブコギも多くなってくる。
紫ナデ直前の小ピーク付近は雪堤が使えず、西側に残る雪面を使って進んでやっと登り返したときには水の残りが一口分しかなかった。
先を見ると、地形図では想像できない雪の急斜面となっていた。雪面は柔らかかったが、念のためピッケル、モコモコさんは更にアイゼンを着けて慎重に下る。
所々バックステップを交えて無事鞍部まで下降できた。
鞍部には雪堤があったが、丁度藪をおさえた状態で割れていて風をよけながら休憩できるいい場所を提供してくれていた。
水が無くなってしまったので、水作りをしながら大休止とした。

さすが春の雪は水分が多いのであっという間に十分な量の水が出来た。
紫ナデまでは降りた分以上の登り返しが必要だ。夏のコースタイムで紫ナデから小屋まで2時間半以上かかる。障子ケ岳で変な雪が着いていたら小屋は無理かもと少し不安になった。
紫ナデへの到着時刻と障子ケ岳の夏道が出ているかがポイントになりそうだ。

登り始めは雪堤がすでに崩壊して使えなくなっているので結構な傾斜のヤブコギ混じりの登りとなったが、作成した水のおかげで暑い中でも頑張れる。
少し登ると雪を使えるようになってかなり楽に高度を稼げるようになる。さすがにピーク直下になると途切れるが、これまでと違って気が楽だ。何よりも紫ナデまで行けば道がある。
雪面を途切れ途切れ繋いでいくことも出来そうな気もしたが、あとわずかなのでヤブを漕いで行くのが一番確実ということでとにかく上を目指してヤブに突入すると、かわいい鳥の巣発見。使っている気配が全くないが、良くできていて感心した。

鳥の巣に癒されたお陰で、藪は濃いが頑張れた。登山道にはあっけない感じで出た。
紫ナデのピークだけぽっかりと雪がなく、回りを見てみるとまだたっぷりと残雪の覆われた登山道にはかなり前に通過したような足跡があった。
更に我々が来た方を少し見てみると雪を繋いで来ようとするとかなりの急傾斜のトラバースをすることになりそうだったので、藪を来て正解だったようだ。

鞍部での懸念通り、ここで結構いい時間となってしまい、天狗小屋まで夏道でも2時間30分はかかるので近くに広い雪面があったこともあり今日の行動を終了して幕営でもとも思ったが、先を見ると最後の核心部障子ケ岳直下や手前のヤセ尾根の小ピークは夏路が出ていた。
これならばコースタイム通りとはいかないが、大幅に上回わることなく進めそうだ。正直障子ケ岳に雪が付いていたら今日中に天狗小屋に入ることは難しそうだと思っていただけにうれしい誤算だ。

少し休んでから最後の登りへと向かう。
緩やかな下りは雪面の方が楽で早いので雪面を使い、登りや急な下降では夏道がでているところは夏道を行く。
日が陰ってきて涼しくなっているとはいえ、これまでの疲れがありペースが上がらない。なんとか障子ケ岳に着いた。
小屋は遠くに感じるが、天気が良く日没までまだ余裕があるのでとにかく足を動かせば確実に明るいうちに小屋に着けるところまできている。

残雪と夏道の割合が半々の道を、転落事故に気をつけて行くと粟畑への登りだ。今日最後の登り。きついが小屋が目前だと思うと頑張れる。
粟畑からは完全な雪面だった。
粟畑から小屋へは下りとなり、うっすらと残る足跡に自分の足跡を重ねるように進むと小屋がとうとう眼下に見えるようになった。
やった、やったと声を弾ませてさらに進むと、途中水を汲めるところがあった。泥臭いが貴重な水だ。
小屋近くの水は出ていないかもしれないということで、時間と燃料の節約を兼ねて少し汲んでいく。

小屋は大きな雪でできた円形劇場のちょうど中心部のようなところにあるので、傾斜が緩やかなところを一下りしてやっと終わった。
心配していた水は、小屋前の登山道の入り口の所に融雪水が流れており、そこで汲むことができた。少し泥臭いが、さきほど汲んだ水よりも色が薄いので全面的に入れ替えた。
水汲みをすませて早速小屋へ入る。小屋は人が入った気配はあったが、実際のところ我々の貸し切りだった。
二階の暖かなところに陣取り、2日目も無事終えたことに感謝して休んだ。


