朝日連峰 |
大檜原川〜小国沢(下降)〜八久和川中俣沢〜狐穴小屋〜竜門小屋〜日暮沢 |
後編 |
小国沢出合〜八久和川中俣沢〜狐穴小屋〜竜門小屋〜日暮沢コースタイム
9月14日(晴れ)
泊場A小国沢出合6:25〜茶畑沢出合7:56/8:31〜平七沢出合10:40/11:54〜岩屋沢出合13:08〜呂滝下16:00(泊場B)
9月15日(晴れときどきくもり一時雨)
泊場B5:44〜呂滝上6:03〜中俣沢出合7:45/8:00〜15m滝下9:28/滝上10:15〜右俣出合14:35〜連瀑帯上15:29〜狐穴小屋17:09
9月16日(晴れ)
狐穴小屋7:15〜竜門小屋9:50/10:20〜日暮沢14::27〜堰堤15:05
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9月14日(晴れ)
コースタイム
泊場A小国沢出合6:25〜茶畑沢出合7:56/8:31〜平七沢出合10:40/11:54〜岩屋沢出合13:08〜呂滝下16:00(泊場B)
ここから岩屋沢出合までは遡行済み。しかも前回は大増水の後だったことを考えると、好天の中なので幾分気が楽だ。
しかし行程が長く西俣沢出合付近まで行くつもりなので気を引き締めて行く。
初っ端から大淵が続き、へつりや水に浸かることが多い。
河原歩きでも右に左に渡渉するときもちょっとした淵に浸かる感覚の時もある。
見覚えのある沢が右から入る。茶畑沢だ。ちょっと竿を出してみるが釣れなかった。
本流はやはり大きい。
大ハグラ石滝は前回と同じようにすんなり抜けられた。
この先の1mくらいの落ち込みが続く所の方がルート探しに少し手間取った。
後から思いだしたが、前回巻こうとして落石が多く諦めて結局残置ハーケンを利用して降りて、水に浸かって突破したところだ。
今回は、左に張り出した岩を跨ぐようにして一度水に浸かって突破した。
その先は前回とほぼ同じようなルート取りで進んだ。
平七沢出合前の自然プールは今回は泳がずに巻いた。
自然プールを抜けた先には、以前泊まるのに快適そうな砂の台地があったはずだが、大出水のために削られてしまったのかなくなってしまっていた。少し裏へ回って探せば砂の台地は健在だったかもしれないがそこまでは確認しなかった。
平七沢出合左岸には前回は気がつかなかったが、いい泊まり場があった。
順調に来ているので、ちょっと竿を出してみましょかねと平七沢へ入ってみる。
ところが釣れない。魚影自体もほとんど見えない。もう少しもう少しとやっているうちに1時間も費やしてしまった。
成果は0.。がっかりして先へ進む。
岩屋沢まで以外に時間がかかった。
出合付近に幕営準備がされている所があったが人は見当たらない。釣りに出かけているのかな?
ここからは初遡行。
ガイドや先人の記録にはさらっと通過したように書かれているが、結構距離もあり小滝や淵があったりと変化はあった。
オツボ沢出合は巻き道を使う。巻き道の入り口には赤テープがあった。オツボ沢へ一度降りて横断して、対岸を登り返してから最初は明瞭な道もだんだんと分かりにくくなってくる。
ポイントポイントにある赤テープを探しながら延々と巻きつづけた。長いの一言だ。
次のポイントは小鱒滝だ。
登れそうな感じだが時間が押してきたので巻きに入る。
巻きは最初ウシ沢を登ってから藪に入る。すぐに沢には下りずに良く見れば小さな尾根っぽくなっているところを登って平坦になってから沢から離れないように上流に向かうとすんなり降りられるところに出られた。
呂滝までは釣り人が通ったりするお陰か、うっすらではあるが踏み跡があったりポイントには何かしら印等があった。
ここを過ぎると沢は河原歩きとなるが、うんざりするほど長い。
コマス沢出合いを過ぎてしばらくで左岸にいい泊場を見つけた。
今日は出来るだけ先へ進んでおきたいので西俣沢出合付近は無理でもせめて呂滝上まで行くつもりでいたが、この時点で既に16:00.。モコモコさんからこの先へ進むと泊場に着く頃には18:00近くなるかもしれない。釣りなんかする時間が無くなる。疲れた、これ以上疲労が蓄積すると明日までに回復できない・・うんたらかんたら・・・・(略)要するに標高差はほとんどないが、長い距離を移動して水に結構使ってきたのでとても疲れたもうやだ、こんなにいい泊場に泊まらないのはおかしいとうことらしい。
ということで荷物を降ろし、宿の設営。薪を集めてからモコモコさんに焚き火を任せて、単独で釣りに上がる。
まだまだ遠いと思っていた呂滝は5分ほど歩いての所にあった。
黒々とした大きな淵には確かに何かが潜んでいそうだ。これに心を奪われてしまい通うことになる人がいるのも分かる気がした。
早速竿を出す。呂滝の奥の山の斜面に夕日が当たり素晴らしく綺麗だった。もう時間がない。夕暮れが近い、手元が見えなくなったら終わりだ。
呂滝の右奥。水面に時たま岩魚が浮上して泳いでいるので、そこをめがけて祈るように竿を振る。
しばらく待つ。「ポコ」といった感じで目印が消えた。「キタ〜!!!」
手ごたえあり。竿が弓なりにしなる。岩魚は呂滝の深みに逃れようと暴れる。足場が悪いので強引に河原まで引き寄せようとしたら無情にも、糸が空を舞った。糸が切れたかと思ったが、よく見ると針が付いている。「あ〜バラシタ〜」(泣)逃した魚は大きいというがまさにその通りだ。
大物は落ち着いてジックリ弱らせてからでいいのかとまた一つ勉強になった。それにしても悔しさのあまり涙が出そうだった。モコモコさんが一緒だったらおそらく取り込めただろう。アミ持ち職人モコモコだから。
再挑戦するには暗い。川虫も底を突いた。平七沢の1時間が悔まれた。
泊場に戻りモコモコさんに報告。モコモコさんはこれまでの様子からもともと釣れるとは思っていなかったらしく余りショックはなさそうだったのがせめてもの救いだった。
秋の日が暮れるのは早い。
あっという間に暗くなって、焚き火も絶好調。
今晩も星空が綺麗だ。明日も雨に降られないように御神酒を捧げて八久和の夜に乾杯した。
明日は、いよいよ中俣沢だ。参考にした記録よりも我々はずっと時間がかかるのが解っているので明るくなるのと同時の出発を目指すことにした。
9月15日(晴れときどきくもり一時雨)
コースタイム
泊場B5:44〜呂滝上6:03〜中俣沢出合7:45/8:00〜15m滝下9:28/滝上10:15〜右俣出合14:35〜連瀑帯上15:29〜狐穴小屋17:09
いよいよ大詰め今日は中俣沢へ挑む。山モコ隊はハマるときは、とことんハマるのでどうしても時間がほしい。3時半起床、5時半出発を目指す。
ようやく明るくなってきた5:44に出発。
すぐに呂滝。深く大きく太古の昔から出谷川の水を一気に落とす。どんな大岩魚が住み着いているのだろうか?まさに男のロマン、釣り師の夢。奥の山峰に朝日が差し込み美しい。昨日の今日で後ろ髪惹かれる思い。記念撮影をして左から巻く。
呂滝の次の弁天滝は湯ノ沢を登ってから巻くことが多いらしいが、巻かずに登った。