4月30日(曇りときどき晴れ)
天狗小屋6:51〜二ツ石山9:47〜二ツ石山鞍部(水場標識)10:30〜高松峰13:44〜狐穴小屋14:30(泊)

今日は夏道を辿り、主稜線へさらに以東岳方面へ進み笹原山を往復するために、笹原山への支尾根へ入ったところで幕営する予定だ。
気になるのは下山予定日の天気が悪くなりそうなことだ。そこで甚六山のピストンは諦めることにした。
そうと決まれば、ほとんどが登山道歩きであるのと今日も天気がいいらしいので、ゆっくりの出発とした。

わずかに登り返して天狗角取山へ。間違えてここから出谷川へ少し降りてしまったのは御愛嬌。戻って二ツ石尾根を確認して本来の道に入る。
最初の急下降は夏路が出ていたが、すぐに斜面は雪に覆われて広い雪堤が出来ている所へと変わった。
昨日同様冷え込みがなかったので、雪面は柔らかく下りにとるときには楽ちんだ。

湯沢峰が見えてくると、尾根の南が切れ落ちているのと標高も低くなってくるので夏道がポツポツ出ている所も目立ってくる。以前同じ頃に歩いた時は登山道がカタクリで覆われていて足の置き場に困ったほどだったが、やはり今年は雪が多かったのと4月入ってからも寒い日が続いたせいか、カタクリはこれからが本番という感じだ。それでも綺麗だった。
鞍部を過ぎると再び残雪歩きとなる。
二ツ石山までも同じ感じで、尾根が切れ落ちていて標高が低いところは雪堤が崩壊していたり夏道が出ていたりした。

水場標識のある鞍部へ下るといよいよこの尾根の核心部となるコバラメキ、オバラメキが近づいて見える。鞍部からのちょっとしたピークの登りは急な雪面の登りだった。
登ると一気にコバラメキに繋がる尾根が見えるのだが、コバラメキの岩はすっかり雪がなくなって出ているものの、その直下の雪堤に亀裂が数か所見られる。
その場所までも雪稜歩きとなるのでピッケルを出した。さらに念のためアイゼンとスワミベルトも装着した。
雪質の状態がいいので、転落にさえ気をつければ全く問題なく直下に近づけた。

いよいよ短いながらもコバラメキへの急な登りにかかる。うっすらと亀裂は見えるがなんとか雪を繋いで行けそうだ。
2か所ほど亀裂を静かに渡って慎重に登ったところはコバラメキのちょうど岩峰のてっぺんだった。
岩峰を降りた夏道でアイゼンをはずした。

岩峰へ登り返して夏道のあるはずのところを覗いてみると(夏道は我々が登ったのとは違うところについている)、雪堤が2mほどすっぱりと切れていてまだ夏道通りに通過するのが難しそうだった。我々が登ったところもあと数日もすれば亀裂が広がり通行不能になりそうだ。そのころは逆に夏道を通っていくことが出来るようになるのだろうか?
いずれにしても雪を利用して登るにはいい時だったようだ。ここで全て落ちてしまっているようだと、枡形山方面は確実にヤブが多くなっているだろうしなかなか難しいところだ。

先を見ると夏道が結構出ているようだが、モコモコさんがピッケルは出していった方がいいというのでそのままピッケルで行くことにした。
最初はピッケルをしまってもいいかなと思うくらい、やせた岩峰などは夏道が出ていたり逆に安定した雪堤を使えたりといった具合だったが、だんだん残雪が付いているところが増えてきて、急な登りもあったりした。

特に、尾根を忠実に歩いていくところでも急な登りがあったところは雪面が固かったので、キックステップがなかなか決まらずピッケルのままでよかった。
そんなことをしていると、思ったよりも通過に時間がかかり、笹原山往復はやめて以東小屋泊まりにしようとモコモコさんと相談した。
二ツ石尾根では、岩峰を顕著に巻くところが2か所あるが、オバラメキ側の巻きでは巻道そのものは夏路がでていたが、尾根に戻るところのトラバースではべったりと雪がついていて、夏道がでているところに戻るには直前まで様子がわからない亀裂があった。
慎重に登り気味にトラバースしていき、亀裂にさしかかると余り状態はよくなかったが、なんとか夏道に移ることができた。モコモコさんもなんとか無事通過。ここは普段ロープが張ってある所で、ロープも少しだけ出ていた。