中俣沢出合までは思ったより時間がかかった。大きな滝はないが浸かったりするところも多く、早朝からは堪える。
西俣沢出合までの間に泊まれる所はあるが、増水に弱かったり薪が少なかったり快適ではなさそうだったりと今一つのところで、昨晩泊まったところが一番安心快適に泊まれる良い所だったようだ。増水に安心なのは西俣沢出合手前の草の台地だが、半分が水たまりでじめじめしているので泊まるには不快な気がした。
西俣沢出合を過ぎると、ゴルジュの廊下になるが、水深が浅いので助かる。
東俣沢中俣沢出合いで腹拵えをして気合いを入れる。
最初の小滝を数個快適に越えると、釜を持った小滝が出てきた。小滝は大きく深そうな釜を持ち、最初から泳ぐ気にはなれないのでここは巻きに入る。右の草付きから取り付いてみるが、急で灌木が続いていないのできつい。
一度沢に戻り作戦会議。モコモコさんは、つい最近購入してまだ未使用の新兵器、ピンソールを装着して登ることにした。ぶっつけ本番で、モコモコさんはなにやら装着に手間取っている。さて仕切り直し、山人はピンソールなしで数メートル登ったところで滑落。幸い灌木を掴んでセーフ。これは駄目だと、沢に戻りピンソールをすんなり装着。
再度、草付きに取り付く。いままでがウソのようにグイグイ安定して登ることができた。モコモコさんもなんとか登ってきたが、上から見ていて苦戦していたのでザイルを出せばよかったと後悔した。これからは、安全性を重視して少しでも不安を感じたらザイルを出すことにした。草付きを登り、藪に入ると傾斜が緩くなるので上流部へトラバース。灌木を掴んで2段目の小滝の落ち口上のナメへ懸垂することなく降りられた。最初の巻きでなんだかんだで50分ほど時間を費やしてしまった。先が思いやられる。
気を取り直して先を進む。15m滝がドーンと登場。近づいて見てみると、この滝は2段になっており、一段目は簡単に上がれる。2段目は、下部は小さいが皺を利用して登り上段は灌木を利用して、左からなんとか登れそうだ。
最初に山人が空身で登り、次にモコモコさんがザックを背負って登り、最後に山人が懸垂下降して自分のザックを背負って登った。セカンドのモコモコさんがなかなか登ってこないので、どうしたものかと心配したがなんとか登ってきた。途中の灌木にザックが引っ掛かり抜け出すのに体力を消耗したらしい。スムーズに登ったつもりが45分ほど掛ってしまった。しかし大高巻きすることを考えると時間短縮にはなったのだろうか??
その後は快適に登れる滝や、取り付きまで泳いだり、滝すぐ横を小さく簡単に巻くことができるような所が次々出てきて楽しい。
11:33、6mの滝が出てきた。簡単には登れそうにないので、休憩がてら高巻きのルートを探す。ガイドでは次の10mも一緒に巻くようになっている。どうやら大高巻きになりそうだ。右岸は草付きが急で灌木帯まで遠い。左岸は最初スラブ状の岩場でもう少し戻らないとダメかと思ったが、よく見ると岩場には手掛かりがあり、草付きの距離も短かそうだ。ザイルを引いて、中段の安定したザレまで登る。ここでモコモコさんを迎える。さらに、草付きを登り上部の灌木帯を目指す。だんだん滑りやすくなり腕力のないモコモコさんでは厳しそうなのでピンソールを装着するように声を飛ばす。あと10m程で安定した場所なのだがザイルが足りずピッチを区切る。
待てど暮らせどモコモコさんが登ってこない。場所が狭いのでピンソールの装着に手間取っていたとのこと。ようやくモコモコさんが登ってきたのでそのまま上まで行ってもらう。ありがたいことにここも灌木帯まで登り切ってしまえば傾斜が緩む。一息ついて藪をトラバース。上部の連瀑帯が見えるようになった。
沢床を覗いてみると、雪渓が皆無。これは今日中に小屋まで抜けられると思った。
下は灌木がない草付きとなっているので懸垂下降することにした。30mザイルでも何とかなりそうな下降点を探す。10m滝の落ち口の上に支点に出来る灌木があった。ここから下をみると草付きの中に安定したザレあるのが見えた。そこまで懸垂で降りてみる。
ここから下は懸垂下降なしでも降りられそうな気もするが、滑落すればただでは済まないので引き続き懸垂下降することにした。
しかし、10m滝の落口まであと数メートル足りないので、お助け紐を草付きの中の安定したザレの場所で連結。ギリギリで降りることが出来た。
その先にはチョックストーンの滝がデーンを行く手を塞いでいる。偵察に行ってみると簡単に登ることができそうだ。13:27、モコモコさんを迎えてようやく長い高巻きが終わった。
10m滝上のチョックストーン滝は、四つん這いで進む。ザックが引っ掛り、大変そうなのでモコモコさんの分は荷揚げした。荷物がなければ簡単に登れる。
S字のゴルジュに張り出している小尾根の末端には、狭いが緊急時には泊まれそうなところがあった。しかし雪渓がないとき限定のような気がする。
しばらく進むと10mの右から巻く滝が現れた。上部が草付きで灌木がないので途中から二人ともピンソールを装着したところ簡単に巻くことが出来た。
さて、山人がピンソールを外して仕舞おうと袋を探すがない。あっ、さっきのところに置いてきてしまった。急いで取りに戻る。モコモコさんからの「もう一回ピンソール着けるかザイル引いて行きなよ!」との忠告を無視して空身でザレに行く途中、2mほど滑落。幸い下がピンソールを装着した安定したザレだったので止まった。
袋をポケットにねじ込んで戻る途中でセミになってしまった。先ほどの滑落が頭から離れない。モコモコさんに助けを求める。モコモコさんがザイルを上から投げてくれた。ゴボウで登り返す。あ〜助かった、と思ってピンソールを仕舞おうとポケットを探るがまたもや袋がない〜。アホ過ぎる。探しに戻る。幸いすぐ上の藪に落ちていた。もう自分の馬鹿さ加減に情けなくなる。
気持ちを切り替え登れる滝をいくつか越えると、右俣との出合。ガレたルンゼから舞い落ちる滝は迫力がある。このころから、雲行きが怪しくなる。雨がポツリポツリ降り出してきた。雷の音も遠くから聞こえてくる。増水が早くて凄まじいことは経験済み。こんなところで増水したら完全に閉じ込められて今日中に狐穴小屋まで上がれない。草付きでの悲惨なビバークだけは避けたい。祈るばかり。幸い毎晩御神酒を山に捧げていた甲斐あって雨は止み、雲も薄くなり、青空もちらほら見えてきた。
連瀑帯が始まる。2条7mは登れそうなのだが、まだ雷も鳴っているし、落ち口にチョックストーンがあって越えるのが難しそうで時間がかかりそうなのでここから一気に左岸を巻くことにする。ピンソールを装着して小さく巻くように心がける。雨の後で草付き斜面が滑るが、ピンソールのおかげで難なく登っていける。ピンソールのないいつもだったら、モコモコさんにザイルを出してえらく時間がかかっていたことだろう。大岩が現れたところで全ての滝を大高巻きしなくてはならないかと思いきや、滝の中段から一度降りられた。降りてすぐ上にかかる滝は、良く滝を観察すると右岸に渡れば登れそうだ。対岸に渡ってから最初数m岩を登り、灌木を頼りにトラバースしたところを突破口に滝上に上がることが出来た。
さらに数個滝を越える。ここでようやく、連瀑帯突破の目途がついた。15:30滝の落ち口に安定した場所があり休憩。今まで辿ってきた沢筋が小さく見える。あとひと踏ん張り、登れない滝も出てきたが小さく巻くことが出来た。16:00巻き終わると辺りが草原になってきた。連瀑帯がとうとう終わったのだ。
なんとか明るいうちに狐穴小屋へ入れそうだ。
申し訳なさそうに次々と小滝が出てくるがどれも簡単に越えることができた。沢にゴミが目立ち始める。草原に石が点在していて趣がある。途中いくつか分かれるが、水流の多い方に導かれると狐穴小屋が姿を現わした。17:09、無事到着。
小屋の前で荷物整理をして入る。1Fは2人。2Fは5〜6人ほど。管理人の安達さんに挨拶すると我々を覚えていてくれた。1Fに案内された。早速、ビールを購入して宴会に備える。順調に行程が進んだので予備日が1日ある。折角なので、大鳥の朝日屋さんに宿泊しようということでモコモコさんに、三方境まで行って携帯電話が通じるか行ってもらうことにした。
その間、山人は夕食の準備。さて、大事に持ち上げたガスに点火するも炎が弱よわしい。何度試しても駄目だった。終いには炎も上がらなくなった。沢ではすべて焚き火で賄っていたのでガスの出番はなかった。ガスとバナーヘッドで合せて約600g。いままで健気に担いでいた自分がなんだか悔しい。
(下山後、家で試すと問題なし。詰め替え君を使用して入れたガスがごちゃ混ぜだったのが、原因だろうか?)