ここを過ぎると核心部は終了したようで、変な残雪の処理をすることはなくなった。
高松峰の急な登りにもべったりと雪が付いているのが見えるが、ゆっくり登れば問題なさそうだ。
二つ目の巻を済ませると尾根も広がってきて緊張感から若干解放される。
高松峰の登りも見た目ほど急でなく(ここも夏道にはロープがはってあるところだ)、キックステップを効かせて夏道よりも快適に登っていけた。

高松峰からは尾根も広くなって、雪もなくなった。狐穴小屋も見える。
以東小屋までは進む予定であったが、狐穴小屋を見てしまったら泊まらないわけにはいかないでしょうということで、コバラメキ〜高松峰の通過で時間が掛ったのと予想外に疲れが出てしまったので、今日は狐穴小屋までとし後半戦に備えることにした。

狐穴小屋まで頑張ればいいので、のんびりと景色を楽しみながら歩くと小屋向こうの雪渓を登っている人(2人)が見えた。良く見るとスキーをひいて登り返しているようだ。尾根の陰で少しの間二人の姿が見えなくなり再び二人を見たときには、先ほどの登り返しが終わり再度の滑降をしてしまったようで、さらなる登り返しをしてるところだった。
その最中に我々の姿をあちらも見つけたようだった。

管理人の安達さんたちかな?もしそうだったらビール売っているかも。もし売ってたら買って飲むんだと密かに楽しみが出来た。
小屋直前にはいつも通り大きな雪壁があり、この急な壁をおりないといけない。ただ、立派なステップが切ってあるのでゆっくり下りれば問題なくなっていた。
ステップを崩さないようにバックステップで降りることにしストックを先に放り投げた。モコモコさんも同じようにしたところ、ストックが中途半端なところに落ちてしまった。とにかく下まで降りてから取りに行くように言い聞かせてまずは山人が先に降りる。

するとやはり安達さんが入っていて(このステップも安達さんが作っておいてくれたものだった)モコモコさんが降りている間に安達さんがストックを取りに行ってくれた。ありがとうございました。
安達さんからはストックじゃなくてザックを落としておけばよかったのにと笑われたが、なんとか小屋にたどり着けて良かった。

小屋前のホースからは水が出ていなかったので、壁下の融雪水を汲もうかなと思っていたら、なんと小屋裏の水場からはジャンジャン出ているとのこと。
実際汲みに行ってみると、綺麗な冷たい水が豊富に出ていた。早速顔を洗って水を飲むと昨日のような土臭い水ではなくいつもの美味しい水で感動した。
風があるので濡れたものは外に干しておけばすぐ乾くよとのアドバイスももらい、靴下やスパッツ果てには靴まで風に当てておくことにして、早速2階へと上がった。

安達さんと相棒のしょーこさんは、我々が昨年秋に来たことを覚えていてくれてなんだかとてもうれしかった。今晩は我々の他に常連さんが来る予定とのことだった。
ビールも期待以上で雪でキンキンに冷えた状態で売られており、早速購入(350ml800円)してプシュッといったのでした。
相変わらず居心地のいい小屋で今晩も良く眠れそうだ、狐穴小屋泊まりにして正解だった。今夜の宿泊者は西川山岳会の3名のみ。
明日からの後半戦も頑張れそうだ。


登り口 月山湖を振り返る
暑くて大変 石見堂岳 山頂には大きな石
赤見堂岳を望む ポカポカ陽気で外で食事
早朝の月山 朝日を浴びて
赤見堂山より大桧原山方面 月山と石見堂岳、最低鞍部はテン場
障子ヶ岳が見えてきた どんだけ〜降り積もるの?
障子ヶ岳が近づく 赤見堂岳を振り返る
紫ナデへはぐんと下がってから登り返しが必要 鳥の巣 良く作ったな感心 住人無し
大桧原山方面を振り返る 障子ヶ岳
天狗小屋 小屋前の融雪水 少し土臭い
小屋2F 小屋1F


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