ガスのことは置いといて電波を探しに行ったモコモコさんがなかなか戻ってこないので迎えに行くことにした。結局、三方境でも繋がらなかった。モコモコさんの苦労も徒労に終わってしまった。二人して寂しく小屋に戻る。夕日が綺麗だったのと、三方境からは街明かりが綺麗だったとモコモコさんが言っていたのがせめてもの救い。
発想を切り替えて、焚き火用のメタがあることに気付く。1個で約15分燃えるので二人で残り5個はあるので何とかなりそうだ。手持ちの装備で、コンロ台を作りお湯を沸かすことが出来た。最後まで自分たちの力で何とかしたかったので良かった。質素な食事でささやかに成功を祝った。19:30にはみんな静かになったので山モコも寝ることにした。周りから気持ちよさそうな寝息やいびきが聞こえるが、興奮しているのか緊張がまだ解けていないのか日付が変わる頃まで二人とも寝付けなかった。
9月16日(晴れ)
狐穴小屋7:15〜竜門小屋9:50/10:20〜日暮沢14::27〜堰堤15:05
朝日の沢旅もいよいよ最終日。
この沢の為に新調した渓流シューズのフェルトが、あとせいぜい2、3日分もてばいいくらいまで磨り減っていたのが行程の長さを物語っている。
大鳥まで行くはずだったのが朝日屋さんに連絡をとれず日暮沢へ降りることになったので、のんびりと起きて他の皆さんが出発する頃にようやく朝食を食べ終わり撤収を開始した。
ビショビショのザックは外に置いてあるので水場前のベンチを借りてゆっくりパッキングをする。
パッキングの間、管理人の安達さんがお話をして付き合ってくれた。
安達さんに見送られて快適な狐穴小屋を出発。
途中の寒江山で、せっかくだから山形でもう一泊していこうと宿泊の予約を入れようとするがどこも満室だ。(寒江山では繋がる。ドコモ)
山形で美味しいものを食べてからもうひと頑張りしてお家へ帰ろうということになった。
・・・・・暑い。
汗をだらだらかきながらやっと竜門小屋へ着いた。
竜門小屋は休憩する人でにぎわっているかと思いきや男女二人組がいるだけ。本当に連休中の竜門小屋かと思うくらいの静かさだ。
しばらくすると先に休憩していたこのお二人も出発してしまい、我々だけになったのをいいことに暑いのでのんびりと小屋前のベンチに腰をおろして遠藤さんとおしゃべりを楽しんだ。
遠藤さんによると、昨日我々が雨に降られた時、竜門小屋辺りは30m先も見えないくらいの物凄い土砂降りと雷だったそうだ。
寒江山から向こうの狐穴方面はほとんど雨が降らなかったとのことで、正に紙一重で我々は大雨を逃れたことになる。
しかし、このように夕立や一時的にざっと降ってもまともには雨が降っていないので地面には浸み込まず、小屋前の水もかなり細くなってしまった。これでもホースへ入らず逃げてしまっていた水を集める作業をして、作業前よりはいくぶん出るようになったとのことだ。
竜門小屋といえば冷やしてあるビールがテンポよくクルクル回るのを見られるのが一つの楽しみなのだが、今日は水の勢いがないのでいまにも止まりそうなくらいのゆっくりな回りかただ。
水の連峰、朝日でこれだけの渇水なのは驚いたと同時に狐穴の水の豊富さには恐れ入った。名残惜しいが今日中に帰るとなると、そうそうゆっくりもしていられなくなってきたので下山にかかる。
竜門山までがとても長く感じた。
益々日差しが強くなり、いつもはユウフンまで鼻歌交じりに進むが、今日は暑くて足が止まりがちだ。そんな我々の軟弱さを笑うかのようにツバメがヒューンと風切り音を出してすぐそばを横切っていく。いくら暑くてももう秋だ、燕さんは南の国へ渡るための飛行訓練に一生懸命だ。
登ってくる人と何人かすれ違ったが、下りでもきつい暑さだ。ここまで登ってくるのはさぞかし大変だったろう。それに比べれば我々は下りなのだからと自らを励まして清太岩山へようやくたどり着いた。
清太岩山でタクシーの迎えの予約をする。(日暮沢〜テルメ柏陵 10300円)
当初はいつも通り銘水館へ出るつもりだったが、銘水館へ出るのと左沢へ出るので料金はさほど変わらない。料金と時間を考えても左沢へ出た方がその後の交通の便がいいのと時間をあまり気にしなくて済むので左沢へ出ることにした。
これが正解で、のんびり降りても時間に余裕を持ってお風呂(
テルメ柏陵)に入れ、迎えに来てくれたタクシーの運転手さんは話題豊富な面白い方で一時も退屈することがなかった。テルメ柏陵から寒河江駅までもあまり距離はないので左沢線の本数が増える寒河江駅までタクシーで出る。寒河江ではちょうど御祭を催していた。乗り継ぎもうまくいき、銘水館へ出た場合とさほど違わない時間に山形駅へ着くことができた。(テルメ柏陵から寒河江駅までタクシー約2300円)
以前気に入ったお店は定休日だったので、パッと目に入ったお店へ飛び込んだが当たりだった。
条件と運に恵まれた朝日の沢旅の沢山の思い出を抱えて乗り込んだ最終の新幹線も、連休中日のお陰か空いていて快適だった。
遠足のときによく学校の先生に言われた「おうちに帰るまでが遠足です」の言葉をきちんと守って無事帰宅して朝日の沢旅の幕を下ろした。
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小国沢が八久和川へ出合う瞬間 |
本流はちょっとした淵も大きくて深い |
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茶畑沢が滝をかけて入る |
前回泳いだ自然プール、今回は右の岩棚上を通過 |
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平七沢出合の快適そうなテンバ |
岩屋沢出合までも淵が連続して以外に時間がかかる |
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岩屋沢出合手前の右岸にあるテンバ |
オツボ沢出合の大淵 左岸の長い巻き道を使って通過 |
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コマス滝は右に曲がった奥にあるらしく見えない |
呂滝下のテンバ |
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呂滝に思いを馳せる |
呂滝上から 後ろ髪を引かれる思い |
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奥の滝は巻かずに登った |
左をへつって滝に近づいた |
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西俣沢出合手前の草の台地 |
西俣沢出合 |
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東俣沢中俣沢出合 |
中俣沢に入ると立て続けに滝が続く |
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この2段の滝を巻くのに時間がかかった |
泳いでから這い上がるのに一苦労(9:25) |
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15m滝 灌木を頼りに左壁を直登した(9:28) |
モコモコさんが泳ぐ |
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とても楽しい |
10:26 |
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底抜けに明るくてきれいな沢だ |
10:38 |
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登れずに巻いた(10:43) |
しばらく快適に登れる滝が続いた(11:27) |
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この滝を登る人もいるが、我々はこの滝から大高巻きに入った(11:33) |
大高巻き途中から先の連瀑帯が見えた(12:55) |
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お助け紐を連結して懸垂下降(13:17) |
10m滝落ち口から下を覗いてみた(13:27) |
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CS小滝(13:27) |
S字のゴルジュには雪渓はなかったラッキー(13:32) |
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大高巻きと連瀑帯の間の癒し 雲行きが怪しくなってきた(13:43) |
今にも泣き出しそうな空の下を急いで登る(13:52) |
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ここの巻きでピンソール事件発生 |
二俣(14:35) |
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ここから一気に巻いた |
できるだけ離れないように巻いた |
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いつもならモコモコさんにザイルを出しただろう |
一度沢床に降りて水流を渡り対岸を登る |
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連瀑帯の終了の目途が付いた(15:29) |
下を見ると一気に登ってきたことが良く分かる |
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これを巻き越せば・・・ |
一気に源流の雰囲気(15:59) |
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快適に登れる小滝が続く |
明るいうちに小屋に着けそうだ |
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滝らしい滝はこれで最後(16:29) |
源頭部はナメが続く |
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石があって、ナルミズ沢とは違った趣がある |
とうとう狐穴小屋へ抜けた 感動のフィナーレ(17:08) |
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渇水をものともせず豊富な水が得られる最高の場所 |
今日もいい天気 以東岳が良く見える |
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